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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

「幻視者狩り」(未完)

「幻視者狩り」
1.「何だ、これは。」
俺は、叫び声をあげていた。目ざめて、鏡をのぞいて、自分が、全然知らないものになっていたら、そんな叫び声をあげるだろう。ましてや、自分が機械生物になっていれば。
「輪廻だよ。」
部屋のどこかから声が響いてくる。俺はこの声に口ごたえしていた。
「いくら、俺が犯罪者だからといって、この姿はないじゃないか。」
「君がこれから赴任する生物生息惑星には、その形態がぴったりなんだよ。」
声は続けた。
「もとの姿にもどる方法はないのか」
俺は泣き叫んでいた。
「ひとつある。」
長い沈黙のあとで、声は言った。
「何だ、はやく教えてくれ。」
「それは、この世界を変えることだ。」
「世界を変えるだと、どういう事なんだ、ちゃんと説明してくれ。」
「それは自分で考えろ。」
冷たい調子で声は言う。
次の瞬間、私はある星に転移させられていた。私の姿は一角獣。星の名は地球。

2.
最終壁は、この“地球”という生物牢獄の果てに存在していた。今日も多くの宇宙のあちこちから集まった巡礼者が、この壁に読みこまれた秘密を読みこもうと必死だった。
幾人かの巡礼たちは、壁の前で急に倒れる。巡礼たちが逆に壁に読み込まれたのだ。
巡礼の体は幽体となり、処理班のカーゴが、その幽体を積み込みいずこかへと走り去っていた。
そんな様子を見らがらも、巡礼たちは、誰一人としてここから立ち去ろうとしない。
「私の名はアシューラ=アン。私を読みとりなさい。」
石のひとつが心に呼びかけてきた。
「あなたは、何という名前。」
「ローラン・クレイだ。」
自然にこう答えていた。が、アシューラ=アンと名のついた石からは驚きの声がかえってきた。
「あ、あなた幻視者ね」
「幻視者って何だ。知らない言葉だ。」
「う、うそおっしゃい、知っているはずよ。あ、あ、私の意識が。」
最終壁の意識の1つが巡礼の1人に吹いとられた。
壁の構成因子の石の中に、その巡礼の意識は潜り込む。

3.
熱い。体が燃えあがって灰になりそうだ。河岸だった。クレイは数時間前から追いかけられているのを感じていた。そいつは姿を現わさないで、クレイをおいかけているのだ。
「くそっ、いいかげんに姿をあらわせ。」
クレイは叫んでいた。
「姿をあらわしてほしいか、幻視者」
あし原の中からそいつが姿を現していた。一角獣だった。

○1
エアログラムたちが突然襲ってきた。
亜人戦士たちの頭のリングがはねとばされていた。
俺の方にむかっても、黒いかたまりがなげられた。
眼の前で爆発する。視神☆からインパルスが俺の頭のてっぺんまで駆け登った。
「うわっ」
俺は叫び、ころがる。
「どうだAVカクテルの味は」
その俺の体にロープが投げつけられる。
電磁ロープだ。俺はもう身動きできず、眼も見えなかった。
エアログラムたちが護送車にちかづいてくるのが、足音で判断できる。
亜人戦士たちも抵抗できないでいるようだ。「この、汚ならしい機械生物め」
エアログラムの誰かがだけび、石を投げた。「こいつめ、こいつめ」
四方八方から俺の体に石が投げつけられる。「やめろ」
豊かな声がエアログラムたちの行動を停止させた。くそっ、クレイの声だ。あやつがこいつらをあやつっていたのか

○2
ゆっくりと、船がこちらの岸へ近づいてくる。海面が光り輝き、船の中心はまるで熱球のかたまりのようだ。
「アイラさまだ」
「そうだ女神アイラさまだ」
エアログラムたちがさわいでいた。
彼女は唄っていた。その歌声は、エアログラムたちの心を溶ろけさせ、陶酔させている。この機械生命の俺ですら、心の中から何かがころびおちそうな気がした。船が近づくにつれ、その水面から数多くの手がアイラと呼ばれる女神の方にさしのべられていた。幻視海の海成分に含まれているいまだ人にならざる者の手だった。

○3
「これは」
「見ての通り、乗りものだよ」
「でも、これは蝶じゃないか」
「ポラード、忘れているのか、これは幻視蝶だ。お前とアイラを過去へ送り届けてくれるな」
「二人だけ、じゃ、君はハザード」
「私かい、私は、もちろん、この世界でまっているさ。というよりも、ここと、あっちとは一緒だからね。それに君は、肝心な事を忘れている」
「何だ」
「私は機械天使だよ。過去世界にはいけないさ。まあ、いい夢を見てくれたまえ。ポラード君、アイラ君」

