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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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ガーディアンルポ03「洪水」

2020.06.20
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テーマ:小説(487)

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KZガーディアンルポ03「洪水」廃墟で、人類最後の生存者カインは地球滅亡を迎え。彼は生命形態を変え自分から精強なる生物兵器に変貌、地球を再生し敵へ復讐を硬く誓う
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1503de/3/



第3回 ミ=ムネミとム=ウムは水棲人とうしで仲がよかった。しかしム=ウムは、「シュクセイキ」以降の地球の歴史の中で、種族の特徴であるえらが存在しないのだ。

本文編集
ガーディアンルポ03「洪水」第3回(1979年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/





■ガーディアンルポ03「洪水」第3回■



ミ=ムネはうなだれて岩の上で想いかえす。彼、ム=ウムの事を。



 ム=ウムは生まれた時から変わったところがあったのだ。



しかし、彼女の属している種族自体も他の水棲人達と変わっているといえばいえる。



何かしら創造者が施したとおもわれる作為的なところが、ミ達の体に感じられるのだ。



あまりにも体が能率的左のが陥きらに精神構造も違っているようだ。

彼女の一族と他の水棲人達とのいききはほとんとといってない。



また、他の水棲人達とも付き合かうとしない。

限られた地域の中で、彼女の一族は生活をしているのだ。



けれど、それにも増してム=ウムは異端児であった。



彼ム=ウムの一族は、「シュクセイキ」から続いているといわれる種族の連綿と続く

歴史の中で始めておこった異変といえるであろう。



彼の体は、まるで種族のそれと異っていた。

彼か生まれた時、彼の父はム=ウムを殺そうとした。



必死で長老達が押しとどめなければ、彼は今生きていなかった。



水棲人たる彼にはエラがなかったのだ。



少なくともエラがはえるまで日数がかかった。



その間、彼は息も絶え絶えの状態だったのだ。



部落の中央にある岩屋の中の、天井にたまったわずかな空気で彼はかろ

うしかその生命を保っていた。



さらにうろこのはえるのも遅かった。

ム=ウムが一族の災いの元である決定的な証拠はミ=ムネしか知らない。



それは今日から、三ヵ月前のことだ。



その日、ム=ウムはいつもと様子が違っていたので、ミ=ムネは不審に思っていた。



何も言わず、ムはひとりどこかへ行こうとする。



心配のあまりヽ心は彼をつける事にLだ。



驚いた事に、ムは彼ら種族が厳しく立ち人りを禁止している禁制地域へ

何のためらいもなく人っていく。



ミ=ムネはムを、その禁制地域の人口で待つ事にしか。



長い時間、ム=ウムはその中に人ったまま帰ってこない。



ミは、恐怖と不安のあまりに、何度も集落へ帰ろうか

と思ったが、やはりムのことが気になり、岩陰から中の様子を見守っていた。



何時間、経ったろうか。



ムは放心状態で入口から泳ぎ出てきた。

ミ=ムネは急いで後ろから泳ぎつき、ムの名前を呼んだ。



「ム=ウム、ムったら、しっかりしてよ。私よ。ミ=ムネよ。わかる」



「え、何、ああ、、ミ=ムネミか。どうしたの。ここはとこなの」

ムは、急に気付いた。



「伺を言っているのよ。ム、今まであなたかとこにいたか気がついていないの」



「えっつ、僕がどうしたって」



驚いて彼女を見る。



「いい、よく聞いて。これは冗談じゃないんだから」



「わかってるよ、ミ=ムネ、そんな侑い顔をするなよ。せっかぐの君のかわいい顔がたいなしだよ」



「ふざけている場合じゃないわ。あなたは今、禁制地域から出て来たのよ」



「禁制地域!、、だって」



「そぅよ、、、禁制地域よ」



「うつ、本当か」



「ム=ウム、あなたも知っているでしょう。私達の種族の言い伝えを。もしあの地域に誰か

が足を踏み入れた時、私達の一族は皆滅んでしまうという伝説を」



ムは驚いたままだ。



「もちろん、知っている。何代にも渡って語りつがれてきたことたから」



 肩を落とし、声はふるえる。



「間違いなく僕は禁制地域に人っていったんだね」



 思いつめたようにムはミに尋ねた。ミ=ムネはどぎまぎしながら答えた。



「間違いないわよ、わたしこの眼ではっきり見九んたから」



「そうなのか。。」



「でも、安心して、ム=ウム、私は一族の誰にも、この事は言わない。

約束するわ。第てこんな事がわかったら大騒ぎよ。殺されかねないわ」



「ありがとう、ミ=ムネミ。本当にありがとう」

体が震えていた。



「僕は自分自身が怖いんだ。なぜそんな事をしたんだろう」

頭を抱える。



「それじゃまったく禁制地域の中の事は覚えていないの」

「そう、まったく記憶がないんだ」



二人だけの秘密はミ=ムネミとム=ウムの間をよりよく親密にしてした。



今日この日、ム=ウムがさらわれていくまで。



■(続く)

ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品ー2013年改稿)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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http://ameblo.jp/yamadabook/






最終更新日  2020.06.20 17:59:57
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2017.04.05
ガーディアンルポ03「洪水」第2回■(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■ガーディアンルポ03「洪水」第2回■

