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日本映画

2018.03.11
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カテゴリ:日本映画
​​​​​​宇多丸さんが​酷評​した映画の中でも
上位に入るんじゃないかと思われる
『レンタネコ』を観ました。

宇多丸評→​ここ


怖いもの見たさというわけではなくて(笑)
もしかしたら予想外に気に入るんじゃないか
…という気もしたし
まあ、なるべくフラットな気持ちで臨んだつもりです。

で…
まあ…
最初の内は何度も睡魔に襲われてしまったんですが(^^;)

でも、幾つか心に残った部分もありました。
ツッコミどころは宇多丸さんが余すところなく語ってくれたので(笑)
その良かったところだけ書いてみます。


解説によると―
「大の猫好きで知られる『かもめ食堂』や『トイレット』の荻上直子が監督を務め
猫を通して人と人のきずなを描く心温まる人間ドラマ。
寂しい心を抱える人々に猫を貸し出して回る不思議な女性と猫たちが遭遇する
それぞれの事情を優しく見つめる」

ということで
非常にノンビリした、かなり浮世離れした物語です。

ある種の​少女マンガ​に似た世界だと思います。
ちゅーても最近は読んでないので、昔のイメージですが。

だから、ここは、かなり好みが別れるところだと思います。
私的には
その時によって結構好きだったり凄く嫌だと思ったり両極端(笑)


主演の​市川実日子​さんは、ひょろっと細くて
良い意味で色気とか肉的な感じがなくて
庭仕事をしたり、しゃがんでアイス(ガリガリくん)を食べたり
何でもない日常の姿が、何だかとても良い感じです。

生活感が全くない様な、一回り巡ってやはりある様な…って感じ?


お話は4つに分かれていて
それぞれ大きな起伏はなくアッサリ終わります。

ツッコミどころは沢山あるのだけど
このシンプルさからすると
観る人の脳内補完というよりも、その人ならではの思い入れを
たっぷり盛り込んで自分だけの物語に仕上げて楽しむ様に
意図的に作っているのかな?…という気がします。

私的には
「えっ、これで終わり!?」
と、拍子抜けしちゃいましたけど>スマソ

でも、第4話は悪くなかったかな。

田中圭さんが良い雰囲気を出していたし
過去の出来事が映像として出てきたし
ビールという小道具も効いていたと思います。

アッサリ終わっちゃうのは同じなんですが(^^;)

「結婚したい」と何度も呟く主人公ですが
お話を重ねるごとに、ちょっとした教訓を得ていき
最後の第4話で、その相手と見なせそうな人が登場するのに
彼には猫を貸せないまま終わります。

ここはちょっと切ないかも。

「心の穴ぼこを埋める」ために猫のレンタル業を始めた彼女ですが
沢山の猫を飼っていて、何匹も見送ってもきた彼女は
誰よりも「心の穴ぼこ」が大きく深いのでしょう。


…ということで
かなり好意的に解釈している私ですが
これも宇多丸さんが思いっきりツッコミまくってくれたおかげです。

それで怒りが収まったので
良い部分に目をやる余裕ができたってことかと(笑)


キャラとしては、小林克也さんが一番かな。

最後に何か(何高分からなかった…芋?)を主人公に渡すところが
一番心に来ました。


全体で一番良かったのは
エンドロールの猫の​イラスト​(くるねこ大和)です。

これは可愛い!

この可愛さを生かした本編だったら
きっと良作だったでせう。

そもそも本編は
肝心の猫が小道具として端っこに映っているだけ―
って印象ですから(^^;)



2011年/日本 
監督・脚本:荻上直子
出演:市川実日子(サヨコ)
草村礼子(吉岡)、光石研(吉田)、山田真歩(吉川)、田中圭(吉沢)
小林克也(お隣さん)




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​​​​​​






Last updated  2018.03.11 21:30:07
コメント(2) | コメントを書く
2017.02.12
カテゴリ:日本映画
観てしばらく経つのだけれど、心のどこかに引っ掛かって取れないので
感想を書くことで消化できればと思います。

かなり壮絶な殺人シーンが複数あるので、決してお勧めはできません。
でも
ラストシーンに全て持ってかれるので、あまり気にならないとも言えます。

   ↑個人的意見

*「ヒメアノール」=ヒメトカゲ
体調10cm程で猛禽類の餌にもなる小型爬虫類
つまり
「ヒメアノール」=強者の餌となる弱者



☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★


原作は未読なのですが
聞くところによるとテーマが変えられているそうなので
別物として楽しむのが正解みたいです。


「お母さ~ん、麦茶2つ持ってきて」


高校の同級生だった森田と岡田という2人の青年が登場します。


森田を主人公とした連続殺人事件と
岡田を主人公としたラブコメとが交互に描かれます。

原作では
最後まで、この2つの世界は交わらないのだそうです。

森田の殺人の動機は
人を殺すことで性的快楽を得る…という持って生まれた特質
によるものだそうなので
そう生まれついてしまった者と、幸いにもそうではない者との
人生を対比的に描いているのでしょうか。

勿論、「強者」と、その餌となる「弱者」を示してもいるのでしょう。


映画の方は
2つの世界は完全に一つになります。

高校時代に酷いイジメに遭ったことが土台となっているので
被害者になってしまった者と、幸いにして免れられた者との
対比であると同時に
実は岡田もそのイジメに加担してしまったことが判明するため
ラストでは2人の対峙が必然となってくるのです。

「強者」と「弱者」は入れ替わります。


最初は岡田ワールドから始まります。

彼は20代半ばくらいのフリーターで、現在は清掃員のバイトをしていて
友達も恋人も趣味もこれといった夢や目標もなく、虚しい日々を送っていましたが
ひょんなことで知り合った女の子@ユカから告白され、付き合うことになります。