○4
巨大なタンクが数十基も並んでいるさまは壮観だった
「これは」
「おや、おや、ポラードくん。君が忘れるとはね。君が創りあげたメスカリンZMの液体タンクじゃないかね」
スプローギンがにやにやしながらいう。
「それじゃアイラ、これを覚えているかね」かたわらのアイラにスプローギンが尋ねる
そこにはキーボードのかたまりのような機械がおかれていた
「幻視者狩り」

「何だ、これは」
俺は、叫び声をあげていた。目ざめて、鏡をのぞいて、自分が、全然知らないものになっていたら、そんな叫び声をあげるだろう。ましてや、自分が機械生物になっていれば。
「輪廻だよ」
部屋のどこかから声が響いてくる。俺はこの声に口ごたえしていた。
「いくら、俺が犯罪者だからといって、この姿はないじゃないか」
「君がこれから赴任する生物生息惑星には、その形態がぴったりなんだよ」
声は続けた。
「もとの姿にもどる方法はないのか」
俺は泣き叫んでいた。
「ひとつある」
長い沈黙のあとで、声は言った。
「何だ、はやく教えてくれ」
「それは、この世界を変えることだ」
「世界を変えるだと、どういう事なんだ、ちゃんと説明してくれ」
「それは自分で考えろ」
冷たい調子で声は言う。
次の瞬間、私はある星に転移させられていた。私の姿は一角獣。星の名は地球。

「機械神、あの男を地球へ降下させました。あとは何か」
「反応をまとう。地球という生命体のな。あやつが地球生命体覚醒の鍵をにぎるやもしれん」
「主よ、深きお考えあろうと存じますが、何か安全処理をしておいた方がよくはありますまいか」
「手か、手はうってある」
「一体、それは」
「まあ、レイクよ、仕上げが問題だ」
「しかし主よ、我々の世界がしぼりこまれているがゆえに、いそがなければなりません」「あの男、あるいはポラードが動き始めれば、時間など問題ではない、あんずるな。レイクよ。すでに、このワシの頭の中に秘密が隠されておるわ」

○2
「この魔物め」
魔物から魔物といわれては立つ瀬がないルーレであった。
「まってくれ、俺は機械神から地球へ派遣された観視機械だ」
「機械神の支社。私が思う通りだな。生きて地球へいかせるものか。ここは地獄の一丁目」
「それじゃ、今までいたところは天国というわけか。チンケな天国だったなあ」
「何をぐだぐだ言っている。お前らの機械生命のおかげで我々は滅亡だ。我々地球人類のうらみの刀を受けてみよ」
「おーい、おっさん、老寄りの冷水、やめておけ、ところで一体あんたらは何物なんだ」「亜人戦士のなれの果てだよ。地獄へのみやげに覚えておけ、もしお前らに地獄というものがあればな」

○3
「私に助けられた事をありがたく思いなさい」「はい、はい、どうもありがとうよ」(チェッ、キザな野郎)
「何です。その言い方は、私に助けられてありがたくないとでも」
「いえ、いえ、けっしてそんな事は」(一体どこのどいつだよ。俺もいいかっこうをしようと思ったのに、おいしいところをもっていくんじゃねえや。この田舎者め)
「何です。田舎者ですって」
「え、何も」(ちぇっ、こいつ、人の心を読めるのか。まさかな)
「その、まさかなんですよ。ルーン君」
「私の名をどうして」
「ルーン君、私をあなどってはだめですよ。私はこの地球の守護者、ハザードです。地球の事なら、何でも教えてあげます。私に対して礼をとるならばね」


2.最終壁は、この“地球”という生物牢獄の果てに存在していた。今日も多くの宇宙のあちこちから集まった巡礼者が、この壁に読みこまれた秘密を読みこもうと必死だった。
幾人かの巡礼たちは、壁の前で急に倒れる。巡礼たちが逆に壁に読み込まれたのだ。
巡礼の体は幽体となり、処理班のカーゴが、その幽体を積み込みいずこかへと走り去っていた。
そんな様子を見らがらも、巡礼たちは、誰一人としてここから立ち去ろうとしない。
「私の名はアシューラ=アン。私を読みとりなさい」
石のひとつが心に呼びかけてきた。
「あなたは、何という名前」
「ローラン・クレイだ」
自然にこう答えていた。が、アシューラ=アンと名のついた石からは驚きの声がかえってきた。
「あ、あなた幻視者ね」
「幻視者って何だ。知らない言葉だ」
「う、うそおっしゃい、知っているはずよ。あ、あ、私の意識が」
最終壁の意識の1つが巡礼の1人に吹いとられた。
壁の構成因子の石の中に、その巡礼の意識は潜り込む。