 フネは大洋を漂っていた。

陸地と呼べるものは存在しなかった。

生物は海の中に生息していた。海はどこまても青く、広がっている。

地球は大洋といってよかった。地球イコール水球だ。

 「フネ」は地球上を巡航し、「真人」を見つけだし、回収し保護することを自分の目的と

考えていた。「真人」、誠の地球人類である。

フネは大いなる昔、何者かによって造りだされ、海に送りだされた。

フネの記憶回路はそう告げていた。

 「シュクセイキ」が地球にとって通い昔となった時、人類の影はなかった。

シュクセイキ。

人類はなぎ倒され、多くの者は苦痛の中で、のたうち死んでいき、わずかに残った者はその体の染色体に異常

を受け、入間の形態をとらぬ生物へと変化をしていった。

 人間の遺伝子をより濃厚に持つ真人を捜し出すことは、無限とも思われる能力を持つフネにとっても画題をき

わめた。

 フネの側を、水棲人の一入が泳いでいた。

彼は驚く。

こんな巨大なものが世の中に存在していたとは。

その巨大さは彼の理解力を越えている。

水棲人は近づくこともなく、フネを見ていた。

 今夜、彼の集落は、この話でもちきりになるだろうし、彼は中心的役割を果たすことになる。

フネに出会うことはめったに次い。

その千載一遇の機会に彼はでくわしたのだ。彼の子々孫々にこの語は語りつがれるだろう。

 フネは乳白色をしていた。底部は卵形をしている。中央は塔のような突起物が見えた。

船の外周から中心部へとながらかな曲線で頂点部へともり上っている。

フネは、だから海からひときわ高く空へ向けそそり立つ棒のようにも見えた。

窓と呼べるものはない。全表面はすべすべして光り輝き、つなぎ目も

まったく存在しない。


が、フネは意志をもっていた。その意志はある目的遂行のため。

 ム=ウムは、水棲人一族の者と共に狩りに精を出していた。ム=ウムのエラから泡が立ち登っている。

ムの一族は水棲人で、体全身はうろこで被われ、海の中を自在に泳ぎ、自分達の世界としていた。

 狩りの獲物はまた、変貌した魚類であった。魚類は巨大になり強力な力を手にしていた。

 かつて陸上で我が世の春を謳歌していた肉禽獣のごとく、彼ら魚類は力強ぐ柔軟な体躯を自分のものとしていた。

 大昔、アフリカ人達が、白身の持てる智力と体力でライオンや豹と対峙していた様に、水棲人達は魚類と闘っ

ているのだった。


今日の獲物は飛切上等の「グル」だ。何にちも部族が食べる事ができるこの時代のくじらだ。

ム=ウムの仲間達はもう小一時間も奴を追いかけていて、薙ぎ倒そうとしていた。

手にしているモリは唯一の武器。ム=ウムたちは集団戦法を得意としている。グルに一人で立向かうとす奴は生

まれながらのパカなのだ。ダルにかかって何人の仲間が死んでいったろう。グルの愕は昔のサメの伺倍もあった。

グルもかなり傷ついて、狂暴になっていた。気をつけ痙ければいけない。こんな時が一番危い。

彼らも注意力が散漫になっている。疲れているのだ。

海上から何かが落下してきた。その透明の半球状のものが、突如、水棲人達を襲ってきたのだ。

底部から突出した無数の触手を、水棲人遠にのばす。

ムは痛みを感じた。

上はく部のうろこの下から血が、わずかだが流れている。

突然の「くらげ状のもの」が襲来、彼らは呆然としたが、気をとりなかした。

攻撃の相手を今までのグルから、この半球状のものへとかえた。

しかしム遠のモリ はこいつの体には役にたたない。

その突然の出現とうって変わって、そいつは浮遊していた。


ム達はそいつにカー杯モリを叩き付けるが、跳ね返される。

そいつ「くらげ状のもの」の内部では、触手に隠されたレーザーメスで収集した皮膚細胞が分析されていた。

染色体の調査が行なわれ、フネのメイン・データセンターを通じ、チェックが行なわれていた。

再びそいつは活動を開始した。今までとは異なった動きをした。

触手を眼にもとまらぬ速さで自在に勣かし始め、水棲人を追いたて始めた。

触手は一人、ムだけ を追い求めた。

フネのメイン・コンピュータは、ムを「真人」の可能性が高いと分析したのである。

ムの体は、三本の触手によってがっちりと掴みこまれたかと思うと、その透明の内部へ収容されてしまった。

ムが、そいつの体の中に人れられる。それを見て水棲人達は総攻撃をかけた。

が、触手から激しい電気が流れる。水棲人は生まれて始めて受けた電気攻撃にかもわずたじろいた。

その瞬間、その半円球は水ヘ向かい急速に浮かび上がていった。

水棲人達は必死でそいつを追いかけたが、みるみる引き離され、やがて、そいつは見えなくなった。

「くらげ状のもの」半円球の物体はフネに引き寄せられ、フネ船底部から吸い込まれた。

ミ=ムネは、愛していたムが、そいつに連れていかれた、ショックで、水面をずっと見上げていた。

やがてみんながあきらめて集落へ帰り始める時も。

まだあきらめきれず、眺め続けている。仲間の1人がミの肩を叩いて言った。

「ミ=ムネ、残念だが、あきらめるんだ。もうム=ウムは帰ってこないぞ、いつまでまってもな」

ミはそれに答えなかった。長はじっとミを見守っていたが、やがて皆の方へと泳いていった。

「ミ=ムネ、いいか、早く帰ってくるんだぞ。このあたりは危険だからな」

と心配しながら。

ミ=ムネはうなだれて、近くの岩棚に腰かけてム=ウムの事を考え始めた。

■(続く)
ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2017.04.05 12:03:30
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ガーディアンルポ03「洪水」■第1回■(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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1979年作品です。色々お許し下さい。

■第1回■

見渡す限り波だ。

水の壁は情容赦なく僕カインの方へ襲いかかってくる。

その激流の中で、僕の足はもう焼けただれた建物の屋上には届いていなかった。

放射線で焼けただれた町。

それでも僕には長く棲んでいて愛着があった。

その廃墟が海に犯されていくのを、僕はなすすべもなくただ見ているしかなかった。

海、すなわち大洪水だった。

波は、伺度となく押し寄せてきて、廃墟を踪順した。

なじみのある暗い町並は、二度と僕の目の前に現われることは、、ないだろう。

服と呼べるだろうか。

そのうす汚れた切れっぱしは、僕の体にまとわりつき、かかげて身勤きは緩慢にたってくる。

水は僕の息をとぎれきせ、言うにいわれぬ悲しみは僕の体をしびれさせていった。

彼女アニー。

さっきまで、、ここに。やっと海面に顔が出る。まわりを見渡す。

いる。何100メートル、離れているだろう。

波間に見え隠れする。

彼女も海にもて遊ばれている。

僕は叫ぶこともできがたい。それはどの気力も残ってはいないのだ。

打ちこわされた伺かの物体が大きな音をたてて迫り、アニーに当った。

彼は泥水の中に消えていく。

「アニー、、、アニー、、」

僕は叫ぶ。

が、、
何てことだ。運命を呪う。地球の運命も。

僕は、無意識の内に、浮かんでいる木片にしがみついた。

すさましい勢いの雨は、人間の希望をすべて押し流すように降り続き、

その暴風雨の祚はまるで銃声のように僕の耳には聞己えていた。

そう、人類を完璧に打ち倒す銃声の様に。

ショックとそれに伴う疲労のために、僕は意識を失いそうになる。

夢、それも悪夢を見ているようなのだ。

僕は夢うつつ考える。

僕とアニーは、なぜ、あの放射線の熱射から肋かったのだろう。

放射線は地球のあらゆる場所に降り注ぎ、

地球の文明を根こそぎ大なたで打ち払ってしまったのだ。

が、僕、カインはまどろみ始める。

(続く)
ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2017.04.05 11:56:08
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2016.08.12
ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

「7人の友情」というふざけたネーミングの「生物体機雷」設置船のブースターの炎が、地球に向かって降っていった。。これで、俺 M113-012の定位置も決まりだ。

「生物体機雷」設置船の中からアリスママが、俺たちに向かって手を降るのが、内視できた。
俺の今回の仲間は240名だ。効率の良い数らしい。

「7人の友情」の地球から上昇中も、「聖歌」は俺たちの聴覚に聞こえていた。
俺たちの仲間の「聖歌」は耳に残り、心を揺さぶる。

ようやくおち着いた俺は、視覚装置であたりを見渡す。
周りはすべて闇。
背後には地球光。
他の仲間との接触は禁じられている。
全くの孤独。
自分から言葉を発することもできない。
敵「ROW」に察知されるからだ。

敵「ROW」と遭遇するまで、眠るこことも休むこともない、
無限の沈黙が続く。

「生物体機雷」設置船「7人の友情」から投げ出された時から、この宇空間から外れることは許されない。
意識が継ぎれることなく、宇宙の監視が続く。敵RMが飛ばせる生体ミサイルを防ぐまて。

