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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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インザダスト

2020.06.09
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テーマ:小説(488)
カテゴリ:インザダスト

ファンタジー・SF小説ランキング


IDインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4689gf/11/

インザダスト第11回 ●最終回・マザーコンピュータは自らの生命を立つ折に同時にすべての生物を滅ぼすという。男は仲間と共に下の世界へ。しかし、マザーの最後の一手が。

インザダスト第11回 (1986年)SF同人誌・星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



  マザーコンピュータは美しい声で言った。すべての人民に好感を与える合成され

た女性の声だ。



 『我が子シオンよ。この世界を作りあげたのは私なのですよ。私は創造主

なのです。この世界、さらにあなた方、人間も私のモノなのです。



機械やロボットと同じように人民ね。もしある芸術家が作りあげた作品

が失敗作であると罵ついたならば、その作品を壊すでしょうあ。しか

し私にはまだ良心というものがある。シオン、ねえ、

いいでしょう。あなた方と共に私マザーも滅びましょうよ』



「マザー、我々は確かにあなたによって作られた。しかし我々はす

でに自分の足で歩き始めている。あなたの所有物でも何でもないん

だ。私達は人間なんだ」私は叫んでいた。



 『シオン、文明はいつか滅びるものです。この文明も間違った方向

 へ進んでしまいました。私の責任です』



 「私シオンは、あなたと共に滅びるつもりはありません」



 『でもね、シオン、残念ながら、すべてを知ったあなたはこの部屋から出られません。

それはわかるでしょう』

 シオンダッシュは次次とインターフェイスを壊していた。



「いかん、マザーはこの部屋へ病原体を注入しょうとしている」私か叫ぶより早く、爆発音かした。



「電源部との接続を切りました」シオンダッシュが言った。彼は

小型爆弾を仕掛けていたのだ。



「当分、マザーも動けまい。マザー、さようなら」私は何度もマザ

ーの方を振り返った。



 ロボット武装兵が待ちかまえていた。



私はベンダントとレイ=ガンを使い、囲みを突破する。



最高幹部会ビルの全電源もショートしていた。シオンダッシュは手落ちがなかった。



シオンダッシュの案内で、妻やサラや私シオンのシンパ達が閉じ込められている部屋を開

放した。



高級市民最高幹部会ピルの中は混乱の極にあり、暗闇の中で私達は衛兵をなぎ

倒し、レイ=ガンで扉を破壊し、外へ出た。ホーバークラフトを奪う。



 妻を抱きしめながら、ピラミッドヘ向かった。

「さあ、下の世界に急がなければ」



「え、どういう事」サラはまだ事情がつかめずとまどっている。



「この上の世界は誠ぼされる。マザーの手でね」



 ピラミッドまで、誰も我々を襲ってこなかった。マザーの混乱が

原因で全ンステムも混乱に陥っている。私は仲間と妻にこれまでの

話をした。



 ようやく辿り着いたピラミノドの前で、シオンダッシュは私に

言った。



「それでは、私は自らの役目を果たします。シオン、下の世界をい

い社会にして下さい」



 この私のDNAから生まれた男、最高幹部会が私を牽制するために

作った男は、一つの新しい世界の誕生のために自らを犠牲にしよ

としていた。私はZ88と刻まれたペンダントを彼に渡す。



「ありがとう、シオンダッシュ、元気で」



「えっ、何です」

 私は言葉がつげなかった。



「いや、いい、行ってくれ、頼む」



 私にはそれしか言えなかった。妻のサラは泣いている。



 シオンダッシュの体を、実験ラボで発見したのは生物科学研究所員のサラだった。

彼女は彼の成長期の学習テープをすりかえた。彼は私の思考に同調

していたのだ。下へ派遣される前から。



 シオンダッシュは一人、ホーバークラフトを動かし去っていっ

た。この世界とマザーを滅ぼす陽子爆弾は私のペンダントの中に仕

掛けられていたのだ。それを彼は持っている。





私のためにすべての問題を解決してくれる私の分身。



 「さあ、皆、行くんだ」



 私は人々をうながした。ピラミタドのゲートをくぐり、ダスト=

シュートの中へと。



 人間は、いつか、その糾から巣立たねば忿らない。



例え、文明という保護箱から放り出されようとも。





■数カ月かすぎている。





あの時、上の世界は閃光が総てを被いつく

した。今はもうクレーターの世界となっている。ピラミッドだけが

残っているようだった。





 男は下の世界を新しい世へ変貌させようと努力した。がマザー

は彼女の死の直前に、最後の復讐を男たちに果した。



病原体を乗せたミサイルを数機、下の世界へ発射したのだ。

男達にそれを防ぐ手立てはなかった。

下の世界でミサイルは細菌をばらまいた。



  一人、二人と、この世界で男の仲間は疫病にやられ、死んでいっ

た。





マザーは、男たちを、自分の創造物をわざと、下の世界へ逃し、安心させた。

しかし、彼女は執念で我々を滅ぼした。我々がマザーの裏切り者であると

いう認識を。後悔をもたせて緩やかな死にいたる時間を作ったのだ。

反省する緩慢な時間をあたえた。



そして最後に、男の妻サラが死んだ時、男は最後の涙を流した。男は今、

妻の墓の前にいた。妻や仲間の墓は、ここ緑なす小高い岡の上にあった。



 下の世界にあった他の農場の男達もすべて滅んでいた。男はこの

下の世界でもう一人ぼっちだった。



 が、男はあのシオンダッシュが行々っていた作業を引き継いで

いた。原住民達はあの疫病に感染しない。



彼らの頭脳を進化させていた。完全な設備が洞窟内に残されていた。



彼らは男達に代り、新しい文明をこの下の世界で発展させるであろう。



今や男はこの下の世界の創造主であった。

そして、男も皆の跡を追い、なくなるだろう。



 墓の前で思い出にふける男の後に原住民が一人、そっと近づいて

いた。彼は気をつかっているのだ。原住民達は言語を持ち、すでに

男と話かできるようになっていた。



 男はしかし、自らがこの世界では異邦人にすぎない事に気づいて

いた。所詮この星に男は同化できないのだ。



 男は彼に気がついた。そして男はある事を思いつき、尋ねた。男

は滅んでしまった上の世界を指さした。夕闇が近づいている。



「君達は、あの星を、何と呼んでいるんだ」

 原住民は慎しんで答える。



「神よ。我々は、あの星を月と呼んでいます」



「そう、月か」

男の体と心は地球の大地に向かい倒れていった。

(完)

インザダスト第11回 (1986年)SF同人誌・星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/






最終更新日  2020.06.09 19:05:43
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2020.06.05
テーマ:小説(488)
カテゴリ:インザダスト

