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テーマ:動物愛護(608)
カテゴリ:保護家の仔達
「いのちのはうす保護家」で 12年間、良縁を待ち続けた 【のぶ代】という犬がいます。 そんなのぶ代に… ![]() 「血管肉腫」悪性癌がみつかりました。 余命三ヶ月 のぶ代に突き付けられた現実でした。 のぶ代は、この12年間 共に歩んできた仲間でもありました。 ![]() ~ そんなのぶ代の軌跡を書きます ~
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 2010年8月23日 動物保護管理所に、 母子犬が収容されていた。 ![]() 母犬は言った。 「人間なんて信用してないからっ!」 ![]() 「もちろん、あんたの事もね」 ![]() 母犬は、毅然とした態度を 一度も崩さなかった。 本来ならば、収容された犬は 管理所の殺伐とした雰囲気に 怯えたり、吠えたりすることが多々あるが、 この母犬は、表情一つ変えることなく いつも冷静だった。 ![]() おそらく… 暗くて冷たい場所に慣れているのだろう ![]() 管理所のような劣悪な環境で 生きてきたのだろう 私は…管理所に通った 母犬のことをもっと知りたい! 母犬と真剣に向き合いたい! そう思ったから。 ![]() 母犬の殺処分前日まで レスキューを迷っていた。 だけど… どうしても、どうしても、 答えが出せなかった 母犬の目に、 譲渡の難しさを感じたから。 ![]() 母犬の譲渡は厳しいだろう… もし、譲渡がずっとずーっと決まらなかったら、 私は、母犬の人生を 一生背負っていけるのだろうか? ![]() 母犬と出会った当時の私は、 施設を起ち上げてまだ5ヶ月だった。 ![]() 水も電気もない掘っ立て小屋で、 メンバーも二人しかいなかった。 ![]() 時間、お金、人手、 全てが不足していたあの時代に この母犬を一生涯抱えることに 自信がなかった… 「命を助ける」とは 助けた命の責任を どこまで背負える覚悟があるか…だ。 12年経った今でも、 この理念は変わっていない。 2010年9月1日 母犬が殺処分される日… ![]() 私は、管理所に向かっていた。 「レスキューできる?できない?」 答えなんて出ていなかった。 でも! 「生きて欲しい!」 これが答えでも良いじゃないか! そう思ったんです。 だって… 管理所に通うたび、 会えば会うほどに、 母犬は、私の声に 耳を傾けるようになっていった。 ![]() 母犬は、私のことを信じようとしてくれた だから… ![]() 2010年9月1日 母犬と、母犬の子供たちと一緒に 管理所の門を出た。 そうして… いのちのはうす保護家第二期生! のぶ代の誕生だ!! ![]() 無表情で感情を表に出さないのぶ代は、 徐々に「自分」を出せるようになっていった ![]() のぶ代が、動物保護管理所で 一生けんめい守った我が子達は、 それぞれに譲渡が決まり、 「いのちのはうす保護家」を 次々と卒業していった。 ![]() 我が子達の旅立ちを見届けた後、 のぶ代に避妊手術を受けさせたが… ![]() 明らかに気持ちが落ちていた。 「なぜ?…」疑問と怒りが のぶ代から伝わってきた。 ![]() 子供が産めない体になったことに 気付いたのだろうか? いや、そんなことあるはずない。 だけど、これだけは断言できる。 子供を産んで育てることが のぶ代の「生きる意味」だったのだろう。 ![]() 子供を産んで育ててるときだけは、 1人ぼっちじゃなかったのだろう… のぶ代を見てると そう感じずにいられなかった。 ![]() 孤独の中で生きてきたであろうのぶ代… ![]() だけど、もう1人じゃない! たくさんの仲間がいるんだから! ![]() 避妊手術をきっかけに 一度は心を閉ざしたのぶ代だったが、 犬たちの協力もあり、 本来の明るい姿を 見せてくれるようになった。 ![]() 心のケアも終わり、 譲渡できるまでに来れたと 譲渡会にも積極的に参加していくが、 まったくもってお声がかからない… ![]() 原因は分かっていた。 のぶ代との信頼関係が築けば築くほど 他の人間を拒絶するようになってたから…。 お世話する人間が少人数だと たまにこういう現象が起きてしまう。 当時は、私ともう一人のスタッフ 二人だけだったから… ![]() ~ 2012年1月 ~ ![]() 電気も水もない劣悪な環境にある 「いのちのはうす保護家」は… ![]() 犬猫を引き連れ 新天地へと大移動! みんなと同様に、のぶ代も 新しい環境に喜んでくれると思っていたが… ![]() 敷地が広くなったことで、 レスキュー頭数が増えたことにより、 気持ちと力の弱いのぶ代の順位は どんどん下にスライドしていき、 いわゆる「下位犬」となった。 ![]() 「下位犬」は、決して可哀想ではない。 上位犬に従い、可愛がられることで 我が身を守ってもらえるし、 気負わずリラックスした日々を送れるのだから。 ![]() だけど、のぶ代にはプライドがあった。 