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カテゴリ:『はみだしっ子』シリーズ
『残骸踏む音』
-はみだしっ子part8- サーニンの希望で渡り鳥に会いに行こうとバスに乗り込んだ4人。 途中で降ろされて「のどかな景色」の中ポツンと建てられた墓を見つける。 遺族と間違われ遺品を預けられた彼らは、そこに書かれた住所まで届けに行くことに。 そこには、家出少女を見つけては言葉巧みに連れ込み、売春組織に売り飛ばすことを 生業としている女性ケイトと 現実世界の汚さを何も知らされず彼女の庇護下で育てられている娘メイが住んでいた。 アンジーの顔をひと目見たケイトは、彼を女優イブ・ホーン(アンジーの実母)の 子供役に売り込もうと画策。 アンジーを従わせるため、人質としてサーニンを監禁する。 そんな中、被害者の少女がケイトをナイフで刺すという事件が起き、 それに便乗して4人はそこを脱出するのだった。 * * * * * * * 未だ“恋人”は見つからないながらも、グレアム伯父の経済援助もあって それなりに自由に暮していられる4人です。 それが今回、家出中の子供ならではの危険な罠に陥ってしまいます。 加えて、各々のトラウマに直面する羽目にも。 地下室に閉じ込められていた過去を持つサーニンは、再び暗い部屋に監禁され アンジーは、自分を捨てた母親の息子役を演じるよう強要されます。 さらに言えば、現実から隔離され、親の思い通りに生きることしか知らないメイの姿は 父親に対するグレアムの姿と重なる部分もあるかもしれませんし 実の父親に殺されかけたマックスは、ひとりぼっちで埋葬されたキャサリン(クレア)に 自分を見たかもしれません。 (ちょっと穿ち過ぎ?) 再び自分の心の中に閉じ篭ってしまうかと心配されたサーニンは、渡り鳥を思って耐え 自分を見失わずに済みました。 強くなったね、サーニン。 マイペースでブレがない彼の性格は、既に築かれているようです。 アンジーは、かなり傷ついてしまったようで気がかりです。 表面上は攻撃的に、ケイトのティー・セットを派手に壊し、踏みつける彼ですが 彼の足の下で粉々になるティー・セットは、そのまま彼の心を表しているのでしょう。 ある意味、誰よりも世間の中で上手くやっていけそうに見えるアンジー。 でも、彼の内面は誰よりも繊細です。 表面上は一番しっかりしている“優等生”グレアムが、実は 内面的には一番脆く、しかも暗い闇を抱えているのと対比しているのでしょうか。 「ボク達と来るかい?」 脱出の際、メイに声をかけるのがアンジーだというのが象徴的です。 とても彼らしいです。 でも、彼女は小さな世界から抜け出す勇気を持てませんでした。 「いやなことも悲しいことも知らず 美しい物だけを見ていられるなら それができるなら幸せだね けど…オレにはできないよ― どっからか声がして心の中にこだまするんだ!! 声が… 押し込められるのはいやだ!」 アンジーはそうやって大空を飛び続けます。 他の3人も同様です。 Part 1~7はこちら『はみだしっ子』INDEX ☆やっくんち☆ ◇人気映画・TVBLOG◇ はみだしっ子(第1巻) 【花柄のカップ】~ バーミンガム ~ (ペア・ティータイムセット)__ 【送料無料】鳥の磁器表札シリーズ”Wild Duck・野鴨”大空に力強く飛び立つ野鴨の表札です。マ... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.09 17:17:37
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