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IDインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
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インザダスト第10回■私シオンは、最高幹部会で細菌発生が、マザーコンピュータの仕業で、彼女が世界とともに自殺しょうとしていると告げるが、一笑にふされる。

インザダスト第10回(1986年)SF同人誌・星群発表作品
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/



私シオンは高級市民最高幹部会の審問を受けている。



調査をしたゼルフィンが報告している。

 「残念です。あの菌は下の世界にだけ存在するもので、しかも彼は

治療法は開発していなかったのです」



「で、その男は」幹部会の1人が尋ねる。



「自らの収穫タワーと共に自爆しました」シオンダッシュが言っ

た。私シオンと同じ顔の男が答える。私のクローンなのだ。



「しかし、御安心下さい。ある程度の病原菌サンプルと、データを

収穫タワーのコンピューターから抜き出しました。おしむらくは時

間がなかった事です。マザーの助けを併りれば、伺らかの医療対策

が得られると思われます」シオンダッシュは統ける。



 「急がねばならんのだよ。シオンダッシュ君も見ただろう。発病

率がうなぎ昇りなのた」幹部会議長のラムリーが言った。



 「よし、この件は、マザーにまかせよう。シオンダッシュ君、至急マ

ザーの所へ行ってくれ」



ラムリーは命令し、シオンダッシュは会

議室から菌の入ったバックとデータを持って出て行く。



 残った最高幹部会の男達の眼が、私シオンに注がれていた。



 「さて、ノオン、次は君だ。君も下の世界へ降りてわかっただろう。

下の世界がどんなものかを。君の理想論ではもうどうにもならんの

だよ」ラムリー議長がか悟すように言った。



 「君達こそまだわからないのか。私はマザーの行動に疑問を感じて

いたのだ。そして私は確証を得た。マザーは自殺しようとしている」



会議室がざわめきたつ。





「マザーが自爆するだと」会議室にどよめきがおきる。



「そうだ。そして我々と我々の文明をー緒にひきずりこもうとして

いる。心中だ」私は叫んだ。



「シオン、君は狂っている。やはり君は危険な男だな」

ゼルフインが見下げ果てた様子で言う。



「君こそ、我々の文明を滅ぼそうとしているではないか」ラムリー議長

が言った。



「いいか。マザーの不調に気づいた者が危険分子として処分され、

下の世界へ送り込まれているのだ。さらに自殺させられているのだ。

特殊な機械が脳に埋めこまれる。それは自殺願望が訟こるような装

置なのだ」



 笑声か起こった。が私は続けた。



 「それになぜ、マザーがD25、つまり病原体を上の世界へ送った男

の行動をチェグタできなかったのか。下の世界のコンピューターも

マザーと直結しているはずだ。穀物の搬入に際してもマザーが端末

コンピューターを使いチェックしているはずたぞ」



「シオン、君は強情な男だね。君はマザーを信頼してい

ない。マザーはまさに我々を作りあげたのだぞ。そのマザーか我々を絶滅しよ

うとするわけがないだろう。よろしい。このモニターを見たまえ」



 とこかの小部屋が映っていた。牢獄だろう中には考えを同じくする私のシンパと、

私の妻、生物科学研究所員のサラがいた。



 「いいかね。彼らのいる研究室は、例の病原菌で充満される。私の手

元のスイノチーつでね。それでなくとも、すでに中で死んでいる男

もいるだろう。決心しろ。君は下の世界へ降下する時、自分自身の

安全の保障のため、マザーの部屋のどこかにに爆発装置を取り付けたはずだ」



最高幹部会の幹事が言う。

「そのありかを白状したまえ。我々は譲歩しょう。もし君が言ってくれるな

ら、君と君の仲間の命は保証しょう」





「君は優秀な男た。今必要な人材なのだ。すでに現在人口の88・56%

が疫病で死亡している。我々か立ち直らねばならん今、マザーが爆破

されれば、破滅状態に陥いる。さあ、決心したまえ」



 スクリーンの中で、また一人が倒れた。この疫病は前期兆候もな

く、すぐに死の手が襲ってくるのだ。私は叫んでいた。



「わかった、やめろ」私は負け犬のように見えただろう。



「言う。マザーの所へ連れていけ」



「それは危険だな」ラムリー議長が言う。



「マザーの所へ連れていけ。直接マザーに話す」私は言いはった。



「わかった。衛兵、彼の体をもう一度調べろ、爆発物を持っていな

いかどうかな」



 私の体は隅々まで調べられた。



「よし、お前連は、シオンと一緒にマザーの所まで行け。少しでも

怪しい行動をしたら、おさえろ。いいか決して殺してはならんぞ」



議長のラムリーはレザー=ガンを持つロボット衛兵二名に命令した。





マザー、つまりマザー=コyピューターは最高幹部会ビルの地下

10階分を占めている。そして彼うは「上の世界」そのものであった。



 私は地下へ降りて、マザのサブ調整室に入ってた。





近くのコンノールにシオンダッシュがいる。彼は下の世界から持ち帰ったデータをイ

ンプノトしている所だ。



 私シオンはマザーに話しかけ、哀願していた。



「なせなんですか、マザー」



 突然、私の背後にいた衛兵3名が倒れる。シオンダッシュのし

わざだった。



彼はさらにこのサブにあるモニター=カメラを破壊する。

さらに会議室へ通じるラインも破壊する。この部屋は隔離された。



「あなたは私シオンを一人秘かに呼んで、今の社会ノステムがあまりに硬化し

すきていると言われた。そして私に一度このシステムを破壊させ、

新しい適応性を持ったンステムを作りあげよと命令された」



私は言葉を継いだ。



「そして私はそれを信じた。だがあなたは別の事を考えていた。我身の世界を

破壊しょうとしている。それも完全に」

マザーは答えない。



「上も下の世界も同時に。マザー、あなたは狂っている。

D25が作りあけた病原体もあなたが協力したのですね。D25が知らないうちに」



しばらくしてマザーから声が届く。



 『残念ながらその通りよ。D25が作った病原菌は私がバックアップし

たのです。彼は彼なりKこのノステムを壊そうとしていました。そ

れは私マザーの目的に合致していたのです』





インザダスト第10回(1986年)SF同人誌・星群発表作品

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.06.05 19:23:31
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2020.06.04
テーマ:小説(488)
カテゴリ:インザダスト

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IDインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
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インザダスト第9回■私シオンは、体制反逆者として、上の世界の幹部会にゼルフィンに連行されて行く。しかし、その途上は地獄で、疫病が蔓延していた。

