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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

●封印惑星●(1987年作品)編集中

●封印惑星●(1987年作品)ー今編集中です。
     1
  星の神話を書いてみたかったのですが、中々うまく行きません。この小
説はもり心号「山陵王」の
 続篇としても胱むことができます。
       1
自然界には時折、不思議攻事がかこる。小さな石か話の発端だ。
石は限石となり、大球と呼ばれる星に落下した。大球は、小球と呼ばれる衛
星と絆で結びつい’ている。
大球には、新横額と呼ばれる生物が生息していた。
 ルウ502は天空を走る光の矢を見ていた。断機類ルウ502にと‥って
、限石は見慣れた現象であり、注意をあまり払っていない。
 警戒すべきは、ルウ502の足元、つまり鉄表下であると、教えられていた。その教示は小球にある生命球から与えられていた。
 念のためだ。そう思ってルウ502は、限石の堕ちた場所を求め、走った
。やがてその場所に辿りつ
 落下地点の鉄表には、何の損傷も見られなかった。
 大いなる昔、ルウ502達が誕生する前から、この星、大球に張りめぐら
された鉄表は、時の流れをあざわらうかのごとく、傷ひとつ付いてはいない。
ーモナイザーと呼ばれる創造者に対して畏敬の念がルウ502の心に浮かん
だ。ーモナイザ・ーは、ルウ502にとっても想像を絶する存在で必った。
鉄表には何の変化も々い。よかった。
ユニットタイドル ユニコーンの旅
 イメージコーダーの温度が上がり、彼は自分の役割を果たし始める。
 役割すなわち、情報ユニ″トのイメージを実体化させる事。
 イメージコーダーの空間に、情報ユニ。ト内に内包された情報の三次元数
字が打ちだされる。それが線を形づくり、フレーム=モデルが作りあげられる。色彩が決定され、ゆっくりモデル表面がペイントされながら作成される。
 やがて、生き物が実体化していた。徐々に機械共生体退官』に意識が蘇りつつあった。

 ルウ502はどこまでも拡がる鉄表の上を四つの足で駆っている。眼の前
に拡がるのは鋼鉄の荒野。いや荒野と呼ぶのさえ、不適当だろう。つるりとした冷たい鉄で被われていた。
 ルウ502の生体機能は充分に活性していた。活発に働いている内臓機構
や機械筋肉がルウ502に快い気分を与えていた。
『ああ、俺は生きている。駆けている』
 そん左充実感があった。
安堵のタメ息をつきヽルウ502はヽ走り去るが、もし、ルウ502が辛抱強い観察者であったなら、微妙々地下の変化をとらえていたかもしれない。その変化を感じて、小球の生命球に通報していた左らぱ、あるいは、この星の歴史が変わったかもしれない。
   事実、訓石は鉄表下に存在するあるもののっぽを直撃していた。限石が鉄表に激突した時の微振動はある種の反応を地下に呼びシとしていたのだ。
 鉄表の下、奥深い所に、闇に包まれた空洞があっ息。はるかなる片からこ
こに閉じ込められた者のうらみがこもっている。
 限石の与えた微振動に、機械共生体が反応し、生きかえりつつあった。
 突然、一点に光がともる。
 その光が、またたく間に、空洞内にある機械類を巡り、とへての機械群の息を吹きかえらせた。最初の機械意識が蘇った。
『誰だ、俺は』
 闇の奥から疑問の声がある。機械は自らの存在の意味をさぐろうとする。やがて、機械意識は自らの名前を思い出t。『そうだ。田心い出したぞ。俺はイメージコーダーだ」イメージコーダーは医の作用として、体を勣かすことにしへ腕0二万ピュレーターだった。yニー・ピュレーターを振り姻しているう仁に、自分の前に集積された物体に気く。
 扁‥だ、こわはL次の疑問几目の前にある植物繊維群の呼称を記憶の中から呼びかこしていた。
つ情報ユニ″トたった今、たしか」.
 こわは伺をtるものなのだ。
 二八ピュレーターて寸れをりかみ、観察する。ああ、光うだ。こいつはこう使うんだ久やがて、イメージコーダーは寸れを自分の体の}部位に組み人れた。 ニスピュレーターが偶然に選びとった三ユニ。トは次の通りである。

