夢工房　『浩』～☆”

城山の見える町

小学中学年の時、父が再婚した。

S県と、K県の境にある町だった。

あたらしい母さんを紹介された。

ただなかなか、お母さんと呼べなかった。

お兄さん､お姉さんもいっぺんに出来た。

そして躾に厳しかった。

食べ物は粗末にしない等。

その当時、学校の給食で出されたチーズが大の苦手だった。

泣き泣き食べていて、しまいに先生もあきらめてくれた。

小学校は山の中腹にあった。

帰りは城山や海をみながら下りてくる。

このあたりは観光地、景色はよかった。

十国峠もよかった思い出がある。

家での食生活は豊かになった。料理が上手な母だった。

しかし、なぜか１年位でその街を離れなければいけなくなった。

生みの母が親権を要求し、青森へ行く事になったからだ。

せっかくできた友達とも、それっきりになった。

城山が見れなくなった。