Ｇ党魂

　※ネタバレしかありません。

海未ちゃんにしてみれば、歌って踊らされ、人前に立たされ、
木登りさせられて怖い思いもさせられ、短いスカートをはかされ、
挙句の果てにその言い草かよ！　という気持ちだったかもしれません。
どれだけ私を振り回せば気が済むのかと。
海未ちゃんにしかできないし、海未ちゃんにしか許されないかもしれません。
それでもきちんと、あの場面で、あの行動がとれる海未ちゃん。
素晴らしかった。
１～３話以来、ずっと潜伏してましたが、最後に大役が回ってきましたね。

第12話です。
ここまで底抜けに明るい展開で、さんざん人を笑わせておいて、
私はただただ素直に全力でそこに乗っかって、腹抱えて大笑いしてましたから、
この展開があまりにも急でやたらに心に沁みます。
このためだけの伏線だったのかと思うほどです。
穂乃果の最後のセリフを引き出すまでの持って行き方が本当に上手ですね。
二重苦三重苦を与えておいて、他のキャラクターの言い回しひとつに至るまで
すべてが原因になっています。

「その行動をとった理由」が全てのキャラクターに想像できますから、
誰も悪かった人はいません。
あえて挙げるなら２つ。
穂乃果が本番前夜に雪穂の忠告を無視して練習に行ってしまったことと、
皆が穂乃果に無断でラブライブのエントリーをやめてしまったことでしょうか。
でも、これは責められない。

μ’ｓの名前が消えたランキング（変な名前ばっかり）を目にした、穂乃果の気持ち。
落ち込んでいるところで見たアライズのライブ。見なきゃいいのに。
でも何より穂乃果が自己嫌悪になっている原因は、ことりちゃんがいなくなってしまうこと
ではなくて、ことりちゃんの「気持ちを傷つけてしまったこと」ですね。二重にも三重にも。
大切なことに気がついた穂乃果。でも、まだどうしたらいいのかはわかりません。
そういう心情も察することなく、えりちの高圧的な態度、にこちゃんの「こんなことで」
という言葉。あえて２回言いました。

穂乃果にとっては「こんなこと」では済まされないのです。
ことりちゃんがいなくなるなら、私がいなくても同じだ。きっとそう思ったでしょう。
あの流れであの言葉が口をついて出るのは、当然です。穂乃果が可哀想です。
だからこそ、あれをやれる海未ちゃんは、本当に偉大なのです。優しいのです。
もちろん絵里の言うことは正しい。にこ先輩の言い分も正しい。誰も間違っていません。
誰も間違ってないのに、こういうことになる。
いつもそこら中で起きていることです。

最終回を目前にして、とうとう真姫ちゃんが本性を現してくれました。
怒るにこ先輩を体を張って必死で止めて、穂乃果を守ってくれた真姫ちゃん。
いつも憎まれ口を叩き合っていた（感じの）２人。
にこを止められるのは、真姫ちゃんしかいません。こんな配役もさりげなくて素敵です。
止めるタイミングが気持ち早かったような気がしますが、些事です。真姫ちゃんありがとう。

学校が存続するかどうかは最終回にわかるのだとばかり思っていたのですが、
こういう展開だったのですねー。次回が楽しみです。
実は「アニメカラオケ」でほんのり知っていたりするのですが、ああ…
歌うんじゃなかった…orz
とはいえ、映画のＣＭをばんばん流してますし、２期が続くことを我々は知っています。
ことりちゃんいるし。てことは…最終回の予測です。２つしかないですね。
ことりちゃんを引き留めるのか、行かせるのか。

Ａ．引き留める。
　普通ですね。見せ方が問題になります。

Ｂ．さようなら～。
　これが現実的だと思うのですが、その場合２期はどんな理由でことりちゃんがいるのか？
　・留学先が廃校になる。（→ことりちゃんがアイドル理事長になって学校を盛り上げるが失敗）
　・他の８人も同じところへ留学する。（→だから映画のＣＭで変な和服を着ている）
　・服飾に飽きた。（→そんな人だとは思いませんでした）
　・留学なんてしてない（ことにする）。

迷うことりちゃんにかける理事長の言葉はいつも率直で無駄がなく、かつ優しい。
本当に立派な大人です。その服で寝るのですね？
花陽ちゃんはご飯が大好きという設定なんでしょうか。白いご飯が好きで、カレーがかかって
見えなくなるのもきっと嫌なんですね。
カードが何と言おうが、グループが何人だろうが、そんなこと全然たいした問題ではありません。
μ’ｓはえりちが入ったことで大きく成長したのです。
希が訊きたかったことは、「絵里自身が楽しいかどうか」ですね。

留学の話を聞いた瞬間の、穂乃果の表情を見せなかった演出は、とっても素晴らしかったです。
こんなつもりじゃなかった。
でも穂乃果の反応は、きっとことりちゃんが想像していた通りだったのでしょう。
だから最後になってちょっとだけ甘えてしまった。我慢して我慢して辛かった気持ちを、
穂乃果にだけはどうしてもわかってほしかったから。
優しすぎて、気遣いすぎて、近すぎたから。だからこそ起こった悲しい出来事。
誰も悪くないのに、それでもこういう結果が起こります。
そこら中にある風景です。

ああ、もう。不謹慎だけど、
楽しいなあ。

続く。