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2009年10月21日
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テーマ:愛しき人へ(902)
カテゴリ:家族

先週の話。

私にとっての元祖・好き系顔の唐沢寿明氏主演ドラマ「不毛地帯」が荘厳な音楽と共に始まった夜のこと。

初っ端からフォアグラにも匹敵するほどの濃厚感たっぷりな内容だった上に大盤振る舞いな初回拡大版で通常の倍以上の放送時間だったもんだからダーリンったら早々に「長いわ暗いわで残念ながら僕ギブ。もう寝るもんね。」とマウンテンゴリラが如く脇腹をワシワシ掻きながら私の前を横切ってベッドルームへ消えて行ったんだけど、プラズマ画面越しに唐沢さんが流暢なロシア語で捲し立てもって強烈な目力で私を見つめるもんだからそれどころじゃなくって「まだ小学生も暴れ倒してる時間だぞ、おい。」とマウンテンゴリラに一瞥もくれることなくコール&レスポンスするのが限界だったの。

リビングに残された私は、小雪ちゃんが自作陶芸品を唐沢さんに渡すシーンに向かって「変な壺。変な壺。花瓶か?」などと一人、打ち上げられたトドのようにソファーに寝そべったままスルメイカを指示棒のように突き出して毒づいていたんだけど、名は体を表すってことを自らの身を挺して立証してるその雪のように白い肌を見て、今に始まったことじゃないんだけど突然我が身が哀れに思いだしたもんだから、心は無理にしてもせめて身ぐらいは近付く努力をせねばとスルメイカを咥えたまま徐に着ていたTシャツを半身脱ぎつつテーブルの上に鎮座していたメイク用鏡を至近距離までグイと引き寄せ、下半身は田舎侍の食事風景を思い起こしてしまうような片膝、そのまま片腕万歳スタイルで腋毛抜き作業を開始したわけで。

時は流れ、テーブルに広げたティッシュの上に点在する抜いた剛毛がひじきに見え始めた頃。

半身などといったしみったれた状態から自分を解放し2つの干しブドウも丸出しでラストスパートに差し掛かろうとしていた私の背後にゆる~い視線を感じたんでそろりと振り返るとだな。
そこにはシッコに起きたダーリンが自分の息子を両手でパジャマの上から包みながら立っていてだな。
「通常の男ならドン引きすること山の如しその姿を目で捉えようとも全くの不動心でいられる僕。スゴ過ぎる僕。更に言うと、keiko やんと出逢って以降並々ならぬ寛大な心が培われてもた僕。だからだ、ここは一つ見なかったことにしてあげましょう。」と、カッサカサの声で言われたんだけどもアンタ、掘り起こされた土偶のような表情から垣間見るダーリンのほのかな優しさをみすみす見過ごすわけにはいかんわなと感じた私はメンフィスのポーズをとって腋下をダーリンの方に向け、ここじゃここ、ここ見てみとチラチラ腋下に視線を送りもって「ある意味、明日からここも不毛地帯や。」と、ありがとうの言葉に代えて。





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最終更新日  2011年04月27日 17時33分58秒
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