Ｇ党魂

　「野球のルールがわからない」とおっしゃる整体の若い女の先生に
　野球とはこういうスポーツです、と一言で魅力を語ることが目的です。

サッカーだったら「敵陣のゴールにボールを蹴り入れること」といったところでしょうか？
しかし野球の場合は一言で言いたくても、付帯事項が際限なく付いてきます。
牽制球はこう投げちゃダメとか、インフィールドフライとか、振り逃げなんて実は私は今でも
正しく説明できません。わからない人には、そもそも牽制球って何？　って話でしょうし…
ただ、逆に言うと、それでも野球は楽しいんですよ、とは断言できます。

ボールを遠くへ飛ばすことが目的ですが、敵側はできるだけ「打たれないように」あるいは
｢当たっても、飛ばないように」投げることが許されているのです。
遠くへ飛ばすのも一定の距離以上飛べばいいだけなので
１３０メートル飛ばしても２００メートル飛ばしても、入る点数は一緒。
ホームラン以外なら、アウトにならないようにベースを１周してこなければなりません。

　…これ以上は、相手が興味を失わないように喋るのは難しそうだなあ。笑

物心ついて、父親の真似をして初めて野球を見るようになったとき、私はホームランにしか
興味を持たなかった。打撃成績を見て、クロマティって３６本も打ってて凄いなあとか
思ってました。１本とか、０本とかの選手って「何のためにいるの？」とか。笑
江川ってホームラン３本も打ってるんだから、毎日出ればいいのに。とか。
もちろん現在の意見はこうではありませんが、この頃の気持ちは今でも覚えています。
ホームランが打てなくても生き残る道はある、のですが、本当はそうではなく、

　ホームランを打つ力がないから、できることをやるしかない

のだと思います。もちろんホームランバッターだけを並べても勝てるわけではないことは
どこぞのチームが実証済みですが、それでも相対的に打てる選手は狙う立場に置かれます。
ピッチャーでなければ、極論すれば、やっぱりいちばん最初にふるいに掛けられる項目です。
足が速いとか、当てるのがうまいとか、守備がうまいとかは「次の理由」です。
それプラス「でかいのもある」ならその方がきっと歓迎されるわけですから。

　だからホームランバッターは「特別」なんです。
　もしかしたら、私のような素人が感じている以上に、ずーっと。

しかし現実的に、「ホームランだけ」を待って実際の試合を見てると退屈で仕方ないと思います。
滅多に出ないから。笑
子供の頃はそれでもじっと待って、そうしながらぼんやり野球のルールを覚えていったもの
ですが…。まあ、滅多に出ないからこそなおのこと「特別なもの」なのですが。
守備や走塁、駆け引きや試合展開の魅力以上に、まず「ホームラン」の魅力がわかりやすいし、
最初に語られるべきものだと思います。