病理検査の玉手箱

2006/11/02(木)22:15

医療崩壊

日誌(1216)

小松秀樹「医療崩壊-立ち去り型サボタージュとは何か」(朝日新聞社)を読んだ.医療安全に対する患者からの過剰な要求,医療抑制政策による圧迫,電子カルテ化に伴う負担増大の中で意欲のある臨床医が病院からどんどん離れていく現況が描かれていた. 近隣の公立病院でも医師が減少し,地域医療を維持できなくなっている.病理医の立場は微妙である.臨床医がいなくなった病院に病理医は不要である.大学に嫌気がさして病院病理医に活路を見出そうとしたのに,立ち去ろうにも何処にも行くあてがない.病理医で開業するのはかなり無謀な試みである.なんともペシミスティックな想いに駆り立てられた.

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