「絶対に下位犬になりたくない!」 「いつかリーダーになりたい!」 心に抱きながら二年間、 いのちのはうす保護家で過ごしてきたが… ![]() 強者揃いの犬たちの中で、 太刀打ちできないことを のぶ代自身、悟ったというのに… どうしてもプライドが邪魔してしまい ギリギリのところまで来ないと 服従することができなかった。 ![]() 四六時中群れを監視する余裕がないため、 のぶ代を通称「弱組」の群れに 移動するしかなかった。 ![]() プライド高いのぶ代にとって 老犬や子犬の「弱組」に入るということは 屈辱的なことだろう… のぶ代のメンタルを心配していたが… ![]() 「弱組」の犬たち皆、 穏やかな子達ばかり。 弱いけど強がっちゃう… そんなのぶ代のことを 皆が優しく受け入れてくれた。 ![]() 紆余曲折あったが、 二年間、弱組で過ごした後、 「強組」へ返り咲いた。 ![]() 「強組」の中でも隅っこの 二軍の定位置ではあるが、 決して一軍の座を諦めてはいなかった。 ![]() 結果的に… のぶ代は二軍から抜け出せなかったが、 「下位犬」としての幸せの意味を のぶ代は自分で見い出せた。 ![]() プライドを捨てたのぶ代の勇気に 拍手を贈った。 ![]() もう、何も気負うことなく 自分に正直に生きるのぶ代に 譲渡への扉が開きますように… ![]() そう願う日々だったが なぜだろう…? 譲渡の一歩手前まで話が進むのに、 いつも候補に挙がるのに、 最終的に、他の子に譲渡が決まる。 ![]() 「今日もまたダメだったね…」 「次こそは頑張ろうね!」 このセリフを何度口にしたことか… ![]() ご縁がないまま のぶ代は年を取っていった。 ![]() もう譲渡は無理だろう… それならば! 「いのちのはうす保護家」を 終の棲家にすれば良いだけだ! ![]() 寝たきりになったら、 ホスピス棟に移動して 穏やかに余生を過ごせば良いだけだ! そう思ってた矢先… ![]() 「血管肉腫」悪性癌がみつかった。 ![]() 余命三ヶ月 のぶ代に突き付けられた現実だった。 ![]() 私は、自分でも驚くほどに冷静だった。 現実を受け止められなかったのだと思う。 ![]() 12年間、一緒に生きてきたのぶ代だから、 三ヶ月後にいなくなるなんて 一ミリも実感がわかなかったが、 日に日に弱ってくのぶ代を見て 悲しい…というよりも、 胸がえぐられるような 悔しい気持になっていた。 ![]() のぶ代自身の気持ちが落ちると、 衰弱するスピードが加速してしまう… 「少しでも長く生きて欲しい」 とは言わないし、思わないけど、 最後まで…最期の時まで のぶ代らしく生きて欲しい! ![]() 最後まで…最期の時まで 自分の足で立ち、歩いて欲しい! 「まだ自分で立てるやろ?」 補助しながら立たせたり、 活性をあげるために いつも通り接していこうと決めた。 ![]() 最期の時まで のぶ代らしく生きれるように… ![]() 時間が経過し、 今現在(8/4)余命二ヶ月になった。 だけど、受け止め方を変えた。 「もう二ヶ月しかない…」 ではなく 「まだ二ヶ月ある!」 突然お別れするのではない! お別れする時間は、二ヶ月もある! ![]() 体が動いて食欲があるうちに 美味しいものいっぱい食べて、 会いたい人に会っておこう! ![]() この二ヶ月を、楽しんで過ごそう! のぶ代に楽しんでもらおう! ![]() 12年前、動物保護管理所で のぶ代と出会ったとき 「譲渡は厳しい子」だと感じた。 だから、ギリギリまでレスキューを迷った。 ![]() 予想通り、譲渡はできなかったけど、 12年前の殺処分当日に 答えが出せないまま 車を走らせたこと、 あんたをレスキューしたことを 後悔したことなど一度もないからね! ![]() だから… 最終章も、後悔のないお別れにしたい。 ![]() ~のぶ代へ~ まわりを見て欲しい! 12年前からのぶ代を支えてくれた 支援者さんはたくさんいるんだよ? あんたを想ってくれてる人は 全国にたくさんいるんだよ? だって…12年だもん! 電気も水もない保護家から 一緒に這い上がってきたんだから! あんたに本当の家族を みつけてあげれんかったけど、 あんたを想ってくれてる人は 全国にたくさんいるんだから 自信をもって欲しい! 自分は愛されてた… そう自信を持って生きて欲しい。 ![]() 最期の時まで みんながついてるんだから… ![]() のぶ代にはもう二ヶ月しかありませんが、 ご支援ご協力を どうかよろしくお願い致します ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ![]() ![]() ![]() ![]() ご支援ご協力を どうかよろしくお願い致します ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年08月04日 21時23分25秒
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