インザダスト第9回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 プランテーション36の収穫の塔が大爆発を起こしたのだ。



 四時間程走ると、目の前に、ビラミッドが現われた。上の世界と

同形だ。ここが目には見えない上の世界との連絡通路になっている。

空間転送だ。



 ロボット武装兵が立ち並ぶ廊下を抜け、中央の部屋へ連れていか

れる。



「どうだね、上の世界へ再び帰れる気持は」



「ふん、悪夢だね」私は吐きすてるように言った。



「あえて、その悪夢を見てもら訟うか」シオンダッシュが言った。



その瞬間、



私のペンダントはゼルフィンに向かって光条を放っていた。ゼルフィンは昏倒した。

彼の体をベットヘ押し込み隠した。

「シオンダッシュ、頼むぞ」



「わかった、こちらへ」



シオンダッシュは、実は私の分身だ。ゼルフィンの味方のふりをして

空きをついたのだ。シオンダッシュはクローンの段階である人物の手でそう

計画されていた。



 ピラミッドの下部へと我々は降りていった。シオンダッシュが

一緒なのでロボット武装兵は疑問を抱かないのだろう。



 ピピラミッドの玄室に当る部屋はまるでモルグ、死体置き場の様であった。人間

の体が何体も床に並らべられている。



「彼らが農場へ送り出される予定の老人達だ。ここが君が探してい

た所だろう」シオンダッシュが指さした。



 完備されたオペレーンョン=ルームだった。ガラス窓ごしに私は

それをながめた。裸の人体が手術台に横たわっている。レーザー=

メスか人間の頭部を切り裂き、マニュピュレーターが小さい機械を

押し込んで、縫合していた。



 「あれは」



 「そう、あの機械が君が探していたものさ」



 私は先日、自殺した男の頭の中からみつけ出した機械をとりだし

た。オペレーノョン=ルームのマニュピュレーターがつかんでいる

機械と同じものであった。



 「あれは何だ」私は尋ねた。



 「私は、あの原住民のオペルームで、実験的に一つを犬に埋め込ん

でみた。どうなったと思う。ある時、犬は自分から石に頭をぶちつ

けて死んだ」



「なんだって、犬が自殺した」



「そう、あの機械は「自殺願望を起こす」ものらしい。それはゼルフィ

ンの知らぬ事だ」



 「そうか、いよいよ大詰めだな」



 「そうだ」



 「すまん、シオンダッシュ、頼むぞ」



 私は小型の時限爆弾を手術室の側に隠した。



 それから二人して、ゼルフィンの息を吹きかえさせる。彼は気を

失った事すら気づいていない。



 三人は小さなゲートをくぐった。再び、あの解放感が私を包んで

いた。しかし今度は意識を失わ々かった。





上の世界のピラミッド(上の世界と下の世界をつなぐ目に見えないリフト)を再び、私は歩んでいた。



「おかしい。兵士が見当らんぞ」ゼルフィンが言った。



我々はビラ々しドから外へ出ていた。機械で包み込まれた世界。組織と機構の

世界へ私は再び足を踏み人れていた。



 しかし、この世界はひと一人見当らず、閑散としている。



 道路の方からホーバークラフトが走って来て、我々の前で止まっ

た。兵士か一人降りて敬礼をする。



「同志ゼルフィン、至急、高級市民最高幹部会ピルヘおこし下さい」



 兵士はあえいでいた。顔が青白い。



「一体、どうしたのだ。この町は」



「疫病か急激に蔓延し始めたのです。恐ろしい速度で、、」



 そこまでで言葉かとだえ兵士は急に前のめりに倒れた。



「かい、とうしたのだ」



 ゼルフィンが兵士を揺り動かした。が反応はない。



「死んでいる」



「どりやら、こいつも疫病で死んだようだ。恐るべき疫病速度だ」



 三人は兵士の乗ってきたホーバークフフトに乗った。兵士の死体

はそこへそのまま放置された。



 ホーバークフフトは中央官庁街に一際目立ち聳え立つ最高幹部会

ピルヘと向かう。



 途中はまさに死のロードであった。死体が道側に無数に転がって

いる。死臭がした。死体を焼いているのであろう煙りがあちこちに

見えた。遺体の処理が追いつかないのだ。



 D25の作り上げた病原菌が、上の世界を飲み込もうとしているの

だ。



 高級市民最高幹部会のメンバーの前で、私とシオンダッシュ、ゼルフィ

ンは立っていた。数名の男達が私達をなめまわすようにながめていた。



側にはロボット兵が立ち、そして到る所から罵声が飛んできた。



 「待て、それより先にゼルフィノの話を聞こり。とりあえずは疫病

の方が急を要する。ノオンの制裁処置は後からだ」幹部の長老の一

人、ラムリーが言った。



 「やはり、マザーの推測通り、プランテーノョン36で、病原菌が

穀物へ混入されていたのです」

高級市民幹部会の会場で驚きの声がおこった。



 「信じられない話だ」



 「なぜだ。なぜそんな事をしたのだ」



 「それを行った男は、我々の作りあげたノステムヘの復讐だと言

 ってかりました」ゼルフィンは言った。



 「何だと、マザーの作りあげたこの最高のシステムヘの復讐だと」



幹部達は信じられないという顔をする。



「まあ、それはいいではないか。それより、その男は、この疫病に

対する治療法を白状したのかね」幹部の一人が尋ねる。





インザダスト第9回編集中

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.06.05 19:22:34
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2020.06.01
テーマ:小説(488)
カテゴリ:インザダスト

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IDインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
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インザダスト第8回■D25は自分の計画と上の世界への復讐の思いを私シオンに告げて逝った。すべて上の世界からの命令を受けたゼルフィンの攻撃によるものだ。そして影の男。彼は私を驚かせた。


インザダスト第8回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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D25はゼルフィンに言った。

