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「7つの習慣」マスターへの道

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2008/10/01
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カテゴリ:読書の記録

自分をグローバル化する仕事術

著者の天野さんは、カリフォルニア州立大学を卒業後、シリコンバレーにGlobal Vision Technologyを設立、日米の架け橋としてのコンサル業を営んでいる。

本書は、こうした長年のアメリカでのビジネスを通じて得られた数々のノウハウを、これから益々グローバル化するであろう日本のビジネスマン向けに書かれたものだ。

「はじめに」でも書いているが、ビジネスのグローバル化が世界的に進展する中で、日本だけが違うルールでビジネスを進めているという。

たとえ海外との取引がなくとも、勤務先が外資系に買収される、外人の上司、部下を持つなど、世界を意識しなくてはいけないシーンは遠からず訪れるのは時代の流れだ。

少し異なる例かもしれないが、たとえば会計基準は国際化の波にさらされている。経済活動のグローバル化に伴い、ビジネスルール、マナーも世界ルールが適用される。

天野さんはアメリカでの経験を生かし、グローバルルールを解説し、自分自身をグローバル化する技術を解説する。

目次
はじめに

自分をグローバル化する仕事術とは
・日本だけが違うルールで仕事をしている?
・三年後には日本でも「世界標準ルール」が適用される
・日本国内で働く場合にも必要な「世界標準ルール」
・あなたを成功に導く二十のルール

第一章 コミュニケーションのルール
1.自己主張ルール~まずは自分の考えを相手にぶつけよう~
・自己主張はコミュニケーションのプロトコル
・日本人は自己主張することに慣れていない
・日本の企業文化が個人の自己主張を封じ込めてきた
・自己主張は穏やかな気持ちとゆったりとした口調で
・自己主張の裏側にあるのは相手を立てること
2.対等姿勢ルール~自分流を押しつけない。相手のスタイルも認めよう~
・会社や相手の肩書きはダイナミックに変化する
・日本では個人よりも肩書きによる上下関係を尊重してきた
・世界標準のコミュニケーションでは対等姿勢ルールを無視できない
・コミュニケーションと礼儀作法

3.単刀直入ルール~正直&ストレートなコミュニケーションが有効~
・単刀直入な発言が会話を促進する
・単刀直入なコミュニケーションがなければ結論はうやむやになる
・携帯メールによる単刀直入なコミュニケーションはすでに始まっている
・相手に誤解を与えないように注意する
・嘘をつくと信用が失われ、周囲から相手にされなくなる
・ありのままのデータを正直に公開したほうがコミュニケーションはうまくいく

4.ユーモアセンスルール
~厳しい交渉のなかでこそ相手の感情を和ませよう~
・できるビジネスマンはユーモアセンスがある
・メールの絵文字もユーモアの一つ
・冗談とユーモアは別もの
・人間の脳は理屈よりも感情を優先させる

第二章 判断と実行のルール
1.テキスト化ルール
~あいまいな考えもテキスト化で明確になる~
・多様化社会では物事を明確にテキスト化するのが基本ルール
・テキスト化にはロジックというフェアなルールが必要
・アメリカと日本の教科書の違い
・右脳を使う日本人と左脳を使うアメリカ人
・右脳の思考に左脳の思考を加えて結論を明確にする
・日本人とアメリカ人の思考の違いは環境からうまれている

2.罪文化ルール
~意志決定の基準を自分自身の中に持とう~
・罪文化の考え方で物ごとの是非を判断するのが世界標準のルール
・多様化社会では自分自身の基準を持って物ごとを判断せざるを得ない
・日本人は恥文化のデメリットをもっと認識するべき
・自分で判断できなければビジネスで成功する可能性は低くなる

3.トップダウンルール
~最終的な意志決定はリーダーの仕事~
・リーダーが決断し、ほかの人はそれに従うのが世界標準のルール
・日本のリーダーにはリーダーシップが欠けている
・MBAで真のリーダーを育てるアメリカ
・日本にも真のリーダーを育てる仕組みが必要
・個人レベルの決断にもトップダウンの考え方が有効

4.即断即決ルール
~直感を大切にして瞬時に決めて体感しよう~
・とりあえずアクションして体感することが世界標準のルール
・若いときの即断即決にリスクはほとんどない
・三回くらい即断即決をすると驚くほど人生が変わる
・自分の直感を信じて即断即決すると正しいことが多い

第三章 目的達成のルール
1.戦略思考ルール
~周りに流されず、戦略を立てて進もう~
・日本でも一人ひとりが戦略を持たなければいけない時代がきている
・トップダウンの考え方で戦略を立てる
・良い戦略を生むのは十分な時間と心の余裕
・不可能なことも戦略次第で可能になる
・相手のポイントをつく戦略を立てる
・戦略が成功して数百億円の利益に
・日頃のコミュニケーションにも戦略思考が必要
・まずは駆け引きで相手の攻略ポイントを探る

2.ワープルール
~一つ上の役回りにワープして成功をつかもう~
・ワープ効果とは次元を超えて自分を成長だせること
・ワープ効果があれば社長にだってなれる
・次元をワープしないまま自分を成長させるのは限界がある
・ワープを繰り返した人は雲の上の存在にもなる

3.シングルタスクルール
~一つの問題を着実に決着させてから前に進もう~
・シングルタスクで物ごとを進めるのが世界標準のルール
・会議においてマルチタスクの考え方は効率的ではない
・大切なのは一つの議題に真剣に取り組むこと
・目的に合わせてシングルタスクをマルチタスクを使い分ける
・マルチタスクで物ごとを進められる人は多くない