ユニットコードk 16589
ユニットタイトル 北の詩人
ユニットコードk 836250
ユニットタイトル 幽霊列車
ユニットコード旨 386574

 が、ルウ502の顔にあたる空気流が急に温かくきり、かまけに生体液の
すえた臭いがした。
 『うっ、この臭いは』
 その時、生命球から『ゴーストトレインが出現した』という情報が入力さ
れた。
ああ、なんという連絡なんだ。そんな連絡きど左けれぱ、ルウ502はず
っと快適に走れていたのに。
 急に走るのがかっくうになる。
 ゴーストトレイノ。
 この生物的な動きをする機関車は、あるいは幻想かもしれなかった。とい
うのは、ゴーストトレインが実際に走っている姿を見たルウ502の仲間はいない。 とにかくそいつはレールも々いこの鉄表面を自在に走り廻り、ルウ502たちの仲間をひき殺しているという。
 前方に仲間の斯機類たちが集まっていた。ルウ502はどうやら目的地に
ついたようだ。
 犠牲者はルウ300たった。首がへん左角度に折れ曲がり、角は抜きとら
れていた。腹腔が無惨に破られ、内臓機械がはみてていた。
 ゴーストトレインはルウたち斯様類をくいちぎり、内臓をくらうという。
それも情報回路が集積されている心臓部分を。
 ルウ502は身震いをした。不快感から全身の汗腺穴が収縮した。が、冷
静に観察しなければならない。
 ルウ300の赤外線アイが色相変化している。かわり果てた姿としかいい
ようがない体。
 角からコードがはみでているのも、物悲しい。
 449t{{F切次郎外である匈。
 この部分でルウ502達は生命球へ連絡をとっているのだ。
 収集した現場データをルウ502は生命球へと送った。
 しばらくして、ルウ502達全員に、生命球から命令が下った。
 『ゴーストトレインの存在を確かめよ』
 新機類たちは四方八方へ飛び出した。ルウ502も無限に拡がる鉄表の上
を、つめが生えた節足で駆ける。          ,
 二、三タロノタイム走っただろうか。平原にはまるで変化はない。
 ルウ502は急に停止する。角が感応する。何かが存在する。が、この鉄
表上には何者も存在するはずが々い事をルウ502は理解していた。
 伺しろ、この大球、つまり鉄表上ではルウ502たち新機類しか生存して
いないのだから。
 が、何かが反応していた。そいつは今、動いてはいない。
 ルウ502の数m前の鉄表が白熱していた。
 白熱部分にルウ502はゆっくりと焉ついていく。そいつは白熱部分の中
から姿を見せていた。
 自分の赤外線アイがこわれたのてはないか。ルウ502はそう思った。左
ぜ痙ら、そいつはルウ502とうり二つ々のだ。
 が体の中に機械が存在しない。かまけに、そいつの上には別種の醜い生物
が乗っていた。
 ルウ502達断機類とはまったく異なる存在だった。こんな生命体がいる
とは信じがたい。
 醜い生合体が、ルウ502にそっくりな生命体に音を使って意志を告げて
いた。ルウ502はその空気振動を解析した。音はこういう意味らしい。
 『さあ、ユニコーーン、行こう』
 驚きの連続でルウ502は一所に静止していた。
 それゆえ、急激に接近してくる物体に全く気づかなかった。
 一瞬、ルウ502の体は、巨大な物体にふき飛ばされていた。
 ルウ502の赤外線アイは二本の光帯を一瞬見た。
 ゴーストトレインだった。
 ルウ502の生命光が消えるのと同時に、トレインはかま首をもたげ、愕
を開け、ルウ502の腹腔を喰い破り、心臓をむしゃぶり始めた。
 ゴーストトレインの顔はうれしそうに笑っている。
大球から遠く離れて存在する小球。その中心部に機械パネルで被われた生命
球が存在していた。
生命球はハーモナイザーの分身であり、また監視機類の元締であった。生命
球は大昔、ハーモナイザによってヽ小球に組み込まれ、断機知を生み
はぐくんできた。
   生命球は、ルウ502の最後に送ってきた映像を分析していた。
   なぜ、新機知しか存在しないはずの鉄表に、生命体がいたのか。それにあの白熱は伺を奪豚するのだろうか。
  『まさか、天宮がめざめたのては』
   伺かが大球の中でかこっている。ハーモナイザーによって、大昔、封
印された大球の中で。
   その頃、大球と小球をつなぐ絆に変化がかこっていた。
   天宮が神経糸を張りめぐらそうとしていたのだ。
   生命球はすべての断機知を呼びだしてみた。応答がまったく々い。
   こんな事は今までになかった。生命球が始めて感じた。ハニ。クだった。
   生命球は自らの体を移動し、バリヤーヘ逃げ込もうとした。
   が、パリヤーは生命球を包み込むと、収斂した。
  『これは、どういう事だ』
   バリヤーは生命球の意図に反して作動している。すでに、天宮の神経
糸が小球へ侵入していた。
   生命球はバリヤーにからみとられ、動けない。表面パネルが音をたて
て吹き飛び、各部位がめり込んだ。

数秒後、生命球は圧力に抗しきれずづフパラにはじき飛んだ。
生命球は消滅する時、信号を発する事が自分自身の存在理由であったことを
理解していた。
やがて、生命球の破片を天宮の神経糸がつかまえた。
いまや大球と小球は完全に、公{糾□機械共生体の支配下にはいっていた。
それは天宮が一つの運命の道を歩み始めたことを章隆一した。

一つの恒星がある。名前を「タンホイザー=ゲイト」という。星の中心部に緑色の液体で充たされた空間があった。
 そこに巨大左いた。
″木″が浮遊していた・″木″は立厚志の集合体であり、自らをハーモナイ
ザーと呼んで虚空からの信号をハーモナイザーは受けた。彼はその信号を分析し、推理した。その信号は小球にある生命球の消滅を海豚していた。同時に一つの決意が、彼の意識の中で生まれた。
ーモナイザーの末端部へ、中央神経叢を通じ、一つの刺激が送られた。
1モナイザーの末端部には、数多くの個性群体が付着していた。それそれは
小さ々球体であり、それがまるで根に付着しているように群体を構成していた。
アーヘブンは夢みていた・たゆとう羊水の中ヽ夢みる事を楽しんでいた・
   アー・ヘブyの個性がいつ、どこの星で生まれ、また、いつハーモナ
イザーに同化されたのか、その記憶は消え去っている。
  『アー・ヘブン、目ざめよ』
   突然、声がアー・ヘブンの体の中に響いていた。誰だ。この快いまど
ろみの中で私をめざめさせるものは。
   アー・ヘブンは奴tを感じた。
  『アー・ヘブン。使命を与える。すぐに旅立つのだ』
   使命を与えるだと、誰が、いったい、何の権利があって、私を目ざめ
させるのだ。かまけに旅に出ろだと、何を言っているのだ。
  『アー・ヘブン、それがか前の運命なのだ』
   運命だと、そんなものなど、とっくの昔に忘れてしまった。私に何を
させようというのだ。
  『アー・ヘブy。お前は一つの世界を作るのだ、私の代理人として』
   世界だと、世界とは何だ。それにそんきに価値を持つもの左のか、世
界を作ることが。
  『アー・ヘブy。動け。分前が自ら動こうとしないのなら、私が動かす
  あー、やめてくれ、私はこの羊水から離れたくがいのだ。
  が無情にもアー・ヘブyの球体は末端部から切り放され、ハーモナイ
ザーの導官に吸い込まれた。上へ上へと扱いあげられる。
 アー・ヘブンの球体の上から伺かがかぶせられたのをアー・ヘブンの意識
は感じた。
 何かをかぶせられたまま、導管の内にあるアー・ヘブンの体は急激に加速
度を増し、羊水の外、さらにはタンホイザー・ゲイトの外へとはじきとばされた。
 アー・ヘブンの体を包んでいるのは胞子と呼ばれる飛翔体だった。フー・
ヘブンの体はタンホイザー・ゲイトから離れてゆく。
 アー・ヘブノはタノホイザー・ゲイトを観察する。真中に緑色の輝きが見
えた。羊水湖の輝きだった。
私はあの中で眠っていたのだ。できれば戻りたい。そうアー・ヘブンは思っ
た。
 胞子は回転し左がら太陽光流に乗り、銀河を横切って行く。
 長い旅路になるだろう。そうアー’ヘブンは感じていた。自らの体を冬眠
状態においた。
 アー・ヘブンもまた一つの運命を荷っていた。

