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カテゴリ:本
翻訳小説のような切り口に推理も加わり、無関係の人の死を悼みながら放浪する青年を軸に物語が展開され、あとあとまで心にのこる一冊。
表紙絵の船越桂の彫刻像の何処を見ているのか定まらない視線は、半眼の仏像を思わせて精神的なものを深く感じさせる。 重い重いテーマに言葉の重みも加わりずっしりと体で受け止めて、最後まで時には涙も流しながら読んだ。 どんな死に方をしたとしてもどんな悪行をしたとしても、誰かに愛され、誰かを愛し、何かを感謝されていたことがあるのなら、今、生きていることが無駄ではなかったと思うえる。 生きている感覚を読み進めるうちにじわっと迫り、誰かを恨むこと、憎むことと、自分の心に刻んだ感覚との衝突が悩みや、違和感と戦いながらこれからの残された時間を生きていければと同感した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 8, 2009 10:06:45 PM
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