4.共有体験ルール
~体感と苦労をとおして生涯の戦友をつくろう~
・目的を達成するためには、頭で考えるだけでなく実際に体感してみる
・海外研修も新しい世界を体感する機械
・人との共有体験は強固なネットワークをつくる

第四章 自分磨きのルール
1.緊張感ルール
~体制に頼らない緊張感を活かして個人価値を高めよう~
・緊張感をベースに自分磨きをするのが世界標準のルール
・緊張感が脳と身体を進化させる
・緊張感のなかで生きることは不幸ではない
・大きな目標を持って緊張感をモチベーションに変える
・鉄下駄効果でしらないうちに自分を磨く
・思いがけない大きなチャンスにも積極的に取り組む

2.新陳代謝ルール
~老朽化・陳腐化したものは勇気を持って切り捨てよう~
・新陳代謝の作用で古く腐ったものはきれいに取り除く
・日本で2007年に行われた社会的な新陳代謝

3.自立志向ルール
~自立した個人との関係が成長のエネルギー
・多様化社会では会社でなく個人に価値がある
・「自立」と「共存」が多様化社会の基本ルール
・自立志向を持った人間は逆境を乗り越えられる
・人から与えられたものに満足している人間は退化する
・チャンスは誰にでも平等にやってくる
・とりあえずチャレンジして自分を追い込めば、自分磨きは成功する

4.生涯学習ルール
~生涯をかけて自分の長所を磨き上げよう~
・多様化社会ではレジュメでアピールできるような専門性を磨くのが基本
・専門能力を高めるために日頃の仕事を通して学習する
・シリコンバレーでは学会に参加することも学習の一つ

第五章 チャンスをつかむルール
1.ネットワーキングルール
~会社名でつながるな。個人名でつながろう~
・多様化社会では会社を超えて専門分野ごとに分業するのが基本
・頼まれたときがチャンス!
・「頼まれ上手」になれ!
・積極的なネットワーキングがチャンスを広げる
・報酬にかかわらず依頼を引き受けることがネットワークを強固にする
・ネットワーキングから本当の仲間が生まれる
・自分から人間関係の橋は絶対に燃やしてはいけない
・チャンスは会社の外にある
・知らないところに出かけることでネットワークが広がる

2.長所伸ばしルール
~自分の個性をのばしたほうが認知されやすい~
・自分の専門分野をつくれば成功に近づく
・多様化社会では個人の長所が大切にされる
・得意分野で短期間に実績をあげることがチャンスにつながる

3.前代未聞ルール
~誰もやったことのないことに挑戦してみよう~
・前代未聞のチャレンジが大きなチャンスとなる
・前例のないものを敬遠するのは自分の判断力がないから
・自分なりn判断力があればリスクは怖くなくなる
・ソフトウェアのバグに厳しい日本では新しいものが育ちにくい
・転職が当たり前の環境が新しいものを生み出す

4.早寝早起きルール
~日の出、日の入りの太陽リズムに合わせて仕事をしよう~
・身体のリズムに合わせて早寝早起きすると効率よく仕事ができる
・アメリカ人は早寝早起きの生活が当たり前
・早寝早起きのリズムがつくりにくい日本社会
・遅寝遅起きは貴重な午前中を無駄にする
・アメリカ人はブレックファーストミィーティングで朝食の時間を有効活用する
・メリハリのある生活がさらに仕事の効率をアップさせる

あとがき
学びと行動をループ化する

特に印象に残ったのは、第四章 1.緊張感ルールでの「緊張感をベースに自分磨きをするのが世界標準のルール」だ。

アメリカでは解雇が日常茶飯事。しかし解雇される可能性は皆平等にあり、常に緊張感がある。

だから常に自分磨きの努力をしながら、自分を常にステップアップしようと心がけ行動しているというのだ。

翻って日本はどうか?終身雇用制度は崩れたが、ある日突然解雇ということは余程のことがない限りないという安心感が蔓延している。

しかしいつ自分の勤務先が外資に買収されたり、大きなリストラで人員削減の対象になるかわからない時代だ。

だからグローバルな世界標準に合わせ、常に自分を磨く活動が必要となる。

だがこれも日本では悲壮感漂うが、アメリカではその緊張感を逆に利用し、常に明るく前向きであるという。

これぞ日本の多くのビジネスマンに求められることではないだろうか。

最後に、早寝早起きのルール。

私は原則として22時に就寝、4時半に起床だ。これも2年前から始め、最初は5時起きだったが、早朝ランニングを始めたので4時半になっている。

天野さんも書いているように、仕事を進めるうえでは、心身面を含めとても効率がいい。
朝、人の少ないオフィスでスケジュールやメールチェック、タスクの棚卸し等、朝9時から始めたら10時か遅いときは11時くらいになってしまう作業が9時までには終わる。

だから他の人が出社するころには、既に準備万端、臨戦モードなのだ。

これは、テレビ、ネットサーフィン、飲み会等時間の浪費と思われるものを大胆に削減すればできないことではないと断言する。

そういう意味で、新たな刺激を得たり、共感できたりと、とても充実した読書が楽しめた。
多くのビジネスマンにもお薦めしたい一冊だ。







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Last updated  2008/10/01 09:03:51 PM
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読書の記録は、2009/4/25以降、次の要領で書いています。

・著者;著者のプロフィールを簡単に

・本書について;いわゆる前書きにあるような本の全体感を記す

・気に入った箇所;本書中で気に入ったフレーズなどを引用

・お薦め度;☆で5段階評価
☆☆☆☆☆ 相当なインパクトを受けた。絶対にお薦め
☆☆☆☆  感銘を受けた。お薦め。
☆☆☆   期待どおりの内容。まぁお薦め。
☆☆    少し期待外れ。積極的には薦めない。
☆     買わなければよかった。お薦めしない。

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