偐万葉・ふらの篇(その9)
偐万葉・ふらの篇(その9) 本日は、シリーズ第313弾、偐万葉・ふらの篇(その9)であります。 ブロ友、furano-craft氏とのお付き合いは、2013年3月6日に始まります。当時は、楽天プロフィール(以下、「楽プロ」という。2018年2月1日サービス終了)という楽天版ツイッターのようなサービスがあり、楽天ブログ記事を楽プロに自動投稿できるようになっていました。その楽プロにこの日ナイスをしていただいたのが契機となってブログ交流が始まったという次第。 従って、7年2か月のお付き合いということになります。 偐万葉では、例によって、同氏を「ふら麻呂」という勝手名でお呼びさせていただいています。 前回の「ふらの篇」は2017年2月16日でしたから、3年余ぶりの久々の「ふらの篇」であります。<参考>過去の偐万葉ふらの篇はコチラから。 furano-craft氏のブログはコチラから。 同氏経営の木力工房のホームページはコチラから。 当ブログの木力工房関連記事はコチラから。 偐家持がふら麻呂に贈りて詠める歌20首春まけて 碁盤の烏鷺か 麓郷の 道にはだれの 消え残りたる (烏鷺覚え)(本歌)わが園の 李(すもも)の花か 庭に降る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 万葉集巻19-4140)(注)春まけて=春が来て 烏鷺=囲碁のことを「烏鷺の戦い」などと言う。 はだれ=薄雪、まばらに積もった雪。麓郷の 槐水楢(ゑんじゅみづなら) クラフトに 森にも我(わ)にも 春は来(きた)れる (森人麻呂)麓郷の 光れる春の 朝食は バターナイフも 水楢がよし (森人麻呂) (20170325水楢のバターナイフなど)これ見よと えぞのオコジョが さししめす 木の葉にいかな 言の葉ぞある (20170328メッセージスタンド)削りたる ちさき鉋(かんな)と い並びつ 春待つらしも 槐(えんじゅ)の靴べら (箆(へら)家持) (20170407槐の靴ベラ)平昌(ピョンチャン)の 花火と共に 我が背子の 帰りぞ来たる 二月九日(にがつここのか)まだ森は 雪に閉ざしつ しかすがに 春は背子にし 今日立つらむかわが辞書に 無き気温なり 氷点下 21度の 富良野の朝よ (20180209麓郷の森)スプーンひとつ 仕上げるごとに われはまた 元気を木より 貰ひてぞ来(こ)し (匙麻呂) (20181209スプーン)ああ富良野 白銀(しろがね)の野よ いや遠に 神さび白き 十勝の山よ (山部白人(やまべのしろひと)) (20181213富良野)富良野原に 雪踏みしめて 立つ鹿の 姿見る日々 冬もかなしき (犬丸大夫)(本歌)奥山に もみぢふみわけ 鳴く鹿の こゑきくときぞ 秋はかなしき (猿丸大夫 古今集215 小倉百人一首5) (20181219蝦夷鹿)北の地の 木地師にあれや 我背子の つくる富良野の 木の皿よしも (惟喬偐王)(注)惟喬親王=文徳天皇第一皇子。木地師の祖とされる。 (20190125木力工房)吹かば吹け 夜半の嵐の 何かせむ 今日一日(けふいちにち)を 生きむ我なり麓郷の 森はまだ雪 残しつつ 春の光は 背子が肩辺(かたへ)に (20190322靴ベラ)マンホール 臍の祭と ある富良野 背子より写真 はるばる届く(関連句)旧里(ふるさと)やへその緒に泣(なく)としの暮(芭蕉 「笈の小文」) (20190329富良野市のマンホール)焼き入れの 槐(かい)の香すがし welcome(ウェルカム)の 文字に吹き来(こ)よ はつ夏の風 (ウェル亀家持) (20190508槐の木でWelcomeボード)われらまた 此処に集ひて ワン・チーム ともにし生きて ともにしなさむ (麓郷麻呂) (20191202森の妖精たち)皐月闇 照らせ真白き その花の 色も祈りの エゾエンゴサク (白家持) (20200510白花エンゴサク)富良野より コロナの禍(まが)を 祓へとか ここだうれしき 勾玉届く勾玉を 魔除け槐( えんじゅ)の 木でなすは 君が祈りか ありがたかりき (槐の勾玉 製作:furano-craft氏、撮影:ヤカモチ) (20190129furano-craft氏アトリエ)(注)掲載の写真はfurano-craft氏撮影または同氏ブログからの転載です。