冴えない主人公を可愛い女の子が積極的にアタックしてくる、という
まさにラブコメ!という展開です(笑)
ネット用語で言うなら、喪男からリア充へと一気に昇格です。

そして、そこまで進んだところで、ようやくタイトルが出て
森田の視点へとイキナリ変化して、画面全体のトーンが一気に暗く変化します。
ここがまず素晴らしいです。



岡田ワールドも明るいところばかりではなくて
ユカを先に好きになった清掃会社の先輩@安藤が癖のある人物で
笑っちゃうんだけれども、ちょっと不気味なムードを醸し出しています。

森田もユカのストーカーだったことから岡田ワールドに関わることになるので
キャラ的には、この安藤と森田が対比されているのだと思います。

安藤は始めは岡田の名前もウロ覚えだったのに
ユカのことで「親友だよね」と岡田に頼り
ユカが岡田の方を選んだことを知り「絶交」を言い渡し
森田に重傷を負わされた後「俺達、親友だよね」と岡田を許すのです。


森田の方は高校時代のイジメっ子のリーダーを殺し
共犯者の和草を恐喝することで今迄暮らしてきた様子です。
反逆しようとっした和草&婚約者を殺したことがきっかけとなり
連続殺人が始まります。

恨みつらみではなく、寧ろ全く感情のないまま…ってのが怖いし
却ってリアルに感じられたりもします。



イジメっ子の遺体の前で自慰行為をするシーンがありますが
原作の様に殺人に性的興奮を得たからというよりも
女生徒達の前で自慰行為をする様に強いられた経験から来ているもので
性的快楽とは、あまり関係ないんじゃないかなあ…という気がします。
あのイジメっ子には、あの行為で締めくくるのがふさわしいっていうか。

まあ、殺人だけでなくレイプも伴いますし
和草達を殺すシーンでは岡田&ユカのラブシーンと重ねて描いていたので
少しは関係しているのかなあ。


ともかくも、森田の方もまた「友達」が深く関係しているところが
安藤と対になっていると思います。


反面、彼に対し罪悪感を抱いていた岡田のかつての行為のことは
森田は全く忘れていたかの様な態度を示すんですよね。

でも、忘れたわけないと思うんです。
寧ろ、一番ショックだったことかもしれません。
ショック過ぎて、その時の記憶を失ったってこともあるかも?

本音を隠すこと、さっき口にしたばかりの言葉を「言ってない」と誤魔化すのが
彼の生きる手段だったらしいことが最初の方で示されていましたので
それが伏線だったとも考えられます。


ラストは、岡田と一緒だったからこそ、ああなったのでしょう。

犬のことも
上記の台詞も
それが示す記憶障害も。

安藤の「俺達、親友だよね」に繋がっていると思います。


出演者は皆、素敵です。

ムロツヨシが上手い。
勿論、濱田岳も。

森田を演じきった森田剛は最高に素晴らしいです。

殺人シーンにしても、動きも良いし迫力もあるし
何もない空洞の様な暗い目をしているところが何とも言えません。

ラストは泣けます。
物凄く切ないです。



2016年/日本
監督/脚本:吉田恵輔
原作:古谷実
出演:森田剛(森田)
濱田岳(岡田)ムロツヨシ(安藤)佐津川愛実(ユカ)
駒木根隆介(和草)山田真歩(久美子)大竹まこと(清掃会社社長)




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Last updated  2017.02.12 22:02:32
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2013.01.02
カテゴリ:日本映画
「生まれる前に死んだんでしょ、いなかったのと同じじゃん」


現実に起きた事件にインスパイアされて作ったということで話題になった作品。

男子中学生だったのを女子中学生に変えたことでブーイングもあったらしいけど
私的には女の子になったことで余計に恐くて観るのが躊躇われた。


現実の事件では、先生に厳しく叱責されたり
席替えの際に障害のある生徒や不登校気味の生徒に配慮を示したこと等に
不満を持ったことがきっかけだったらしい。

だから男子のままだったら、そうした動機というか
彼らが抱える不満やその背景に重きが置かれた話になっていたかも?

でも、女子にしたことで
「サワコ、セックスしたんだよ、キモチワルクない?」
という思春期特有の潔癖さ、同じ女性性に生まれ
自分も妊娠できる身体へと変化しつつあることへの戸惑い等が
動機になっているということで
妊娠、流産、命…というものが、より際立ったと思う。

時間も短いし>約一時間
登場人物達の背景はほとんど描かれていないし>先生の夫さえも出てこない
出来るだけ余分なものを削ぎ落として、この根源的な問題に焦点を絞っている。


だけど、その分
私もまた女であるからかもしれないけど
先生自身をどうこうではなく、そのお腹の赤ちゃんを狙うという点に
嫌になるほどドロドロなもの…どうしようもなくキモチワルイモノが感じられて
堪らなく恐いなあ…と思ってたんだけど

実際に観てみたら、非常に自然にすんなりと世界に入っていけた。

あの年代の女の子ならではの
色気というのか瑞々しさというのか
何だかとても心地良さを感じた>変?