僕たちは[クアイアーボーイズ]と呼ばれた。
地球を守るために選ばれた意識。
僕達の死ぬ瞬間、泣き声ともつかぬ「音」を発する。
その音は地球のどこでも聞こえた。人類は、それで俺達の存在と死ぬ瞬間を知る。
その音は、ある種の聖歌を思わせるらしい。その聖歌隊、つまりクアイアーボーイズと
俺たち「生物体機雷」は呼ばれた。

 敵「ROW」もはるかかなたから、生命体ミサイルを発射する。

それに対抗すべく地球連邦軍が考えだしたのが、クアイアーボーイズだ。

そのミサイルをいち早く発見し、処理するのが俺たち、クアイアーボーイズに与えられた任務だった。

生体ミサイルは思考能力をもつ。

役割?。

それは生命体ミサイルに対抗して、彼らを地球圏内に突入までに処理すること。

いわば相打ちだ。

 俺たちクアイアーボーイズは、地球人類の科学が生み出したバイオノイド。

地球人の細胞から生み出された生物機械。

俺たちの意識の奥には、君たちが失敗すれば、「親」が死ぬという刷り込みがされている。

親を叔うために自分が犠牲にならなくてはという動機づけだ。

 『僕達がいるのは地球を守るためではない。地球人を守るためでもない。

そう、アリスーママ、俺たちはあなたを守るために、この宇宙という大いなる暗渠にいるのだ』

アリスーママ、つまり私の生命の源、顔を覚えている!


俺M113-012は、飛来してくる生体ミサイルをついに認知する。終わりがやっと来たのだ。

何の恐れもなかった。

あるいは、死ぬことは安らぎかも知れないと想った。

この孤独にくらべれば。  

 再び、周りを見る。

仲間のクアイアーボーイズの亡きがらが、1セット240人の仲間。
240人の仲間が周りに浮遊している。

失敗すれば、自動的に監視ステーションが不良品として俺たちの生命抹殺を行う。

 俺は待ち構えている。
が、俺は一瞬、この敵「ROW」の生命体ミサイルに近しいものを覚えていた。

彼らも思考能力をもっている。

「ROW」の生命体ミサイルも、はるか遠い星から雅味を目掛けてくる。

ただ破壊のために。母星に帰れることなどなく、
地球を攻撃し、成功した_ところ分栄光があるわけではない。

ただ死が待っているだけだ。

彼らにとっても死は甘美な瞬間かもしれない。

 接触。
なま暖かいものが感じられる。
何かの意識が、俺の意識に呼び掛けてくる。

「まさか、君もそうなのか」

俺より、先に、相手の意識が割り込んできた。

 ああ、俺の同じ生命体がここにいたのだ。
僕の意識が消え去るまで意識で語ろう。

お互いに短い問の生命だ。

俺は言う
「なあに、短い間だ、俺と君が、燃え尽きるまで俺の話を聞いてくれ」

敵「ROW」の生体ミサイルが答える。

「ああ、俺も、この地球への長い航海の中で安らぎが欲しからた。語ってくれるか。この私のために地球の話を、、」

 俺達は、相手を滅ばすために、抱き合いながら、地球の引力圈へと落ちで行く。

俺の語りは「高速度コミュニケーション」で、俺と彼の問で行われる。


そうか。
俺はきづく。

聖歌は、、、
このコミュニケーションの瞬間に発する
データ交換の音だったのだ。

そして、
ひとつの聖歌は、、

終わる。

(ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」完)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所






最終更新日  2016.08.12 20:57:13
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2014.12.08
■ガーディアンルポ03「洪水」第8回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■11
 僕、カインが、目をさますと、知らない人達が、僕の顔をのぞき込んでいた。
「大丈夫か地球人よ」
「あなた方は」
「君達を助けるために来た宇宙人、LS星人だ」

 遅かった。もう少しても早ぐ来てくれたら、彼女アニーは助かっていたろう。

たった一入の恋人、アニー、いやたった一人の肉親だろう、

そして僕が、この星で生きていくためのパートナー。


僕はぼんやりと考えながら、その宇宙船の内部をながめていた。

 「ところで、君は犬洪水をもたらした放射線の熱射が、外部の要因だと聞いたら驚くかね」

「外部からの要因?どういうことですか」

「ROW星人の仕業なんだよ。この地球の大きな災害はね」

災害だって、災害にしてはひどすぎるじゃないか。

「ROW星人は自分達の住みやすい星を発見すると、自分達の具合のよいようにその星を改造するのだ」
 
くそっ。痛い。

体じゅうがうめき声をあげていた。まるで地獄の炎に焼かれているようた。

おまけに、こんな話を生き残った僕一人だけが聞かなければならないなんて。

「君の体の傷は、残念だが非常に重い。君はその地球人の体でいる事は不可能だ。だが我々の提供する別の体に移しかえることができる。我々はROW星人を妨害しようとした。しかし彼らの力の方が、残念なから優れている。

我々は君達人類に警告しようとした。

しかし我々の乗物を見て、君達はUFOと呼び、怖れ、その存在を否定した。我々の存在を君達は信じようとしなかった」

僕は苦しい息の下で尋ねた。

「ROW星人はいつやってくるのですか」
「わからない」

僕は決意した。

奴らに復讐してやる。

僕の地球。
僕の家族、恋人。そして
友達を殺し、滅ぼした奴らに復讐してやる。

何年でも、何世紀でも待ってやる。

でもこの痛々しい体では。苦しい。待てよ。彼らは別の体をくれると言っていたな。

「別の体をくれるといっていましたね」

「そうだ」

「僕カインを、箱舟にしてドさい。どんな体でも可能なのでしょう。あなた方の科学力をもってすれば」

「箱舟か。カイン君は、この地球にまだ生きているかも知れない人々を助けるつもりかね。そしてROW星入を待ち続けるつもりか。彼らと戦うのか。何世紀先になるかわからないぞ」

彼らLS星人は、相談しているよりたった。

どうでもいい。早くしてくれ。お願いだ。

[わかった。我々は君、カイン君に賭けることにする。何世紀か先、君がROW星入に出会った時、どうするかか。君にすばらしい体を与えよう。Row星人と戦うためにね」

手術が始まった。

闇の中で僕は考え始める。

放射線は神の怒りの剣てなかったかと。
最後の審判では なかったか。

我々人類は今まであまりに傲慢ではなかったろうか。ROW星人のしわさてはなく、神の、我々が神と叶ぶものによってこの災害がもたらされたら、我々はそれが自らの罪と認め、進んで死についたかも知れない。

自分で、自問自答している自分がいやになる。

ちえっ、伺て弱気たんだ。

お前カインは。

僕は自分自身の気弱さにいらたち始める。

これから何世紀も待ち続け互ければならないんだ。
ひょっとしたらROW星人はこないかも知れない。

だが、、それが何んだ。

僕は必ず復讐してやる。

もし箱船のゆえに、この地球を離れることができないなら、新しい人類を僕自身「箱舟」の体の中で進化させ、人類戦士として彼らを宇宙にはばたかせるのだ、ROW星人と戦うために。