 北の詩人が目ざめた。あるいは音漑が戻ったという方がいいのだろうか。
とにかく、その時、彼はユニコーンの背中にのっていた。
 突然、どこかの世界から、この世界へ転移されたよう々気分たった。
 がユニコーンの背中の乗りごこちは気持よく、首すじの毛をそっとさわっ
てみる。そくっとする。伺56 んとやわらかな手ざわり々のだろう・詩人は
こー゜ーンに言った・
  「さあ、ユニコーン、行ってかくれ、君の望む方向に」
   きぜ、この生物がユニコーンという名左のか、とにかく、詩人の口を
通じて出た最初の言葉だった。
   目の前に、別のユニコーンがこちらを見ていた。そのユニコーンは、
詩人が乗っているユニコーンとは異なっていて、悪意というものが感じられた。
   そのユニコーンは背後から急速に接近してきたゴーストトレインには
じきとばされた。
   ゴーストトレインは、倒れたユニコーyの側へもどってきて、死体を
確かめ、ユニコーンをうまそうに食べ始めた。詩人は思わず顔をそむけた。
 どれくらい時がたったのだろう。詩人は暗い鉄表で被われた大球の上をユ
ニコーンと一緒に移動し、やがて、一つの穴の前にたった。その穴は、空間にのびていて、どうやら小球という大球の衛星へと続く道の様々のだ。コードだった。
 詩人とユニコーyはその穴へと人っていった。なぜ自分がここを歩いてい
るのか自分自身でも理解していなかった。
 記憶ガのだろうか、詩人の心を激しくとらえたのは、ユニコーyがゴース
トトレインの餌食となった
のを左がめた瞬間の胸をしめつける感覚なのだ。
 その視覚イメージに触発されて、詩人の頭の内で伺かが爆発し、言葉とい
う古い記号がイメージ脳の皐から湧きあがってくるのを感じていた。
 さらに奇妙々のは、詩人の情感が何かわけのわからない巨大々存在に扱い
取られているような気がすることであった。
 北の詩人はイメージする。
 私は何かの感覚の末端であり、情報を、視覚と、それから誘発される言語
記号で巨大なものに伝えているだけの存在では々いだろうか。
 空気というものが、濃密にたまり、流れ、それがが風ガという記号で呼ば
れている事を詩人は思い出していた。
 風は詩人が行くべき方向を示しているようでもあった。
 道は、血脈のようなもので被われていて、天井には、その血脈から派生し
た網もはりめぐらされている。
 詩人はユニコーyに言った。
「さあ、風の吹いてくる方向に向かってジくれ」
 ユニコーンと詩人は小球への道を歩み始めていた。
大球の奥深く存在する思考体、天宮は異物の飛来を気にやんでいた。
すでに大球の表面に生棲していた監視者=ユニコーy達、斯様類はゴースト
トレインが喰いつくしていた。
   伺匹めかのユニコーンを倒した時、小球にある生命球から危険信号が
天空にむかい放たれたのを、天宮ば感じていた。
   さらに、むずがゆさとでも呼べばいいのだろうか、ある種の奇妙な感
覚を天宮の予知能が感じていた。
   その気持は、断機類を喰いつぶした時のゴーストトレインの様な荒々
しい気持とは異なっている。
   何か細やかな手ざわりを持つもの。そう、がつかしい入の手のイメー
ジが、天宮の全感覚の中にひろがっていく。
   やわらかい手。そして入間のイメージが・:.:。
   天宮はそのやわらかい于によってにぎりつぶされるイメーージを描いた。自分は滅びるかもしれない、
  そんな予感を天宮は感じていた。
アー・ヘブンの空間飛翔体、つまり胞子は急に襲ってきた粘性の網に包まれている。
胞子の持つ推進力はこの粘着力のある網に対してはまったく作用しない。
あらゆる方向に動くことは動くのだが、一定の距離に達すると、反作用でま
た元の場所へ戻ってしまつまりは、アー・ヘブンはみごとに敵の手中に陥ったわけだ。ここは敵の勢力圏の中である。
この粘性のネットはヽ俗に″スパイダー・ネット″と呼ばれていべ
 天宮は、小球をチューナー部分として使い、自分の情報ユニ″トが持つ、
色々なイメーージを宇宙にまき散らし、そのイメージに興味を持った宇宙船を呼び寄せていた。
 そして、その宇宙船を、大球と小球を結ぶコードから発射されるスパイダ
ーネ。トでからめとっていた。
 天宮は、その船のメインデータバンタや乗員から知識を盗み出していた。
 アー・ヘブンの乗った胞子は、ゆっくりとコードヘ引き寄せられていた。
 アー・ヘブyは自分の分かれている位置をじっくり観察する事にする。
 まっ黒な表面で包まれている大球のまわりをゆっくり小球がまわっている
。小球は大球の何分のIかの大きさで衛星のようだった。
 睡眠学習によれば、大球は、遠い昔、ハーモナイザーと争い、敗れたとの
事。その時、大球はみずからの意志で、大球表面上の生き物をねこそぎ滅ぼした。
 大球が黒い表面、鋼鉄で被われているのは、ハーモナイザーによって封印
されたからだ。宇宙の邪悪な星として。
 睡眠学習を再生中のアー・ヘープンの体にいきなり激しい衝撃が伝わる。
 アー・ヘブンの意識は停止した。
 ついに胞子は、スパイダーネ。トによってコードまでたぐり寄せられ、凄
まじい圧力を加えられた。60 働予は圧力で消滅しヽアー゜惣フ゛は裸のま
まとり残される・胞子の構成要素は瞬時に消え去っていてヽ
 破片を分析しようとし‘てコードからはりだした感覚枝は、むなしく空
をがでた。
感覚枝は、代りに、とり残されたアー・ヘブンの体をとらえた。コードの一部に穴が開き、感覚枝はアー・ヘブンをその穴の中へ引きずり込む。
   感覚枝は、アー・ヘプンを、巨大&プールヘと送り込む。このプールはコードにある透視層で、生命体が解析される場所だった。
 アー・ヘブンは意識をとり戻す。奇妙な液体がアー・ヘブzの体をとりか
こんでいる。アー・ヘブンはすばやくこの液体の成分を分析する。
 塩分、鉄分、鉱物資源を多く含む液体層。それが透視層だった。
 この中で生物体はやすらかに眠り、その眠りの間に、生体や生体細胞、生
体情報が、すみからすみまで分析される。
 アー・ヘブンは層内には数々の星の、種々の精一構造を持つ星人の意識が
浮遊しているのを読みとっていた。それらの意識は、スパイダーネ″トによってつかまえられた星人の意識なのだろう。
 この透視層に浮かんでいる里人の意識は色々忿事を叫びつづけている。幻
想的々イメージでー杯左のだ。そのイメージは一種、心のトリ。プをかもわせ、アー・ヘブyも興昧屎かった。
 私も、そんな意識因子に々るのか。フー・ヘブンは、快いまどろみの中で
そう感じた。それもいいかもしれない。ハーモナイザー末端鄙の個性群体に属していた時の気分に戻っていた。
 羊水の中にいるようだ。
 アー・ヘブンの心はさまよっている。
 それはとてもいい気分であり一一@I1・長い宇宙飛行のあとの休阜:・
:それに体もバラでフに解体され……
 すでにアー・ヘプンの切り離された肉片が解けていた。
 『伺をしている、アー・ヘプy』
 心の奥で光るものがあり、それがまどろみをさえぎろうとする。
 『アー・ヘブン、か前の使命は伺だ。それを思いだ世』 その声は明らか
に怒っていた。
 アー・ヘブンに言いきか世ている伺かがアー・ヘブyの心のどこかにいた
 『その透視層の中から抜け出世。溶液の中から逃げ出世』
 光の声はそう叫んでいた。
 まどろみたい、この安らかな溶液の中で。
 意識が再び沈んでいきそうだった。相反する二つの意志。アー・ヘプンの
心はまっ二つに分裂する。
そんな気がする。どうすればいいのか。自問自答する。
 意識の中の光が働いていた。
『はい出世』
 アー・ヘブンは自分の球体に内包している全ての触手を全開した。-一一
 3番目の触手が透視層の外壁を一気に突き破っていた。
 破れ口は拡がり、溶液は流れ出て、勢いにのって、アー・ヘブyも押し出
された。
 溶液に含まれている種々の星入の意識が、コードの内壁に拡がる。それら
はバチバチと音をたてて、コード内に張りめぐらされた天宮の神経糸を刺激した。
 フー・ヘブンはしばらく唯唯倒れていたが、なんとか立ちあがる。
 ヽアーこyンり伐鬘艇畦吐、h辱&J&&kjj9生』征‐y覗み屯ってレた。
 その生物体はたしか・:・:。
 天宮に関する知識をプレイバ″タする。
 「そぅだ、新機類か」
 アー・ヘブyは思い出していた。
 このユニコーンはハーモナイザーが作り出したものだ。そう確か、ハーモ
ナイザーが天宮を監視する
ために、断機類と呼ばれるユニコーン型の観測機械を大球上に配置したはず
だ。
 が、伺か少し違っている。
 アー・ヘブンはユニコーyに意識を送り込み、意識を融合しよぅと努めた
。が意識は、はじきかえされた。やはり変だ。
 ハーモナイザーの音厩の一部である々らば、たやすくアー・ヘブンと内部
で意識融合できるはずガのだ。が意識の融合現象はかきなかった。
 あきらかに、そのユニコーンは伺ものかに加工された陀遠いなかった。
 アー・ヘブンはゆっくりと、ユニコーンヘ双つく。
 それより先に、ユニコーンの方がアー・ヘブンヘ接近してくる。ユニコー
ンは勢いづいていた。ユニコーンの角がキラリと光っている。眼には憎しみの感情があふれている。 感情だと! それも憎しみの!
 アー・ヘブンには理解しがたかった。憎しみの感情がまだ残っているのか