動きが良いのだ。
サッと柵を乗り越えたり、階段をスタスタと昇っていったり
机の上を渡ったり、カートを放り出したり
指輪を盗むのにワッと固まって走り抜けたり…

同時に
もっさり感もあるし
「ガキンチョ」って言葉も浮かぶし
ダサいのだ(笑)

何か、そういうところに妙に惹かれて
あっという間に観終わったって感じ。


薄暗く陰湿なホラーかと思っていたら
瑞々しい青春物語だった…って感じ。



ただ、まあ
サワコ先生が非常に強い人だし
メンバーの一人の母親が絵に描いた様なモンスターペアレントだったり
結局のところ問題児(?)は一人だけだったり
クライマックスはアクション・シーンだったり
…と、ちょっと極端かなあと思わないでもなかったけどね(^^;)

でも、一人を除くメンバー達が
安易に笑いながら参加したり
簡単に離脱したり
…というところは、ある意味リアルかも。

しかも、憧れの男性教師の方になびいちゃったりとかね(笑)
性を嫌悪してたかと思うと異性に惹かれたりとか
何かとっても「らしい」って気がする。


で、最後に一人だけ(強制されてのことだけど)協力したメンバーを
その“問題児”@ミヅキが排除しようとしたのは
彼女がチクったのだと悟ったからかもしれないし
彼女の母親から罵倒されたせいかもしれないけど
それだけでなく
母親に過剰に愛情をかけられている彼女を疎ましく思ったからじゃないかと思った。

グループの母親達が学校に集まった時、ミヅキの母親だけが来ていなかった。
ミヅキに関しては、これだけしかハッキリしたことは語られていない。
母娘の関係が希薄なのだろうか…と察せられる程度。

でも、母親の存在が自分の中で薄いなら
生まれる前に死ぬ=いなかったと同じ という発想になるのは分かる気がする。

胎児を殺すというのは、女性にとっては
母親から生まれてきた自分と、やがて母親になるであろう自分の
両方を否定することになるんじゃないかと思うんだけど>ある意味
ミヅキは自分が母親から生まれたことを本当に否定したかったのかもしれないし
自分が母親になる可能性のある生き物だということを堪らなく嫌悪してたのかもしれない。

思春期の潔癖さや気持ちの不安定さに加えて
言葉に出せない諸々があったから
彼女は一人モンスター化してしまったのかも?

深読みかもしれないけど
実際のところミヅキ一人を残し、バトルに至るところは
物語としては盛り上がるけど、やっぱモンスター化になってしまったと思うので
このくらいの背景を考えないと、ちょっとイマイチな気がしなくもない。


それと、
サワコ先生がミヅキを庇ったのは
「教師である前に女性」と言っていた先生が逆に
究極の瞬間には「教師」になったということで非常に感動的なんだけど
そこまで出来るものかな…
製作者が女性だったら同じ様に描いたかな…
という疑問も少しばかり残った。


でも、最初の話に戻るけど
妊娠、流産、命…という問題を前面に出した場合
やはり、こういう展開になるべきだとも思う。

水着の下から初潮の血が流れ出ていたミヅキと
流産の血で真っ赤に染まった先生のお尻が
鮮明な対照であり対称であったと思う。


ラストでミヅキは理解したってことだよね。
女性の方がドロドロしているけど
女性であるからこそ言葉を超えて理解できる
…と信じたい。

そこは男性の方が厄介かもね(^^;)




『Let’s Make The Teacher Have A Miscarriage Club』 2011年/日本
監督・脚本・製作:内藤瑛亮
出演:宮田亜紀(サワコ先生)、小林香織(ミヅキ)





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Last updated  2013.01.05 21:06:23
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2011.10.31
カテゴリ:日本映画
TVで観たのと原作は未読なのとで
感想を書くには片手落ちってヤツかとは思うのですが
それなりに思うところはあったので書いてみます。

爽やかな子という意味の爽子という名前を持ちながら
人間関係が苦手で緊張のあまり暗い対応をしてしまうので
「貞子」と渾名を付けられ敬遠されている女の子と、
爽やかさの塊のような人気者の美少年との
爽やか学園ラブストーリーです。


ちょっと冴えない女の子を何故か美少年が一途に愛してくれる―
というのは少女マンガの永遠のテーマですね(笑)

まさに王道って感じですけど、
噂によると原作はもうちょっと個性的な作りだとかいう話なので
そういう意味では原作ファンにはあまり嬉しい映画化ではないのかも?

原作を知らないまま観ると、
ベタだけど、それだけに受け入れやすい物語だし
配役がイメージ通りか否かも気にしなくて良いので
それなりに楽しめると思います。


まずヒロインの多部ちゃんは
長い黒髪がまんま貞子でも上目遣いが怖くても、やっぱり可愛いので
敬遠されるどころか普通にモテるだろ!?
という気もしますが、
他の女の子達と並ぶと浮いてるっていうか、別ジャンルって感じで>ぇ
“違い”度というのは存在だけでバッチリ出ていると思います。

まあ実際、爽子はブスというわけではなく頭も良いし真面目な良い子なのですからね。
ただ、胡桃ちゃんとの絡みでは
幾ら何でもイマドキの子がそんなに鈍感なわけないだろっ!
という気もしますが、まあ純情過ぎて鈍感なのはヒロインには付き物の資質なので
あまり問わないでおきましょう(笑)


三浦春馬は原作の風早と比べてどうかは分からないけど
単体で見れば十分に少女マンガチックな美少年なので、
もう存在しているだけで良い!許す!って感じです>ぇ

そんな彼が実に都合良く爽子を好きになるわけですが
彼女の笑顔を、他の誰も見たことがなかった(見ようともしていなかった)時に
一番最初に見た人物だった…というのが分かるので、それほど不自然ではないかも。
それに、ゴミの分別や黒板拭き等の細かい仕事を黙々と自発的に行っている彼女を
度々見つめている姿も映りますから。


脇では蓮佛美沙子が良いですね。
髪を染めてちょっと強がっている彼女が屋上に立っていたりすると
個人的に好きなドラマ上位に入る『Q10(キュート)』を思い出します。


―と、ここまで書くとまるで絶賛しているように見えますね(笑)
でも、実は、それほど良い出来の作品とは思いませんでした>スミマセンスミマセン

何つーかね…

台詞が多過ぎ(^^;)
物語も各人物の心情も説明し過ぎ(――;)