「そう、俺が穀物に細菌を添付したのだ」



「それで、お前はそれに対する治僚薬も考え出したのだろりな」

 D25はゼルフィンの方へ体を向け、ほほから血をしたたらせなが

ら、例のにやり笑いを見せた。



「残念だが、ない」一言しゃべる度に口から血がしたたり落ちる。



「何だと」怒ったゼルフィンがD25の下腹をけり上げた。D25は床

に血ヘドを吐く。



「下の世界にしか存在しない病原体た。上の世界では手の施しよう

かあるまい」



「きさま、老人ではないな」ゼルフィンが絶叫した。顔か紅潮して

いる。



影の男か言った。

「きさまのおかげで、何人もの若人が死んでいるんだぞ。何も感じ

ないのか」



「思わないね。これは俺の、この社会ンステムヘの復讐だからな」



「復讐たと」



「この社会システムのおかげて多くの友人達か、下の世界に絶望して死

んでいったんだ。それに俺の恋人も、、、」



 私シオンは、彼D25の部屋で見た写真を思い出していた。



 「それは彼らの可能性が消滅したからさ」



 「違うそ。ポテンンャルかある者もダスト=ンュートヘほおり込ま

れた。マザーに対する危険分子としてな」D25は泣いていた。



 「こんな所で時間をくっているわけにはいかん。病原菌について、

彼のラボのコンピューターからデータを収集しょう。それから対策

をねろう」ゼルフィンが言った。



 「このD25はどうします」影の男が言った。



 「もうこの男D25に用はない。処分しろ」



 「待て」私は思わず叫び、レイ=ガンを腰だめにして管制室へ飛び

込んでいた。



 影の男がこちらへ顔を向けた。



 「お前は」



その男は、私と同じ顔をしていた。



 「私は君たよ」その男は静かに言った。



 「………」



 横からゼルフィンが口を出した。



 「驚いたかね。シオン。この男もシオンなのだ。



シオン=ダッシュと言った方かいいか。



この下の世界へ降下する前、高級市民最高幹部会の依

頼を受ける前に君はかなり悩んだはずだ。



君はマザーに対して疑問を感じていたからね。



苦しみ夢をも見たはずだ。それが君の家の個

人コンピューター回路がリレーして、

マザーに伝えられたのだ。

君の思考を読みとったマザーは自己自衛機構を作動させた。マザーに

対しての君の思想の危険性をチュックし、それから推論した」



 目の片隅でD25がゆっくり動いているのがわかった。



彼は床の下にある小さなレッド=ボタンを押した。



長弁舌をふるっているゼルフィンは気かつかない。



「それゆえ、マザーは君の部屋にあった皮膚の一片からクローン人

間を造りあげたのだ。彼がそれだ。このシオン=ダッシュは上と下

の世界の秩序を保全しようと努力している。彼シオン=ダッシュは私を助けるために

この世界へ私と共に降りて来ていたんだ」



 「近よると、射つぞ」私は叫ぶ。



 「ほう、射ってみたまえ。君にこの私か射てるのかね」



シオン=ダッシュが冷たく言った。もちろん、私に彼枝が射てるはずがない。



 2入の対決に気をとられていたゼルフィンにD25が死力をつくし

て飛びかかった。



 「Z88、逃げろ、このタワーから逃がれるんだ。自爆装置のスイ″

チをいれた。こいつらには病原体の事は探り出せないんだ」

 D25は叫んだ。



ゼルフィンはD25ともみあっている内に銃を放った。

D25はうめいた。肉のこげる臭いがした。D25の右肩が完全に

炭化している。その時、私シオンの銃をシオン=ダッシュがたたき落とし

た。

 D25はわずかに頭を持ち上げた。



「無念だ。Z88。過奈良津この下の世界を楽園にシてくれ。頼む、、、」

D25ha私にそう言い残して逝った。



「残念だな。シオン。それじゅあ俺達と一緒に上の世界に戻ってもらおうか。時間が

ないのだ」

 エレベーターで降下しながら、私はゼルフィンに尋ねた。口にす

るのも恐るべき事だが。



「ゼルフィン、お前、下の世界から老人を一掃するつもりではない

たろうな」



 ゼルフィンは鼻で笑った。

「ふふ。よく感ずいたな。その通りさ。そう最高幹部会とマザーに

提案する。これより先、下の世界では老人を使わない」



「それじゃ、老人はダスト=ノュートからどこへ投げ出されるのだ」



「回収不能の宇宙空間へだ」



「くそっ、老人を皆殺しにする気か」



「我々、上の世界が生き残っていくには、切々捨てる事も必要だ」



「それじゃ、食糧の確保はどうするつもりだ」



「原住民の頭脳をもっと進化させる。それにロボットを補助させれ

ば、事は足りるはすだ。さあ、もうわかっただろう。もう君が手を

出す段階ではないのだ」



 タワーの下に軍用ホーバーぞフフトかやってきていた。原住民の

姿は消えていた。



「この世界の見収めになるだろう。よく見てかけ」



 後から二台の武装ホーバークフフトか続く。内には戦闘ロボット

を満載している。



 大きな爆発音と閃光が襲ってきた。





インザダスト第8回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2020.06.01 16:13:29
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2020.05.28
テーマ:小説(488)
カテゴリ:インザダスト

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Dインザダスト■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。
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インザダスト第7回 ●私シオンは、D25を助けようとして、プランテーションに向かうが、農場は燃え上がり整備は破壊されている。上の世界秘密工作員ゼルフィンの仕業だ。

インザダスト■第7回(1986年)SF同人誌・星群発表作品
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 私の下の世界にひろがっていく案に反対し、さらにそれを理由に、現体制に対する危険分子

