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テーマ:小説(1360)
カテゴリ:消滅の光景
SK消滅の光景■セクター宇宙連邦軍、ビット大佐の目下の悩みは、奴らの流入だ った。まったく奴らミレニアム信徒はひきも切らさず、この星へやってくるのだ。 一体、何のためにこんな辺境の星へ
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n8420gh/14/ 消滅の光景 第12回 多発するミレニアム信仰の消滅事件を調べに来た、セクター連邦情報部調査隊の前で、現地の司令官ビット大佐が消滅した。情報部チヒロ中尉は、先行していた視政官グルドの行方をたづねる。 消滅の光景 第12回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ 「古い文明ですって、今乗ってきたロケット調査船エクスはたとえ、電子頭脳が つぶれていようと最新型だったのですよ」情報省チヒロ中尉が霊科学者カド博士に言った。 「確かに、最新型の調査船だったな。私の意識が何かの力の影響を 、けているのかもしれん」霊科学者のカド博士が答える。 「ビyト大佐、今のような事件、いわゆる消滅現象はいつもおこっているの」 少女のラミーがビット大佐にたづねる。 「ええ、ぞれは。。。」 4人の目の前で、突如、ビット大佐の体が消える。 彼の座っていた座席には、ほこりが。シートの上にはきらめく灰がひとにぎり。 やがてそれも車内の空調の風に吹かれ浦え去る。 誰も声をあげなかった。あげられなかった。度肝を抜かれたのだ。 ミレニアム信仰の「消滅現象」が起こったのだ。 連邦軍駐屯本部へ叫人は辿‥り着いた。連邦軍の兵士連は指揮官ピ ット大佐が潰え去っ日だヴで右往左往していぃる。 カド博士はチヒロ中尉にふともらした。 「さっき、この星地球にちかづいた時に、私ぼ確かいったね」 「そう、この星には地霊が存在しない。そして空虚であるとおっし いましたよ」 「それが、今、この星地球には生命がみなぎってい感じなのだ。私達 がこの大地に着いた時からまるで泉のように湧きだしてきているのだ」 本部の窓から外をながめていた超能力少女のラミーが、声をあげた。 「あれだわ。あれが『塔』よ」 ラミーの指さす方に、銀色に輝ぐ塔が存在した。塔のまわりを群 集が押し包んでいるよラだ。あちこちのセクター連邦星からこの塔にたどり着く ためにここに来た人々。 ぽろをまとい、祈りを唱えるだけで、何もせず、人々を殺すこともせず、 自らが消滅するのを待っている人々。 「塔を調べるより先に、先行してきていたグルド視政官の行動を辿ってみなければ」 視政官は、巨大な聖域に点在するセクター連邦を見回り、連邦議会へ報告する義務を 負う。連邦内の秩序安寧を目的に見回るのだ。 チヒロは通路を通っていた兵士に声をかけ、消滅現象でいなくなったビット大佐の 指令官代理を呼ぶよう に頼んだ。 ・ あわてた様子で、一人の少佐が彼らの前に現われた。 「ムッカ少佐であります。何か不都合がございましたでしょうか。 もし御座いましたら、申しわけございません。先刻の事件で、皆、 動転し七いるものですから」 「君がしっかりしてもらわなければ」 階級は下でも、連邦中心部、情報部と、辺境の部隊では、階級は無視だ。 「はっ」 ムッカ少佐は恐縮していた。 「少し思い出してほしいことがあるんだ」 「何でしょうか」 「10日程前、グルドという視政官が辻七ぃを訪れたはずだ」 「確かにおいでにな0ましたビット大佐より、視政官は市内の宿 屋へお出掛けになったと聞いております」 「それから」チヒロは促す。 「二、三日、たっても私達の指揮所へおいでにならないので、秘かに市 づ中を採したのでありますが、最初の夜、でかられて戻ってこなかったとのこと なのです」 {ムッカ少佐、その宿はわかっているのか」 「はい、タルマジロ通りのキムの宿屋です」 「わかった。そこへ案内してくれたまえ」 調査部隊のチヒロ中尉は残りの3人とアンドロイドの方ぺ振り返った。 「カド博士達はまだ、ここに残っていて下さい。ムッカ少佐、それでは頼む」 ムッカ少佐は突然頼み込むようにチヒロに言った。 「チヒロ中尉、お願いです。情報省のあなたの手で、至急、援軍を .呼んで下さい。」少佐は急に我を忘れたかのように口走っていた。 消滅の光景 第12回 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.10.14 14:16:50
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