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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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トリニテイ・イン・腐敗惑星

2008.10.01
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■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第31回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 「マンガ家になる塾」ドリル



寂寥王は挨たわっていた。疲労困狽していた。この腐敗惑星をも
とどうりにする行為によって体力をすべて使い果たしていた。
 「寂寥王よ。この世界の破滅の原因すべての責任はあなたにありま
す」皆の声だ。
 「眠らせてくれ、皆」

 「だめです、寂寥王あなたのすべき仕事が、まだ残っております」
 「仕事は何だ。何をさせようというんだ」
 「あなたの滅ぼした世界を再生せねばなりません。あなた自身が、
閉鎖した数多くの世界を再び蘇らせねばなりません。次々とね」




 フライングデッキの残骸が再生されて、そこから、一機の小型宇
宙船が飛びあがっていく。

ミラーから乗っていた船だった。
それには誰も気づかない。
何しろ、次から次へと、色々な船と生物がこの
惑星から飛び出して行くのだ。

 「ツラン、今の星では失敗したな」
影の男が言った。
「しかたがありませんね。我々●ダークサイド「闇世界」●との戦いは永久に続きましょ
う。ミラーも、もう少しできる男かと思ったが」
 
「私が巫女の姿になってディレクションしたのですがね。勢力が足
りなかったかもしれませんね」

 「まあ、よいわ、寂寥王の分子が行く先々で、我々の闘いが続く」

 再生したラフラタだった生物が言った。ラフラタは自分の精神の
コピーをこの小型宇宙船のコンピュータ・ツランの記憶城中に保存
しておいたのだ。それが再生されていた。
自分がもし、打ち倒されたときの用心、保険のだめだ。
この惑星の上では「ラフラタ」としては再生しなかった。

■ しかし、トポール大佐の「独立装甲兵団」は全員、再生されている。

 「いいか、今度は、銀河すべての財宝と情報をいただくぞ。
いいか。寂寥王、その名前は変わろうと。おまえを追い掛ける。
奴の分身をチャックし、追跡しろ、ミラーくん。そして皆、私についてくるのだ」



■23章■  
回収子ゲノンはひとり考える。

『私は再び旅立った。
別のトリニティに会うために。他の太陽系かもしれない。
私は、多くを知らないのだ。私のたどり着いた星から、また私の
分身が旅立つのだろう。この世界を総て復活させるために。」
私は自分の本名をいまだ知らない』
 
●完●
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 「マンガ家になる塾」ドリル






最終更新日  2008.10.12 19:43:26
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2008.09.30

■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第30回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」「マンガ家になる塾」ドリル


 「母さん。お父さんや、この腐肉たちを助けてあげる方法はないの、
あたしはもう、戦いはいや」本当に疲れるもの。
 「あなたたち、何か方法は」レムリアは他の者に尋ねる。
 「我々には無理です」
 「皆を元にもどしてあげてよ」
トリニティが涙を流しながら叫んでいた。
 「王なら、その力がおありじゃ」
 「そうするように王に呼びかけましょう」
 「風の意識をかりましょう。風よ、お願い、聞いて、風も腐敗の風
でなくなりましょう」レムリアが叫ぶ。
 風の意識が腐肉の意識を動かす。
 「寂寥王よ、あなたを許そう。この我を元の体に戻してくれるのな
ら」 
「待て」
ラフラタであるものがいった。
「お前たち、どういうつもりだ。この寂寥王を倒すのだ」
「ラフラタよ。お前はこの寂寥王の心の寂しさを感じられないのか。
孤独が解らないのか。創造者の苦悩が理解できないのか」
 
「ラフラタよ。お前の心をのぞいてみた」
 「お前には心が存在しない」
 「つまりは、ダークサイドの人間というわけだ」
 「寂寥王よ、我々はあなたを信用します。許しましょう」
「ラフラタの意識を、我々より排除しよう」
風民たちがこう考え始めた

 「やめろ、お前たち、どちらの味方だ」

が、ラフラタの意識は数千、数方の意識から攻撃を受け、分
断、消滅させられた。

■ やがて、地表は平和に満ちた。腐肉と風はすべて、もとの生物体
に戻った。

この星は生物やロケットなどの機械類であふれていた。


もとの姿に戻った回収子ゲノンは、肉体と霊体が合体したレムリアに言う。

 「君はもう帰るつもりは、ないのだな」
 「そう、ゲノン、許して。私にはこの子がいるの。それに、この世
界をもとに戻す手伝いをしなければならない」

 「では、君の守護神には、君が死んだと報告しておこう」
回収子ゲノンは宇宙の未来へと去って行った。

■ 「ラフラタはなぜ、急に我々を攻撃してこなかったのでしょう」
レムリアが言った。
 「寂寥王の分身が帰ってくるのを待っていたでしょう」
ゴーストトレインが答える。
 「罠を作って待っていたのだ。それゆえ、この星が腐敗したのはあ
やつのせいかもしれない。寂寥王の心を惑わせて、この星を寂寥王
言う。