3.熱い。体が燃えあがって灰になりそうだ。河岸だった。クレイは数時間前から追いかけられているのを感じていた。そいつは姿を現わさないで、クレイをおいかけているのだ。
「くそっ、いいかげんに姿をあらわせ」
クレイは叫んでいた。
「姿をあらわしてほしいか、幻視者」
あし原の中からそいつが姿を現していた。一角獣だった。

○4
「昔、ポラードという男がいた」
「待て、一体、何の話だ」
「まあ、いい、聞け、我々の世界の始まりの話だ」
「ポラードという男が、この世界を創ったとでもいうのか」
「そうかもしれん」
「何だって」
「この世界は幻視世界なのだ。つまりの幻の世」
「我々は実在していないと」
「いや、違う。実際我々は実在している。が、君も知っているだろう。我々の世界が消失の危機におそれおののいているのを」
「それとポラードとどういう関係が」
「この世界は、ポラードが幻想した世界なのだ」
「しかし、さっき、我々は実在すると」
「ポラードの幻想から出現した。が今はこれが現実なのだ。そしてこの現実が消えていこうとしている」
「なぜだ」
「ポラードの幻想の元をゆるがしている奴がいる。それをつきとめたいのだ」
「つきとめるどうやって」
「君だ」
「俺だとなぜ」

○5
「君には、我々が大昔から収集したデータから再生したポラードのキャラクターがうめこんである」
「この俺に、そんな処理をした。なぜだ」
「敵、姿をみせることのない敵が君に接触してくるかもしれん。もしかしたらもっと大物がな」
「大物だって」
「そうだ。ポ…。おっと、これから先はいえまい」
「まってくれ。じゃあ、ポラードと機械神との関連は」
「知りたいか」
「知りたい」
「友達だった」
「友達だって」
「ポラードは強力幻視剤メスカリンZMを発見した。その分析を我々機械神「アサード」の始祖体で行なったのだ」

○6
「大変です」
「何ごとだアラン」
「カーゴから亜人戦士が逃げだしました」
使いの者アランが奴隷商人につげた
「何だと、早く追いかけろ。リングはついていなかったのか」
「リングは、はずしたようです」
「誰がはずしたんだ」
「奴らが、かってに」
「そんな知恵など亜人戦士にありはしない」
○7
「ギャビン、そいつをつかまえろ。そいつはポラードの生まれかわりかもしれん」
「でも、デルさん。こいつはポラードのコビーですぜ」
「バカモノ。そいつにポラードのマインドが宿ったのかもしれんのだ」
「何ですって」

○8
二人はとっくんだまま、外壁をつきやぶった。続いて真っ暗な空間を落下している。長い間外気にふれていないのか汚んだ空気層だった。二人の体は何らかの機械上に、音をたてて落ちた
ルーンの角が自動的に発光する。あたりはロボットの山。廃棄機械がやまづみになっている。その山頂に彼らはいるのだった。ようやく二人の眼が、まわりになじんでくる。
「こいつは何だ」
二人は同時に声をあげていた。白骨のようにもみえる。が、廃棄ロボットの山だ

○9
再び、底をつきやぶっていた。
ここは腐敗液に沈んでいる生物体の海だった。亜人の孵化したばかりの体がぷらぷらと浮んでいる。勢いこんだ二人の体につづいて、上の層から機械類が流れおちてきた。

○10
「ルーン、いやポラード君、君が完全に蘇生したならば、一緒に行ってもらう所がある」「どこへだ、ハザード」
「過去ですよ。君の生まれた過去へね」
「何ゆえに」
「それはね、ポラード君、我々、機械神の力を完全にしておくためですよ」

「アイラ君、ちょうどよいところへこられた。あなたも我々と一緒にまいりましょう」
「やめろ、彼女は関係ない」
「おやおや、美しい愛情ですね。だれもがうらやむというものだ。せっかく二人そろっているのですからね。過去にまいりましょう」「やめろハザード、彼女はこの世界の人間だぞ。過去では消失してしまう」
「ポラード君、君は何もわかっていないようですね。アイラ君が、過去では何であったのか」
「過去ではだと、一体それは」
「あーあ、お二人とも頭が悪い方だ。2人は創世者なのですよ。この世界のね」


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