街ねこ、ちゃー。
近所の公園に街ねこがいる。野良猫というのは語感が好きでないので、街ねこと言おう。茶色い毛なので「ちゃー」と名付けている。別にかわいいわけではない。むしろいつも泥まみれで、栄養が良くないからか毛並みも良くない、ちょっぴり臭ったりもする。気にいっているのは、妙にか細いいたいけな「にゃー」というなき声とそして、がんばって生きているな、って感じのおでこの力じわだ。こちらが気にいっていても、別になついてくるわけではない。「ご主人様」という感じで人間を見ない。逃げるわけでもなく、じゃれるわけでもない。その天性の「無関心」にやちまた道は惚れ惚れしてしまうのだ。そんな「ちゃー」は結構人気がある。まずはおばさんが餌を与えにくる。「チャコ、ご飯よ」という声にうれしそうでもなく食べている。そうか「おまえはチャコと呼ばれているのか」。と、次に現れた猫おじさんは、「ほら、あいこ、食べれ!」。「あいこ!?あいこはないだろう」と思うが当然のように普通に食べている。こんな風に愛されている「ちゃー」だが、出逢って4年ぐらいなので、あと何年元気な姿を見せてくれるのか。何者にもこびることなく、何者にも知られることなく消えていく。やちまた道の本筋を会得している「ちゃー」をうらやましくも思う。