 「ダークサイドじゃったか、あやつは」
チャクラが尋ねる。
 「だから、彼らは、世界をこのまま、破滅させたいのだ、それには
寂寥王を殺してしまう、あるいは、行動できなくしてしまうのが一
番なわけだ」
16面体の考えだ。

 「それが、奴らダークサイドの野望じゃろう」
チャクラも考える。

 「では、あたしに最初にあいにきた男はお父さんの分身、残留意志
なのね」
トリニティは昔をおもいだしていた。
 
「そうよ、別の星を再生していたのだと思うわ」レムリアが言う。
 「では、まだ、寂寥王に働いてもらわねばならないわけですね」
ゴーストトレインが言う。
「そういうことじゃ。レムリアとトリニティには悪いが」
 「かわいそうな、お父さん」トリニティは思った。
まだ、働かせるの、いいかげんにしたら。
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」「マンガ家になる塾」ドリル









最終更新日  2008.10.12 19:40:26
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2008.09.29
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第29回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル

 「聞いたか、皆、寂寥王は罪を認めた。寂寥王を殺せ」
ラフラタであったものが言った。
「私を好きにしてくれ」王が答える。
「寂寥王どうしても」
 「皆、よいか、私はこのものたちに飲み込まれる。その行為がこの
ものたちに対する罪滅ぼしになる。どうか、私を助けようとしない
でくれ。これは、最期の私の願いだ」
 「寂寥王よ」
 「あなた」
 「お父さん」
 「ははあ、おとなしく、私の軍団に下るか。寂寥王よ、まだ、この
腐肉の中には中性子爆弾が残っている。レムリアよ。残念だったな。
寂寥王よ、完全に吹き飛ばしてくれる」
 「まて、それはおかしい、ラフラタの意識よ」
風の意識の幾つかが言う。
-107 -
。「もう、遅いわ」
ラフラタが叫ぶ。
腐敗惑星の表面が腐敗巨人として収斂した。
「寂寥王よ、我々はお前を恨む」 
「我々、すべての生物がお前のために、こんな醜い姿に返られたのだ」

 「寂寥王よ、我々の耐えることのない悲しみと死の瞬間を思え」
 
腐肉のかたまりが、寂寥王の体をすっぽりと包みこんでいた。
寂寥王はその中で、数多くの死の瞬間を味わった。そして、完全に死
ぬことのできない悲しみの心を知った。

 「寂寥王よ、お前の力をもってすれば、我々のこの苦しみを取り除
くことができるだろう。この逃れることのできない死の淵から、我
々を生の空間に戻せ」

 『寂寥王よ、あなたがなぜ、どこかに逃避され、またトリニティを
残したか考えてくだされ』
急にチャクラの声が寂寥王の元に届いた。
 「なぜだ、私はわずかぽかりでも、再生を夢みていたのか」

 腐肉の巨人体の圧力で圧しつづけられる。
苦悩する寂寥王の意識が、数千の腐肉の意識に責めさいなまれていた。
が、寂寥王はこの練獄の中で自分が昇華され、罪が償われると考えていた。
 寂寥王は逃れようのない苦悩の中で、1人、昔を思い出す。

 大いなる昔、この古代世界に電磁波が降り注いだ。そのとき以来、
世界は腐り始めたのだ。その電磁波をひきよせたのは、自分の生命
の寂しさゆえだ。
一人がゆえにだ。
そのために皆と共に滅びようとしたのだ。

 やがて、この腐肉の意識の中にすこしずつ、寂寥王の深い寂容態
が押し寄せて浸透していった。

 王は考える、
この腐肉たちの苦しみを解消する方法は。もし、彼
らをもとに戻すことができるならば。
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル






最終更新日  2008.09.30 22:43:04
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2008.09.28
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第28回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/


■第22章■
 独立装甲兵団の兵士は、寂寥王によって血祭りに上げられていた。
16面体のやりを寂寥王が利用したのだ。
 16面体が意識を取り戻してきた。16面体と寂寥王は戦おうとする。
 「もう、おやめ下さい。寂寥王よ。いさぎよく、あなたの間違いを
認めて下さい」

ゴーストトレインが後にいた。中にはチャクラの中枢頭脳がのっている。

 「おお、お前たちが、お前たちも手伝ってくれ、はやく」
が、ゴーストトレインとチャクラは、その命令には従わない。
 「寂寥王よ、お気づき下さい。戦闘16面体が何かを……」
 「何だというのだ」
 「彼らはあなたの良心じゃ」
 「あなたが古代に構成した機械良心です」
 「何。何を世迷い事を言っているのだ。二人とも」
 「覚えておられないのなら、お見せしましょう。しかたがない」
ゴーストトレインの眼から、映像が上空に写しだされていた。チャ
クラの中枢頭脳が覚えている古代の記憶だ。
寂寥王と16面体はその映像に見いる。

