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カテゴリ: ガーディアンルポ03「洪水」
ガーディアンルポ03「洪水」第2回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook/ ■ガーディアンルポ03「洪水」第2回■ フネは大洋を漂っていた。 陸地と呼べるものは存在しなかった。 生物は海の中に生息していた。海はどこまても青く、広がっている。 地球は大洋といってよかった。地球イコール水球だ。 「フネ」は地球上を巡航し、「真人」を見つけだし、回収し保護することを自分の目的と 考えていた。「真人」、誠の地球人類である。 フネは大いなる昔、何者かによって造りだされ、海に送りだされた。 フネの記憶回路はそう告げていた。 「シュクセイキ」が地球にとって通い昔となった時、人類の影はなかった。 シュクセイキ。 人類はなぎ倒され、多くの者は苦痛の中で、のだうち死んでいき、わずかに残った者はその拒咀の染色体に異常を受け、入間の形態をとらぬ生物へと変化をしていった。 人間の遺伝子をより濃厚に持つ真人を捜し出すことは、無限とも思われる能力を持つフネにとっても画題をきわめた。 フネの側を、水棲人の一入が泳いでいた。 彼は驚く。 こんな巨大なものが世の中に存在していたとは。 その巨大さは彼の理解力を越えている。 水棲人は近づくこともなく、フネを見ていた。 今夜、彼の集落は、この話でもちきりになるだろうし、彼は中心的役割を果たすことになる。 フネに出会うことはめったに次い。 その千載一遇の機会に彼はでくわしたのだ。彼の子々孫々にこの語は語りつがれるだろう。 フネは乳白色をしていた。底部は卵形をしている。中央は塔のような突起物が見えた。 船の外周から中心部へとながらかな曲線で頂点部へともり上っている。 フネは、だから海からひときわ高く空へ向けそそり立つ棒のようにも見えた。 窓と呼べるものはない。全表面はすべすべして光り輝き、つなぎ目も まったく存在しない。 が、フネは意志をもっていた。その意志はある目的遂行のため。 ■(続く) ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ ●http://manga-training.com ●http://mekamushi.com/ ●http://manga-agency.com ●http://suzuki-junko.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.08.07 00:18:04
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