「君に届け」というタイトルからして
気持ちは表現しなければ相手には伝わらない…
自己完結していてはいけない、心を届けるべき…
というのがテーマらしいんですが

それを台詞にしちゃダメじゃん。

つーか、全てが台詞で進行していくんです。
ラジオ・ドラマか!?って感じです。


原作がこの点どうかは知らないですけど
マンガなら成り立つかな、とは思います。
吹き出しも絵の一部ですから。

勿論、吹き出しで人物や風景の絵が埋没していたらやり過ぎですけど。
映画は、そこの基準がマンガよりも厳しいと思います。

まあ、割と見かける台詞が極端に少ないドキュメンタリー風の映画も
個人的にあまり好きではないので、入れ加減はセンスの問題なのでしょうね。


物語的にも
他者とのコミュニケーションに問題を抱えている爽子が
風早達との出逢いで変わっていく様を描くのに
最初から言葉で全て説明してしまっては説得力ないし
感動も薄れてしまうと思います。

もう少し、多部ちゃんを始めとする役者達を信頼しても良かったんじゃないかな。

そうしたらきっと、
もっと瑞々しく、もっと詩的な、もっと普遍で、もっと心に響く
爽やかな作品になっていた気がするんだけどな…




『君に届け』 2010年/日本
原作:椎名軽穂
監督:熊澤尚人
出演:多部未華子(黒沼爽子)三浦春馬(風早翔太)
   蓮佛美沙子(吉田千鶴)



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Last updated  2011.10.31 23:34:31
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2011.10.16
カテゴリ:日本映画
やればできんじゃん日本映画!!


傑作だとか
吾郎ちゃんが凄いとか
伊勢谷さん出てるよ、とか
オヤジ達の魅力がハンパないとか

…色々と評判を聞いていたのだけど、今頃になってようやく観ました。

いや、面白いです!
吾郎ちゃん凄いです。
伊勢谷さん何気に美味しい役です。
オヤジ達、さすが基礎が出来てるからハンパないです。


☆ちょこっとネタバレあり☆


まあ簡単に言うと
とんでもねー残虐趣味の殿様がいて
なのに何故か老中のポストが約束されていて
このままじゃあ日本が危ない!
っちゅーことで立ち上がる13人の侍達!!
…という話なんですが

何せ泰平の世なもので侍っちゅーても侍の意味が分からなくなってるっちゅーか
刀を持っていても実戦経験のない奴ばかりで
武士道とか忠義とか侍魂とかも何が何やら…形だけで本来の意義って何だっけ?
みたいな世界になってるわけです。

↑それほど酷くない?


だから吾郎ちゃん扮する殿様は多分、
誰よりもそんな世の中の様子がハッキリ見えていて
誰よりも憂いている…ちゅーか絶望しきっていて
夢も希望も生きがいも喜びも何も感じないのだと思います。

でも、どーしようもないから、一時的な刺激を求めて残虐行為に走るんだと思います。
その最中はちょこっと面白いような気がするのだけれど、やっぱそれほど面白くない…
だから喜々として行ってるんじゃないし、ましてや恨みとか執念なんてものはない…
悪ではあるけど悪鬼の如くってんじゃなくて寧ろ気が抜けてる(笑)
浮いてるんです。

そこが面白いし、吾郎ちゃんの雰囲気に合ってるし、不思議な魅力があります。

まあ、こういう物語は悪の側に魅力がないと成り立ちませんからね。
もう、この部分だけで成功作になっています。


そんな殿様が行うことだから、それはもう残虐なので
誰にでもお勧めできる作品ではないのですけどね(^^;)
後半はひたすら戦いだし。

暴力描写に定評のある韓国映画や黒社会を扱ったものが多い香港映画が好きな私なので
(『チェイサー』とか『オールドボーイ』とか『息もできない』とか『インファナル・アフェア』とか)
その点は全く問題なかったです(笑)


難点はないわけじゃないです。
例えばね…

あの牛はないだろう、あの牛は!?
ってとことか

伊勢谷さんと岸辺一徳のシーン、必要ある!?
ってとことか

13人が集まるところは、それこそ『少林サッカー』みたいに
各人の個性をしっかり描きつつワクワクするような展開にしてほしかったなあ…
ってとことか

…でも、これでも二時間以上あるのに13人の描き分けを十分に行ったら
トテツモナイ長さになってしまうだろうし
ちゃんと一人一人に見せ場を作っているのだから、これ以上望むのは贅沢ってもんかも。

伊勢谷+一徳は省いても良かった気がするけど(笑)
まあ、伊勢谷さん扮する小弥太は13人の中に加わりながらも
真の意味ではどちらの側にも属さない、侍でさえない(侍の血は引いていると言ってたけど)
特異な立場ってことを強調するシーンだったとは言えると思うけど。

で、彼の存在が“侍”をクールに眺める視点になっているってことで
「え?」って感じのラストも受け入れられるかも。

あれは、もしかしたら新六郎が見た幻という解釈もできますしね。


アクション・シーンは
一人だけプロが混じってます(?)な松方弘樹も良かったけど
一番カッコ良かったのは井原剛志ですな>私的には

刀って数人斬っただけで血や脂肪で使えなくなると聞くけど
そこはフィクションだから何十人と「斬って斬って斬りまくる」のが常ですよね。
でも我らが井原さんは血糊で汚れた刀身をさり気に見せた後
あちこちに刺してある刀をとっかえひっかえして華麗に戦っていくのです。

窪田正孝と見つめ合って死ぬところも萌えシーンでしたし>ぇ



2010年/日本
原作:池宮彰一郎
監督:三池崇史
出演:役所広司(島田新左衛門)山田孝之(島田新六郎)伊勢谷友介(木賀小弥太)
   稲垣吾郎(松平左兵衛監督斉韶)市村正親(鬼頭半兵衛)