 「ああっ」
寂寥王は叫び、泣き出していた。
16面体はただただ見とれている。

突然、寂寥王の体が激動した。

 寂寥王の体が三つに分離する。
寂寥王と一角獣にされていたレムリア、それに世界子であるトリニティ。

 トリニティは三身一体だった。
いままでのレムリアの体、一角獣は霊体であった。
ちょうど一角獣レムリアが駆け込んでくる。
二つの体が一体化する。

 「私は、私は一体今まで何をしていたのだ……」
寂寥王の顔から血の気がひいていた。
 「寂寥王よ、ワシラは、この姿に形を変わり、あなたの分身がかえ
 って来られ、この星を元に戻していただけることを長い間まってお
 りましたのじゃ」

「私のおかげでこの世界が腐敗したのだな」
 「また、お前を一角獣に変えたのも私だというわけか」
レムリアに向かって言った。
 「なあんだ。ユニって、あたしのお母さんだったのか。ああつまら
ない」

 「トリニティ、あなたこそ何を言っているの。あなたは世界
子よ。もっとそれらしく勉強しなさい」
 「ああ、また、勉強か」
 「寂寥王よ、ワシラが、過去に一つの共同体の船であったことを思
い起こしてくだされ。機械城が船のメインボディであり、ワシ、チ
ャクラが、他の我々が、一体何であったかを。そうすれば、我々が
何を目的としていたかお解りになるはずじゃ。この船を中心コアと
してこの星を作られた。ワシラはあなたから、切り捨てられた手足
じゃ。ただ、レムリアさまは、ワシ、チャクラに子供を預かるよう
にいわれましたのじゃ。それがトリニティさまじゃ」

チャクラが言う。

 「そして、16面体は、あなたが、この腐敗惑星を作られたときに破
棄された機械良心体です。

機械にあなたの良心を移植し、埋め込んでおかれたのです。
ただ、16面体はその良心のゆえに、あなたの行動に我慢できなかっ
たのです。
この腐敗惑星の残酷さゆえに。それに機械砂によってこの16面体の
意識がおかしくなりました。
切り離されたがゆえ、あなたを憎むようになったのです。
彼らはあなたを憎み、トリニティのコピーである、アリスまで作って
しまいました。
この星を改造しようとしてね」

がっては船の付属生体宇宙艇であったゴーストトレインが、続けて言った。
 「そうだ。残念ながら、そいつらが教えてしまったが、その最初か
らの歴史を知り、私は監視機構を作り上げたのだ」
ラフラタであったものが言った。
 「寂寥王よ、お目覚めください。あなたは1人ではない。我々とい
う味方がいるのです」
16面体が言った
「寂寥王よ、我々らも、目覚めました。どうか、我々を臣下として、
お許しください。この我々の機械城を、この腐肉どもとの戦いにお使いください」
 
「ワシの水羊宮とこの機械城があれば、鬼に金棒じゃ」
 「オット、わたしも忘れちゃ困りますよ」
ゴーストトレインが言った。
「私もいるわ」
 一角獣の姿から元の姿に戻ったレムリアが言った。
「それにあたしもね」
トリニティもこわごわ言う。
「我々のファミリーがあれば チャクラが言う。
何を恐れることがありましょうや」

 「皆許せ。私は1人ではないのだな。許してくれ。反省する」
寂寥王は皆の前にひざまずいた。
そして、腐肉のかたまりにたいしていった。

「生き物だちよ、許してください。私がすべて悪いのだ」

「寂寥王よ、何を言われる」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/






最終更新日  2008.09.30 22:28:24
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2008.09.27
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第27回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル

■第21章ー2■

 一角獣の体となったレムリアを、腐敗惑星に生息する風民が上空へ舞いあがらせた。
「僕は空を飛んでいる」
レムリアには生まれて初めての経験だった。
血が騒ぐ。意識がはっきりとしてくる。
 風は落下してくるフライトデッキの側まで、レムリアを運んだ。
 「さあ、ジャンプしろ」

 レムリアは落下する監視衛星フライングデッキに飛び移った。コントロー
ルルームに向かう。
「これは、これは、新手のおでましか。今度は一角獣というわけか。
風が運んだか」
血まみれのラフラタが、操作卓に捕まりながら言った。
装甲兵のラム中尉が胸をやかれて倒れている。

 「どんなにあがいても無駄だ。お前たちこの星の生物は、すべて消
滅する。私と一緒にな」
「あなたは一体、何者なの」
レムリアは急に女言葉になっている。
「君たちを滅ぼしにきた男さ」
「それじゃ、あなたは、ダークサイドの……」

「そうだ。一角獣、いや、「寂寥王の妻レムリア」と呼ばせてもらおうか。
お前も、寂寥王も、「世界子」である「お前の娘トリニテイ」も殺してやる」

「世界子ですって、まさか、トリニテイが、私の娘?」
「今頃、気づいたのか。まあいい、どうせ冥土のみやげだ」
ラフラタが銃を向けた。
一瞬早く、レムリアは、ダークサイドの「ラフラタ」を一角獣の角でついていた。