 このような感情はハーモナイザーの世界には存在しないはずだ。憎しみの
感情が、こんきに原始的々形で存在しているなんて!・
 アー・ヘブノは、未知の異なる存在に対する反応をかこしていた。
 ユニコーンはあきらかに私を抹殺しようとしている。
 抹殺!・
 伺んという原始的な感情なのだろう。
 が、アー・ヘブンも古い本能を思い出していた。それは、先刻、透視層を
つきやぶった時から、徐々に、アー・ヘブンの心を浸しつつあり、自分でも統禦できないものだった。
 身を守るという概念が古い意識の下から蘇ってきていた。
 ユニコーンの角は第一表皮に接触した。
 瞬時、アー・ヘブンは自らの体内エネルギーを解き放っていた。64  ユ
ニコーンは動きを止めヽ胴体の真中からばっくりと二つに割れべ腹腔からず
るっと内臓があふ出た。湯気をあげているそれは、機械内臓ではなく、有機体のそれだった。
   アー・ヘブンは第一触手を、ユニコーンの体内に這わせ、神経記憶を
読みとろうとした。
  『彼女が目ざめた時、すでに貳はいなかった。彼女は彼と旅をするはず
だった。どうやら詩人という存在とすでに旅立ったらしい。
   彼女は彼を求めて大球をさまよった。が大球では見つけることができ
なかった。しかたなく、彼女は、コード内に侵入し、異物とそうぐうしたのだ:・・:』
  「この記憶は……」
   アー・ヘブンがユニコーンの記憶に驚いた一瞬、危険という概念が電
撃の様に体を貫いていた。
   巨大々物体に、アー・ヘブンははじき飛ばされていた。
北の詩人は考えていた。
私はどこへ行くのだろう。
詩人は、ユニコーンから降りて、コードの中間地点である通路に腰かけてい
た。
やがて、詩人は、通路の奥、つまり小球側に近い所から大きな音が響いてく
るのを聞いた。
伺だろう。詩人はすぐに立ち上がると、ユニコーンに音のした方向へ進むよ
に兪じた。
 ゴーストトレインはヽ倒れているアー’ヘプンの体をさぐる。かま首をヘ
ブンの体にあてる。鼻先から黒い舌の様なものが飛びでる。どうやら、今までにむさほり食った新機知の知いてはカいらしい。端をすこしばかり、かじってみる。
 表面は固いクチニン偏で被われている。この舌ざわりは、ゴーストトレイ
ンにが木゛というイメージ          
語を、意識巣から思いおこした。
 同時に、レール。枕木という単語がこぼれ訟ちてくる。
 このイメージはすぐさま、支配者である天宮へ送られた。
 天宮は″木″というイメージ語から、自分の体を構成するモノとの相似陀
愕然とした。
″木″だと。誰々んだ。誰かが、私に伺かの信号を送っているのかもしれ
ん。私は長い間、眠りについていたのだ。私の覚醒におびえている者がいるかもしれん』
 天宮はコードにいるゴーストトレインに命令する。
『ゴーストトレインよ。その侵入者を食べるな。侵入者を積み込み、大球へ
戻ってこい』
 北の詩人はようやく、その場所へ辿りついていた。目の前でゴーストトレ
インが伺かを食べようとしていた。
 よく見るとゴーストトレインは、その何かを噛まずに、飲み込もうとして
いた。北の詩人にとって、飲み込1れたものの姿は、彼のイメージ脳をいたく刺激した。
 北の詩人の眼から、いつしか温いものが流れていた。
 戸心液体は! ああ、そうだ、聊というんだQだ々」
 詩人は独りごち、于で涙をぬぐう。
『なぜ、涙が流れるのだろう。それにこの心の奥から湧いてくる切々い気持
は左んだろう』
 さわりたい。あのアー・・ヘブンの体にふれてみたいと北の詩人は思っ

