超音波関連の6回目です。
前回に引き続き、人の手で作られて利用されているものを題材に取り上げます。
自然界でも見られる超音波は、人の手によりいろいろな所で活躍しています。
その一つに超音波探傷検査(ちょうおんぱたんしょうけんさ)があります。
この検査は、金属などに超音波を当てその内部にある傷を検出し、
その形態・形状・寸法まで調べることができます。
また金属の厚みを計測したりすることにも使われています。
「超音波で構造物の傷を探る」ことより超音波探傷検査(超音波探傷試験)といわれます。
超音波探傷検査は、構造物の欠陥等を検出する非破壊試験法(壊さずに調べことができる試験法)で、
X線検査に並ぶ代表的な欠陥検査法のひとつです。
X線検査は放射線を出しますが、超音波は人体に無害とされていますので、
今後活躍の場がさらに広がることでしょう。
それでは超音波探傷検査は実際にどういう所で使われているのでしょうか?
先日から続く新潟を中心とした多発地震では大きな被害がでて、
いまだ大変な状態が続いていますが、
たぶん今回の地震の被害を調べるためにもこの検査は多用されると思います。
たとえば陸橋や鉄橋などの溶接部分等の検査やレール部分の損傷の有無をみたり、
ボルトの損傷や長さを測ったり等、私たちが安心して生活するためには欠かせない検査なのです。
他にも造船所でも使われていることを聞いたことがあります。
その他には、関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故でも不幸な事態が起こりましたが、
その後おこなわれた施設の2次系配管の肉厚計測にも超音波探傷検査が行われたはずです。
このように超音波検査は私たちが病院で行う超音波検査以外にも、使われてることが分かりました。
結構いろいろな超音波機器があるんですね。
それでは、今回のお話は終わりです。
次回は「超音波洗浄機」についてお話ししますね。
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この場をお借りしまして、美浜原発事故や新潟地震の被災者の方々に、
心よりお見舞い申し上げます。
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