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テーマ:小説(1360)
カテゴリ:石の民
ファンタジー・SF小説ランキング IT石の民■(1989年作品)石の民は、この機会神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか? この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/19/ 石の民 第19回 Vグループのアジトに放浪する戦争孤児の大吾がいた。彼もまたジュリの祭司アルクのように、石棺を背に何かを探していた。 石の民第19回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ 石の壁の司祭アルクと、Bグループの光二の二人は、アルクの娘、ミニヨンを助けるために石の壁のジュリへと、異なる時間と空間を撥ねていた。光二は、なくなった姉のアリサだと思っている。 フッコウドームのV団のアジトだった。たくさんのキッズがいる。 今、ヘッドの登はいないようだった。 代わりに、大吾がいた。大吾は2Mの大男。ワンダリングキッズの一人だった。 他のドームのヘッドの紹介状をもって登の所へ来た。登の団にワラジをぬいでいるというわけだ。ある。所属するグループを持たない放浪の戦争孤児だ。 大きなスプーンで、メシを食っている。なぜか食事中も背中に大きな荷物が。 このフッコウドームのキッズは、近くにある鉱山で掘り出される貴金属を食いぶちとし ていた。 この鉱山は平和チームの監督監視下にあるのだが、何人かの作業ロボットが金儲 けのため、ひそかに登たちキッズのところへ貴金属をもってきていた。 登のVグループと光二のBグループは、このロボットの作業員の裏支配をめぐっても 争っているのだ。 「おい、お前、いい根性しているじゃないか」 Vグループのキースが言う。キースは金髪で細面の顔は残酷なイメージを、会う人にあたえる。 「ど、どいいうことですか」ロボット作業員Z113が、答えていた。 「内緒で、ブツを光二のBグループへ流しているときいたぜ」 「そ、そんなこと絶対にありません。ロボットは嘘つかない」 「じゃ、お前はロボットじゃないな。ロボットじゃなきゃ用がない。おい、大吾、おしお きだぜ。ほかのロボットらもよくみておくんだな」 キースが大吾に命令する。キースはこのグループのNo2だ。 「や、やめてください。私は悪くない」Z113は目を白黒ではなく、レッド色にしていた。 大吾はZ113のボディをしめあげた。Z113のハイチタンの体がミシときしむ。 「わ、わかりました。もう、しません。キースさんやめさせてください。光二が悪いのです」 「おい、大吾、もういいぜ」 が、キースの言葉にかかわらず、大吾の動きはとまらない。 「おい。大吾、やめな」 キースが青くなる。 「大吾、やめろ」他のキッズも騒ぎ出す。 「やめろ、大吾」 瞬間、アジトは機械の破片が吹き荒れていた。ロボットZ113の体が爆発したのだ。 「おい、何て奴だ」 「うわっ、か、怪物だ」仲間のロボットたちは、さんをみだして、アジトから逃げ出した。 「や、やりすぎだぜ、大吾」 キースは大吾をなじる。これだから、ワンダリングキッズ、放浪の子たち、は困る。組織って奴がわかっていない。 「すまん」が、大吾の顔はあやまっているようには見えない。むしろ自分の力を楽しんで いるようにみえた。とにかく、わかりにくい表情なのだ。 「おい、大吾、お前、その棺桶どこから見付け出してきたんだ」キースはこの気まずい雰 囲気を変えようとする。そう、大吾は背中に石棺をずっと背負ったままなのだ。 「ああ、このドームへの途中の道でな」大吾はぶっきらぼうに答える。 「じゃまにならないのか」他のキッズが尋ねる。 「ああじゃまにならん」大吾が答える。 「ほっとけよ、大吾の棺には大切なものがはいっているんだから」 興味をもったひとりが大吾に言う「中をみせなよ」 「何か、金めのものがはいっているわけか」 「いいだろう、みせろよ」棺かつぎの大吾は歯 を剥き出して、そいつに怒った。 「わ、わかったよ、お前の棺にはちかずかないよ」 「おいおい、やめておけよ。大吾の力は今見た所だろう」キースが止めた。 が、その日の晩、棺かつぎの大吾のふたを、内緒であけた奴がいる。しかし、首の骨がお られていた。その目は棺桶の中を見て見開かれていたのだ。 大吾はこの棺を見付けた以上、早く、元の世界へ帰らねばならなかった。待っている人が いるのだ。 大吾はこの石棺を探して、ジュリの里「石の壁」祭司アルクと同じ様に、星を、世界を渡り歩いていた。 石の民第19回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ F小説■石の民■(1989年作品) 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.06.21 10:38:40
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