考える時間は充分にあるのだ。僕の体は、ばらばらに分解され、彼らの科学力をもって作りあげられたすばらしい箱船という体に、僕の神経系や脳組織が移植された。

手術は終わり、僕は箱船として、この荒れはてた地球を、いや、いまや大海原の星を、漂い始めた。

人間を探すのだ。

そして僕の体の中で、彼らを人類戦士として進化させるのだ。

いまに見ていろ、ROW星人め、いつの目か、僕カインの地球にやってきて手強い敵に出会うことになるのたぞ。

■12
 アーニーも助けられていたのだ。

気がつくのに何世紀もかかった。

彼女は同じ宇宙人によって「主」に変えられていたのだ。

破壊をまぬがれていたビッグコンピュータシステムと連結した体となり、地球を支配しようとしていた。彼は彼なりにROW星人と戦うために準備をしていたのだ。

何んと長い別離だったのだ。お互いに、すぐ側にいながら、変わり果てた姿で、お互いがわからなかったのだ。
 
僕たち二人、カインとアニーは、互いに協力し、ROW星人を待つことにする。

ム=ウムについて言えば、彼はこの新しい地球の真世紀のアダムとなる。彼は自らの手でこの地球をエデンの園にかえなければならない。

もちろん弟と私の手前けが必要だろう。

 僕は海原を再び遊弋し始める。傷もいえた。

ROW星人よ、やってこい。ここ地球には、強力な敵がいるのだ。

地球の夜空は暗いが、希望の星々が輝いている。

しかし、僕カインと恋人アニーの心には疑問が残る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■13
             
『本星LSへの報告。

 我々の地球に対する第四段階の作業は完了した。

敵星「ROW」に対する防備は、地球に関する限り完璧といえるだろう。

「フネーカイン」及び「主ーアニー」旧人類改良型監視機構による防備体制である。

 これにより我々のROWに対する戦いは、非常に有利になると考えられる。

彼らフネ及び主は、我々LS星人が、完全に人類の味方たと信じこんている。

全宇宙をめぐる我々LS星人と、敵「ROW」との戦いの一部だとは、地球人類は知らない。


          地球方面派遣軍LS星軍情報部          
              J・N・リーマン大尉
以上、本部への連絡を終了。

ーーーーーーー

●モノローグ
なぜだ、なぜ。体を改造する時に、お互いの存在を言ってくれなかったか?

そう、LS星人は、何者なのか? ROWは本当に存在するの?カイン

疑念が生まれる。

(ガーディアンルポ03「洪水」完)
■ガーディアンルポ03「洪水」第8回(1979年作品-2011改稿)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/ http://ameblo.jp/yamadabook ●http://manga-training.com ●http://mekamushi.com/
●http://manga-agency.com ●http://suzuki-junko.com/






最終更新日  2014.12.25 09:58:24
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2014.12.07
ガーディアンルポ03「洪水」第7回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■ガーディアンルポ03「洪水」第7回■