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Last updated  2011.10.16 23:17:27
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2011.04.10
カテゴリ:日本映画
スポンサーが東電で、クライマックスでは発電所で地震が起きると聞き
東日本大震災後の今、まるでネタドラマじゃん!
と興味を持って観賞。
そしたら、そんな不純な動機で観たのが恥ずかしくなる程の
純粋なラブストーリーであり成長物語だった。


HINOKIOとは、主人公サトルの父親が作った遠隔制御の介護ロボットの渾名。
軽量化のため一部にヒノキが使われていることから、ピノキオをもじって名付けられた。

サトルは事故で母親を亡くしたショックで引き篭もりになってしまった少年。
自分も脚に怪我をしたもののリハビリをすれば回復すると保証されているのに
それを拒否して車椅子の生活を続けている。
父親にも心を開かず、自分の部屋でゼリーや冷凍食品を食べながらネットゲームをする毎日。

そんなサトルの代わりに学校に行かせるため、父親はHINOKIOを作った。

代わりといっても身体だけの問題で、サトルは自分の部屋にいながらも
HINOKIOを通して色々なものを見たり聞いたりできる。
最終的には感触も(そのためのソフトをインストールすることによって)得られるようになる。
つまり外界と接触するツールとしてHINOKIOは機能する。

サトルはHINOKIOを通して人と出逢い、少しずつ人間性を取り戻していく。
周囲の人々はHINOKIOを通してサトルと触れ合い、少しずつ心の傷を癒していく。

…というような物語。


東電が関わったのって、正解じゃなかったかも…>言っちゃった

おかげでオール電化だのバリアフリー住宅だのインターネットだのが登場するんだけど
この映画が公開された2005年頃であっても、別に近未来的という程ではなかったんじゃ…?
震災後の現在においては、オール電化なんて全く憧れの対象じゃなくなってしまったしね。

それどころか、そういう要素がことごとく画面から浮いてしまっている気がする。
まあ、バリアフリーは好ましいんだけどさ、
インターネットにしたってゲームが中心で、そのゲームも決して良いものとして描かれてない。

それに対し、
サトルが(HINOKIOを通して)友達と遊ぶのは釣り…
友達になったジュンがいじっていたのはチャンネルをガチャガチャ回す昔のTV…と
最先端どころか寧ろレトロな雰囲気。
その他もキャンプだったり線香花火だったりカレーライスだったり遊園地のコーヒーカップだったり…

もしかして監督はこっちを狙ってたんじゃない?
昭和の香りが心地良いし、人情を感じさせるし、何よりHINOKIOとの対照が面白いし。


それと、もう一つ
成長のきっかけとなる“試練”の場が
ゲームないでは煉獄、現実世界では発電所の煙突―
というところや

試練を潜り抜けて“生まれ変わる”ことのメタファーが
発電所での地震―
というところは

何気に皮肉ちゃう?

震災後の現在では尚更だけど、当時でさえ
映画の内容に気付いていないかのように自慢気にオール電化を謳ってた東電って痛い。


ところで、このジュンというキャラが魅力的。
思いっきりネタバレになるけど
多部未華子が演じてる時点で十分ネタバレだけど(笑)
少年の格好をした女の子だ、という設定がミソ。

いや、多部ちゃんはこれが長編映画デビュー作だそうだから
当時の観客は、ジュンが本当に男の子だと信じた人の方が多かったかも?
で、正体が明かされた瞬間、ビックリしたかも?

ショートカットの多部ちゃんは、とても自然に少年に見える。
ちょっと神木隆之介君風の美少年で、知らずに観てたら惚れたかも?

そういう楽しみ方をしたかったな(惜

で、このジュンの設定だけど、
子供の観客を意識してかサラッと触れるだけだけど、彼女は性的虐待を受け
そのために自分が女性であることを嫌悪している…という、なかなか凄いもの。

心に傷を持つ同士だから、彼女とサトルが心通じ合うようになることに説得力があるし
ラストでは姿が映っただけで彼女が苦しみから立ち直れたことがハッキリ伝わってきて感動する。


他にも、男の子達は割とシンプルなんだけど女の子達が個性的に描かれている。

スミレは、ジュンとは違う形で歪んだ心を持っていて
動機は恋心なので可愛いいちゃー可愛い部分もあるんだけど、
外側への表れ方がイカニモ敵役な上に、どんどんアブナイ方向に行っちゃうところが
面白いっちゃー面白い。

江里子まで過去にワケあり、みたいな設定はtoo muchな気もしたな。
ジュンとの関わりの理由として必要だったのかもしれないけど…
でも、そうしなくても成り立ったと思う。

まあ、子供であっても“心の傷”もしくは“闇”を抱えている…
というのが重要なのかもしれないけどね。


ツッコミどころは結構あった>東電のことだけでなく(笑)

海に落ちた後のシーンは所々端折り過ぎな気がしたし、
HINOKIOのイジメの件は回収されてないような…

でも、全体的に面白かったし
HINOKIOのCGは完璧だと思うし
SFファンタジーとしてキチンと作られてるし
瑞々しい初恋物語にもなっているし
成長が描かれているところが、とても良い。




2005年/日本
監督・原案:秋山貴彦
主題歌:『Tomorrow’s way』(YUI)
出演:本郷奏多(サトル)多部未華子(ジュン)
中村雅俊(父)小林涼子(スミレ)堀北真希(江里子)林原めぐみ(ゲーム・キャラの声)




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2011.01.14
カテゴリ:日本映画
僕の孤独が魚だとしたら
そのあまりの巨大さと獰猛さに
鯨でさえ逃げ出すに違いない


