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2011/08/03(水)11:26

JAZZの愉しみ 初心者入門編 ◆第3回目講座 2011年6月30日(木)◆1/2

Jazz Memorandum(259)

静岡市西奈生涯学習センターのジャズ講座「JAZZの愉しみ 初心者入門編」 第3回目を6月30日(木)に行いました。 第3回目は「ジャズ用語の解説」です。 ジャズで使われる用語の解説を、実際の演奏も交えて解説しました。 以下、配布資料 ---------- ジャズ用語解説 ■インプロヴィゼーション(improvisation) 英語で自分の意のままに自由に演奏すること。即興演奏。 ■アドリブ(ad lib) ラテン語のアド・リビトゥム(ad libitnm)の略で、 「随意に」、「自由に」という意味。ジャズのソロでの即興的な演奏のことをいう。 「インプロヴィゼーション」と「アドリブ」はほとんど同じ意味で使われる。 使い分けをするとすれば、インプロヴィゼーションはジャズの演奏の全体的な即興のことをいうのに対し、 アドリブの方は演奏の中で演奏者のソロ演奏に対していう場合が多い。 たとえば、「ジャズでソロをとる」ということは、 曲中で一人が(伴奏の有無にかかわらない)思いのままの演奏をすることをいい、 このときのことを「アドリブ」をすると言う。 ■フォー・ビート(4ビート)(four beat) 1小節を4等分で刻み、演奏するリズム形態、または、そのリズム形態の曲。 ■アフター・ビート(after beat) ■オフ・ビート(off beat) 4拍子の強拍は1、3拍目だが、弱拍、つまり2、4拍目にアクセント(音を強くする)をつける、 ジャズの基本的な拍子のとり方。 「うら打ち」ともいう。 ■バウンス(bounce) 語義は「弾む」、「跳ねる」、「バウンドさせる」。 音符を弾ませて演奏することをいう。 演奏標語として表記されている場合は、楽譜に記されている8分音符をスウィングするように変えて、 弾ませて演奏する。 具体的に楽譜の冒頭に音符で表示してある場合もある。 ジャズの場合は、アフター・ビート(オフ・ビート)と組み合わせて演奏すること。 ■シンコペーション(syncopation) 音を強くするところをアクセントというが、 本来アクセントをつける強拍でなく、弱い音の部分である弱拍のところにアクセントがつくように、 本来のアクセントの位置がずれるリズムのこと ジャズでは「オフ・ビート」という形になって表れる。 ■ブルース(blues) 19世紀半ば、アメリカの奴隷制度下の黒人の間から生まれた歌が、楽器を伴ってやがて定型化した音楽。 3行詞、12小節(4小節×3行)からなる楽曲。 コード進行や音階(スケール)にも特徴がある。 奴隷生活の辛さから生まれたという経緯から哀愁をおびていることが特徴で、 形式よりも、それに込められた魂がより重要とされ、世界中に根強いブルースファンがいる。 ジャズはブルースに始まり、ブルースに終わるといわれているほど、 ブルースはジャズの基本的な部分を形成している重要なもの。 また、ジャズ以外にも、アメリカン・ポップスや、ロック、ソウル・ミュージックなどの バックボーンともなった。 ジャズでいうブルースとは、主に演奏形式のことを指していい、 1コーラスが12小節の演奏形式の楽曲のことを「ブルース」という。 日本ではこれまで、「ブルース」と言い表わされていたが、本当は「ブルーズ」が正しい。 ■ブルー・ノート(blue note) ブルースの演奏で用いられる音階(スケール)を、ブルース・スケール(blues scale) あるいは、ブルー・ノート・スケール(blue note scale)というが、 その中で、その音階特有の3つの音のことをブルー・ノートという。 西洋音楽のド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、という音階に対して、 3番目の「ミ」と5番目の「ソ」と7番目「シ」の音が半音下げられた音のこと。 これはアメリカで黒人の間から自然に発生した独特の音階で、 この音が使われることによって感じる雰囲気のことを「ブルージー」と表現されるが、 それがジャズにおいても、「ジャジー(ジャズ風)」と感じる重要な音のため、 ジャズでは欠くことのできないものといえる。 「ブルース」および「ブルー・ノート」は、そのことだけで1冊の本ができるほどに奥が深いもの。 なお「ブルー・ノート」は老舗のジャズ・レーベルや、ジャズのライブ・ハウスの名前にも使われている。 ■スタンダード・ナンバー(スタンダード)(standard number, standard) 訳すと「基準」、「標準」ということになるように、ジャズ演奏の基準、標準ともなるべき曲のこと。 