として私を高級市民最高幹部会から追放しようとした。



 マザーコンピュータが、上の世界の疫病の原因を調べるために下の世界へ降下



せよと命令したのだ。



私はちゅうどいい機会だと思った。



そして私シオンはマザーコンピュータに対する疑惑を確信するにいたったのだ。







■Z88と名付けられていた私は、原住民からレイガンを取り上げ、全住民がいる洞窟の奥へ人っていった。



 そこには医学設備が整っていた。もちろん脳外科関連のものだ。



コンソールやパネル類が所狭しと並んでいた。



 原住民の知能を人為的K進化させていたのだ。その作業を行なっ



たのは誰か、私にはわかっていた。ゼルフィンだ。



ゼルフィンはこちら側のピラミッド、つまり受け皿の事を知ってステーションk86を完全に破壊するつもり左のだろう。



いるだろう。そこのコンピューターと上の世界のマザーコンピュータはリレーされているは



ずだ。そこを調べねばなるまい。



 ゼルフィンを見つけ出すのだ。私は急いでプランテーノョン陰86



へ戻る事にした。が方角がまったくわからたい。私は原住民の一人



の息を吹き返らせた。



 乗物かなくプランテーションまで原任民を先導させて歩くのは一



苦労だった。



 しかし、やがてどプランテーションの方向が私にでもわかるように



なった。空の一部が明るくなっていたからである。



 農場が燃えあがっていた。



 境界線のトーチカがあちこちで破壊されている。案内役にしてい



た原住民は、私が農場の有様に気をとられているすきに逃げ去って



しまった。私は彼を追うゆとりがなかった。



 我々が手間ヒマかけた穀物が、畑が、灰になっている。



私は収穫の塔へ向かう。途中、作業用ロポツトが、吹き飛ばされ、あちこち



に転がっていた。



 一台、まだ壊れていないキャリアーを見つけた。私はキャリアー



に乗り、収穫の塔を目ざした。タワーに近づく程、破壊の有様がひ



どくなっていく。



 私達の仲間、数名の老人が倒れていた。ゼルフィンはプ’フンテー



 いやな予感がする。



 収穫の塔の前に散人の原住民が群がっていた。そこで、私はペンダントを



用い、彼ら全員を気絶させた。エレベーターに辿り着色、最上層の



管制室へ上っていく。

私は気がせいて廊下をひた走る。人の声か耳に人ってきた。



 とうやらゼルフィンとD25の声だ。



半開きの扉の陰に潜んでそっと中をうかかった。誰かもう一人いる。



 「いいかげんに白状しろ。証拠はあがっている」



ゼルフィンが声をあらげている。



 床に転がっているD25が弱々しく応えた。どうやら拷問を受けたらしい。



一人の男の顔は見えない。その影の男が言った。



「お前は、上の世界で疫病をはやらせた事は認めるな」





インザダスト■第7回(1986年)SF同人誌・星群発表作品
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2020.06.01 16:16:42
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2020.05.27
テーマ:小説(488)
カテゴリ:インザダスト

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インザダスト■私は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。
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インザダスト■第6回■私は罠に陥り、高級市民最高幹部会から反逆者と考えられていた。この星の原住民を操り、私を裏切り者と呼ぶD90は下の星の生産計画を遂行しょうとする。

インザダスト■第6回(1986年)SF同人誌・星群発表作品
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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冬という季節が急速にやって来て、この世界を包み込もうとしていた。