「俺を殺しても、中性子爆弾は……」
ラフラタの体がデッキの床を真紅に染めていた。
 「どこ、どこにあるの、爆弾は」
 「ここだ」風民が導いてくれた。

 一角獣レムリアは、中性子爆弾の信管をみよるみまねで、かみちぎったが、レムリ
アの力ではフライトデッキの落下は停止できない。

 「だめよ、このフライトデッキのコックピットのコンピュータはも
う用をなしていない。助けて、回収子ゲノン、風民」

 さあ、我々風民の力をみせる時だ。そうだ、我々もこの星で長い間生
きてきたのだから。
 
「腐敗した肉を集めろ。我々風の力によってな」
 竜巻きがわきあがっていた。いままで、この星には存在しなかっ
た程の大きさだ。その竜巻きがフライトデッキごとを包み混む。ある地
点へ運ぶ。

 フライトデッキの落下地点に腐敗した肉の山ができあがっていた。
フライトデッ牛の落下はそれで勢いをそがれる。ゴムのようにフラ
イトデッキにまとわりつく。フライトデッキは爆発しなかった。一
角獣はフライトデッキから飛び出す。再び機械城に向かい全速力で
走る。

 「腐肉たちよ。よく聞け。お前たちは戦う相手を間違えている。風
よ、お前たちも、よく聞け」
 体がバラバラになったはずのラフラタが叫んでいる。どこかにそ
の意識が残っている。

 「お前たちが、腐肉になったのは誰のせいだ。誰のせいでもない。
ここに出現している寂寥王のおかげだ。お前たちは皆の力をもって
この寂寥王を倒せ。私はこのフライトデッキで、この寂寥王を倒そう
としたが、私のもくろみは一角獣であり、寂寥王の妻である「レムリ
ア」にはばまれたのだ。寂寥王を倒せ」

今は肉体の存在したいラフラタは、意識体となり、腐肉たちの意識にイメージを送り込む。

 腐肉という腐肉が連なり、巨大な巨人獣となった。
地表が、もはや、地表ではなく、この巨人獣の体となり、集まり始める。

■「いけない、寂寥王よ、我々と一体化するのじゃ」
ゴーストトレインとチャクラが叫んでいた。
腐肉の巨人が、機械城まで達していた。
 「我々とこの腐肉との戦いなのじゃ」
チャクラが大声で叫んだ。
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル






最終更新日  2008.09.30 22:41:52
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2008.09.26
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第26回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル

■第21章■
 ラム中尉はチャクラを占領している装甲兵と通信がとだえ、あわ
てている。その透き間をぬって、ラフラタがコントロールルームに
入る。
「レインドロップ」
ラフラタはなにげなくつぶやいた。
 ガクン、フライトデッ牛が揺れる。

 「どうした。なにかしたなラフラタ」
ラム中尉が銃口を向ける。
 「私を甘くみたな。私がただの監視員だとおもったか。このフライ
トデッキに何年もいたと思うのか」
 「先刻のつぶやきは」

 「そうだ、キーワードだ。このキーワードでこの監視衛星フライドデッキが
ある種の作動をする。私はこのフライトデッキの発明者なのだ。古
代から、ずっと私は生きてきた。私はこの監視機構の生みの親だ。
この星に変化があれば、この星を破壊するつもりだったのだ」

 「このフライドデッキフライトに何か仕掛けを」
 「そう、君のご想像どうり、このフライドデッキは腐敗惑星に落下
する。さらにこのフライドデッキフライトには中性子爆弾がセットされてい
る。落下と同時に爆発だ」

「やめろ。さもないと、君を殺す」
「残念ながら、一度作動させたフライトデッキはとまらんさ」

「くそ」
装甲兵の1人、ラム中尉はラフラタめがけ、銃を発射した。


■ 風民(フーミン)のひとりが、フライトデッキの異常にきずく。

フライトデッキが、我々の星を破壊しようとしている。
誰かとめるものは。
 残念ながら、我々には体が存在しない。
何か方法は、
そうだ。一角獣の体はまだ、腐敗がすすんではいまい。
彼の体を使おう。
やるだけの価値はあるだろう。

 「おきろ、君の出番だよ」

 吹き飛んだ一角獣の脳に何かが話しかける。
まだ「ユニーレムリア」の生細胞は、完全に死んではいない。

 「誰だい。僕に話しかけるのは」
「以前、君に殺された回収子ゲノンだよ」
 「その人が、どうして僕に話しかける」 
「私は風の意識体の一つになったのだ」 
風。やはり風の意識体はあったのか」
 「いいから、聞け、レムリア。君に働いてほしい」
 「御覧の通り、僕の体はバラづフだよ」
 「我々が助ける。合体させてやる。それに、安心しろ。