誰もが知っているヒット曲や、ミュージカルや映画の中で使われた曲などの中で、 さまざまな、多くのプレイヤーに、繰り返し演奏され続けている曲が、 やがて「スタンダード・ナンバー」となっていく。 ■モダン・ジャズ(modern jazz) 1940年代に起こったビバップというジャズの演奏スタイル以降の、主に4ビートのジャズのことをいう。 個人プレイの表現性に重点を置いていることが特徴。 それまでの、ダンス音楽としての要素が強かったジャズから、演奏を聴く音楽になった。 それ以前のスウィング・ジャズまでの時代のジャズと区別する意味で、 ビバップ以降のクール・ジャズや、ハード・バップなどのスタイルを総称していう場合が多い。 ■スウィング(swing) ジャズにおいて、この言葉は、大きく分けて2つの使われ方がある。 1つは、「揺れる」という意味合いから来ているもので、自然に体が揺れ動き出すようなリズム感のこと。 「スウィングがなければ意味がない」というデューク・エリントンの曲があるほどに、 ジャズにとっては重要な要素で、ジャズを定義付けるものひとつとされる。 口で説明することは難しいが、ジャズ独特の「躍動的なオフ・ビート」といわれるリズム感のこと。 「スウィング感」は良いジャズの演奏では聴いているわれわれにも確実に伝わってくるもので、 スウィングしているということは、ジャズとしての絶対条件であるといわれる。 もう1つの使われ方は、 1930年から1940年代のジャズの主流の演奏スタイルで、 1940年代から始まる「ビバップ」以前のジャズことをいう。 「スウィング・ジャズ(swing jazz)」ともいう。 ? ■ビバップ(be bop) 1940年代になって、 それまで主流のスウィング・ジャズに飽き足らない思いをしていた若いミュージシャンを中心に、 ニューヨークのハーレムのジャム・セッションから起こったムーブメント。 アルト・サックスのチャーリー・パーカー、トランペットのディジー・ガレスピーらが中心となり、 その後のモダン・ジャズの起点となった。 個人プレイの表現性に重点を置いていることが特徴。 それまでの、ダンス音楽としての要素が強かったジャズが、このときから、演奏を聴く音楽になった。 ■ハード・バップ(hard bop) 1950年代にアメリカ西海岸では、ウエスト・コースト・ジャズが全盛になった頃、 イースト・コースト(東海岸)に起こった、黒人ミュージシャンを中心とするジャズのムーブメント。 ビバップよりもエモーショナルに、 黒人のリズム感やバイタリティーをより前面に出した演奏スタイルになった。 新しい演奏スタイルというよりも、ビバップの発展というべきもの。 ■モード・ジャズ(mode jazz) 1960年代にマイルス・デイヴィスを中心に完成されたジャズの演奏スタイルの名称。 モードという音階を用いて演奏することで、 それまでの細かいコード・チェンジに沿ってアドリブをすることをなくし、 プレイヤーの自由度を広げる手法をとった。 ■フリー・ジャズ(free jazz) 言葉通り、コード進行やテーマ、アドリブなどの、ジャズの約束にとらわれない、 プレイヤーの感情や思想の自由な表現を重んじるジャズの演奏スタイル。 1950年代後半から、活動があったが、風変りな演奏をする人たちとして、 あまり注目されなかった。 1965年、ジョン・コルトレーンが、アルバム「アセンション」で、 従来のモード・スタイルから、フリー・ジャズ・スタイルに転向した頃から、 ジャズの一大ムーブメントとなった。 ? ■フュージョン(fusion) 1970年代になって、ジャズとロックが結びついたり、 リズム&ブルース、ファンクなどと融合して生じたジャズの演奏スタイル。 境界を越えたという意味で、当時「クロスオーヴァー」といわれていたが、 しだいに融合という意味の「フュージョン」という呼び方に定着した。 聴く側にとってはジョン・コルトレーン以降のフリー・ジャズとは違う、 「耳当たりのいいジャズ」となった。 ハービー・ハンコックの「カメレオン」などの大ヒット曲が次々と生まれ、 1970年代のジャズシーンはフュージョン一色になった感があった。 ■ボサノヴァ(boss nova) 従来のブラジルの音楽であるサンバにジャズ的な要素を加えて 1950年代末に、ブラジルで生まれた音楽。 それを、テナー・サックスのスタン・ゲッツがアメリカに持ち込み、ジャズに取り入れた。 スタン・ゲッツとボサノヴァの創始者の一人であるブラジルのギタリスト兼ボーカリストの ジョアン・ジルベルトとの共演アルバム「ゲッツ/ジルベルト」の中のイパネマの娘が大ヒット。 その後、ボサノヴァはジャズの1ジャンルとして流行し、定着した。 ↓ JAZZの愉しみ 初心者入門編 ◆第3回目講座 2011年6月30日(木)◆2/2 に続く ---------- 【ジャズ】人気blogランキングへ

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