飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

2017/04/05(水)07:54

「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作品

ハーモナイザーシリーズ(30)

「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/   http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/779592/ ロシュがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった 時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。 そんな感じだった。 この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。 制服に身を固めた、30名はいる大勢の護衛官たち。装甲車の中にいる、そのの一人が、ロシュの身を案じて、声をかける。 「ロシュ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。 「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの宗教儀式なのだ」 強い調子でいった。 暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という護衛官たちの、いわば、避難の目も気にせずに。 「ですが、ロシュ様」 「いいか。これは、命令だ。もし私が当分かえらなくても心配するな」 ロシュは強い口調で言う 、大星間帝国統治者のロシュは、彼の大仰な護衛官団を、その場に残し、 たった1人で、とでも小さな町へ向かっていった。 護衛官団は、町のまわりを取り囲み、彼がその町から出てくるまで待続けるだろう。 その小さな町の通りには、人影はなく、静謐さが全て覆っていた。まだ珍しく舗装されていない、むき出しの道をゆっくり歩いていく。彼は歩いて来た方向を、いわば、彼の信奉たちの方を、ふり返りもしなかった。 町のすぐ後ろにある小さな丘から、樹齢数百年に及ぶ樫の木立ちが、町並み方にその大きな陰を投げかけていた。 町外れにある。目立たない2階建ての家の前に立って、ロシュは、考えつかでにその建物を見上げ、ため息をついた。 やがて、思いつめたように、中に入っていった。 古びた看板には「夢の国」とあり、風でふるえて、音を立てていた。 昔のままのオーディが、いた。 今まさに眠りから覚めたばかりという顔で、カウンターの中に座っていた。 「ロシュ、100年ぶりかね。どうだい、この星の世の中の子は。ちぇつ、いつもと同じ会話、言葉か」 ロシュは、少々疲れた顔で答える。 「君も夢の中で見ただろう。戦争、革命、闘争。殺りく、暴動。、流血、それから、そうそう、わずかばかりの短い平穏、平和。、、、私に残ったものは、また、失望と疲労。、、いつもの通りだ」 ロシュは、首をうなだれていた。 「それじゃ、俺の頃と、また同じだったんだな。独裁者ロシュ殿、10のの太陽系、と127の星を支配する。大星間帝国の創設者にして、統治者のロシュ殿のか」 自虐的にオーディはいう。 「なお、オーディ。私はいつも思う。私たちは、一体、何のために生かされているのだ」 ロシュは、吐き出す様にいった。 「ロシュ、それは考えないことだ。俺たち二人は、ハーモナイザーによって選ばれた人間だった。 宇宙意思「ハーモナイザー」から与えられた役目を果たさなければならない。 そのおかげで、俺たち二人は、永遠に続けることができるのではないか。」 ハーモナイザーは、絶対に開始ともいえる。絶対紙ともいえる。 「俺たちは、確かに不老不死の体となった。ハーモナイザーによってな。 だが、命が、永遠の命が何人になる。自分の愛した女が老いさらばえ。 子供達が生まれ育ち、そして、俺の目の前で死んでいくんだ。これは悲しいぞ。そんな森羅万象を眺めているのは、気分の良いものではない。おれたちは神ではない。が、いわば、神の役割を果たさねばならない。また私の意志で数多くの罪のない人がきづづき死んでいく。えー、何のための不滅の命なのだ。私たちは一体何者だ。何のために生きているんだ。教えてくれ」 ロシュは、もう絶叫していた。 オーディは、しばらく黙っていたが、やがて、ゆっくりと口を開いた。 「ロシュ、俺にいえることは、ただ、眠れ。それだけだ。その大きなカに君は疲れている。次の時代に期待しろ。今度の俺の時代で、ハーモナイザーがオレたちに与えた命令がわかるかもしれない」。 「わかった、わかった、オーディ期待するよ」。 われわれの製造理由で飲んで党のあることはな。 その実、ロシュは、もう、期待はしていないのだ。 ロシュは、今にも消え入りそうな力を、なんとか絞り出して、地下室へ降りていく。 明滅する光の中を、ムービングウエイが走り、丘の中央に隠された「円盤」にたどり着く。 寝床となる「シリンダー」中に横たわる。この中で、何度か目の100年目の眠りの中に入る。 反対にオーディは、この町をでていく。この町を100年の間、訪れる人もない。訪れる人はない。この町は霧の中へ沈んでいく。周りにいた護衛官たちは、オーディの「神の力」で「全滅」する。 ● ロシュが見るのは、必ずその時の映像だ。 るか昔、地球から、最初の恒星間飛行を行った、当時の二人の宇宙飛行士は事故にあい、宇宙空間を漂流。死の直前、彼らは、ハーモナイザーという超生命体に助けられた。 時々、ロシュは、自分たちは、まだ、あの漂流していた宇宙船にいるのではないか。これまでロシュが経験していたことすべてが、夢であることことではあり、死の一歩手前。宇宙飛行士の妄想ではないか。 ロシュの子供のころからの夢は、支配者になる事であり、いつもプルターク英雄伝や、ナポレオン、ヒットラーそして、その他のそれぞれの時代の独裁者の伝説を映画やビデオ、本で読んだり見たりした。死ぬ間際の幻想映像ではないか。 そうろしはもうそんな夢に、やがてオーディが現れる。 オーディは、ロシュが作り上げた星間帝国を崩壊させようとした。 ハーモナイザーから与えられた全知全能を持って、この世に、新しい秩序を作とうとしていた。 そして、この星で、100年の時が流れた。 ●共同体主席オーディがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった。時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。 そんな感じだった。 この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。 制服に身を固めた、50名はいる大勢の、同志親衛隊たち。気動車の中にいる、そのの一人が、オーディの身を案じて、声をかける。 「同志オーディ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。 「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの通過儀式なのだ」 強い調子でいった。 暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という同志親衛隊たちの、いわば、避難の目も気にせずに。 オーディ共同体として主席同志オーディは、どうしたも、目の前にとでも小さな町へ向かっていかなばならない。 そして今度は、めざめたばかりのロシュが持っていたのだろう、「夢の国」へと、、 「もちろん、あの人は私の夢の一部分よ。でも、私も、あの人の夢の一部なんだわ」ルイスキャロル鏡の国のアリスより、。 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/   「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作品  http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/779592/

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