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■ジャズの歴史(その3)■

January 30, 2007

■History of Jazz ジャズの歴史(その3)■

●ジャズはラグタイムから始まった

ラグタイム(ragtime)とは・・・

・・・1880年代からアメリカのミズーリ州を中心におこったピアノ音楽。
作曲家、演奏家に黒人が多く、*シンコペーションが多用された。
19世紀末から20世紀初頭にかけ、音楽のジャンルとしてアメリカで流行した。
ジャズの前身とされるが、即興演奏は行わない。

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19世紀末の1880年代ごろ、アメリカ合衆国中西部のミシシッピ川沿いの内陸で、
ニューオリンズの北部に位置するミズーリ州を中心に、
黒人ピアニストの間で発生したとされる独特のピアノの奏法をラグタイムといい、
それは、ジャズの発祥に大きな影響を与えました。

奴隷から解放された黒人たちが、しだいにピアノを手にして弾くことができるようになり、
自分たちのワークソング、霊歌などをピアノで演奏するようになりました。
そのときに生まれたピアノの奏法がラグタイムといわれる、
それまでの西洋音楽(クラシック音楽)とは違ったスタイルの音楽で、
のちにジャズになるもとになったとされる音楽です。

ラグタイムの「ラグ(rag)」とは「ボロ」、「断片」、「不揃い」とか「デコボコ」というような意味ですが、
音符を小節の中にきちんとはめ込まず、
わざわざ伸ばしたり縮めたりして、リズムをずらしたようにして演奏します。
これは*シンコペーションというもので、ジャズの特徴的なリズムを生み出すもとになっています。

ラグタイム・ピアノは、メロディーは西洋音楽(クラシック音楽)的でありながらも、
リズムは、このシンコペーションを効かせたアフリカン・アメリカン(アフリカ黒人)的なものという基本的な特徴をもち、
特に、それまでの西洋音楽と比べると、このシンコペーションのリズムが重要な要素ということになります。

ピアノ奏者で作曲家のスコット・ジョプリンは、
1899年に「メイプル・リーフ・ラグ(Maple Leaf Rag)」という曲を作曲し出版しました。
この楽譜は1年で100万部も売れるという大ヒットになり、ラグタイムが知れ渡ることになりました。
これは、白人音楽と黒人音楽の融合が形になった最初の形式といえるもので、
ラグタイムの完成形と考えられています。
それにより、スコット・ジョプリンはラグタイムの確立者ということで、
「ラグタイム王(King of Ragtime)」と呼ばれるようになりました。

コルネット奏者のバディ・ボールデンも、ピアノレスでしたが、
自らのバンドを「ラグタイム・バンド」と名打って、
1890年代末にニューオリンズで大活躍し、初代のジャズ王(King of Jazz)と呼ばれています。

ラグタイムは20世紀初頭のアメリカ全土で音楽のジャンルとして流行したため、
このスタイルの楽曲や「ラグ」または「ラグタイム」と名のつく楽曲が、
「ポピュラーソング」として第一次世界大戦後まで好んで歌われます。
ラグタイムは、もともとはピアノの奏法として始まりましたが、
それが大衆に広まってくると「ポピュラーソング」として歌曲も多く作られるようになり、
当時、短時間しか録音できなかったレコードやピアノロール、
短時間しか再生できなかった自動ピアノなどに取り入れられ、
アメリカの20世紀文明とともに急速に広まりました。

このラグタイムには、多くの作曲家やミュージシャンなどが影響を受けました。
アメリカ全体のポピュラー音楽もラグタイムに触発されたために、
それまでのヨーロッパ的ではない、真のアメリカン・ポピュラーソングが誕生することになり、
その後の発展があるのだと言えると思います。

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【参考】
*シンコペイション(syncopation)とは・・・

同じ音程の弱拍と強迫がタイで結ばれることにより、本来の弱拍と強迫が逆になるリズムのこと。
要するに、4拍子の場合、本来は1拍目と3拍目が強迫であるが、
シンコペイションでは、2拍目や4拍目の弱拍であるところにアクセント(強い音)がくるようになる。
言い換えれば、2拍、4拍目のウラというところにアクセントが来るリズムということで、
これが「ジャズ」では基本的なリズムの要素ということになる重要なもの。

Last updated March 24, 2008

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