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「贅沢・・それは言葉の魔法なのかもしれない。」
数年前、雑誌かテレビかある芸人さんが 奥様になられた方(女優)のご自宅に初めて遊びに行った時の話で その女性宅のトイレに入り、「お花の香りがする花柄のトイレットペーパー」を見て衝撃を受け、この女性はやはり儲かっているのだなと感じたとコメントしていたのが私の脳裏から離れず、ずっとその存在が気になっていた。 言われていみれば、 生まれてこの方そんなものでお尻を拭いたことがない。 実家もそうだし、お金持ちの友人宅でも、儲かってそうな病院でも どこにいっても「お花の香りがする花柄のトイレットペーパー」なんて使わせてもらった事はない。とても気になっていた。 とはいうものの、それは珍しいものでもない。 いざ買いに行っても、そのタイプは量が少なく、やはり高め。 だからといってけして買えない額ではないのに何故か躊躇する。 やはり、お尻をふいて流す消耗品だと思ってしまう。 だから、ついつい一番安くて大量でお得なものを選んでしまうのだ。 それは収入が多少増えたとしても変わらないだろう。 給料が上がったからトイレットペーパにかけるお金の比率も上がったよって聞いたことがない。あくまでも価値観の問題。 だから私にとって流されてしまう「消耗品の贅沢」は いつも出番がなく私の脳裏にだけしっかり根付いていた。 そもそも 贅沢ってなんだろう、エステやいい車、素敵なマイホーム、海外旅行に外食三昧? その人にとってそれがモチベーションを高め、このおかげでお仕事も家事も育児もすべて頑張れるって言えるものは贅沢なんだろうか。 贅沢って何? 収入に見合わない生活をすることが贅沢なんだろうか。 その贅沢のために目標を持って頑張れるなら それは「贅沢」ではなく「ご褒美」だと思う。 お尻をふいてサヨナラするものにお金をかけてる人って どれくらいるのだろう。 私のお尻を拭くのはバラの香りじゃなきゃダメっていう人を 私は知らない。 人はトイレットペーパーでお尻を拭くためにお仕事を頑張れるのか? だからご褒美とは言えない。 私のなかで「お花の香りがする花柄のトイレットペーパー」は やはり「贅沢品」。そう格付けされていた。 ところが最近、愛用の「安物のお得なトイレットペーパー」の減りが激しくなった。 お通じのよい主人と子供がいるから仕方ないのか。 よそのお宅のトイレットペーパーの減りを聞いたことないから比べようがないがすぐに無くなる。しかし、たかだかトイレットペーパー。 それを口うるさく言う自分も嫌なんで黙って見過ごしていた。 で、残り1コになってたことを忘れ、食料品の買い物に行った時に レジでそれを思い出した。いつも買うお店ではないので多少高い。 でも、いつものお店に行く時間が無いから仕方なくそこで買う事にした。でも値段を見るといつもの同じものなのに100円も高い。 いつもと同じものに100円高く払わされるのは 主婦としてのプライドが許さない。シャクだ。負けた気がする。 そのとき、目に止まったのは花柄のトイレットペーパー4個入り。 私が買っているものは無地の白、12個入り安物。 そして両者は同じ値段だった。条件は違いすぎるが。 一瞬、迷いが生じた。どうせ同じ値段払わせられるならシャクに触るより「贅沢」を選んだ方がストレスもたまらない気がした。 4個しか入ってないから、あきらかにコストが高くなるのはわかっていても。 そして、私はゆっくりと白をもどし、 素早く花柄を持ってレジに向かった。 あれから一週間近くになる。 うちのトイレは花の香りがする。 嗅覚ってすごい。家族が皆すぐに気がつき、笑顔で私に 「トイレットペーパーからいい香りがするね」って言ってきた。 私の髪型が変わってもすぐには気づかないのに。 そしてよく見たら3枚重ねだったこの紙は拭き心地がよいのか それとも「贅沢なもの」でお尻を拭かせているせいか 減りが急激にスローダウン。 というか1週間近く一度も交換していない。 今までで初めてだ。 以前は二日に一回か三日に一回交換していたのに。。 驚くべき効果というか嬉しい誤算だった。 言葉で伝えられないことってこういうことなのか。 トイレを花の香りで包むことも、拭き心地の良い紙も、見た目のキュートさも 無言で彼らに「節約」を制したようだ。 私はもう、花柄香り付きトイレットペーパーを 「贅沢」とは言えなくなった。 彼らは良い仕事をする。 あ、でも貧乏性のうちのルールですからあくまでも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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