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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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遙かなる絆-ランナー

2009.08.03
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遙かなる絆-ランナー第3回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」


第3回
● 月の裏側を探査中のサー=ヘンリー=ビショップ教授の隊が、ピラミッドを発見したのは、2026年3月のことだった。
 場所は、アムラークレーターの内郎であり、このピラミッドが『月の一歩』以来、発見されなかったのは不思議だった。月の裏側を撮影した過去の写真には、まったくそのビラミッドは映っていなかった。
 
ピラミッドの解析が行なわれた。ピラミッドは、エジプト・ギゼーのピラミッドとまったく同一構造であり、構築後、五千年と推定された。内部への情報機器の侵入は不可能だった。ピラミッドがまるで結晶体のようであったのである。
 
月植民地ルナ=シティは、地球連邦軍に、このピラミッドの管理を依頼した。なぜなら、このピラミッドを発見したサー=ヘンリー=ビショップの隊全員が、帰りの宇宙船内で変死をとげたからである。

 以降、アムラーリピラミッドは連邦軍の管理下におかれた。常時、数十名の連邦軍兵士がこのビラミッド近くに駐在することになった。

2026年4月

正体不明の電波が、月のアムラーピラミッドに送られた。
連邦軍の電波探知機がこの信号をキャッチした。
この信号は、さらにEDOの言語解析班に回された。

解析班のチーフであるツェン博士は、この信号を解析中これとよく似た構文を若い頃に解析した記憶が蘇ってきた。その文章は古代サンスクリット語であった。

文章の主旨は「トーチは用意された」である。

 EDOの情報脳から、2016年3月に入力された金属片の情報脳が呼びおこされた。
 EDOは俄然、色めきたった。かっての金属片実物がEDOの地下金庫からひきだされたが、金属片の情報部位はあとかたもなく消滅していた。

「トーチ」とは何か?

それが何らかの異変をこの地球連邦に及ぼすであろうことは予想された。
 EDO長官、オットーは、非常事態宣告をした。
いわゆる「0号」指令である。
 連邦軍対テロリスト局、フリッツの元にもその指令は届いた。フリッツは、秘書を呼び出した。

「今、サムナーはどこにいる?」
「現在、サムナーはプランクトン=シティで行動中です」
「わかった。サムナーをその仕事からはずし、至急、私の所に出頭させろ」

ジャック=サムナーは、対テロリスト局きってのエリートであった。
彼は外惑星型サイボーグであり、局きってのテロリスト=ハンターとしての名をほしいままにして、ニックネームは「片目のジャック」であった。
彼の片目はレザーアイである。


 南太平洋上、‐オセアニア海域に遊才するプランクトン=シティは、地球財団が管轄管理するレジャーランドであった.
このプランクトン=シティに出入りできるのは、地球連邦のα六千三百級以上の上級市民であり、下級市民はこの市を「虚栄の都市』と呼んでいた。
市はナイトクラブ、カジノなど享楽の施設で満ちあふれ、人類がかって味わったことのない歓楽郷である。

そのプランクトンシティを超テロ集団「フイダイ死の天使」が、       
目をつけたのだ。要求に応じなければ、市ごと、上級市民を抹殺するという。

サムナーの今の仕事はこの市の監視であった。そのサムナーに「O号指令」が下った。
「今更何をいってやがる」
 頭に来たサムナーは、その無線装置をたたきつぷした。
かくて、後の宇宙史で、「ランナー」伝説と呼ばれる事件と役者がそろった。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」







最終更新日  2009.09.19 17:14:26
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2009.08.02
遙かなる絆-ランナー第2回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

第2回

 エジプト、カイロ郊外にある、エスパー研究所が、内発爆弾によって襲撃されたのは、2017年5月のことであった。

 この攻撃は、超テロ集団死の天使(フイダイ)の仕業と思われたが、詳細は不明である。
 現場に到着した警官達は、あたりの惨状に我が目をうたがった。

内発爆弾は、その爆発が内部に向かい収斂するのである。
爆弾が投げ込まれたのはESP能力がまだ充分に発揮されていない子供達の訓練センターである。

 肉片が凝縮されて、ころがっている。肉片と研究所内部の機械が奇妙な具合に絡み合っているのだ。
体育館の広さ程ある部屋に、ボーリングのボール大の肉片が数十個ころがっていた。おまけに焼けこげだ肉の匂いがした。

 警官の一人は、嘔吐した。その時、その警官はある.一条の光線が建物の中を照らしているのに気づいた。光線のあたっている所にうごめきがあった。生き残っている子供がいたのだ。
 子供はまるで嬰児のように体をまるめていた。
 警官は急いで、その子供をだきあげ、救急車に乗せた。その時、光は消えていた。彼は「光は、世界最古の建築といわれるギゼーのピラミッドの方から来ていたに違いない。これは大いなる神の守護である」と報告書に書かかれた。

 そのたった一人、助かったエスパーは、カイロ病院の特別病棟の中で、十年間眠り続けた。
 彼は全く成長せず、幼ない姿のままで十年間すごした。意識は戻ってこなかったが、生体活動はその
まま続いていた。名前は、「マコト」という。彼は血液検査等の生体検査によって、日系の孤児であると判断されていた。

 ケロン戦役時、戦闘巡航艇が、月近くをまわっている外航植民船の残骸の中で彼マコトは発見されたのだ。
彼以外に生存者はなかった。不思議なことに、外航植民船は、植民省のビッグコンコンピューターにはフアイルされていなかった。
それは2016年のことであった。そのマコトは、このエスパー研究所で育成中、
事故にあったのだ。