 なぜか、詩人は、その物体がアー・ヘプンという名を持つ生合体である事
を知っていた。
 詩人の手はゴーストトレイノの半透明々体を貫き、すでに消化器に入って
いるアー・ヘブンの体をなで1わした。
 ゴーストトレインは、いつの間にか詩人が現われた事や、さらに自分の体
の中の生合体をさわって泣いている事に驚いていた。
 ゴーストトレインは一体どうしたのだという表情で詩人を見た。
『いったい、この侵入者は伺なのだろう。かつて、コードにある透視層を突
き破った生命体はいなかった。それになぜ北の詩人が泣いているのだ』
 ゴーストトレインは不思議に思った。
「ねえ、北の詩人、君はこの生合体を知っているのか」
「いや」 詩人は首を振る。そして続けた。
 「知らない。が、とてもなつかしい気がするんだ。この侵入者に触れてみ
たかったんだ」
 「がつかしいだって? どんな気分々のか、俺にはわからないなあ。とに
かく俺は天靴から命令を受けている。この生物を大球までつれて帰れとね」
 ゴーストトレインは寂びしそう力顔をしている詩人に尋ねた。
 「俺と一緒に来るかね」
 「いや、僕はユニコーンに乗せてもらうよ」
 「そうか、それじゃ、俺は先にいくよ」
 詩人は後をふりかえってユニコーyを呼んだ。
 ユニコーンは、琲のふたつに分かれた死体のそぱにいた。ユニコーンは無
心に死体にしゃべりかけていた。
「君はどうしてヽ僕と一緒に実体化しなかったのだろう。僕は待っていたん
だよ。いつの間にか君が僕達を追いこして、コードにはいっていた々んて……」
「ユニコーン、こっちに来てくれ」
 今度は詩人の声が聞こえたらしくユニコーンは詩人の側にやってきた。詩
人の様子に驚く。
 「どうしたんだい、泣いているのかい。伺か、悲しいことでもあったのか
い。そう泣かないでかくれよ。
僕も、彼女が死んでいるのを見て驚いているんだ」
 詩人が心配そうに尋ねた。
「彼女だって、あのユニコーンか」
「そうきんだ。ユニコーンの旅とは僕と彼女の小球への旅々んだ」
「そうか。悪い事をしたんだね、僕は」
 詩人はまた泣き出した。
「しかたががいよ。もう彼女は生き返りはしない。早く、僕の背中に乗り左
よ。ゴーストトレインを追いかけるんだろう」
「頼むよ」
「でも、なせ、ゴーストトレインに乗せてもらわなかったんたい」
 詩人は答えす、首を左右にふった。
「わかったよ、泣か々いてくれよ。僕もとても悲しいよ」
 アー・ヘブンはゴーストトレインの腹腔で、徐々に回復しつつあった。傷
ついた表皮は復原機能が働き、元に戻りつつあった。
 アー・ヘブンは自分の体が、振動しながら移動していることに気づく。体
が空中に浮かんでいる。
 空気が高密度に収斂し、動いている。空気の構成因子が膨張し、実体化さ
れ、ゴーストトレインという一つの生体機械を作り出しているのだ。    
 ゴーストトレインの車体部分はほとんど古代の動物そのものであり、しか
も半透明だった。
 アー・ヘブンは腹腔の中にとらえられたままでいようと思った。そうすれ
ば、天宮の元までかのずと連れて行ってくれるだろう。
   ユニコーンは北の詩人を乗せて、トレインの後を走っていた。
   「あ、腹の中にいる生物が動いたようたよ。彼に知らせ々ければ」
   ユニコーンはトレインに向かって大声でどなった。
   「ゴーストトレイy、腹の中にいる生物が、今、動いたそ」
   それを聞いて、ゴーストトレインは少しばかり生物を消化して動かさ
tくしてしまかうと考えた。意
  識部分だけても残してかけば充分だろう。
   腹腔内に分解放を分泌し始める。分解放は今までに断機類を解体した
放だ。やがてゴーストトレイン
  の腹腔内は分解放で充満し、アーヘブンの体は旅中に沈んだ。
  「伺だ、この液体は?」
   アー・ヘプンの触手の一部が解けていた。アー・ヘブyはこの放から
逃がれようと、再び、触手を全開する。が、腹腔はヘブyの触手にあわせ拡張した。いくら試みても、柔らかな腹腔をつき破る事はで
  きない。   アー・ヘブンは今度は、自分の体に蓄積している体内エネルギーを放つ。光合成によって蓄積されたエネルギーだ。
 ヘプンの全身は赤色に輝き、次第に熱をかび始める。トレインの腹腔はア
ー・ヘブンの発した熱で溶ける。穴は徐々院ひろがり、充分々大きさになったのを見はからって、アー・ヘブンは外へころがり堕ちた。
 それでもゴーストトレインは惰性で走り続け、張力が効かなくなった腹腔
は前後二つに裂けた。上半身はコードの内肇院つっぷし、下半身は後にとりのこされたが、あたり一面に消化肢がふちまけられた。
 アー・ヘブンはゆっくりと立ちあがり、ゴーストトレインに近づく。ゴー
ストトレインはかま首を突然持ち上げた。悲しそうな顔だった。
 『この動く″木″は一体伺だったのだろう』
 それがゴーストトレインの最後の意識であった。
 アー・ヘプンはトレインの半透明の体が空気中院かえっていくのをながめ