レムリア、君の体は本来の体ではなかった。霊体と機械の集合体だ」
 「どういう意味だ」
 「いずれ、わかる。そのかわり、君の役目を果してくれ」
 「僕に何をしろというの」
「この星を助けるのだ」
 「何のために。僕には何か得になることはあるの」
 「君と君の子供のために」
 「子供だって、、、子供だって、何をいいだすのさ」
 が、レムリアの順に何かがよぎる。

小さな女の子だ。
血が騒いだ。ともかく体が今欲しい。
「じゃ、とにかく、僕を復活させておくれ」
 「待っていろ、私の仲間が……」                              

 風の力が集まる。機械城の中に嵐がおこっていた。バラバラにな
ったレムリアの体がよせ集められ、肉片の一つIつがつなぎあわさ
っていく。一角獣が復活していた。

「さあ、飛びあがるのだ」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル






最終更新日  2008.09.30 22:40:29
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2008.09.25
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第25回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル


「くそ、どういう、武器をつかったんだ、隊長トポール大佐を
殺していまい、、」
ミラー伍長が怒りに任せ、トリニティの体を荒々しくつかむ。

そして、リンゴに手をのばす。が、一瞬早く、リンゴは、トリニティの体に流れ込む。

「教えてやろう」
トリニティの姿が、膨張し、急に寂寥王に変化する。
「うわっこいつは…」
ミラー伍長の頭が、装甲服ごとつかみあげられていた。

「ミラーとやら、死の一瞬、見たであろう。過去宇宙のすべてをな。
私が創造者だ。そしてまた古代世界の破壊者である」

寂寥王の姿をしたトリニティは、ミラーの首をつかみ上げ、死の恐怖を宿したミラーの眼に向かい言った。

 残った装甲兵が寂寥王にむかつていく。
が、寂寥王はころがっている戦闘16面体のヤリを、自分であやつる。
全員、装甲服ごと串刺しにされた。装甲兵死んだものから、体の腐敗が、急に始まる。
どろりと、装甲服の中から、腐敗した死体の肉片が、ゆっくりと流れ出る。


「ぐわっ、とポール大佐も、ミラーもやられた。全滅だ」
地下羊宮チャクラを占領していた独立装甲兵団の1人が、隊員の自己映像モニターを見て、叫んだ。
「くそっ、地下羊宮チャクラを破壊しろ」
「やめてくれ、ワシを破壊しても、いまさら何の役にもたたないぞ」
 装甲兵は、地下羊宮全体に電磁砲をぶっぱなそうとする。
 もう一人が止める。そして言った。

「待て、作戦は失敗だ。我々だけでも脱出しょう。すぐ、監視衛星フライトデッキのラム中尉に連絡しよう」
「ラム中尉、今回の作戦は失敗の模様。機械城とは連絡が途絶えました」
「禁断の実はあったのか」
ラム中尉は冷たく言い放つ。
ラム中尉にとって、大事なのは禁断の実だった。
「ありました、が、トポール大佐はそれに食われました」
「何、食われただと、お前たち、神経は大丈夫か」
「本当です。ミラー伍長もやられました。恐らく、攻撃隊の全員10名が死亡したと考えられます」

しばらく言葉が途切れた。ラム中尉は考えている。

「君たちで、そこを確保し、禁断の実を手に入れる可能性は」
「ゼロです。唯一の利点は、地下羊宮チャクラをまだ我々が押さえている点です」
「早晩、ここ地下羊宮を攻撃に来るでしょう」
「よし、そこを確保しろ、私は、ラフラタ中尉を、連れてそこに降下する」
ラム中尉はあくまでも強気だった。
「ラム中尉、この作戦はもう中止したほうが」
「いや、考えてみろ。まだ、我々には切り札がある。地下羊宮チャクラから情報を聞き出せ」
 突然、ラム中尉からの通信が途絶えた。

「おい、大丈夫か」
「しかたがない、攻撃船タイコンデロガは、監視衛星フライトデッキに残ったままだ」
「すくなくとも、ラム中尉がここに降りてくるのを待とう。それから判断しょう」
「というと」
「ラム中尉が説得に応じない場合、ラム中尉を殺して、我々だけでも脱出しょう」
「早く、この気持ちの悪い腐敗惑星から脱出しょう」

「まてまて、お前たち、逃げ出す方法は、あるのじゃ」
地下羊宮チャクラが横から口をだした。
「そうだ。地下羊宮チャクラから情報をきこう」
「それはじゃな……」
 チャクラの地下壁面を、突きやぶる何物かが、あった。
機械片で、側にいた装甲兵がなぎ倒される。

「助けにきたよ、チャクラ、恩を売ってあげるわ」
出現したのは、15メートルのゴーストトレインだった。
地下羊宮チャクラの機械壁を突き抜けたおかげで、ゴーストトレインの体は、傷だらけだった。