我々は穀物の取り人れを急いだ。



が奴らはやってきた。



 収穫の塔の管制室のモニター=スタリーンに、数を頼んで突き進ん



で来る原住民遠の姿が、はっきりと映し出されていた。



農場と未開地の境界線へと近づいてくる。



 我々は彼らをできるだけ傷つけ痙いで追い払わねばならない。



なぜなら、我々はこの星では異邦人にすぎないのだ。



 境界をすきた彼らに電撃が放たれた。境界線の要所、要所に全自



動トーチカが設置されているのだ。



 二、三人の原住民か地面に投げ出された。残りの男達は驚き、後



退する。遠く離れた遮蔽物に隠れて、こちらを伺っている。



 D25の声が、作業中の私のヘルメットイヤホンに響いていた。



「Z88、すまん。今、原住民達を攻撃したトーチカ225を点検しに行



って来れ」



「どうしたんだ」



「トーチカ225の制御機構が急に言う事をきかないようになった。当



分は奴ら、襲ってこないと思うか、もし、あのトーチカの電撃銃が



効かない事に誰かか気づいたら、大変な事になる」



 「わかった。行ってこよう」



 急いで、何の疑いももたずに、D25に言われるがまま、私は車に飛ひ乗り、指示のあった農場東南端のトーチカ225へ向かった。



トーチカ225の側にはタワーの管制室のモニターで見た通り、三人



の原住民がのびていた。



 原始的な武器か、彼らの側にころがっていた。いわゆる棍棒とい



う奴だ。



 私は、彼らをそのままにしてかき、トーチカの中へ入った。内部



は小形李宙船のコックピットを思わせる。メカの集積体である。



 制御機構をチエごクして見た。

不思議だ。このトーチカの防御ゾステムに手が加えられている。



時間ロックがかかっている。少なくとも数分間は電撃銃が



侵入者に対して放電されないようになっていた。



それも遠隔装置が添加されている。かなり以前からこうなっ



ていたようだ。



とすれば、先刻のスタリーンに映ったのは。



私は、内部操作卓の電話に手をかけようとした。



入の気配がした。後を振り返ろうとした。



私の頭に衝撃が加えられた。ヘルメノトがへこむのがわかり、目の



前が真暗になった。その瞬間、この事故をしくんだのか誰かがおぼろげに



わかり始めていた。







■私か目覚めた時も、まだ頭の痛みは去ってはいなかった。



 ここは不衛生極まりない洞窟の中のようだった。薄暗い光があち



こちに輝いている。



 不思議な事に、私の頭の傷口には携帯していた薬を使って処置が



なされているようだった。



 ゆっくりまわりを見渡すと、原住民が大勢いる。見張りの一人が、



私か目覚めた事に気付き、洞窟の臭へ飛んでいく。



 やがて、その原住民は一人の男を連れて来た。



 その男は我々の仲間の一人だった。私の後からあの農場に送り込



まれた男。そうZ90と呼ばれた男だった。





「ようやく、お目覚めかね。Z88」



「君があのトーチカ225に仕掛けを作ったな」



 Z90はにやりと笑った。



「その通りさ」



「君は、確か、あのプランテーンョンヘ来てーカ月後、消息を絶っ



た。D25は君を殺したと言っていたが」



「俺が死ぬだと。そう見せかけていただけさ」



私は突然ある事に気づき、叫んだ。



「君は、原住民の頭脳に手を加えたな」



「お察しの通りだ。がそれは私の仲間の作業でね」



彼は私に向かい、ニヤリと笑い言った。



「おいおい。Z88、いいかげんにしろよ」



 そして笑っていたZ90の顔が突然変貌した。



「Z88、いや、本名で呼ぼうか?シオンくん。君もあの疫病の原因を調べるためにここ



へ来たはずだ。我々は君からの連絡がないため、業を煮やし、統



いて私へ命令が下された。下の世界へ降下し、調査しろとな。l君も

知っての通り、上の世界は今まさに疫病で滅びようとしている。



その疫病率が加速度的に増加している。原因はプランテーション36



にあるらしいとマザーコンピュータは推論したのだ。



がD25は俺に気づき、俺を殺そうとした。俺は殺されたふりをして、



ここへ隠れた。そして、頭にちょっとした特殊加工を加えた原住民を連れ、



農場を襲い、穀物のサンプルをうばったんだ」



 「俺をどりするつもりだ」



 「お前は上の世界を滅ぼすつもりだろう。原因がわかっていて、なぜ



報告しなかった。なぜD25を抹殺しなかった。



 マザーコンピュータは結論を下した。お前も危険分子だとな。



お前はマザーに対して反逆を分こそうとしている。



我々、最高幹部会は、君の妻、さらに君と考えを同じくするものを捕えた。



いいか、 可能性のなくなった者が上の世界から追放される。この下の世界



へとな。



役たたずが集まるのがこの世界だ。



天国と地獄た。



いや若人の国と老人の国と言いなおしておこう。下の世界は可能性のなく



なった人間、つまり下級労働者の集まりだ。ここは、シオンくん、お前



や俺連高級市民、それにマザーコンピュータが長年かかって作りあげたシステムだ。それ



なのに、シオン、君は我々高級市民を裏切った。D25の行動を是認した。



我々高級市民の世界を死に滅に至らせようとした。理由はなんだ。君は養育者たるマザー



コンピュータに対して疑惑を持っている。



我々の副造主たるマザーに。なぜだ、君はマザーに対して反逆を行なおうとしているんだ」



「Z90,いや、ゼルフィンくん、よく考えてみろ。下の世界の穀物の搬入はマザーの



端末コンピュータがやっているはずだ。もし穀物に病原菌が混入されて



いたならぱ、まっ先にマザーか気づくはずだ。いいか、ゼルフィン。



よく聞いてくれ。考えてくれ。これは、マザーコンピュータこそ我々を滅ぼそうとしているのだ」



「何だと、きさま気が狂ったのか。なぜマザーが我々を滅ぼそうと



するんだ。それに病原菌の経路を調べるために我々を下の世界へつ



かわしたのだ」



「それはすでに、発病率が高まっているからだ。あとはドミノ倒し



だ。ゼルフィン、もう一つ、聞いてくれ。下の世界で人々がよく自



殺しているのは、マザーの影響に違いない」



 ゼルフィンはあきらめ顔で言った。



「わかった。わかった。君はマザーをそこまで悪者にしたいのだ



な。そして自らを危険分子として認めるわけだな。後の処置はマザ



ーと高級市民最高幹部会にまかせよう」



 ゼルフィンは独りごちた。



「その前にプランテーノョン86をかたづけるとするか」



「待て、ゼルフィン、聞いてくれ」



「何をいってやがる。裏切り者め」



私は縛り上げられてそこに捨て置かれた。



 数十名の原住民をつれ、彼ゼルフィンは洞窟の外へ出掛けて行った。原住民



たちもレイガンを手にしていた。



 見張りか一人残っている。さらにゼルフィンは私の体のまわりに



バリヤーを張って行った。



 私の近くを原住民の女が通りかかり、見張りの男と何か話した。



私の方を指さしている。彼女の視線は私の胸にあるペンダントに辿



り着く。彼女は何か、ここに住む動物の尖った歯を材料とした首飾りをしてい



た。私の綺麗なペンダントに目をつけたらしい。



 見張りの男は、レイガンを手にして、私の方へ近づいてくる。



バリヤーが切られた。



 ペンダントに、その原住民の男の指が届いた。



 一瞬、私の視界は強烈な光に被われた。



 ペンダントが強力なエネルギーを放射したのだ。



 私の眼が、物の識別ができるまで、かなりの時間がかかった。洞



窟内の原住民は皆倒れていた。



 私はマザーコンピュータに対する反抗計画を遂行しなければならなかった。



下の世界へ老人を送り込むのは、今や人口調整の一手段と化して



いるが、昔はそうではなかった。



 下の世界はいわば避暑地であり、上の世界で働き、舶み疲れた人



々の安息の地だったはず々のだ。



 それが今は、ここはまさに無意、無気力の地獄と化している。



 私はこのシステムの刷新を高級市民最高幹部会へ提案した。がメンバーの



単もが反対した。私は、このままでは上の世界が破滅に向かりとま



でも警告した。



 私は我々が、下の世界でもっと拡がって行くべきだと主張した。下



の世界の方が新しい星としての可能性がある。と述べていたのだ。





インザダスト■第6回(1986年)SF同人誌・星群発表作品

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最終更新日  2020.05.28 07:51:02
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2020.05.25
テーマ:小説(488)
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インザダスト■私は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。●編集中
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インザダスト■第5回D25のレイガンを逃れた私は、彼の記憶を消し、機密を探ろうと。下の世界で何が起ころうとしているのか?やがて雪が。