■8
ム=ウムの姿は、かつてシュクセイキにフネが入間の姿をしていた時の姿に
うり二つだった。

フネは爆発のショックでシュクセイキに自分が人間であったことを思い出していたのだ。

フネの全記憶機構の働きにより、ゾュクセイキの自分の姿に、ム=ウムを再構成したのだ。

 ム=ウムは、主によって創りあげられたが、今はフネの意志により、遠い昔のフネの姿をした入間だった。

フネは暴力には暴力で迎えうつ決意をした
。 

主はフネが消滅していないことに気づぐのに時間がかかった。

なぜならフネの近ぐにのばしてあった.その感応枝も吹きとんだからか。

主白身も原子爆弾の破壊力のすざまじきにより神経中枢に支障をきたしていた。

吹き飛んだ感応枝はその最後の瞬間に神経系の痙學のインパルスを彼にもたらした。
 
熱風が吹き去って、海面が平常に戻り始め、やがて主も息を吹きかえし、感支柱を復活させフネのあったであろう所へ再生させた。

 フネは、しかし、まだ存在していた。

驚愕が主を襲う。しばらくは呆然としていた。存在すべきで痙いものがまだあるのた。

一時は放射能の影響による感応枝の異常では々いかとさえ思っ
た。

 だが、事実、フネはその傷ついた姿をまだ海面上に保っているのだ。

 主はポラリス・ミザイルを再度フネに襲いかからせようとした。

ポラリス・ミザイルの再生には時間がかかる。

もてる能力を最大限に利用するが、何せ古代の代物だ。記憶が定かではない。

 その内、別の異物が、主の感支柱に感じられ始めた。巨大々人間だ。

その姿に主はわずかな動揺を感じた。何だ、あの姿は、、

ム=ウムを再び自分の統禦下にかこうと思老波を送る。

ためだ。主の意向には従かうとしない。

ム=ウムの姿、特にその顔は、主の記憶回路にうったえる何物かがあった。

かつて見た事がある。それもかなり昔に。

ム=ウムは完全に古代の、シェクセイキの入間の姿をしている。

とまどい、熟考している間に、ム=ウムは潜水艦のすぐそばまで泳ぎついていた。

主はあわてて、ポラリス・ミサイルを発射しようとしていた。

最初の二発は、ム=ウムの手刀でなき払われた。

ぞサイルは水面に水しぶきをあげて飛び出した瞬間、ム=ウムは手刀で大きく横にはらい、ミサイルの中央部をまっぷたつに分断した。

さらにム=ウムの体は急速に潜水艦に接近してぐ る。

潜水艦は急深度潜行を開始する。ム=ウムも潜ってぐる。

ム=ウムの体はもう水棲人間の形をとってはいない。

人間の形をしている。しかし恐今へき潜水能 力をもっていた。


■9
潜水艦ソードフイッシュの後部魚雷発射管が開く。

ム=ウムの眼をねらって魚雷が発射された。

思わずムは両手で眼をかばう。

小さな爆発がかこる。ムがひるん だ間にポラリス・ミサイルが発射された。

ム=ウムは目の前の潜水艦から水面にむけて水柱が走った瞬間、水面に向けて一度はねあがったが、間にあわなかっ た。

二本の火線はフネの方へ向ってのびていく。

ム=ウムの体はダイブし、再び、抜き手で潜水艦を追いかけ始めた。

ム=ウムには潜水艦の行き先がわかっていた。

ム=ウムの一族の禁制地域だ。

ム=ウムの目前の暗いよどんだ海水を間に訟いて、潜水艦が見えた。

もう少しだった。僅差でム=ウムの右手の中に、そのテアドロップ型の艦体をにぎり込めそうだ。

禁制地域の目の前たった。

主はその中枢部から巨大な触手を江じり出した。

触手はのびてム=ウムの足にまとわりつき、ム=ウムの動きを静止させた。

触手は、ム=ウムの体しゅうに給与つき、体をもて遊び始めた。

海底にム=ウムの体は激しく打ちつけられれる。ム=ウムの体のあちこちから血が流れ出していた。

ふりまわされている時、偶然ム=ウムの手が、潜水艦に触れ、ム=ウムは無意識に艦体をしっかりとにぎりしめた。

ム=ウムは、手にした潜水艦の船体を相棒の代わりにして、触手をふりほどこうと痙ぐりつける。触手の神経系がとぎれ始める。

ずたずたに触手は分断され、分解したす。

ソードフイッシュ号は中央部からひびがけいり、一挙に海水が船内になだれこみ、原子炉が爆発をおこした。

核爆発は、周囲の触手を完全に消滅させた。主は再度の核爆発にショックを受けた。

一方、フネは自分に向かって飛来してくるミサイルを、今度は自覚しでいた。

前は、近くにいた空母「エンタープライズ」とその塔敵機に気をとられていたの だ。

フネもその空母や飛行機をシュクセイキに見たことがあったのだ。

バルカン砲や爆発はうろさかったが、その姿自体にはなつかしさすら覚えていたのた。
 
 昔をよりよく思い出していたのだ。それゆえ16発のポラリス・ミサイルの飛来に気づいた時はすで遅かった。

その時の放射能や熱予イエネルギーはフネの体をまだ蝕んでいたが、怒りが彼をささえていた。

二発のポラリス・ミサイルに対してフネは無力感を持ち始めていた。

今度、体にポラリスミサイルが命中した時には自分は終わりだと考えていた。

待てよ。

自分 はもう終わりたと思ったことが、大昔にあったような気がする。

いつのことたったろう。ずっと昔だ。そう私の体が人間だった時……。


■10

 主は核爆発、自分が再構成した潜水艦ソードフイッシュの核爆発によって自分の体の一部である触手が破壊された時、ある種の記憶がはっきりと甦った。

ムの体も爆発によって吹き飛ばされ、近くの海底に横だわっている。

あのムの顔。今の潜水艦によって痙ぐりつけられる痛さ。確か、大洪水の時、

伺かの物体が私の体に……。

 主は、、完全に、、理解した。

主も、シュクセイキには入間の体を持っていたのだ。

 そして放射癩が地球を襲った陵にかこった大洪水、放射線により地球上の于べての水山、氷河が解け去り、陸地を水没ざせ、地球を文字通りの「水球」とさぜたあの時。

彼女アニーと、彼のカインは、その大洪水の時、別れ別れになり、彼女アニーだった「主」は流木に頭を激しく打ちつけられ、意識を失ない、そして……。

 ムは、まぎれもなくカインの顔をしている。

彼女、主は、認知した。

フネは伺らかの理由で変貌したカインの姿であると。

 フネは間近に迫ったポラリス・ミサイルが急に消滅するのを感じた。

なせだろう。フネにはそのわけが、わからなかった。


 やがて、彼女「主」から今までに痙い親密の念をこめて、テレパシーが送られてきた。

それは

『カインよね、カインよ、私よ。あなたの彼女アニーよ、、』

■ガーディアンルポ03「洪水」第7回(1979年作品)
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最終更新日  2014.12.25 09:56:29
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2014.12.06
ガーディアンルポ03「洪水」第6回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■ガーディアンルポ03「洪水」第6回■

海底の泥流の中に、一個の知性体が存在していた。主である。

その中枢記憶回路はムの一族の禁制地域にあった。

フネに攻撃をかけ、失敗した「黒き使徒達」は、主が創造しか生物だった。

『せっかくの私のプランをムダにしたか。黒き使徒達よ! 君達は私が創造した生物で、最悪の失敗作だ』

 フネに収容きれる目的で、ム=ウムを創り出すのに、何年かかったかと主は自問した。

ム=ウムの一族の先祖を主の想念で作り出し、成長繁殖させた。

何代にもわたり生成し、一人の真人として、ム=ウムを生みだしたのだ。

 その主と自ら名のる生物は、シュクセイキ後の地球の混乱期を生きのびてきた。

 彼の意識は、地球の海を総て被っていた。

主はシュタセイキ浚、生命体としてあるものから新しい形態へと進化していった。

彼の意識は、かつての人類の廃墟の中で、静かに、しかし確実に成長し、大いなる創造者として完成しつつあった。

 彼がフネの存在を認知したのは、彼の時間の経過からすれば、そう遠い昔のことではない。

いつからかフネは海を漂っていた。主の感覚枝がフネの存在に気づいた時、主はフネを敵として理解した。

ある種の不気味さを感じたのだ。

自分以外の巨大な知性体としてのそれに危惧を抱いたのだ。

フネは彼の思惑通りには動かなかったし、彼の干渉を拒絶していた。

フネは、主の世界の中で、意向に従わぬ唯一の異物であった。

 主は、自分自身の記憶域を探索し始める。

それまでのフネに対する計画は瓦解していた。新たな攻撃法が必要だった。

自らの散在、「フネ」という概念で、フネ自らの記憶域の中をかきまわす。

過去、主は記憶をたぐる。戦闘のイメージが湧きあがってくる。


戦闘1戦い。
フネ。

戦闘フネ。

違う。

戦闘艦? 

確かシュクセイキ以前だ。

軍艦!

さらに記憶を手繰る。

潜水艦? 空母? 

明確なイメージ、形態が彼の心の中に呼び起こされてきた。

そうだ!

主はついに発見した。

シュクセイキ以前、人間達がそういった種類の船を建造していたことを。

主の感覚枝は全地球を巡っている。

つまり、海底世界に自分の神経網がはりまぐらせている。

軍艦を探すのだ。

はるか昔、人類たちに作られ、その人類たちが放射線のため死に絶えた後、何年かの間、自動操縦装置により無人で動き回り、やがて海に沈んていった何隻かの戦闘艦。


それらは、何世紀かの間、海底の泥流の中に埋れているはずだった。

彼は感支柱を使い、軍艦の残骸を数隻見つけた。

過去の人類の遺産はまだ完全に朽ち果ててはいなかった。

比較的状態のよい艦二隻に浮力を与え、海面上に持ち上げた。

彼は記憶域から明確なイメージを固定した。

サビや付着物を、感覚枝で払い落とす。

不足部分を過去のイメージから複製した。残像がある。

その軍艦は古代、人によって原子力空母エンタープライズと呼ばれていた。

もう一隻は原子力潜水艦ソードフィッシュと名づけられていた。

二隻の艦の体裁を完璧に整え、装備を完了し、彼はフネヘと向かわせた。

艦には誰ひとり人間は存在しない。人間という存在の記憶がない。

すべて、自動で動く。ただ、主の思念のみがその内部機構を作動きせていた。

人が存在しない自動機械なのだ。

潜水艦のミサイル発射筒には、核弾頭が装備されたポラリス・ミサイルが複製されている。

 空母甲板には戦闘機F15トムキャットが、70機以上塔載されていた。

フネは恐らくこういった種類の物理的攻奮を受けた事が々いだろうと主は考えた。

ム=ウムはフネの粘液の中でもがき苦しんでいた。

ム=ウムは真人であるがゆえに黒い使徒達の様に圧殺されはしなかった。フネは主の影響をムから取り除こうとしていた。

ムのその身勣きてきない苦しみは、フネの中枢記憶回路を刺激していた。

フネはかつて自分も同じ様にもがき苦しんだ経験があるというかぼろげな記憶を有していた。

フネは自分の過去の記憶バンクを探索し始めていた。

類似経験? 

