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さるすべり9722@ Re:水墨画展・ 横浜/お泊り観桜女子会(03/24) 64階からはやはりいい眺めですね。お友達…
pikaso41@ Re[1]:ささがきごぼうのサラダ(03/12) 何より安いところがお気に入りです。植物…

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Aug 17, 2011
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                      松浦寿輝

 8つの章からなる連作短編集で主人公は三島由紀夫を下敷きに書かれていて三島の本名の平岡で登場。平岡はあの事件では死なず、牢に27年間入れられた後に釈放されたという設定で書かれている。平岡は切腹でななくて、首に刀傷が二条残っているという仮定

 最初に三島の『サド侯爵夫人』からのルネの台詞が掲げられている。

 あなた方は薔薇を見れば美しいと仰言り、蛇を見れば気味がわるいと仰言る。あなた方は御存じないんです。薔薇と蛇が美しい友達で、夜になればお互いに姿を変え、蛇が頬を赤らめ、薔薇が鱗を光らす世界を。兎を見れば愛らしいと仰言り、獅子を見れば恐ろしいと仰言る。御存じないんです。嵐の夜には、かれらがどんなに血を流して愛し合うのかを。

   --三島由紀夫 (本名 平岡公威 一九二五-一九七〇)作・

 なぜ平岡が三島かといえば「南馬込に建てたヴィクトリア朝ふうのコロニアル様式とやらの大袈裟な家」とか、「詩を書く少年」とか「太陽と鉄」とかが出てくるので三島が下敷きと分かる。

 松浦寿輝さんは芥川賞作家で詩人、評論家と肩書きが多い。詩人だけあって言葉の表現が綺麗でどのフレーズも行間に詩を感じる。

 すでにこの世のひとでない人が生きていると仮定しての小説なので、時に大人のファンタジーになり空想の世界を楽しませてくれる。巻末でミステリー的な締めくくりがより読後感を強めてくれる。映像になったらこのシーンは面白いだろうなと、思うところが幾つもあり単に小説だけでない面白さがあった。






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Last updated  Aug 17, 2011 08:46:32 PM
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