■ジャズの歴史(その20)■February 16, 2007■History of Jazz ジャズの歴史(その20)■ ●モダン・ジャズ・ピアノの幕開け ビバップ革命とともにモダン・ピアノの歴史が始まる・・・、 ・・・そんなビバップ革命を生きた二人のジャズ・ピアニスト。 バド・パウエルとセロニアス・モンク 1940年代に入ると、 コマーシャライズされたスウィング・バンドでの仕事に飽き飽きしたジャズ・ミュージシャンたちが、 アフター・アワーズのジャム・セッションに興じるようになりました。 その中からアルト・サックス奏者のチャーリー・パーカーとトランペット奏者のディジー・ガレスピーを中心として、 ビバップ(バップ)と呼ばれるジャズの革命的スタイルが生まれます。 ビバップはメロディー、ハーモニー、リズムという音楽の要素すべての表現領域を広げ、 感情のおもむくままのエモーショナルな即興演奏を主体に行うというコンセプトを持ち、 その結果、これまでにない高度なテクニックの上に複雑な音楽が生み出されました。 この流れに加わったピアニストは、基本的にストライドなどの伝統的奏法を身につけていた上で、 ビバップの要素を自分のスタイルで取り入れて、個々のスタイルを築いていきました。 中でも突出した存在がバド・パウエルでした。 彼は、まさにピアノのチャーリー・パーカーとして、同世代や後進のピアニストに絶大なる影響を与えました。 パウエルの無駄なく効果的にコード・プログレッション(和音進行)を配する左手、 あふれるイマジネーションをホーンライクで流麗なメロディー・ラインとして弾く右手という、 この演奏スタイルこそ、モダン・ジャズ・ピアノ奏法の原点になりました。 この天才パウエルを見出し、何かとバックアップしたのがセロニアス・モンクです。 モンクは、ビバップの拠点となった店、『ミントンズ・プレイハウス』の専属ピアニストで、 彼は、伝統的なハーレム・ピアノを独自に発展させたスタイルを築きあげていて、 それはビバップ・ピアノというものとはまた違う、独特のユニークなものでした。 モンクの演奏はパウエルをはじめ、周りの多くのジャズ・ミュージシャンたちに刺激を与えていたものの、 ビバップの流れの本流には乗れない“異端児”とも言うべき、あまりにも独創的、個性的なもので、 さらに性格的にも個性が強すぎるなどの理由が加わって、 圧倒的に支持者が多く、一派をなしたパウエルとは対照的に、 モンクは長い間、わが道を行く“孤高のピアニスト”という存在でした。 1950年代の半ば頃になって、ようやく仕事に恵まれるようになり、 そのユニークなスタイルの重要性、才能が認識され始めました。 それからというものは、モンクの影響はピアニストに限らず、 ジョン・コルトレーンなどの他の楽器プレイヤーにも及び、 その影響は、その後、ますます大きくなっていくものでした。 Last updated April 10, 2008 ■History of Jazz ジャズの歴史(その19)■ ■History of Jazz ジャズの歴史(その21)■ ![]() 【ジャズ】人気blogランキングへ ジャンル別一覧
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