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カテゴリ:『はみだしっ子』シリーズ
スキー場に遊びに行った4人は、エヴァという少女とその母親に出会う。 心臓が弱いためワガママに育てられてきたエヴァは、足が悪いアンジーに興味を示す。 娘に何も言えない母親に、サーニンは自分の母親の姿を重ねる。 サーニンの母親は、自分の祖父と夫との諍いの板挟みになり、心を病み 雪の中で、いつまでも雪かきを続け、亡くなってしまった。 ショックで言葉を失ったサーニンは父親に疎まれ、叔母に地下室に閉じ込められた。 可愛がっていた鳥のおかげで言葉を取り戻し 通りかかったアンジーのおかげで外に出られたサーニンだが、 今でも雪の中に母親の幽霊を見てしまう。 * * * * * * * 今回はサーニンの過去が語られます。 幼い頃から母親に甘えることができなかった彼は、カンガルーに憧れていました。 カンガルー・ママは子供といつも一緒だから。 心が痛いのは、彼の母親の葬式シーン。 サーニンは雪の中、沢山の雪だるまを作って母親を救い出そうとするのです。 でも、雪だるまは動くことはありませんでした。 そして今回、エヴァのワガママな欲求に合わせ、彼はまた沢山の雪だるまを作ります。 作りながら、彼の意識が少しずつ変化していきます。 「私が間違ってるならママがとうにそう言ってるわ」 エヴァは嫌な女の子だけど、教えられずに育ってきたという意味では可哀想な子です。 娘を弱い体に生んでしまったという負い目からだとはいえ 何も言えず、ただ庇うだけの彼女の母親を肯定することはできません。 雪だるまを作りながら、サーニンは母親が動いてくれるのを待ち続けます。 けれど、その望みが叶えられることはありませんでした。 再び現れた自分の母親の幽霊に向かって、サーニンは叫びます。 「ママはどうして自分を可哀想なままにしておくの? ただのひと言も試さずに」 「ママはボクのものになんかなってくれやしない ママはママ自身のことしか思ってないんだもの それなら そんなママなら雪だるまの方がましだ!」 この物語の凄いところは、救いがないということだと思います。 病気を盾にするエヴァに、自分も片目だとグレアムは告白しますが 彼の抗議の言葉にもエヴァが心を動かすことはありませんでした。 サーニンの必死の姿に、エヴァの母親が心を変えることもありませんでした。 サーニンの家族が出てくることもないし、 まして亡くなってしまった彼の母親に関して何が起こるということもありません。 スリードッグナイト… 寒い雪の夜、犬が3匹いて温めてくれると凍えることはない… そんな古い言い伝えと重ねて 今は4人で幸せに生きていられるのだという終わり方には、ホッとします。 理論的に抗議するグレアム サーニンを手伝ったり、エヴァの母親に彼を止めるよう懇願するマックス 誰かに甘えたいのなら自分に甘えてほしいと言葉をかけるアンジー 三人三様の思いやりの示し方が素敵です。 前述したグレアムの目の件は、今回初めて出てきました。 また、後々アンジーのトレードマークとなるタバコも、今回が初めて。 ていうか、今回で喫煙を覚えたアンジーでした(笑) Part 1~3はこちら『はみだしっ子』INDEX ☆やっくんち☆ ◇人気映画・TVBLOG◇ 押し花ストラップ(雪だるま) 【バレンタイン特集●2007】本場ベルギー産原料の生チョコ使用!ユーモアあふれる本格生チョコ... はみだしっ子(第1巻) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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