時空を超えた4つの物語―

1975年
「ぎゃくりんじゃない、げきりん」
セックスピストルズがデビューする少し前、日本に誕生したパンクバンド“逆鱗”の物語。

1980年
「一度でも何かに立ち向かったことある?」
世界を救うと予言された、気弱な大学生の物語。

2009年
修学旅行に取り残された女子高生と、正義の味方として育てられたコックとの出逢い。
『ベストキッド』かいっ!?な物語。

2012年
彗星が地球に激突する5時間前…
『アルマゲドン』じゃね!?な物語。

この4つの物語が最後の最後に綺麗に繋がる。
ていうか、繋がっていることが明らかになる。
ちょっと痛快なファンタジー。


“fishstory”=法螺話
このタイトルを持つ、発表当時は全く売れなかった曲が
時空を超えて、人々を繋げて、やがて世界を救う―
という
この映画自体が“fishstory”


まあね、
あの人はどうなったの?
あの出来事はどう収まったの?
…等々の疑問は残るのだけれど

それは重要じゃない、ってことなんだろうな。
何せ“fishstory”だから。

でも、メインの繋がり具合は面白かった。
全体の雰囲気も良かった。

伊坂幸太郎の小説はまだ一作も読んだことないのだけど>ダメじゃん
映画は『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』そして今作と3本観た。
どれも雰囲気が似ている。

似たり寄ったりって意味じゃないよ。
それぞれ物語は全く違う。
ツッコミどころはあるけど、面白い。
登場人物も個性的。
あまり身近にはいないタイプなんだけど、親近感が湧く。

そして、描かれる“世界”が愛しい。


で、この『FISHSTORY』―

逆鱗は要となる存在として悲しさを伴うカッコ良さみたいなものを醸し出しているし、
大森南朋は二役で二つの時代に登場し、どちらもその時代を体現している感があるし、
濱田岳は実に良い味を出しているし、
石丸謙二郎は不気味さと存在感があるし、
山中崇と浪岡一喜は面白いアクセントになっているし、
眞島秀和が出てきたのが個人的には嬉しかったし、
多部未華子はブスな泣き顔と無垢な少女っぽさの向こうに映画全体を貫く強さを示しているし
…登場人物がそれぞれ魅力的なんだけど

私的には

森山未來が超素敵!!!

佇まいが素敵で
動きも勿論、素敵で
髪の乱れ方までも素敵で
惚れましたぜ!



2007年/日本
原作:伊坂幸太郎
監督:中村義洋
出演:濱田岳(雅史)、多部未華子(麻美)、森山未來(正義の味方)
大森南朋(レコード店店長/岡崎)、石丸謙二郎(谷口)、眞島秀和(谷)
山中崇(健太郎)、浪岡一喜(悟)、高橋真唯(晴子)、江口のりこ(浪子)
【逆鱗】伊藤淳史(繁樹:リーダー/ベース)、高良健吾(五郎:ボーカル)
渋川清彦(鉄矢:ドラム)、大川内利充(亮二:ギター)




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Last updated  2011.01.15 14:41:30
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2010.06.06
カテゴリ:日本映画
春が、二階から落ちてきた―


理性と感情の差なのか…
どう見てもツッコミどころ満載なのに、
何故か愛しく思えてしまう映画がある。

ヘンテコだけど、逆にそこが良い…というのとは、また別(笑)
そう思えるものは寧ろ傑作の部類に入るだろう。

そうではなくて
エピの作り方とか、そこから窺える思想とか、そういう根本的なものが
それはないだろう!
という程の出来であるのに
何故か惹かれて最後まで一気に観てしまい、感動さえしてしまう作品がある。

例えば
『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』とか『パコと魔法の絵本』とか(笑)

そして今回
この『重力ピエロ』が私のリストに加わった。



原作は残念ながら未読。
もしかしたら、原作は傑作なのかもしれない。
でも、映画はどうもなあ…って感じ。

ミステリーとはいっても謎解きが主眼になってはおらず、
そういう意味でハラハラドキドキしたり、意外な結末に驚いたり
…という程のものはない。

トリック(と言うよりパズル?)は、ちょっと興味深いと思ったんだけど
あまり重きを置かれない。
ていうか、あれは兄を引き込むためだけのものってことで終わっちゃったし。

夏子さんという個性的なキャラが出てきたかと思ったら
ただ兄にヒントを与えるだけの存在で終わっちゃったし。

それに色々な事柄が台詞で説明されるだけ…って感じだし。

まあ、その台詞はなかなかシャレていて面白いとも思ったんだけど
反面、気障でアザトイ気がしなくもなかった。

渡部篤郎の存在感は凄いと感心した。
兄に淡々と語るシーンは何気に名シーンだと思う。
でも、最後のシーンは、無防備過ぎるしアッサリ過ぎる。

そしてラスト…

『親切なクムジャさん』の時に書いたと思うけど
復讐をテーマとした映画やドラマは沢山あるけど、
日本では、それを途中で思いとどまらせるという生暖かい結末のものが多い気がするけど
韓国では、逆に完遂させるものが目に付く。
ただ、その先にはハッピーエンドではなく暗い思いが待ち受けている。

で、この『重力ピエロ』は、その中間だよね。

まあ、厳密に言えば「復讐」というのとは違うんだけど…
とにかく、計画していたことは全て果たされるのだ。
そして、それは「良いこと」として終わってしまう。

罪を犯す性向も遺伝する…と言ってたから
だから連続レイプと連続放火の関連性に心痛めながら観ていたのに
だから「浄化」という言葉を聞いた時は、「ああ、そうか」と納得しかけたのに
あのままって、どうなの?

じゃあ自首する終わり方なら良かったかというと…そこも微妙なんだけどさ(笑)

ただ、理屈として弱いし(^^;)
何より、結果的に渡部篤郎の主張と同じことなわけで
それじゃ「浄化」にならないじゃん!

