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夢工房 『浩』~☆”

夢工房 『浩』~☆”

シンデレラ

『継母』シンデレラ!これから私と娘たちはお城の舞踏会にお呼ばれでいくから、
あとをしっかりたのむわよ。

『シンデレラ』はい、おかあさま。
『長女・次女』車の洗車もね。ワックスもやってよ。
『シンデレラ』はい、おねえさま。

シンデレラは家の外で継母やお姉さんたちを見送った後で、この間の魔法使いのことを思い出します。
『シンデレラ』そろそろ魔法使いが来る頃だわ。
『魔法使い』にょろにょろにょろ~ん、うわさをすれば来たわよ。
あいかわらず、嫌味な姉妹だねまったく。
『シンデレラ』でも暴力を振るわれないだけましだわ。
身寄りのない私をこうして置いていただけるだけでも感謝してますから。
『魔法使い』なんて、心のきれいな娘さんじゃ。
きっと、お城でも一番の華やかさが娘さんからでるじゃろうて。

魔法使いは用意しておいたミニカーを魔法で大きくしました。
リムジンでした。運転手はサンダーバードの運転手のお人形を使いました。
そして、魔法の杖でシンデレラの着ている洋服をパリの一流デザイナー真っ青の素敵な
パーティードレスにしました。

『魔法使い』約束は覚えてるな?12時を超えたら魔法は消えてしまうんじゃぞ。

『シンデレラ』はい。魔法使い様。

貴婦人がするようなお辞儀をしてシンデレラは出かけました。

お城ではゴージャスに舞踏会が執り行なわれていました。
王子様目当てにきている奥方も多く、自分のことのように王子様に熱い視線を送っています。
『継母』さあ、娘たち! 今晩の舞踏会では精一杯王子様に近寄って踊りのお相手をしてもらいなさい。
そのためにダンススクールにも通わせたんだからね。
踊りが始まりました。
王子はいろんな良家のお嬢様を紹介されたり、奥方に踊りを付き合わせられたりして
いささかおつかれのようです。
バルコニーのところで夕闇に包まれる街並みを眺めていました。

そこへ、リムジンが到着しました。
運転手がうやうやしく、シンデレラの座席のドアを開けていました。
なかからは、輝くような素敵な女性が降りてきます。

王子は一目見るなり舞踏会に戻らず、二人でドライブに行こうと思いました。
王子を包み込んでくれそうなあたたかいオーラでも見えたのでしょうか。

『王子』その車いいね。君のうちの?

『赤ずきん』いいえ、レンタカーよ。今晩12時までしかのれないの。
『王子』正直でいいや。ね、もしよかったら二人でドライブにいかない?
運転手さんにもやすんでもらっていいし。

2人はお話をつくり外に出かけていなくて、舞踏会で踊っていたことにし
ドライブの後、シンデレラはガラスの靴を階段で踏み外したというふうに
しました。
石の階段を踏み外してころがって割れたりしたら、本当は危険ですよね。

おしまい。


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