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夢工房 『浩』~☆”

夢工房 『浩』~☆”

雪の日

小学校1年の頃、父は東京で起業した。

陶器の会社だった、事務所兼自宅は新宿だった。

小学校の鉄棒から落ちたのもこの頃。

ある日、父がいない時車に乗って遊んでた。

突然、動き始めてしまった。――― そう、坂に止めてあったのでサイドブレーキ

を下ろしてしまったか、ギアをニュートラルにしてしまったんだろう。

坂道を、小さい子供が乗った車落ちていった。

おぼろげながら、父が車にダッシュでかけてきた、助手席側のドアを開けサイドを

引いて事なきを得た。

中学生くらいになってこの話を聞いた。

父の体には、そのときついた傷が残っていた。

また、ある日の事。父が長い出張で留守だった。

昼間、学校から帰った私がみたものは母と従業員の情事だった。

母から内緒にしてといわれても、ちいさい男の子には意味も分からなかった。

父に言った。

それから修羅場が続き、父と母は離婚した。

その後、酒に溺れるようになった父。

経営も悪化し倒産した。

私は青森の実家に預けられたまま、ばあちゃんっ子で育つ事になる。

ある雪の日、友達の家に遊びに近所の同級生と出かけた。

途中、男の子が女の子を両手で押し倒した。

女の子は雪だまりの中にころがった。

僕は男の子になんでこんなことするんだ!と叫んだ。

遠い雪の日だった。


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