2653877 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

All The Things You Are

■ジャズの歴史(その40)最終■

March 20, 2007

■History of Jazz ジャズの歴史(その40)最終■

●クロスオーヴァーはフュージョン(Fusion)に改名

●コンテンポラリー・ジャズの隆盛

モダン・ジャズの衰退

1960年代の後半より、電気楽器やロック的な奏法を取り入れた、新しい演奏スタイルのジャズが出現します。
トランペット奏者のマイルス・デイヴィスが、
1969年にアルバム『イン・ア・サイレント・ウェイ(In A Silent Way)』で、その新しいスタイルを模索し、
1970年に発表したアルバム『ビッチェズ・ブリュー(Bitches Brew)』で、そのスタイルを完成させました。
それは、1970年代中頃からは「ジャンルが交差して越える」という意味の「クロスオーヴァー(クロスオーバー)」と呼ばれ、
こうしたマイルスのスタイルは、彼のバンドで活動したメンバー、
いわゆるマイルス・スクールの卒業生たちによって、さらに広げられていくことになりました。
サックスのウェイン・ショーターとキーボードのジョー・ザヴィヌルが1970年暮れに『ウェザー・リポート』を、
キーボードのチック・コリアが1972年に『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を、
キーボードのハービー・ハンコックが1973年に『ヘッド・ハンターズ』を結成するというように、
クロスオーヴァー・ジャズのグループが次々誕生していきます。

ピアノ奏者は、アコースティック・ピアノからエレクトリック・ピアノやシンセサイザーといった、
エレクトリック・キーボードを使うようになり、音色や奏法などに変化が見られましたが、
同時に、ギターの分野にも変化が見られ、
それまでのジャズ・ギター奏法よりも、よりロックっぽいエレキ・ギターの奏法が取り入れられ、
ジョン・マクラフリン、リー・リトナー、ラリー・カールトン、スティーヴ・カーン、パット・メセニーといった
ギター奏者が人気を集めるようになったのも、そのジャズのスタイルが語る特徴と言えるでしょう。

また、このシーンでは、デヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、グローヴァー・ワシントン・ジュニア、
ジャコ・パストリアス、スティーヴ・ガッド、ジョージ・ベンソンなどのスター・プレイヤーも生んできました。

次々に、このようなスタイルのグループがジャズ・シーンの表舞台に出てくるようになりますが、
1980年代に入ると、「ジャンルが交差して越える」という「クロスオーヴァー」という呼び方から、
「他のジャンルと融合した音楽」として「フュージョン(Fusion)」という新たなジャンルで呼ばれるようになり、
今まで「クロスオーヴァー」と呼ばれていたジャズ系ミュージシャンやグループは、
さかのぼって「フュージョン」というジャンルの呼称に改名されるようになり、
現在ではジャズのジャンルにおける「クロスオーヴァー」という名称は、事実上消滅した形になりました。

1990年代より現在では、フュージョンから派生したもので、よりポップ性を持たせ、ソフィスティケイトされ、
大衆により聴きやすくなった「スムーズ・ジャズ(Smooth Jazz)」というスタイルが、
アメリカのラジオ局を中心に人気になっています。

「フュージョン」は1960年代後半にリズム&ブルース、ソウルと融合した「ソウル・ジャズ」の表現から発し、
ロックと融合した「ジャズ・ロック」、ファンクと融合した「ジャズ・ファンク」、
CTIレーベルに代表される「イージーリスニング・ジャズ」、
それら、すべてを包括したようなマイルス・デイヴィスの「エレクトリック・ジャズ」の表現であり、
とにかく新しい感覚を自分の表現に加味しようとした好奇心豊かなプレイヤーたちの手によって、
同世代のポップ・ミュージックと同じステージで受け入れられるものを求め、
ジャズ・シーン全体がそうした方向へと進んでいくことが、商業的にも求められました。
そのため、それまでのジャズの主流のスタイルだったモダン・ジャズは、
ジャズ・シーンのみならず、音楽シーン全体の奥へと追いやられることになりました。

アメリカの2大ランキング・チャートのうちの一つであるビルボードにおいては、
「フュージョン」や「スムーズ・ジャズ」は、
「現代風のジャズ」という意味の「コンテンポラリー・ジャズ(Contemporary Jazz)」に分類されており、
ビバップ以降、フリー・ジャズまでの時期のジャズ・スタイルの「モダン・ジャズ」と区別しています。

Last updated December 20, 2008

■History of Jazz ジャズの歴史(その39)■

にほんブログ村 音楽ブログ ジャズ・フュージョンへ

【ジャズ】人気blogランキングへ


Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.