ている。
 コードの通路上には二つの光るラインがずっと続いていた。
 急に、後からアー・ヘブンの体に衝撃があった。
 ゆっくりと振り向く。
 ユニコーンだった。痢が体を見事に突き抜けていた。ユニコーンは自分の

ペアとゴーストトレインの
敵討ちをしようとしたのだ。
 「くそっ、彼女とゴーストトレインをかえせ」
 ユニコーンはそう叫んでいた。
71
 『無益政事を』
 アー・ヘブノは悲しくなった。ヘブンのエネルギーが角に収斂する。
 ユニコーンの両眼がまっ赤になる。ユニコーンの体はきしり、爆発した。
 コードー面に、肉片が散らばった。
 鮎は、アー・ヘブンの体に突きささったままだった。ゆっくりとアー・ヘ

ブyの内部細胞はユニコー
ンの角を体外へと押し出した。
 角はコード上にころがりがち、ゆっくりと静止する。角はユニコーンが存

在したことの唯一の証拠に
見える。
 しばらくして、アー・ヘブンは側に詩人が忍びよってきたことに気づく。
 「北の詩人よ、教えてくれ、天宮はどこにある」
 アー・ヘブンはこの生物の名が北の詩人という事を知っている。
 詩人はユニコーンの肉片の側にうずくまり、涙を流していた。
「ユニコーンよ、とうとう、君まていなくなってしまった。僕はひとりぼっ

ちじゃ政いか」
 詩人はアー・ヘブンに問いただす。
「アー・ヘブン。なぜ、ユニコーンや、ゴーストトレインを殺したのた。私

の数少々い友人達を」
 詩人の言葉にはアー・ヘブンヘの激しい怒りが含まれている。
「許してくれ、北の詩人。私にとっても禽外政のたよ。殺戮とか抹殺とかい

う狂暴なイメージをふりま72 く事すらヽ昔の私には耐えられきい事だった

・がヽ私はやってしまった・いかなる事があろうと私は天
  宮の元に辿りつかなければ左らないのだ。それが私の使兪なのだ」
   アー・ヘブンは悲しげに詩人の眼をのそき込んだ。
  「それに君達は、この世界には存在しないはずの生き物々のだ」
  「存在しないはずの生物だって?」
   アー・ヘブンを見ていて、詩人は想いかこす事があった。詩人は思わ

ず、アー・ヘブンの体に両手を
  のばし、その表面をなてていた。アー・ヘブノは詩人の心に悪意のきい

事を知り、なすがままにした。
  「ああ」
   急に、詩人はうめき声をあげ、ひざをかとした。詩人の眼からは、新

たなる涙がこぼれ訟ちていた。
  「わが家よ、暖かき住み家よ・:・:」
   詩人の口からは、そんなフレーズが湧き出ている。
  「住み家? どらいう意味だ」
  「わから々い。ても、僕のイメージ脳が、そう告げている」
   涙をたたえた眼て詩人は言う。
  「さあ、思い出してくれたまえ。こう偏問を変えてみてもいい。君は大

球の一体、どこで生まれたのだ
  ね」
  「どこで生まれたかって? そういえば・::・」
73
 詩人は、アー・ヘブンの体から手を放し、達い所に視線を雅し、昔の事を

想い出し始めていた。
「そう、大地の中だ」
「地中はわかっている」
「闇の中、いや光があった。そうだ。空洞があり、私の仲間たちがそこにた

くさん居た」
「仲間がたくさん居ただと?」
「そう。まだ、実体化していない多くの仲間だ」
「いったい、君やゴーストトレイノは何者なのだ」
「僕達は、情報ユニ″トが実体化されたものだ」
 詩人はそこまで言うと、突如、その場に倒れた。
 自分白身の記憶の復活があまりに強烈だったのだ。これは事実々のたろう

か。イメージ脳がくるった
のては。そう詩人は考えていた。
 脳裏には、かつてアー‘ヘブンに似たモノに記号を印した事を思い出して

いる。すっ1と昔の事だ。
『かしのきに、々いふでしるしを……』
 アー・ヘブノは横たわる詩人をながめている。彼からは、はっきりした天

宮の位置を読みとれなかっ
た。彼はその場所を知らないのだ。闇の空洞だと?
74
 アー・ヘブンはしかたなくコードの内壁ににじりよると、内壁金属に聴覚

器をあてがった。
 この金属の持つ記憶巣から天宮の情報を読みとれないかと思ったのだ。壁

に聴覚器がふれた一瞬、ア
ー・ヘブンの体は硬直した。
 恐るべきデーターが一度に脳に流れ込む。体が震動し、コードの内壁に倒

れ込む。
 倒れていても、アー・ヘブンの体は痙學し続けている。
 コードの内部は、すでに天宮の腕の中も同然なのだ。コード内には天宮の

神経系かくまなく張りめぐ
らされていた。その神経系から派生した神経糸が一本、アー・ヘブンの体に

鋭く突きささる。神経糸は
蛇の様に体内に侵入し、ためらい左く体中を突き進む。神経糸はアー・ヘブ

ンの中央脳を探りあて、ア
ー・ヘブyの正体を知ろうとしていた。
 脳部位はどこだ!・ 神経糸は位置をさがしあぐねていた。
 アー・ヘブンには中枢脳がなく、しいていえば、体全体が脳機能を持って

いるのだ。
 アー・ヘブン臨休の申をほい雀む神経糸忙封し`て、捨匹ハルスを嵯っ化

。パルスが届くところ、そこ
に天官の命令中枢があるはすだ。
 一瞬の後、逆に彼は天宮の位置を読みとっていた。
 『シャフト』
 アー・ヘブンは立ちあがると、体につきささっている神経糸を力まかせに

