岩櫃山ー城址のある岩山ー
2019年4月6日上州の岩櫃山(いわびつやま)へ、練馬山の会のメンバーと行くことになる。歴史好きな銀座山の会のメンバーが、以前、岩櫃山へ行って絶賛していた。真田3城の一つの岩櫃城城址があり、標高は802.6mの低山だが岩山との由。吾妻にあり、吾妻八景を代表する景勝地でもある。なお、「櫃」とは『ふたが上方に開く大形の箱。唐櫃 (からびつ) ・長櫃 (ながびつ) など』とのこと。朝、7時近く、大泉ICを出発、関越道に乗る。関越自動車道を渋川伊香保ICで降りて、西へ吾妻線沿いに約30㎞進む。草津白根山に行くときに通った道で、草津口から北上して野反湖から秋山郷へ抜けたこともある。群馬原町の手前で、前方、平地のただ中に四角い棺桶のような岩山が怪異な様相でそそり立っていた。これが岩櫃山でなくてなんであろうか。密岩コースに最も近い古谷登山口に駐車。たかが城跡のある低山と思っているとこれが誤り・・・。西面は200mほどの高さで絶壁が連なっている。道路を挟んだ集会所にトイレがあった。今日は密岩コースを行く。一番骨のある登山ルートとのことで、ハーネスとヘルメットを着ける。EさんとMさんはおニューのヘルメットをかぶる。9:50、出発する(471m)。約10分ほど歩いて、古谷T字路(513m)から登山道に入る。3合目が登山道入り口。4合目まではほぼ普通の登山道。5合目が近づくと険しくなり、鎖場も出てくるがたいしたことはない。急な斜面を登ると鞍部にでた。10:40、そここが6合目(722m)だった。反対側の風景がみえる。ここから右へ進むと岩壁帯になっている。梯子を上ったり、なかなかワイルドになる。10:55、7合目に天狗の架け橋のう回路があり、右下にう回路が見えた。鎖のついた岩を回り込むと天狗の架け橋だった。天狗の架け橋(750m)は細い幅の痩せた岩尾根で、長さは1m程度と短いが、両側が切り立っていて高度感がある。巻き道も楽勝には見えなかったし、せっかくなので通過することにする。ティチャーが渡ってビレーして、ビビり気味のEさんを渡らせた。Mさんの確保の準備をしていると、Mさんはスタスタ渡ってしまったので、皆で唖然としてしまった。Mさんは高度が怖くないそうだ。天狗の架け橋につづいて7,8mの4級程度の岩場があり、念のためにEさんとMさんはビレーして登ってもらった。11:35、山頂から20m位下の登山道の南側に岩の洞窟があり、「鷹の巣遺跡」と呼ばれ、弥生時代の墓らしいが、登山道に下にあるのか見なかった(と思う)。ドーム状の岩の山頂が近づいてきた。あれに登るのかしら。11:40、石門をくぐりり抜けた。「御厩」(貴人の馬屋のことで、「みやま」「おんやま」などと読む。)という場所があるというが、この石門のことだったか。山頂ドームの南側を半周する。11:50、左カーブをして突き当たると山頂の岩場ドームの下(790m)に出た。ドームは4級程度の15mほどの高さの岩場で、ハシゴや鎖が設置されていた。他の登山者はビレーなしで登っているが、伸吉さんとティーチャーはEさんとMさんをビレーして登らせてくれた。12:05、岩櫃山山頂(802m)。山頂からの景色はすばらしかった。南は妙義、榛名、浅間、四阿山、西に白根、谷川などなど。5,6人の中高年グループがフリーで登ってきて、ハーネスをつけた私たちのことを「トレーニングですか」といった。ハーネスやヘルメットを着けていると若く見えるのか、若いと勘違いしたようだった。似たようなものなのだが・・・。私たち以外にヘルメットやハーネスをつけている登山者はいなかった。狭い山頂なので写真を撮りまくってから、10分ほどで下山する。下りも二人をビレーしてドームから降ろした。北東にもう一つピークがあり、鉄はしごで、12:40、ピーク(794m)に登った。展望は良いが狭いピークなのですぐ右下に降りる。そこで先ほどの中高年グループがランチを摂っていた。13:05、私たちもしばらく行って20分ほどランチにした(732m)。そこから下り気味に進んだ。すぐ7合目があり、13:30、一本槍、13:35、櫃の口(天狗の蹴上げ岩)。怪異な形をした岩が多い。6合目の少し広くなったところで尾根通りに入った。13:55、天狗岩、14:00、5合目、14:03、4合目。岩を巻きながら進んだ。14:05、岩櫃城本丸跡(594m)についた。立派な標柱が立っていた。岩櫃城はNHK大河ドラマ「真田丸」(2016年放送)に登場した。大月の岩殿城(これも岩山だ)、静岡の久能城とともに武田領内の3名城とされ、真田家の活躍の舞台になったという。城址から平沢登山口までは15分ほどだった。14:40、平沢登山口案内所着。案内所と広い駐車場があった。案内所にスタッフが2名いた。パンフレットをいただくが、期待したアイスなどの売り物はなかった。ゆっくり休んだ。平沢登山口から真田道といわれる、岩櫃山の南側の裾を東から西へぐるっと半円形になぞる道を歩いて、15:50、朝出発した古谷駐車場に戻りついた。帰路、小野川温泉「さちのゆ」によった。360円と安い。ここから東に十二ケ岳、小野子岳がまじかに見えた。2年前の記憶をたどってなつかしくルートを目で追った。グルメの伸吉さんがスマホを片手に店を探し出し、ティーチャーが指示にしたがって車を右に左に疾駆させた。そばのイタリアンのラフェスタがグルナビで高評価ということだった。分かりにくい場所にあったがなんとかして車を乗り付けたが今日はもう終わっていた。キノコウドンの店も閉まっており、たどり着いたのは渋川の手前の川島にある中華『四川』というレストランだった(本店は高崎にあるらしい)。鄙びた場所にある(と思うが)のだが、どこから来たのかと思うほど多くの客でにぎわっていた。食材は地産地消を心がけているそうで、期待にかなう店で最後は杏仁豆腐でしめた。日帰りにはやや遠い山だったが、22時頃に帰着した。