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テーマ:猫の病気と治療日記(296)
カテゴリ:介護と看取り
「会って欲しい猫がいる」 12月28日愛護センターから連絡が入る。 毎年、仕事納めの恒例だから 今年も来るな…覚悟はしていた。 衰弱した「コノミ」という老猫。 ![]() 若い頃はさぞかし フワフワとした美しい毛並みで 高貴なひとだったんだろう… 若い頃はさぞかし 力強い瞳で 見る人を魅了してきたひとだろう… 高貴な毛並みは バサバサで毛玉だらけになり、 自慢の瞳は、脱水でくぼみ 抵抗する気力すら感じれなかった。 「もう好きにすれば良い!」 と、言わんばかりだった。 ![]() 看取りしか残されてない、 看取るためだけのレスキュー。 コノミは、保護家の隣棟、 療養の家(旧・看取りの家)へ入居した。 症状からして腎不全からの衰弱だろうな… 「死」は避けられないと 分かってはいながらも、 何もしてあげれないと 分かってはいながらも、 まだまだ、あがいてみたいと思った。 私が…そう願った。 ![]() コノミは、これ以上生きることは 望んでいなかった。 目の前の時間を必死に生きている… 今を生きることに精一杯だった。 でも… あがいてみたかった 最期のときまで あがいてみたかった。 「生きたい!」 「意思」というものはときに、 医学では証明できない とてつもない力を発揮する。 それが「奇跡」なのかもしれない… だからコノミも…? もしかしたら…? わずかな希望に賭けてみたい! 病院へ連れて行った。 ![]() 歩行にも違和感があり、 「まだ何か出来る事があるのでは?」 こんなに弱ってる体なのに 採血して血液検査を望んでしまったが… 腎不全末期 わずかな希望は打ち消された。 ![]() レントゲン写真を見て驚愕した。 右の大腿骨は腸骨に刺さるように固まり、 左の大腿骨は外れたまま固まっていた。 おそらく交通事故だけど、 昨日今日の交通事故ではない。 痛みを抱えたまま どれほどの時間を 戦ってきたのだろう… ![]() 会いたかった… もっともっと早くに会いたかった! こうなる前に、 まだまだ「できる事」があるうちに 出会いたかった… 2022年12月30日 もう目は見えていない コノミから視界が奪われた。 ![]() 動く力も残ってないはずなのに よろめきながら懸命に立ち上がり 這いずるように歩き出した先には… ![]() もう良いんだよ? おしっこもうんこも 寝たままで良いんだよ? 前足で必死に体を支えながら おしっことうんちを トイレで出そうとしてた。 条件反射で手を貸そうとしたが… その手を引っ込めた。 コノミ自身が望み動いたことだから 邪魔をしちゃいけないんだろうな…って。 ![]() コノミをレスキューして ずっと探してた「私ができること」… ようやく答えにたどり着けた。 それは… 「コノミを尊重する」 「コノミの尊厳を守る」 だった。 2022年12月31日 偉そうなこと書いてるけど… コノミだけと寄り添う時間すら、 与えられる立場ではなかった。 スタッフやボランティアさん帰宅後の 夕方~翌朝の時間が 母家にいる老犬達の介護が中心だから。 (今は寝たきりの介護犬は3匹だけ) ![]() 療養の家と母家を 行き来はしてたけど、 コノミにとっては、 都合良かったのかもしれない。 私にずっと側にいられるより、 ずっと見られているより、 リラックス出来るんじゃないか?って。 いや…違うな… 自分の都合良いように解釈しようと 言い訳じみた思考に持っていっただけだ。 AM9:30 出勤したスタッフと交替。 「おはよう!コノミさん!」 パタパタと左手を上下に動かし、 軽い発作がはじまった。 お別れの時が来たのだと悟った。 本当は「ありがとう」「大好き」… 良い言葉をかけたかったのに、 「ごめんね」しか出てなかったと思う。 ![]() 2022年12月31日 9時50分 下顎呼吸もなく、 呼吸が激しく乱れることもなく、 まるで眠るように… 静かな最期を迎えた。 おこがましくて恥ずかしいけど、 勘違いかもしれないけど、 私が帰宅するまで 頑張って待っててくれたような そんな気がした。 ![]() 荼毘に付すまで トイレを片付けられなかった。 コノミのうんこさえも愛おしく思えて… コノミが力を振り絞って頑張った 証のように思えて… ![]() 人間の価値観なんだろうけど… 一緒に年を越したかった。 2023年…1分でも1秒でも良いから 一緒に今年を迎えたかったな。 別に意味はないけど なんとな~く… ![]() 2023年1月1日 コノミは荼毘に伏されました。 「おかえり!コノミさん!」 ![]() きっと、美形だっただろうに… 衰弱した写真しかなくてごめんねコノミ。 コノミ… また会いたいけど、 もう会いたくないよ。 コノミと私は、 二度と出会っちゃいかんのだよ… 私と出会う=不幸な犬猫 だからね… 幸せな犬猫は、 私と出会わないのだから。 生きてる時空が違うのだから。 バイバイ…コノミさん! ![]() 「私ができる事」…出来たと思う。 その瞬間がきたら、 点滴や水分を介護する側が コントロールして 苦しませない最期を 迎えさせること。 「枯れて死ぬ」 死への準備が始まった体に 決して逆らってはいけない。 眠るような安らかな最期であるために… 「犬猫保護施設・いのちのはうす保護家」 YouTubeチャンネル登録 よろしくお願いします ![]() ![]() ご支援ご協力を どうかよろしくお願い致します ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座0104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年01月04日 16時08分21秒
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