って思う。

父親と同じ癖があることを指摘されたのは、
「浄化」によって本当の親子になれたってことなんだろうにさ。



それでもね…

この映画の雰囲気に魅了されてしまった。

兄も弟も、凄く良いキャラだし演技だと思った。

父も素敵だった。
小日向文世って最高。

母も可愛らしいし、
山内も物語上あまり意味ない存在なんだけど感じが良かったし
夏子さんも面白い。

渡部篤郎は、あの語りのシーンにおいては最強だし。

で、

何だかね…
心の中に熱いものが残ってしまったのだよ。




★       ★       ★       ★       ★       ★       ★
監督:森淳一
脚本:相沢友子
撮影:林淳一郎
照明:中村裕樹
美術:花谷秀文
音楽:渡辺善太郎
出演:加瀬亮(泉水)、岡田将生(春)
    小日向文世(父)、鈴木京香(母)、吉高由里子(夏子)、岡田義徳(山内)
    渡部篤郎(葛城)





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Last updated  2010.06.06 22:35:49
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2010.02.21
カテゴリ:日本映画
『PACO and The Magical Book』 2008年/日本
原作:後藤ひろひと『MID SUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人』
監督:中島哲也
出演:役所広司(大貫/ガマ王子)、パコ(アヤカ・ウィルソン)
   阿部サダヲ(堀米/ヤゴ)、國村隼(木之元/ガマ姫・ガマ王子の母)
   妻夫木聡(室町/ザリガニ魔人)、山内圭哉(龍門寺/ミズスマシ)、
   劇団ひとり(滝田/サカナ)、加瀬亮(浩一/アメンボ・ガマ王子の家来)
   小池栄子(雅美/沼エビの魔女)、土屋アンナ(タマ子/メダカ)、上川隆也(浅野/タニシ)

★       ★       ★       ★       ★       ★       ★

『下妻物語』も『嫌われ松子の一生』も未見の私は、これが中島哲也作品初体験。

写真を見た時は、ちょっと苦手なタイプの映画かな…と思い、ちょっと敬遠していた。
ファンタジーは好きだけど、あまり作り込み過ぎたものには乗れないし、
これはどっちかな…ちょっと後者の匂いがするな…という気がして(笑)

で、観てみた。

狭間にあって非常に危ういというか(笑)微妙な作りだな、と感じた。
でも、泣けた
そう、かなり泣けちゃったんだよ~>単純?


アニメの登場人物みたいな阿部サダヲが蛙と共に登場するオープニングは良かった。
そんな彼が訪れるのだから、その先は何でもない日常的な世界なのかと思ったら
そこは既に非日常的な世界(笑)

いや、下の階はフラダンス教室に貸しているとか、
上の階に眠る人々は友達と友達の友達と友達の友達の友達と…という風に
設定的には「日常的」な範囲なんだけどさ。
何か作り過ぎっちゅーか…
『エヴァンゲリオン』だの『銀河鉄道999』だの記号的なものも多く配されてるんだけど
ただ色々雑多に取り入れてみました~みたいな印象しかなかった>スミマセンスミマセン

そんな様子の中で阿部サダヲが昔の出来事を話し始める…というところは良かった。
でも、原色で飾られた世界から原色で飾られた世界に移るのでイマイチ差を感じない。
しかも軽くて寒いギャグが連発されるので、かなり辛くなってきた(^^;)

でも、物語は基本的に暗い。
リアルに描いたら余計に辛いものになっていただろうし、
メインとなる劇中劇は寒くてアザトイものになっていただろう。
だから、悪趣味一歩手前(手前は余計?)の映像やギャグは
この小さな物語をファンタジーにするために必要不可欠なものなのかもしれない。

原作は舞台劇だそうで、映画も基本的に舞台っぽい。
だから最初から舞台だと思って観るのが正解かも。


タイトルやポスターの構図からして、主人公はパコのように思えるけれど
実際には大貫@役所広司の物語だった。
後で聞いたのだけれど、
ディケンズの『クリスマス・キャロル』がベースになっているそうで、
「ああ、なるほどね」って感じ。

改心早過ぎっ!って感じだけど(笑)

加えて、絵本の中のガマ王子と大貫とが何となく重なってくる…という風なら良いのに
アカラサマに描き過ぎ&シツコク出し過ぎ。

それから、絵本を読み始めた時点からCGのガマ王子が早くも登場してしまうのも
ちょっと気前が良過ぎちゃうかなあ…
これは劇中劇のところで初めて出てきた方が感動できた気がするんだけど…


彼以外の人々にもそれぞれ悲しい過去や心の傷があって、
だからこそパコを助けたいとの思いが強くなったのだろうし、
それらが全て劇中劇に集約されていくところは良かった。

でも、ちょっとばかしアザトイ気も(^^;)

とはいえ、皆が皆、役柄にハマっていて魅力的だった。
上川隆也は竹中直人みたいだし(笑)
土屋アンナはカッコイイし
妻夫木聡は二枚目をかなぐり捨ててるし

ちょっと小池栄子は感じ悪かったけど>スミマセンスミマセン
阿部サダヲも浮いてたけど>これまたスミマセン

最高なのは、やっぱ國村隼!

その國村さんが何度も呟いた「室外機」は“死”の予感を煽るものだけど
煌びやかな映像と、その言葉から浮かぶジメジメ&うら寂しいイメージとがかけ離れていて
キーワードとするには弱いというか埋もれてしまった感はあった。

最後に亡くなるの大貫ではなくパコというのは捻りがあったけど…

でもって、大いに泣いたのは事実なんだけど…

パコは素晴らしく可愛いし
彼女のために頑張る皆の気持ちも分からなくはないんだけど、
その割にはパコ自身の人物像が薄いままだったのが残念かも。


大貫が死ぬという展開なら、パコの心に何かしらの変化を齎すということで
物語として成立したと思う。
あるいは、結局のところ何も齎さなかった…という終わり方も興味深かったかも。

パコが死んだことで、余計に彼女が単なるだったことが強調されてしまった気がする。
大人が欲する、あくまでも表面だけの薄い“無垢”さというのか…
彼女の過去も記憶も死も、“無垢”にするための強引な理由付けみたいな感じで(酷?