インザダスト■第5回
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D25が冷たく言った。

「Z88、お前もZ90のように死んでもらかうか」



「伺だと、それじゃZ90は」



「そうだ。俺が事故に見せかけて殺した。Z90もマザーコンピュータのまわし者

だった。幸い自殺者が多いので都合がいい」



「それじゃ、他の自殺者もか前か」



「ばかを言え。マザーのまわし者以外になぜ俺が仲間を殺さねばならんのだ」



 D25のレイ=ガンが向けられた。出力が最小限にしてあるのだろう。

私がこの場所で死んでは訟かしいのだ。



。かかの



私はすでに原因を、上の世界が滅びようとしている原因を発見し

ていたのだが、まだ判然としない所があった。私の心に巣食う疑問なのだ。







 レイガンが発射された。



が一瞬、閃光が部屋を包み、倒れているのはD25であった。



 私のペンダントは一種のシールドを発生させる



私のぺンダントがレイガンの光条をはね返したのだ。



 D25が今の事を憶えていないようにするため、私はペンダントを使いD

25の記憶欠落を行なう。



 まだ探らねば痙らない事がある。これはマザーの指令を逸脱して

いたが、私や疑問が残っていた。



 私はD25を彼の個室から連れ出し、私の部屋へ連れていった。やが

て彼はD25は意識をとりもどした。



彼は覚えていなかった。気が戻り、話を続けた。

「ああ、Z88、話の途中だったな。すまん、ちょっと目まいがして。

実は上の世界へ帰れるという可能性がまったくないというわけでは

ないんだ。



Z88、それはか前にもわかるだろう。つまり穀物を上の

世界へ送ら左ければならん。どこかに各農場の収穫の塔から集積し

た穀物を上へ転送している搬出センターがあるはずたんだ。その場

所さえわかれば」



 そして、D25にはめすらしく明るい顔で言った。



 「それに、上の奴らに復讐する手だては他にもあるからな」



そう、それは私にもわかっていた。



私は、彼の若い時の写真を思い出していたか、続けて質問をした。



「上の世界への搬出には、下の世界の老人は関与していないのか」



「わがらん。穀物を集めに来るのは、いつもロボット部落だからな。

それに運搬用のトラックもかなりの重装備だ」



「その車には近づけんのか」



「だめだ。各トトラックにはレザガン砲塔が載ゥている。以前に

一度そのトラ″タに忍び込もうとした奴がいた」



「で結果は」



「まっ黒こげさ。レザーガンの集中砲火をあびてな」



「それじゃ、基地はわからんわけか」



「残念ながら」





 私はこの世界に同化され始めている。



時が私の心と体を風化させていくのを感じる。



早く結論を得たい。私はあせっていた。タワーの窓から外を見ていた私は、空の様子に気かついた。不思議産物が空から舞い落ちている。白い粉のよう産物だった。



 「伺だ。あの白いものは」



私はと産りにいたD25に尋ねた。



 「そうか、お前は、ここでの冬は始めてだった産。あれは雪とうものさ」



 「雪だって」



 D25はタメ息をもらしている。



 「冬か、さて厳しい季節にはいった産」



 「とういう事だね」



 「この世界に、我々の他に、原住民が住んでいる事は前に言ってお

いたね」



「そりだ。外周の森林群をすぎれば、我々の手の届かない地帯だと

聞いている。がその原住民と、冬と伺か関係があるのか」



「我々の農場と、彼らの生活圏は離れてはいるのだが、冬がやっ

てくると」



「冬が来るとどうなるのだ」



「彼らは、狩猟を主な生産活動としているが、冬場には得物が産いのだ」



「我々の穀物か」



「そりだ。奴らは収穫物をねらいに来る」



続く

インザダスト■第5回

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最終更新日  2020.05.25 16:01:45
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2020.05.21
テーマ:小説(488)
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インザダスト■私は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。●編集中
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インザダスト■第4回■私Z88 は、責任者D25の行動に疑問を持ち、彼の部屋に忍び込む。そこで見たものは。

インザダスト■第4回
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私はその日のルーテインワークを終わり、私達の宿泊所でもあ

る収穫の塔へ戻る。



 収穫の塔は、私が目ざめた所であり、又我々の宿泊所であった。



 下の世界のどこかへ降りてきた老人達は、順次、この世界に点在

するプランテーションヘ送られているらしい。



 D25の指令室へ入り、自殺者の報告をした。



 彼は少しも驚きもせす答えた。



「そうか、彼はそんな隋で死んでいたのか」



「彼だって 身元はわかっているのか」



「わかっている。Z88だ」



 私は狽狽した。



「何! それは私の番号ではないのか」



「Z88か行方不明になったから、分前が、中央からここの収穫セン

ターヘ送られてきたんた。仕事のーは一定だからな。人手もそん次

に必要ではたい。つまり人間の量も一定でいいわけだ」



「くそっ、上の奴らめ」



私は本当に怒っていた。D25は私の表情を見て、逆に笑った。



 「怒れ、怒れ、怒りも生きていくために必要な生きがいの一つさ。

Z88、死ぬ次よ。ずっと生き続けて、上の奴らを驚かせてやるのさ。

それに上の世がもそう長くはないだろう」



 私はその言葉「上の世がもそう長くはない」がひっかかった。



「うん、それはどういう事だ」



「いや、単忿る勘だ。そう深く考えるな、Z88」



D25は言いわけがましく言う。



「しかし、D25、怒りだけで、何年も生きていけるわけではあるま

い。私はそんな自信はない」



 D25は、猫背をもっと前にかがめて言った。



 「前にも言っただろう。上の世界への復讐という生きるための糧も

あるさ」



 D25は私の方を見ずに言った。彼の肩はなぜかふるえている。



私はD25の顔を見ようとした。他にも何か。私にはそう思える。しかし、相

変わらず、彼は無表情のままだった。



■私か少しずつ、この世界へなじんでいく間にも、他の人々の時計は動いている。



 仲間の一人、Z90がい々くなった。



Z90は私かこの世界へ着いた後で、送り込まれてきた男だった。



しばらくの間、彼は元気に農場で働いていたのだが。



農場の老人は全員で彼の行方を探した。彼の乗っていたキャリアが、農場の東南端のブッシュ

に乗り捨てられていた。



そこから外は我々の管轄外である。多量の血がキ々リヤー内に散っていた。

 再ひ、彼の姿か農場内に見受けられる事はなかった。彼もまたこ

のノステムの犠牲者となったのであろうか。





■数日後、私は秘かにD25のプライペートリルームヘ入り込んでい

た。



私は前々から機会をねらっていたのだ。少し調べたい事があったのだ。彼をそんなにも強く生きさせている自信の源だ。何か彼をそう、この大地にて息づかさせているのか。



彼にはこのステーション86の管理者として、かなり広いスペースが与えられている。



 彼の部屋はまるで大学の研究室の様だった。コンソールもあり、管理センターのコンピューターとつながっているようだ。



実験装置が並んでいる。何か、動物実験を行たっていたらしい。ラポの横に、この世界の動物の死体が積みあげられていた。私は彼の秘  



密を見てしまった。老人の彼が、なぜこんな事ができるのか。



 さらに彼のキャビネットを調べる。



古い立体写真が私の目についた。彼が若い時の写真らしい。美しい理智的忿女性と肩を組んでい



る。今のD25からは想像もできない幸せそうな表情だった。が、しかし、老人はダスト=・ノュートから落とされる時、何も持っていないはずなのだ。



 人の気配かして私は振り向いた。



 そこにレイガンを構えてD25が立っていた。



「Z88、お前は見てはいけないものを見てしまったな。



お前もマザーコンピューターのまわし者だったのか」



恐ろしい表情だった。



 インザダスト■第4回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.05.21 11:38:11
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2020.05.18
テーマ:小説(488)
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インザダスト■私は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。
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インザダスト■第3回■下の世界に落とされた私は記憶を消され老人として暮らし始める。Z88と記号をあたえられ農作業に。が自殺者を発見する。

インザダスト第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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男の生活史は消去されているはずなのだが、かつての栄光の影が心の

どこかに残っているのだろう。



 私は疑問を感じ、男に尋ねた。



「それじゃ、あんたは伺を目的として生きているんだ。誰も目的な

しには生きてはいられないだろう」



 男はしばらく考えていて、やがてニヤリと笑って答えた。



「上の世界の奴らへの復讐さ。例えば、俺達がまだ生きのびている

という事が、生存そのものが奴らへの復讐でもあるのさ」



 男はそれ以上しゃべりたくないようだった。



「まあ、今日、一日は休んでいるがいいさ。明日からは、色々、覚

えてもらわなきやならん事があるからな」



 私は一つ、聞き忘れている事に気がついた。自分の名前は?