「ゴーストトレインよ。どうやら、昔のように、合体すべき時かもしれんのを」
チャクラが言った。
「チヤクラ、あなたの地下羊宮各所に分散している液体神経中枢を早く集めるんだよ」
「なぜじゃ」
「きまってるでしょう。あなたを連れてここから逃げるのよ」
「逃げるじゃと。敵に後ろをみせるのか」
「いきがるんじゃないよ。年寄りの冷や水。こやつらは電磁砲をもっているからね。
早くしないと、あなたの電源である水羊宮も破壊されてしまうよ。こやつらは、あなたの脳がこの水羊宮だと知っているわ。早く早く、水脳子を収斂して。流動脳粒子を凝縮するのよ」
「それなら、ゴーストトレイン、装甲兵から電磁砲を奪うのじゃ」
「なぜなの」
「お前の体では、機械城に行けまいて、この電磁砲を利用して、機械城に入りトリニテイを助けるのじゃ」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル






最終更新日  2008.09.30 22:39:11
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2008.09.24
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第24回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル

■第24回■(第20章)
 機械城はでは、16面体の意識がフェイドアウトしていたが、

自己防御システムは可動している。

自己防御システムは、急速に接近して来る球体を熱感度センサ

ーで危険物と認知した。
球体機械内部には、生物体の存在が確認できる。
即時、この球体に対して、各部位ごとに、認知センサーがデー

タ分析を行い、総合判断する。
 攻撃。

 飛来する10個の球体は、迎撃するミサイルを感知し、迎撃す

る。
搭乗者のアドレナリンが球体に感応し、白熱化する。
この攻撃船が独立傭兵部隊・タイコンデロガ搭乗機の「ファイ

アーボール」である。

「歓迎の花火を挙げてくれるぜ」
 個々人の感覚は増幅されて、搭乗者に見える機械城は、まる

でチョコレートケーキに見える。
非常にくずれやすそうなケーキだった。音は光りになって感知

できた。
 とぎすまされたファイアーボールは、そのケーキを切り刻む

ナイフだ。
ナイフの刃は搭乗者の頭脳と体力だった。

「各自、攻撃」
「我々の目的はあくまでも、禁断の実だぞ、それを忘れるな」
「OK、ボス、各個撃破」
「ハリホー」
 ファイアーボールは、生体維持装置の限界までゲージが上が

っている。
能力限界オーバー。コンピュータの機械ボイスが叫ぶ。

 視覚装置がフェイドアウトした。
「ファイアーボール」機内モニターが砂の嵐となる。
機械城が機械砂を一斉に吹き上げる。
生命体である機械砂は、ファイアーボールの外装の、機械構造

の隙間をとうりぬける。

「ファイアーボール」 コックピット内に微粒子が侵入してく

る。

「いかん、全員ファイアーボールから脱出しろ」
隊長のトポール大佐が叫んでいた。
第1種装甲のまま、各兵士は、ファイアボールからプッシュア

ップした。
2人、脱出できなかった。機械砂に包まれたファイアーボール

は搭乗者ごと吹き飛ぶ。

「背面降下、キャノンボール」
 装甲服の背後から、キャノンボールと呼ばれるロケット噴射

機が作動し、
機械城の壁面に8人が着地する。

「ミラー伍長、奴らはどこにいると考える」
「恐らく最上階でしょう。が、トポール大佐、問題なのは、機

械城のそれぞれの空間は、常に移動しているのです」
「つまり、機械城という大きな海の中を航行している船が、各

空間だというのだな」

トポール大佐に率いられた傭兵たちは、地下羊宮チャクラの意

識層から、
トリニティが見聞きしている映像を、割り出していた。

 彼らのいる機械城の壁表面から、今度は、液体が吹き出す。
「いかん、機械油だ」
 装甲服に粘りつく。
 「こいつは」
 装甲服に火の手があがる。
機械城の表面が一瞬すべて燃えあがった。
熱が装甲服の中でも急激に上がってくる。

「チャクラの言っていた侵入口はどこだ」
「どうやら、ここです」
 ミラー伍長が3次元モニターで地図を示した。
「よし、電磁砲を使え」

が、機械城に侵入しても、通路には、防御ロボットが待ってい

た。

「なかなか、退屈をさせてくれんな、ミラー伍長」
「そのようですな、楽しませてくれますね、トポール大佐」
ミラーもにやりと笑う。

 機械城の最上階にたどり着き、独立装甲騎兵がなだれこんで

きた。
が、動くものはない。
「てこずったな。おやおや、戦いは終わっているのか」トポー

ル大佐が言う。

「ミラー、この中で、どれが、トリニティだ。トリニティなら

、禁断の実の事がわかるだろう」
 寂寥王は16面体との戦いで、相打ちとなり、トリニティの姿

に戻っていた。
トリニティはぼうぜんとしている。

ミラーはこの有り様には目もむけず、トリニティを発見する。
 「彼女だ」そばにはりんごが転がっている。

今度は誰。モウ、あたし、ふらふらだわ。
「お嬢さん、その禁断の実を渡してもらおうか」
装甲服のミラーが言った。
「いやだわ、なぜあなたに渡さねばならないの。これはあたし