でもって、この後、
大貫がどうなったのか…それが一切描かれていないのは
意図してのことなんだろうけれども、その意図が分からない。

それで何かちょっと締めが甘い気がしてしまったんだけど…私だけでせうか?

でもね、やっぱ泣けたんだよ。
凄く微妙~な映画だと思う(笑)





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Last updated  2010.02.21 23:01:46
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2010.02.18
カテゴリ:日本映画
2008年/日本
原作:一条ゆかり
監督:金子修介
脚本:高橋美幸、伊藤秀裕
美術:高橋俊秋
音楽:清水信之
主題歌:『Pride~A Part of Me~feat.SRM』
     作詞:ステファニー 作&編曲:ジョー・リノイエ
     歌:ステファニー、満島ひかり
出演:ステファニー(史緒)、満島ひかり(萌)
    渡辺大(蘭丸)、及川光博(神野)、高島礼子(菜都子)、長門裕之(星野)
    由紀さおり(山本)、五大路子(松島)、新山千春(有森)、黒川智花(さやか)
    ジョン・カビラ(史緒の父)、キムラ緑子(萌の母)

★       ★       ★       ★       ★       ★       ★

うん、やはり満島ひかりだ!


と、ひたすらそればかり納得した作品であった。

「プライドは捨てた」と言い放つ貧乏少女とプライドの固まりの様なお嬢様の物語。
勿論、満島ひかりの役柄は前者。


原作は未読なので、そちらとの比較はできないのだけど>こんなんばっかでスマソ
まあ、いかにも少女マンガの世界という感じだった。

と言いつつ私の乏しい少女マンガ体験からすると
少~しばかり定型を崩そうと工夫しているのかな、という感じがした>エラソウ

最初は、黒髪の貧乏少女と立てロール茶髪のお嬢様の組み合わせに
心優しい貧乏少女VS意地悪な金持ちお嬢様
…というベタな図式が頭に浮かんだけど>私だけ?
さすが満島ひかりが演じるだけあって、貧乏少女は、とんでもないビッチだった(笑)

では、白と黒で象徴させて
穢れを知らない真正お嬢様VS汚い手を使って成り上がろうとする貧乏少女
…なのかというと、そういうわけでもない。

つまり天使VS悪魔の図式ではない。
どちらも悪魔という程ではないんだけど、天使では決してない。
どちらか一方に重きを置いているわけでも、ましてや肯定しているわけでもない
というのは興味深いんだけど
どっちにも共感できないというのは、やっぱちょっと辛いかも(^^;)


でも、勿論、
満島ひかりの奮闘ぶりに、どんどん彼女に贔屓目になっていったけど(笑)

何つーかさ、
ステージに上がる直前の史緒@お嬢様に母親のことを耳打ちしたのは
やっぱ汚い遣り方だなあ、とは思うけれど
それ以降の萌@貧乏少女の行動は、そんなに責めるべきことのようには見えなかった。

あからさまに媚びる姿なんて可愛いもんじゃん。
計算とはいえ長門裕之のゲロを素手で受け止めるなんて尊敬もの。

有森の結婚を邪魔した件だって、ただ本当の事を言っただけじゃん。
寧ろ相手の男性を救ったことになると思う>つまり真に嫌な女=有森

母親に向かって日本刀を振り上げるとこなんて、むしろ拍手喝采じゃん。
そこで神野@ミッチーは彼女に惚れるべきよ!

萌が神野を思う様子は純情な女の子のままだったと思う。
それに対し神野の態度がクール過ぎるのは却って不思議。

仕事や世間への体裁を考えて史緒が妻にはふさわしいとクールに判断するのは良しとして
心では彼も萌に惹かれている…という設定にしてほしかったな。
「情の深い女には手は出さない」という彼の台詞は
実は彼女に溺れそうな自分自身を制する言葉だった…というのなら納得するけど
でも、あれだけで視聴者にそこまで察しろというのは無理があるなあ(笑)

ただ、萌が歌うシーンの背景が沖縄の風景に変わるシーンは、ナンダカナ…
彼女の歌の素晴らしさを表現しているのは分かるんだけどさ。



歌といえば、満島ひかりもステファニーも、オペラ以外は自分で歌っていて
そこは、さすがだなと思った。

でも、逆を言うと、そんな2人に頼るあまり
オペラからポップスの世界に変更してしまったのは、あまり成功とは言えないような…

ついでに言うと、幾らステファニー作詞とはいえ
クライマックスの歌は、あまりにも説明的というか
この映画を全部解説しちゃってんじゃん!
…て感じで…ナンダカナ…なのであった。

それでもメロディと歌声が綺麗なので聞き応えはあったんだけどね(笑)


それから、役者としてのステファニーは、ちょっとなあ…

あの素晴らしい棒読みも
彼女が単独のヒロインであれば、脇に支えられて何とか形になったかもしれない。
でも、存在感もやる気もバッチリの満島ひかりとタメ張ってる立場だからなあ…
あちらが完全に敵役であれば、また違ったんだのかもしれないけどね。

それからビジュアル的にも
美人だし、満島ひかりと対照的な巨乳だし、良いはずなんだけど
全体的に見て何かゴツイというか…デカイというか…
何だかとってもオカマチック>スミマセンスミマセン

女装した蘭丸より男っぽいって、どーいうことよ!>本当にスミマセン


そーいうわけで>どーいうわけだ

まあ、ツッコミどころは満載なんだけど
イカニモなベタな少女マンガ・ワールドなんだけど
最近続出しているダメダメな邦画達と、パッと見は非常によく似ているんだけど

それでも、この映画は良い!

というのが、私の感想であります。
半分以上は満島ひかりのおかげだがな>ぉ





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