しかしその間にも、ム=ウムの苦痛は一層倍化していた。

ム=ウムの体は次第に丸まっていき、手足を縮め、人間の胎児の形を取り始めた。


 潜水艦ソードフィッシュは、フネに対する攻撃行動を開始していた。

その原子炉から発するエネルギーは最大速力30ノットで総体を推進させていた。


しかし、フネまての距離はまだ数千キロメートルもあった。

 一方、エンタープライズは、俊足に、フネに近づきつつあった。

だが全長三百四十一メートルの巨大な姿もフネの前には、ケシツブにしかすぎない。

 エンタープライズは無人の状態で攻撃機F14トムキャットを断続的に発進させていた。

トムキャットはフネの回りを飛行し、ミサイルや爆弾の雨を降り注いだ。

しかし、フネの外皮には何の変化も見られなかった。

フネは泰然としていのだ。

トムキャットのバルカン砲、ミサイル程度の攻撃ではびくともし々いことを主は理解した。

最後の手段を取ることにした。

が、この攻撃は、海や主自身に対する悪影響ははかりしれないと思われた。

フネに向かって航行中のソードフィッシュ、そのミサイル発射筒のハッチが全開された。

内蔵されていたポラリス・ミサイルが、次々連続して、16本発射された。

それはフネに対する主の剣であり、大の矢であった。

ポラリス・ミサイルの破壊力は広島型原爆の10発以上に相当する。

シュクセイキでさえ、究極兵器と言われていた。

主はその破壊力の恐ろしさを理解していた。

海面上に大きな水しぶきを上げて、それは上空に消えて行く。非情な決断たった。

フネが死ぬか主自身が死ぬかだった。

恐らく彼が創りあけたこの海に獄む種々の生物群は多数、死に絶えてしまうだろう。

しかし生物群を失うこと以上に、フネに対する憎悪は深い。

それは、フネは主の理解を越え、さらに主の影響力を受けない地球上唯一のものだったからだ。

ポラリス・ミサイルが目標をはずすわけはない。

フネは海面上に漂う唯一無二の存在だった。大きさは小さな島に相当する。

閃光が走った。

音が響いている。

キノコ雲が湧き上がっていた。

フネのまわりの海は一瞬のうちに水蒸気となる。
熱風が吹き荒れる。
シュクセイキ以後の地球にかこった最も大きなエネルギーの開放だった。

フネのまわりを遊戈していたエンタープライズはその塔敵機と共に消滅していた。
さすがのフネも大きな損傷を受けていた。しかし全面崩壊はしていない。

だが表皮はまっ赤になって燃えあがり、あるいは内に包みとかようにはがれめぐりあがっている。盾所にひび割れすらかとってい
た。

フネは爆発の瞬間、意識を失った。

一瞬、主に対する憎悪の念が浮かび、それが増大され残った。

爆心地へ、海水が消滅した空間へ、海水がなだれこむ。海底までも核爆弾はえぐり取っていた。

そこにフネは横だわっていた。

普段の威光はない。

半死半生の傷ついた姿だ。

フネは流れ込んだ激流に飲みこまれ、翻弄される。やがて浮力により水面上に持ち上げられる。しかしその姿は痛々しい。

昏倒からようやく目ざめたフネは憎悪のかたまりと化していた。

混濁の世界から抜け出したフネの記憶はシュクセイキを思い出していた。

今の原爆を体に受けた体験は過去の放射線の記憶へと繋がっていた。

フネは、今、シュクセイキの時の記憶を再生し始めた。

怒りはフネの全神経組織を狂わせ、憎悪の噴出として、巨人がフネの内部から送り出された。

巨人はム=ウムの変化した姿だった。ム=ウムは胎児の姿でフネの内部に閉じ込められていた。

徐々に彼は主の支配下を離れ、フネの統制下にはいっていた。

ポラリス・ミサイルをフネがその体に被弾した時、ムも痛みを感じた。

それは遠い昔から統いてきたム=ウムの一族の言いしれぬ悲しみを具現したような痛みてムをうならせた。
気づいた時、ム=ウムは生まれ変わった姿で大海原を泳いでいた。


今までの自分とは別人のようだ。

ム=ウムは、何かの怒りにとりつかれたように、水をけっていた。

■(続く)
ガーディアンルポ03「洪水」第6回(1979年作品)
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最終更新日  2014.12.26 17:37:15
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2014.12.05
ガーディアンルポ03「洪水」第5回(1979年作品)
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■ガーディアンルポ03「洪水」第5回■

ム=ウムはフネの収容子の出入口を捜そうとしていた。

 数週間、ム=ウムは例のチューブですごしていたが、知らない聞に外科手術を受け、エラは切り除かれていた。

彼は海との絆をとりはらわれていたのだ。

水の中でなくても呼吸ができるようになっている。

 フネの教導師に不審をいだかれないように、ムは出入口の発見を急がなければならなかった。

しかし、この行動は、ム=ウムが自ら望んでやっているわけではない。ム=ウムの体は人形つかいに操つられているように動き、行動しているのだった。

ム=ウムの心の内から声が響いている。

テレパシーだろうか。

 『ム=ウムよ、時が近づきつつある。早くフネの出入口を見つけ出すのだ。そして我々の合図と共に出入口を開けるのだ』

ム=ウムは急ぐ。

教導師ゼフの目をのがれ、船内を動きまわった。

が、ム=ウムが収容されているフロアより上にも下にも行くことができないのだ。

階段が存在しない。

ドアの向こうは常にム=ウムが収容されているよう々球形の核部屋しかなく、ムと同じ様に収容された人類の末裔がいるだけたった。

彼らとはまったくコミュケーションが取れない。ム=ウムとは言語形態が異なる様だった。

かれら皆が同じ人類から派生したものだろうかと、。ム=ウムは思う。

すべての生物は、いまや海の中で繁殖し、生活している。

ひそかにム=ウムの頭の中に、ある言葉が刻みこまれていたのだ。ムはもちろん気付いていない。黒き破壊指令だ。

『ム=ウム、近い内にお前はフネに、収容されるはずだ。その中に入ったらフネを破壊するのだ。

それが、お前、ひいてはお前の種族が繁殖してきた意味、今まで存在してきた価値だ。フネに入り込み、破壊せよ。それが私「主(しゅ)」の命令だ』

主?