ひきちぎった。からまって
きていた神経網を引きさく。
75

 ○


・ヘプンはコードを大球にむかい直進していた。目ざすは天宮の存在すると

ころ、ゾ″フトであ
 コード内の神経網が急激に膨張し、道をふさぐ。アー・ヘブンの前進をは

ぱもうとする。
 コード自体も震動している。天宮は、小球とコードを大球から切り放そう

としていたのだ。アー‘ヘ
プyをコードに詰め込んだまま。
 大球とコードの接合部分はすでに切り放され、コードと大球の鉄表が数10

m開いている。
 危ない所だった。アー・ヘブンはコードの内壁を第3触手を使って突き破

り、からくも鉄表へ降り立
りていだ。
 切り放されたコードは耳を聾する轟音をあげている。伺かの泣き声の様だ

った。コードは小球の方へ
ゆっくりとたぐり寄せられ、ねじ曲がっていく。何か生き物の断末魔を思わ

せた。
 フー・ヘブyは鉄表の下を透視して身ぶるいをし允。この鉄表下は驚くべ

きこと陀、機械の集合体に
変化していた。本来の岩盤はどうなったというのだ。
 この機械類はスパイダーネ″トによって集められた宇宙船の部品々のだろ

う。大球全体が機械惑星と
化していた。内部の地層は天宮が変化させてしまったのだろう。
 アー・ヘブyは、この機械類をチエ″タして、ある事に気づく。これは危

ない。天宮は何をやりだす
かわからがい。
 全宇宙に害毒をぱらまくつもりかもしれない。機械のすきまを探査する。

そこがシャフトのはずだ。
76 それにその部分のみ、構成成分が異なるはすなのだ。
 天宮自体が機械と、そのモノの集合体なのだから。
 またそのモノはアー・ヘブンと同じ成分を持っているはずだ。
 ゾャフトの位置をようやく探し当てた。怒りという古い感情を思いかこし

、鉄表を第3触手でふち破
った。

 アー・ヘブンが立ち去った後、しばらくして北の詩人は意識をとり戻す。

コードは揺れていた。
 詩人は振動するコードの中ではいつくばりきがら、事の始まりを思いかこ

していた。
 詩人は古代に生きていた男の実体化であった。詩人は自分白身のデータを

情報ユニ″トとして残して
いたのだ。
 彼は詩人であると共に、優秀次技術者でもあった。彼の画期的次発明がイ

メージコーダーてあった。
 情報ユニ″トをイメージコーダーのある部位にセ″トすれば、それが実体

化されるのだ。ただしわず
かな時間だったが。
 詩人は、その発明のパテyトで億万長者と次り、死後、巨大な地下ピラミ

″ドに埋葬された。
 もちろん納宮室には、イメージコーダーと、彼の大好きだった情報こ乙ト

のコレタショyが収納さ
れた。
77
 数百年後、このビラ、ヽヽ″ド近くに建築された軍のビ。グコンピ’ータ

ーとリンタして、イメージコー
ダーが機械共生体の中心になるとは想像だにしなかった。
 彼の地下ピラミ″ドの上には、樫の樹林が果てしなく広がっていた。
 その中の一本に、詩人が若い時、ナイフで刻みつけたフレーズが残ってい

た。
『私の夢は・・・・:』
 シャフトの内部を見て、アー・ヘブンは驚く。ここは古代の遺跡なのだろ

うか。
 触手をのはしてみる。情報ユニ,ト群にふれる。情報ユニ。トはやはり、

アー・ヘブンと同じ植物繊
維からできている。
 さらに、情報こらトの一つ一つは繊維のシートの集合体だった。
 各シートの表面には、この星の旧生物が使用していた記号が多量に刻み込

まれている。
 記号をシート上に刻み込むことを印刷といったらしい。
 その記号を、この星の生物は古代より文字と呼んでいた。
この一枚一枚のシートから或る情報ユニ″トは″本″と呼ぱれていたのだ・
このが本ガの集合体が、データベースであり、この星の住民は、視覚を通じ

て脳に入力していたのだ。
この情報ユニット″本″が数十万、いや数百万ユニ。ト、シャフトの中心部

内壁に埋め込まれている。
しかしヽアー・ヘブンが鉄表を破って潜入し、シ々フト内に外気が侵入した

ことにより、シート=紙
49
が変恟し崩れ始めた。粒子となり飛び散り出す。
 伺千年の夢だろう。数えきれない程の、多数のこの星の住民の知恵が、虚

空ヘチリとなって消え去っ
ていく。
 この星の文明遺産の消失であった。
 膨大が本というペーパー情報集合体が消え去り、その後に古い機械が姿を

現わす。機械共生体であっ
た。
 本が風化するのと同時に、コードの中の北の詩人の体も消滅した。アー・

ヘプンはその一瞬、産声を
聞いたような気がした。
その機械共生体も、外気にふれて腐触し、機械パネルははじけ飛び、粉々に

分解していく。
が本がやヽその背後の機械共生体がくずれ去った後の内壁中央部に光点が残

っていた。
光点はアー・ヘブンの方へ移動してきた。
球体にはぎっしりと古代の本が積まっている。
その球体からは強烈な激怒のイメージが、アー・ヘブンに注がれていた。天

宮だった。
アー・ヘブンは天宮に話しかけている。昔の名前で。
「地球意志よ、寂しかっただろう」
79
「地球意志? 太古の私の名前を知っているか前は一体……」
「そう、君が考えている通りだ」
「つまりは、ハーモナイザーの手先というわけか」
「正確にはそうてはない。ハーモナイザーの意識の一部という方がいいだろ

う」
「なぜ、私の所へ来た。私の宇宙に対する復讐の理由を探りに来たわけか」
 アー・ヘフノは天宮の意志の強固さ。その意志の持つ邪悪さに、思わずた

じろいた。
「やはり、君は復讐を考えていたわけか」
「そうだ。私はハーモナイザーのかかけて、地球人類という、かけがえのな

い財産を奪い取られたのた
からな。それに君は私のデータベースも破壊した」
 「まだ、わかっていないのたな、地球意志。ハーモナイザーは君から地球

人を奪いとったわけではない。
彼ら地球人類は、自らの意志て君から離れたのだよ。地球人類は宇宙の意志

という大きな思念のために
出かけていったのたよ」アー・ヘブンの意識はハーモナイザーとなる。
 「ハーモナイサーの手先としてか」
 「手先とか、そりいった問題てはない。地球人類はひとつの思考形態とし