の命なのよ」
「御不満かもしれないが、このモニターを見れば気もかわるだ

ろううさ」

 装甲服のミラーは3次元モニターをトリニティの前に見せた


「まさか、チャクラぢいさんを」
ミラーは、ヘルメットの下でほくそんでいた。

「そうだ。トリニティくん。我々の仲間が、君の親ともいえる

チャクラを占領している。
君が我々の提案にしたがわない場合は、チャクラを爆破する」
あたしの一番大切で安全な場所を返して。
「いやよ、なぜなぜそんなことをするの。それになぜ禁断の実

を」

「我々は《禁断の実》が過去宇宙のデータバンクであると聞い

ている。それを持って帰り、分析したいのだ」
トポール大佐が言った
「分析ですって、そんな事して何になるというの」

「この世界の始まりを知り、過去がなぜ滅びたかを知りたいの

だ」

「これが、禁断の実か」トポール大佐は、地面に投げ出された

リンゴに目を止めた。
トリニティの視線をおったのだ。
「やめて、それにさわらないで。危険よ」
そばで見ていたミラー伍長の頭で、何かが危険信号を出してい

る。

そうだ。昔聞いた巫女の言葉だ
「危ない、大佐、それに触るのは危険だ」

「ミラー伍長、君、私に宝を触らせないつもりか」
が、突然、その禁断の実が、トポール大佐の手のうえで、液体

化する。

「これは、何だ」
うわーつ
 その液体は、宇宙服を着たトポールの首筋の情報端子から、
トポールの脳のなかにゆったりと滑り込む。

「グワッ」
トポール大佐は未来の姿を見た。
世界の過去未来、
世界のすべての情報がトポールの脳に一瞬に流れ込む。
脳機能がオーバーヒートする。

眼球が飛び出し、頭が破裂する。
宇宙服ヘルメットの内部が血で真っ赤になる。
つづいて、トポール大佐の宇宙服が内圧のすごさのあまり爆発

する。
彼の爆発した肉片から、コロコロと再び凝固したリンゴが転が

りでた。

「あーあ、だから言ったでしょう。危険だって」
トリニティがつぶやいた。
「禁断の実は生きている」
装甲兵の一人が恐怖におののきながら、叫んだ。
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル






最終更新日  2008.09.30 22:37:42
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2008.09.23
■トリニテイ・イン・腐敗惑星■第23回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル

トリニテイ・イン・腐敗惑星第23回(第19章)

腐敗惑星の地下羊宮に 突如、側壁が切り開かれて、武装した

兵士が、
中へなだれ込んできた。
来るべきものが来た。
そうチャクラは思った。

モニターが自動的に立ち上がり、チャクラの映像が出た。
「お前たち、手荒い事はやめてくれ。わしはチャクといい、地

下羊全体の疑似映像ジャ。
そんな荒事には、なれてはおらんのじゃ」
 中にいた指揮官らしい男が、チャクラに対して言った。

「それじゃ教えてくれるか、禁断の実はどこにある」
「何じゃと、禁断の実じゃと。ふつ、
お前たちは禁断の実を宝だと思っているのじゃろうな」

「宝ではないというのか」
「あれは、ある人が持てば宝となるが、他の人間が持ったら毒
となるだけじゃ。それも恐ろしい毒となるぞ」
「武器だというのか、禁断の実が」

「そうではないのじゃ」

「いいか、チャクラ、答えてもらわねば、お前のメイン電源を

さがしだして切る」
チャクラはだまった。
「お前の電源は、この隣にある水羊宮である海だとわかってい

る。
それを破壊する。そのために我々は重装備で来ているからな」
返事がない
「我々のいう事を聞けないならば、よし、お前の頭脳から無理

やりにでも読みとってやる」
「チヤクラ、だまっていても、我々には解っている。世界子ト

リニティは機械城の中にいるのだな」後から来たミラー伍長が

言う。

「我々がその機械城を占領する。それでお前が育てたトリニテ

ィから禁断の実を取り上げる」
「が、お前たち、お前たちがその禁断の実をてにしたところで

どうにもなるまいよ。
それに、なかなかに機械城は難攻不落じゃよ」
ミラー伍長がフット笑った。
「では、すべてを理解するあなたに、機械城の弱点を教えてい

ただきましょうか、チャクラさん。いかがですか」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・●山田企画事務所 マンガ家になる塾 「マンガ家になる塾」ドリル







最終更新日  2008.09.30 22:35:41
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2008.08.22
トリニテイ・イン・腐敗惑星■第22回
(飛鳥京香・山田企画事務所・1975年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

第22 回(第18章)

「俺はお前の顔をしっている」
独立装甲兵団に占領された宇宙連邦軍・監視機構の船長は言った。
 腐敗惑星の監視衛星に行く途上で、船が彼らの艦タイコンデガに拉致されていた。