この言葉は、今まで彼が生存してきた禁制地域の中で、ムの頭の中に刻み込まれたのである。

彼は思い起こす。

あの日、ム=ウムは、自分が一族の禁忌を破って、その地域に入ったのか、自分ではわからなかった。

 ム=ウムの心の奥に,何か呼ぶ声がしたのだ。

ムはその声に操られ、音識が混濁状態で禁制地域に足を踏み入れたのだった。

 禁制地域はム=ウムの付落とまったく異たっていた。

そこには一種独特の異様な雰囲気があった。何かしら、人間が建設し、作りあげた廃墟の様か。

しかしながら、ム=ウムの一族の力ではとうてい構築不能であった。

 地域の中心部にドーム型の建物が建っており、中にム=ウムは誘われていき、命令を受けたのだった。

運命を背負わされたといっていいだろう。ム=ウムに秘密命令が下ったのだ。


その同じ時、黒き生物群がフネに近づきつつある。

ムの一族を滅ぼした一群だった。

彼らは強靭な膂力を持ち、重摩な体を持っている。複眼で、皮膚は粘液で彼われていた。

 彼らはフネに到着し、その底に集合した。

しかし、フネからは何の反応もない。

フネはあまりに大きい。

海面下の乳白色の壁面は、うつろな太陽の光を受けてぼんやりと輝いている。しかし底には、大いなる闇がしめている。

「やはり外側から出入口を発見するのは不可能のようだな」

黒き生物群、彼らの一人が言った。

「フネの表面に密着するか。どんな探査装置があるか、わからんな」

「どうやら、あいつ、ム=ウムが出入口を見付けてくれるまで待つしかないか」

「そうだな、彼の捜索行動を急ぐように主にお願いしよう」

彼らから、遠く離れた場所に主は存在する。

主は黒き生物群、彼らの思考を知覚した。そして行動に移った。

フネの内部に居るム=ウムに対して一族の電波を発した。

ム=ウムは体全体に力が蘇るのを感じた。

突如、体がーまわりも二まわりも大きくなった。

その時、ム=ウムは教導師ゼフから学習を受けている最中だ。

教導師ゼフはム=ウムの体から暗い陰りを感じた。

ム=ウムの急激な変貌に驚き、ゼフはフネ全体に警報を鳴らそうとする。

ムはその巨大になった伴こと教導師ゼフにぶつかり、彼を行動不能の状態にした。

ム=ウムの知覚能力もまた増大されたようた。

今まで発見でき々かっかフロア間の移動装置が発見できた。

一番外周にある核部屋のーつが移動装置になっていた。

移動装置を使ってム=ウムは船底の方へ降りていく。フネは多層構造になっていた。

降下する。いつまで続くのかと思われた降下がやっと終わる。

ム=ウムは自分が、フネの底にいることを確信した。

ムは収容子の出入口を捜し始める。透視能力をもムは手にしていた。

急に、フネの警告シグナルが点滅し、ブザーが鳴る。

ゼフが発見されたらしい。

ム=ウムはためらわず、収容子のコントロールパネルを操作した。

出入口は聞かれた。

 底で待機していた、黒き生物達が出入口より突入した。

彼らの個々の体は溶解し、球体となりフネの内部へと向かう。

黒の球体は強大なエネルギーを発散させながら船内を暴れまわる。

底から上へと球体はフロア間の壁を突き破り上昇する。

核部屋は打ち壊され、回廊は吹き飛ぶ。

収容保護されていた生物達は身動きする間もなく、解体され死んだ。

進入した黒の球体の一部はやがて、船の動力部分を捜し末めた。

 フネは自分の体の内に、起こった痛みを感していた。

すぐさま応急処置をしなければならない。

その間にも殺戮された生物たちの苦しみや悲痛な声が、フネの頭脳に響く。

フネは自己防御システムを作動させた。

破壊された出人口のまわりの倍加分離し、拡散し、溶解し、伺もなかっかようにその裂け目を埋めた。

フネの内部を我が物顔で走りすおり、破壊殺戮を行たっていた黒い球体の一つ一つに壁のあちこちから粘液が噴出された。

黒い球体はその粘液により、動きが緩慢と痙り、やがてまったく行動できなくなる。

さらに続々と流出する粘液は球体に絡まり、全表面を包みこみ、球体の動きをとめてしまう。

次に球体はまわりの圧力でしわしわと収縮していき、その圧力により破壊する。

黒い球体はその消滅の一瞬、思わず外部へと思念を、送り出していた。

「主よ、お許し下さい。我々は失敗いたしました」

海底の泥流の中に、一個の知性体が存在しているのだ。

その名前は、主(しゅ)である。


■(続く)
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最終更新日  2014.12.26 17:34:10
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2014.12.04
ガーディアンルポ03「洪水」第4回(1979年作品)
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部屋は,白色の球形をしていた。

ム=ウムは、溶液のみたされたチューブの中で眠る。

部屋には、そのチューブ以外には何の装備もないようだった。

 フネは真人の可能性の高いム=ウムを、くらげ形の収容子を通じて収集し、船の中に収容したのだ。

そして、再び、フネは新たな「真人」を求め遊戈し始めた。

 ム=ウムは眠りの聞に真人であるかの再チョックを受けていた。
フネのコンピューターはそのデータ・バンクから情報をはきだし、検索機器はム=ウムの体を探査していた。

 ム=ウムがチューブの中で覚醒した時、今まてかって彼が目にしたことがないものがあった。

体はムよりかなり大きく倍近くあるだろうか。

円筒形で頭部らしきものはつり鐘形をしている。全身は山吹色に輝いていた。

それに、そいつは水の中にいない。

「ム=ウムよ、目ざめましたか」

無気質な女の声が、ム=ウムの耳に響いた。

「なぜ、僕の名前を知っているの」

「私はあなたの事なら、何でも知っています。
あなたの頭脳からあなたのパーソナルヒストリーをすべて読みとりました」

 「あなたは何者。それに、僕は、、何のためにこんなところにいるの」

 「私の名前はゼフ。教導師です。あなたに真実を教えるのが私の役目です。
 ム=ウムよ。あなたは数少ない人類の遺伝子をもつ生物なのです」

「ジンルイ? ジンルイって何」

「あなた方の本当の祖先なのです。今でこそ、あなた方は海の中で生活していますが、シュクセイキ以前には人類は陸の上で生活していたのです」

 「信じられないよ。シュクセイキ?」

 「今はわからなくてもいいのです。そのうちわかるようになります。あなたは人類の歴史を学は々ければなりません。そして地球を元の状態、少なくとも「シュクセイキ」以前の地球文明を取り戻さなければならないのです」

 「まったくわからないよ。何の事だい」

 「このフネの中にはあなたと同じような真人が数多く収容されています。
フネは人類を再生させ、地球を復興させようとしているのです」

「もういいよ。そんなわからない話は、興味がないよ。僕を仲間の所へ帰してくれよ。ゼフとかいったよね」

「それは不可能です。あなたはもう二度と彼らのもとには帰れません。あなたは真人であり、彼らはそうではないのです。彼らの役割はもう終わりました。用はありそれにません。
あなたは選ばれし者。フネは、次の目的地めざしてすでに出航しています」

「もういいよ。そんな話は。帰しておくれよ」

「あなたにもわかってくるでしょう。どうも、あなたは環境が急激に変化したので興奮しているようですね。さあ、また少し休んで下さい。一度にすへてを知る必要はないのです。我々には充分の時聞か与えられています。学習には恐らく長い時間が必要ですね」