てより進化したといえるだろ
う。かつては地球人類という小さな枠て物を考え、自分達の能力を使ってい

たが、ハーモナイザーの意
志により、彼らは同調したのだ。君‐―つまり地球意志より、より大きな意

志のためにね」
 「ハーモナイザーよヽいくらくりかえしてもしかたがない。君が私から人

類を奪い去った事に変わりは

つさえヽ私に鋼鉄の鎧を着けさせヽその上に監視員をかきヽ彼らを進化させ

た」
  「そう、彼ら斯様類は君を監視するために存在し、生命球がすへてを統

禦していた。が断機類や生命球
  は君が滅ぼしたのだろう」
  「そう、それが私の復讐の手始めだ」
   生命球はアー・ヘブンのソウルブラザーだった。生命球もハーモナイ

ザの個性群体の一つだったのだ。
  「ハーモナイザーは君の行動を観察していた。君があるいは新しい精神

構造を持ち始めて、ハーモナイ
  ザーの考え方に同調するかもしれ左いと思ったのたよ。がそれは残念ガ

がら、期待はずれだとわかった
  わけだ」
  「それて、わざわざ/″フトまで降りてきて、私を滅ぼすわけかね」
   地球意志の声はあくまて冷たい。
  「地球意志よ。最後のチャノスだ。君の思念を我々と同調させなさい。

それがすべてだ」
  「答えはノーだ」
  「わかった」
   天宮は伺かの信号を送りだそうとしていた。間髪を入れず、アー・ヘ

ブyは第3触手をのばし、天宮
  をにぎりつふそうとする。
   天宮の中には、聖書、仏典、コLフン左ど地球の宗教書とイメージー

コーーダーが包含されていた。宗
  教書こそが地球意志のアイデンティティーたった。
81
触手の握力で天宮外壁がはじき飛び、本の数々がバラパラに吹き飛び、破片

は大気へ散ってゆく。
「危カい所だった。地球意志は私を道連れにこの星を破壊するつもりだった

のか」
 アー・ヘブyは独りごちた。
 地球意志は、小球に、スパイダーネ″トで集積した色々な星の武器を集め

ていた。
 地球爆発の際、武器群は小さなユニ″トに分かれ、あらゆる方向にむかっ

て発射されようとしていた。
ハーモナイザーに対する地球意志の復讐である。
「地球の上に新しき卦彰を宿せ」
 アー・ヘブンの心の臭から声が響く。ハーモナイザーが呼びかけていた。
「どうやって、この地に生命を宿したらいいのですか」
「か前は種子なのだ。お前が変化し、地球に々じむ植物と々るのだ。か前の

子孫がこの星、地球に充ち
るのだ」
「しかし、ハーモナイザー、地球は鋼鉄のよろいがあり、内鄙ば機械星とな

っています」
「心配するな。天球に根をなろせぱよい」
「根てすって」
「第1触手を根とせよ」

80 9SOあまつさえヽ私に鋼鉄の鎧を着けさせヽその上に監視員をかきヽ

彼らを進化させた」
  「そう、彼ら斯様類は君を監視するために存在し、生命球がすへてを統

禦していた。が断機類や生命球
  は君が滅ぼしたのだろう」
  「そう、それが私の復讐の手始めだ」
   生命球はアー・ヘブンのソウルブラザーだった。生命球もハーモナイ

ザの個性群体の一つだったのだ。
  「ハーモナイザーは君の行動を観察していた。君があるいは新しい精神

構造を持ち始めて、ハーモナイ
  ザーの考え方に同調するかもしれ左いと思ったのたよ。がそれは残念ガ

がら、期待はずれだとわかった
  わけだ」
  「それて、わざわざ/″フトまで降りてきて、私を滅ぼすわけかね」
   地球意志の声はあくまて冷たい。
  「地球意志よ。最後のチャノスだ。君の思念を我々と同調させなさい。

それがすべてだ」
  「答えはノーだ」
  「わかった」
   天宮は伺かの信号を送りだそうとしていた。間髪を入れず、アー・ヘ

ブyは第3触手をのばし、天宮
  をにぎりつふそうとする。
   天宮の中には、聖書、仏典、コLフン左ど地球の宗教書とイメージー

コーーダーが包含されていた。宗
  教書こそが地球意志のアイデンティティーたった。
81
触手の握力で天宮外壁がはじき飛び、本の数々がバラパラに吹き飛び、破片

は大気へ散ってゆく。
「危カい所だった。地球意志は私を道連れにこの星を破壊するつもりだった

のか」
 アー・ヘブyは独りごちた。
 地球意志は、小球に、スパイダーネ″トで集積した色々な星の武器を集め

ていた。
 地球爆発の際、武器群は小さなユニ″トに分かれ、あらゆる方向にむかっ

て発射されようとしていた。
ハーモナイザーに対する地球意志の復讐である。
「地球の上に新しき卦彰を宿せ」
 アー・ヘブンの心の臭から声が響く。ハーモナイザーが呼びかけていた。
「どうやって、この地に生命を宿したらいいのですか」
「か前は種子なのだ。お前が変化し、地球に々じむ植物と々るのだ。か前の

子孫がこの星、地球に充ち
るのだ」
「しかし、ハーモナイザー、地球は鋼鉄のよろいがあり、内鄙ば機械星とな

っています」
「心配するな。天球に根をなろせぱよい」
「根てすって」
「第1触手を根とせよ」
82
 アー・ヘブンはハーモナイザー匹呂われた通り、第1触手を地中深くシャ

フトにそってかろす。触手
は膨張し、根となった。
 次の瞬間、地表を被っていた鋼鉄面は光り出し、熱を持つ。一気に蒸発し

た。同時に地球全体が光り
輝く。
 機械類は燃えあがり、やがて燃えつき、土と化した。
 アー・ヘブンの体に内包されていたハーモナイザーの種子も同時にまきち

らかされる。種子は全世界
を被う。
 『アウフ・ヘーベンせよ』
 光の声がいう。
 いまや、地球の世界樹と々ったアー・ヘブンの聴覚に、ハーモナイザーが

働きかけ、アー・ヘブンは
始めて、自分の名前の章豚を悟った。
 アー・ヘブン=アウフ・ヘーベyだったのか。
 世界樹の小さな部分に、不思議な事だが、古代の文字が刻まれていた。
『私の夢は・:・:』
詩人が消え去る一瞬、耳にした産声は、この変化のさきぶれだったかもしれ

左い。
83
地球は新たなIページを書き記し始めた。
(完)


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