宇宙連邦軍第2348軍区派遣団の船指令室も独立装甲兵団で一杯だ。
「それは光栄だね。私も有名になったものだ」
「トポール大佐、君たちは、何をしょうというのか」
「いい質問です。あなたの代わりに腐敗惑星に行くつもりです」

「ばかなことをいうな。あそこ腐敗惑星は、観察によっては破壊も可能との指令がすでにでている」
「ホホッ、ありがたい情報ですね。参考にさせていただきます」

「ともかく、船長、腐敗惑星の「監視衛星フライトデッキに到着するためのデータ、コードナンバーを教えていただきたい」
 情報が聞き出せた後、トポール大佐は、ほほの傷あとをさわる。

「それでは残念ですが、皆さんとはここでお別れです」
「やれっ」
監視機構全員の生命維持装置に毒ガスが注入された。
「あとのことはご心配なく、我々がうまくやりますから」
死体に向かって、トポール大佐をつぶやく。

 独立装甲兵団とは傭兵のあつまりである。
彼らの戦歴は恐るべきもので、ある星系の政治形態の変化があるとすれば、彼らの存在がうわさされていた。

特に独立装甲兵団のトポール大佐は、通常の宇宙連邦軍の将軍よりも優れているとの評価もあった。
 トポールは過去の戦歴、経験から、自らの肩の両サイドに補助頭脳を埋め込んでいた。
この補助頭脳には各生物の全戦歴、戦史がインプットされていた。
 また、独立装甲兵団のヘッドギアにはそれぞれ、
補助頭脳が装着され、視覚、聴覚などの6感能力が機械の力をかりて研ぎ澄まされ、
増幅されていた。
トポールを始め独立装甲兵団の頚部には情報端子があり、この部分で頭脳と結ばれていた。



 ■
腐敗惑星の「監視衛星フライトデッキ」に船が到着していた。
着艦部分から船のコックピット部位がこのコントロール室まで転がってきた。
 ミラー伍長とラフラタ中尉は下の活動に夢中になっていた。
 コックピット部位から装甲服で身をかためた1人の男が出てきた。
 ラフラタ中尉に挙手する。ヘッドギアをはずして言った。

「連邦軍第2348軍区派遣団です。監視機構から依頼されてまいりました。
このディスクが証明書と指令書です。私は指揮官のトポール大佐です

 続いて13名の装甲兵がハッチからでてきた。

「私は、腐敗惑星の…、いや失礼しました。監視機構所属のデッキマン、ラフラタ中尉です。
こちらはウォッチマンのミラー伍長です」

 ラフラタは、本星から来たトポールに緊張しながら握手をした。
「現況はどうなっていますか、中尉」
精悍な顔つきのトポールは尋ねた。
「遺憾ながら、事件が発生しています。地下に残っていた羊宮から生物が発生したようです」
「生物が」
「それも古代のこの星の女性幼体の姿をしています」
「何か問題をおこしましたか」

「現在のところは、が、どうやら彼女は禁忌エリアに潜入したようなのです」
「何かをさがしているようなのです」
 このトポール大とミラー伍長が目くばせをしたように、見えたのは、私の気のせいだろうか。
ラクラタ大尉は思った。
「ラフラタ大尉、我々全員が地上へ降ります」
「何ですって、気でも違ったのですか。トポール大佐。ここは腐敗惑星なのですよ。
あなたの体が腐敗してしまう。そしてこの星の生態系に影響を与えかねない」

「そんな事はわかっていますよ、ラフラタ大尉、協力願いたいものです」
ミラー伍長が、背後からラフラタ大尉に銃をつきつけていた。
「きさま、ミラー伍長、何を考えている。トポール大佐、こやつを止めて下さい」
「残念ながら、ラフラタ大尉くん、彼ミラー伍長は我々の味方だ」
「何だと、すると君たちは」
「そう、残念ながら、星庁・監視機構から派遣された正規の宇宙連邦軍ではない。独立装甲兵団だ」

「では、本来の船は」
「存在しない」
「きさまら…、そうか、トポール大佐、君たちはこの星・腐敗惑星の銀河最大級と言われる資産を盗みに来たのだな」
「そうだ。ご明察のとうりだ。我々は禁断の実、別名黄金のリンゴをいただきにきた」

「しかし、この星に降下すれば、体が腐敗するぞ」
「おきずかいは無用、ご心配なく、それよりもあなたの身の方を気づかう方がいいですね」
「きさまら、宇宙連邦に対する反乱罪で、全員処刑だ」
「それはあなたの方だ、ラフラタ大尉、我々を妨害しょうとするならばね」
「後悔するぞ」
「それはどうかな」
「ともかく、ラフラタ大尉。俺は、あなたの訳知り顔を今日からみなくてもすむ。観察には飽き飽きした」
ミラー伍長が言う。
「よし、用意ができたら、見張りを残して全員降下だ。
ラム中尉、君はここに残ってバックアップをたのむ。ミラー伍長、現況を手短に報告してくれ」
「わかりました」
(続く)
1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」






最終更新日  2008.08.30 21:04:40
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