痛みが走り、ム=ウムの体の中に溶液が注入される。

ム=ウムは、再びチューブの中で眠りにつく。

夢の中で、ミ=ムネが現われた。

ミ=ムネは悲しそうな顔をしている。

それから家族の顔や種族の人達の顔が現われ、それら総てが何かしら底知れぬ巨大なものに包み隠された。

「かあさん。とうさん、ミ=ムネー」心の中で叫んでいた。

が、あとには闇だけが残った。

ム=ウムは、この世界の中でひとりぽっちになったような気がした。

水棲人にはない涙が、、こぼれていた。

その頃、水棲人たちは、集落に帰ってきている。

ム=ウムの両親は、ム=ウムが連れ去られた事を聞き、嘆き悲しむ。

母親は、異子供であったム=ウムに、他の兄弟達よりもいっそうの愛情を注いでいたのだ。

父親もまた、ムが他の子供達と異たっていたがゆえに、不潤に思っていた。

水猿人の生存率はかなり低い。

族に対する脅威が海の中には混在している。

変貌した生物群が彼ら水棲人と同じように生活している。

シュクセイキに地球を熱射した放射線は地球の生物相に大きな影響を与えていた。

常に外敵に晒されているムの一族は集落を要塞化していた。

見張りが、常時、まわりを遊泳し、警戒をおこたらない。

突如「黒い死の使い」が彼らを襲ってきた。

見張りの者達は、その敵の姿をかいま見ることすぐ死んていった。

黒い生物は、体を溶解させ、拡大したそれは、水棲人の体全部をすっぽり包み込んだ。

水棲人の体は黒い生物の体圧で粉々に砕かれる。

黒い生物の体全体が変容し、ある者は鋭い刃部と反って水棲人を切り刻み、また、ある者は槌の形をとり、あたりの水棲人や建物を押し潰す。

恐ろべき膂力を持つその生物群は、水猿人に反撃のひまを与えず、効果的に集落を襲い、破壊し、生會のかけらも残さず、ムの一族を完全に抹殺した。

全身黒づくめて強力な四肢を自在に使いこなすこの生物の通りすぎた後には、
生物の影はない。

ミ=ムネは死の瞬間、ムの事を再び思い出していた。

「やはりあの言い伝えは真実だったのね」彼女はそう思った。

彼女の属する水棲人の一族は、ム=ウムという変わった水棲人個人を生みだすためにのみ存在していたのでは、という不思議な思いが、彼女の心を一瞬よぎった。

が、その考えも、また、激痛と共に、闇の中へ消えていく。

その抹殺行動は、主(しゅ)の命令だった。

役割が終わった種族は生存すべきではない。

それが主(しゅ)の思想だった。

(続く)
ガーディアンルポ03「洪水」第4回(1979年作品)
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最終更新日  2014.12.26 17:31:52
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2014.12.03
ガーディアンルポ03「洪水」第3回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■ガーディアンルポ03「洪水」第3回■

ミ=ムネはうなだれて岩の上で想いかえす。彼、ム=ウムの事を。

 ム=ウムは生まれた時から変わったところがあったのだ。

しかし、彼女の属している種族自体も他の水棲人達と変わっているといえばいえる。

何かしら創造者が施したとおもわれる作為的なところが、ミ達の体に感じられるのだ。

あまりにも体が能率的左のが陥きらに精神構造も違っているようだ。
彼女の一族と他の水棲人達とのいききはほとんとといってない。

また、他の水棲人達とも付き合かうとしない。
限られた地域の中で、彼女の一族は生活をしているのだ。

けれど、それにも増してム=ウムは異端児であった。

彼ム=ウムの一族は、「シュクセイキ」から続いているといわれる種族の連綿と続く
歴史の中で始めておこった異変といえるであろう。

彼の体は、まるで種族のそれと異っていた。
彼か生まれた時、彼の父はム=ウムを殺そうとした。

必死で長老達が押しとどめなければ、彼は今生きていなかった。

水棲人たる彼にはエラがなかったのだ。

少なくともエラがはえるまで日数がかかった。

その間、彼は息も絶え絶えの状態だったのだ。

部落の中央にある岩屋の中の、天井にたまったわずかな空気で彼はかろ
うしかその生命を保っていた。

さらにうろこのはえるのも遅かった。
ム=ウムが一族の災いの元である決定的な証拠はミ=ムネしか知らない。

それは今日から、三ヵ月前のことだ。

その日、ム=ウムはいつもと様子が違っていたので、ミ=ムネは不審に思っていた。

何も言わず、ムはひとりどこかへ行こうとする。

心配のあまりヽ心は彼をつける事にLだ。

驚いた事に、ムは彼ら種族が厳しく立ち人りを禁止している禁制地域へ
何のためらいもなく人っていく。

ミ=ムネはムを、その禁制地域の人口で待つ事にしか。

長い時間、ム=ウムはその中に人ったまま帰ってこない。

ミは、恐怖と不安のあまりに、何度も集落へ帰ろうか
と思ったが、やはりムのことが気になり、岩陰から中の様子を見守っていた。

何時間、経ったろうか。

ムは放心状態で入口から泳ぎ出てきた。
ミ=ムネは急いで後ろから泳ぎつき、ムの名前を呼んだ。

「ム=ウム、ムったら、しっかりしてよ。私よ。ミ=ムネよ。わかる」

「え、何、ああ、、ミ=ムネミか。どうしたの。ここはとこなの」
ムは、急に気付いた。

「伺を言っているのよ。ム、今まであなたかとこにいたか気がついていないの」

「えっつ、僕がどうしたって」

驚いて彼女を見る。

「いい、よく聞いて。これは冗談じゃないんだから」

「わかってるよ、ミ=ムネ、そんな侑い顔をするなよ。せっかぐの君のかわいい顔がたいなしだよ」

「ふざけている場合じゃないわ。あなたは今、禁制地域から出て来たのよ」

「禁制地域!、、だって」

「そぅよ、、、禁制地域よ」

「うつ、本当か」

「ム=ウム、あなたも知っているでしょう。私達の種族の言い伝えを。もしあの地域に誰か
が足を踏み入れた時、私達の一族は皆滅んでしまうという伝説を」

ムは驚いたままだ。

「もちろん、知っている。何代にも渡って語りつがれてきたことたから」

 肩を落とし、声はふるえる。

「間違いなく僕は禁制地域に人っていったんだね」

 思いつめたようにムはミに尋ねた。ミ=ムネはどぎまぎしながら答えた。

「間違いないわよ、わたしこの眼ではっきり見九んたから」

「そうなのか。。」

「でも、安心して、ム=ウム、私は一族の誰にも、この事は言わない。
約束するわ。第てこんな事がわかったら大騒ぎよ。殺されかねないわ」

「ありがとう、ミ=ムネミ。本当にありがとう」
体が震えていた。

「僕は自分自身が怖いんだ。なぜそんな事をしたんだろう」
頭を抱える。

「それじゃまったく禁制地域の中の事は覚えていないの」
「そう、まったく記憶がないんだ」

二人だけの秘密はミ=ムネミとム=ウムの間をよりよく親密にしてした。

今日この日、ム=ウムがさらわれていくまで。

■(続く)
ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品ー2013年改稿)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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http://ameblo.jp/yamadabook/






最終更新日  2014.12.25 09:17:00
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