「名前だって。ここは下の世界、そんなものは上の世界でしか通用

しない。ここでは我々は単なる記号でしか呼び合わたい。俺はD25。

お前さんの記号はそれだ」



 D25は私のペンダントを指さした。



「Z88だ」





■部屋の外の世界は拡々としてどこまでも、無限にさえ続いている

ように見えるのがせめてもの救いである。私はやがてゆっくりとそ

の青空をながめた。



この上に世界があるのか。



 私は考えていた。そして疑問が心を占めていた。ここが問題のプ

ラノテーノョンだというのか。第一印象ではそうは見えない。



 私、Z88が行なう作業は、確かに単調なものだった。



 私は作業用ロボノトを一体連れて、「収穫の塔」を離れ、収穫用キ々

リヤーであたりの植物群の成育状態を調へるという作業を行なって

いた。

収穫キャリヤはホーパークフフトであり、その運転にはすぐなじむ。



 この農場の外周をなす森林群もまたどこまでも果てしなく続くよ

うに思われる。



まるで今の私の心情のようたった。不破かな目的を持つ男、

そしてその目的に疑問を抱く男。



 私はキャリヤを運転しながら考え悩んでいた。



私はやはり目的を遂行すべきなのだろうか。



私のこの世界への疑問。いや危惧といった方かいいたろうか。

私はこの世界の支配者というものを疑わざるを得ないのだ。



 警告音がなっていた。私は我にかえった。キ々リヤーのコノクピ

ノト内レーダーが異物の存在を告げていた。かなり大きな物体だ。



近くの低木の繁みにそれは隠されていた。打ち棄てられたキ々リヤ

ーだ。誰かの力で破壊されている。私はまわりを見渡した。



ようや

く、私は少し離れた所にある木にぶらさがっている物体に気づいた。

 それは人間だった。人間の体だったものと言った方がいいだろう。

かなり腐敗が進んでいた。

 彼はくびれて死んでいた。明らかに自殺だろう。

 私はD25の言葉を思い出していた。



 この男は、この世界に絶望し、自ら、首をくくるという古典的作

業で、自らの最期をしめくくったのだ。



 私はレイ=ガンをホルスターから引き抜き、出力を落として、彼

の死体のぶらさがっている枝を焼き切った。



大地へ軽やかな音をたてて、それは落ちてきた。



私はその体を仔細に調べた。ペンダyトの番号は読めなかった。



そして気がついた事かあった。



 私はまわりに火が移らないように気をつけ、出力をあげたレイ

ガンで火をつけて彼の体をきれいに焼いた。



煙はこの世界から上の世界を目ざしているようであった。

すべてか灰になる。灰は一陣の風で吹き飛ばされた。



後に小さな器具か残っていた。私はそれを拾いあげた。

それから私は打ち壊わされたキ々リヤーの方も調べた。



 彼は自らに絶望し、一人でこの森林へ入り、自殺した。が何に絶

望したというのだ。今の私以上に絶望している者があるだろうか。



 D25が言ったように、この世界へ落ちてきた人間はかなり白最し

ているに違いない。



 役に立たない人間になったと思って。が誰かがわざと絶望させて

いるのかもしれない。



下の世界での緩慢な死か、あるいはもっと早く単純

な解決法を選ばせているのではないだろうか。



インザダスト第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.05.19 08:05:35
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2020.05.14
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インザダスト■私は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。
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インザダスト第2回■老人はここは下の世界だという。記憶は消され過去の栄光はない。上の世界の食べ物を生産する畑を管理する役割だという。そして絶望するなとも。

インザダスト第2回
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誰かかゆり起こそうとしている。

 老人が、一人私の顔を覗き込んでいた。



 「新入り、起きろ」



 男の顔に深く刻まれたしわの一つーつが、男の過去が尋常でなか

った事を物語っている。背が高く、やや猫背だった。



「やっと目覚めたかね」

 男はしたり顔で言った。低音で人の心を揺さぶる者の声だった。



「まあ、ここに慣れるまでは時間がかかるだろう。この世界での生

活もそうむつかしいものではない」

寂しい眼だった。

 「私はいったい,,,,。」



 私は思わず、叫んでいた。

演技が必要だった。

自分が立っている基盤というものが不確かだったからだ。



足を一歩踏み出す度に、地面に飲み込まれそうな感じの男の姿を

表す必要が。



「そう、お前は、下の世界へ落されてきたのさ。ここは老人の国産

のだよ。か前さん、覚えちゃいないだろうがな。下の世界は俺たち、

老人の国なのだ。上の世界、若人の国から追放された者遠の国だ。



お前さん、今までの事はもちろん憧えちゃいないだろう。



ここでは上の世界での身分や地位は通用しない。



もちろん、そんな個人的な事はすっかり上で消去されているはずだが。



地位、身分、それは意味のない言葉だ。

当然この俺も、上の世界で誰だったのか、覚えちゃいない。

まあ郷に人れば郷に従えだ。この下の世界も悪い所じゃな

いさ。まあ外を見てみろ」



 私の横たわっていた小さな部屋の窓からは一面の畑が見える。



畑は美しい黄金色に輝いていた。

私はそれに見とれていた。

その黄金の波は限りなく、地平線まで統いているのではないかと錯覚させる。

ただ、地平線が少し丸る身を帯びているのだ。

そこが気になった。



私のいる、この建物は農場の中心に立つ、高い塔のようだった。



 「ここはどこなんだ」



 「ここは収穫の塔さ。あたり一帯が、俺遠が管理しなきゃならん農

場さ。プランテーション36だ。この穀物は上の世界のやつらの食

糧だ。



早く言えば、上の世界の奴らを、下の世界の我々か食へさせ

てやっているのさ。

そうでも考えなけれぱ、我々は生きてはいけないからな」



「ここで、この私は一体伺をすればいいというのだ」



私の声は疲れ切った男のそれだった。



 機械的に男は答えた。

「ここの穀物の管理さ。といっても実作業はロボソトもいるし、こ

のタワーにある管理センターでチェックされているからな」



「それじゃ、伺を我々にやらせようというのかね」



私の声は心なしかまだかすれていた。



「この農場を管理している機械、機構のチェソタさ。機械が完璧に

作動しているかとうかを見ていればいいのさ。

簡単な事さ。いや簡単すきる」



 老入のつふやきのようにも聞こえた。もっていき所のない怒りで

あろう。老人としての疲れか、顔の裏側からのぞいているようである。

しかし、今度は鋭い眼ざしで私を見つめた。



 「が、これだけは言っておくぞ、新入り」



 男の表惰は厳しく、その顛を私に近づけた。



 「いいか、絶対に自殺しようなんて考えはおこすなよ。確かに俺達

は、昔は上の世界で活躍してきたかもしれん。



しかし、今我々はそ

の役割を終えてしまったのだ。



いわば、これからは余生というわけだ。気楽に考えろ。

いいな。ここでは思いつめて死ぬ奴が多いのだ。

あまりの落差に絶望して産。若人の国と老人の国との差だ。



個々人の生活史は消去されているはずなのだが、かっての栄光の思い出が

残っているやつもいるようだ」




続く

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最終更新日  2020.05.19 08:08:44
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