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カテゴリ:ヨガ
佐藤剛史さんの『すごい弁当力!』を読みました。
弁当を通じて社会を見ると人は心がやさしくなる。 そんな思いから「弁当の日」を推奨している著者のノンフィクション。 読んでいて涙が止まらなくなるくらい、感動一杯の一冊です。 ただの食育だけではないものが弁当を作るという行為にはあるのです。 相手に対する思いやり、社会を知る手だて、自分で出来たという想い・・・・ 小学生だって大学生だって社会人だって弁当をつくることで行動変容や意識改革が起こってくるのです。 学生時代は母がお弁当を作るのが当たり前と思っていましたが、冷凍食品など入っていない母の弁当には思いやりが一杯だったのだと気付きます。毎日毎日早起きして作ってくれたには、母の命が込められている。 今自分が子供や夫に弁当を作れていないのを考えると、そこにはあふれんばかりの愛があったのだと気付きます。 実は、母が私にお弁当を作ってくれたのは、中学生~高校2年生まででした。 高校3年生になるあたりで、学食や購買部が魅力的に感じてお弁当ではなくお昼代をもらうようになったのです。 もったいないことしたなぁ・・・・ 母はそこを「自立」と思って、旅立つ娘の背中を見たのかと思うと、親になった今、申し訳ない気持ちが一杯です 今度の帰省の時には、感謝の思いを込めて両親にお弁当作ってあげたいな 弁当を作ることの意味を分かりやすく教えてくれる、小学校で弁当の日を始めた竹下和男先生のこどもたちに向けた詩を御紹介します。 ◎「弁当をつくる」 竹下和男 あなたたちは、「弁当の日」を二年間経験した最初の卒業生です。 「親はけっして手伝わないでください」で始めた「弁当の日」でしたが、どうでしたか。 食事を作ることの大変さが分かり、家族を有難く思った人は優しい人です。 手順良く出来た人は、給料を貰える仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。 食材が揃わなかったり、調理を失敗したりしたときに献立の変更が出来た人は、工夫が出来る人です。 友達や家族の調理のようすを見て、技を一つでも盗めた人は、自ら学ぶ人です。 こまやかな味の違いに調味料や隠し味を見抜いた人は、自分の感性を磨ける人です。 旬の野菜や魚の、色彩・香り・触感・味わいを楽しめた人は、心豊かな人です。 一粒の米・一個の白菜・一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。 スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は、賢い人です。 食材が弁当箱に納まるまでの道のりに、たくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。 自分の弁当を「おいしい」と感じ「うれしい」と思った人は、幸せな人生が送れる人です。 シャケの切り身に、生きていた姿を想像して「ごめん」が言えた人は、情け深い人です。 登下校の道すがら、稲や野菜が育っていくのを嬉しく感じた人は、慈しむ心のある人です。 「あるもので作る」「できたものを食べる」ことが出来た人は、たくましい人です。 「弁当の日」で仲間が増えた人、友達を見直した人は、人と共に生きていける人です。 調理をしながら、トレイやパックのゴミの多さに驚いた人は、社会を良くしていける人です。 中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界を良くしていける人です。 自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。 家族が手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。 「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。 家族が揃って食事をすることを楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。 先生たちは、こんな人たちに成長してほしくって二年間取り組んできました。 おめでとう。 これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。 それにしても「弁当をつくる」って行為はヨーガだなぁ。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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