 「死体配達人」が、リッカート家を訪れたのは、2022年8月のことであった。
黒い礼服を着た死体配達人、正式名称、宇宙連邦軍軍員死亡連絡人である。

 モニターテレビで芝生の上を歩いて来る死体配達人を見ていたヘルムの両親は、ひどく衝撃を受けた。

 「まさか、私の息子が」ヘルムの母親はその場でくずれ落ちた。
父親は気丈にまだ立っていたが、その足はふるえていた。

 無表情な死体配達人は、玄関に出迎えたヘルムの父親に、静かに告げた。
 「あなたの息子さん、地球連邦軍、『第62装甲機団装甲機兵、「ヘルム=リッカート曹長」は、2022年6月30日、土星環戦役でおなくなりになりました」

 ここまで聞いて、気丈だった父親は膝をくずし床にへたりこんだ。
 
「ヘルムが  」                                      ’

非常にも死体配達人は、言葉を続けた。
「リッカートさん、しっかりして下さい。まだ話の続きがあるのです。軍団付属の医療船が、リッカート曹長の肉体の「一部」を収集したのです。我々のライフサイエンスを使って、彼を蘇生させることはできます」

 「お願いします。どうかヘルムを生き返らして」
 母親が、部屋から飛びだしてきて、死体配達人の前にひざまずいた。
 「が、奥さん、元通りの人間体にはできないのです」
「人間ではない」
「サイボーグにならざるをえないのです」
 「え、サイボーグ」

 両親はお互いの顔を見合った。サイボーグ。この時代では、サイボーグは数多く存在している。が、
これまではリッカート家にとっては、サイボーグなど縁のない話であった。外の嵐が急にリッカート家に襲いかかってきたのだ。

 ロボットのような冷たい肌。母親は生理的嫌悪感から身ぶるいをした。私の子供あのヘルムが、鋼鉄の体になるなんて!
 死体配達人は母親の心を読んだようにいった。

「大丈夫です。奥さん、最近のライフサイエンスは進んでいます。合成皮膚も、人の皮膚と比較してわからない程進んでいます。近づいてもほとんど人間と変わりありませんよ」
 両親は相談し、サイボーグ手術をヘルムに受けさせることにした。

「幸運だったのは、ヘルム曹長の脳漿が、無事に回収されたことです。もしそうでなければ、我々はこういう提供をしなかったでしょう。
 残酷なようですが、この提案に付け加えておかなければならない事があります。サイボーグの手術には、莫大な金を必要とします,この金額は失礼ながら、一家の財産ではあがなえません」
「と、いいますと、ヘルムの体は」

「そうです。お分かりかもしれませんが、ヘルム曹長の体は、連邦軍「サイボーグ公社」の所有物となります。彼がサイボーグとして仕事。ミッションを遂行する毎にそれに相応する金額が支払われ、それが手術料金に相当した時、晴れて自由の身になれるのです。どんなタイプのサイボーグになるかによって、後々の給与が異なり、それだけ自由の身になるのも早くなるのです。サイボーグのタイプは数千種類あります。このメニューから選んで下さい」

 両親はしぶしぶながら、その差し出されたデイスプレイ「メニュー」表から、タイプを選び、サイボーグ公社への契約書にサインをした。

この時に、「ロード・ランナー」走り屋、ヘルムは誕生した。            
(続く)20090501改定
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」






最終更新日  2009.09.19 17:11:41
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2009.08.01
遙かなる絆-ランナー第1回
地球防衛機構(EDO)シリーズ
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

第1回

1256年、プラグひきいる蒙古軍は、ペルシャ北部、エルブルズ山脈の中心部にある、高い岩山の
頂上に建てられた「アラムート」城を攻めおとそうとしていた。アラムート城は、いわゆるイスラム教の異端派の一つであるイスマーイール派、アサシン(暗殺教団)の城塞であった。

 蒙古軍は、アラムート城からの攻撃が、瞬時、とだえたのを期に、一挙に城を攻め落とした。
の中には、一人のアサシンもいなかった。間道や逃げ道はないはずだった。

 プラグは草の根をわけてもさがせと、命令を下したが、数千人のアサシンはまったく発見できなかった。
 アサシンの指導者、導師マニは、時間の支配者と呼ばれていたが、彼の幻術かどうかもはっきり
としなかった。

それから760年後。
 外航宇宙船メビウス号が地球航路近くで、その破片を発見したのは、ほんの偶然といえるだろう。

 その金属片は、船内の分析器でも、解析不可能であった。
もちろん、酸にも、レザー光線にも反応しなかった。

 どこから、誰が、それをその空間に放置したのか不明であった。
 この金属片は、メピウス号が地球ニューアーク空港に到着するやいなや、地球防衛機構(EDO)に持ち込まれた。

 EDOのアナリスト達か衆知をあわせて、この金属片を分析した結果、金属片の中央部分に高密度に収斂された情報部位がある事がわかった。

 EDOの言語解析班は、それが古代サンスクリット語でかかれた物語であるという結論に達した。
 全文解読は不可能に近かったか、要約はできた。
内容は次のごとくである。


 「聖なる火が、二つの世界を焼きつくし、やがて、二つの世界は一つになる。これは元々一つの世界であり、新しき一つの世界では、平和は満ちあふれるであろう」

 この情報はEDOの情報脳に記憶され、蓄積された。この情報に関係する事象及び事件がおこれば、ただちにこの情報はアウトプットされる。

 この情報の入力は2016年3月の事であった。

(続く)20090501改定
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」






最終更新日  2009.09.19 17:05:39
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