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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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1

ザ・ゲーム(1979年作品)

2020.10.05
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テーマ:小説(538)
ザ・ゲーム(1979年作品)話は、Y市で私立探偵業の俺が、ある女と出会ったことから 始まる。そして俺は世界をまたに駆ける傭兵となる。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n8456gl/4/

ザ・ゲーム(1979年作品)第4回 誘拐された南条財閥の孫を助けるために、久我島にたどり着いた俺をまっていたのは、軍隊並みの攻撃だった。

ザ・ゲーム(1979年作品)第4回 

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



沖縄での休暇の一日後、俺は奄美大島から南条財閥がチャーター

したセスナで久賀島へ向って飛んでいた。



確かに、南条財閥は小型原爆以外のものは準備し

てくれていた。



背後の座席には、武器を積め込んだ大きな戦術

パックが積み込まれている。



 「ここで降下してくれ」パイロットが言った。



 「ここって。まだ、海の上だぜ」



 「久我島の上まで飛べば、奴らがレーダーで気が

つく」



 夜空の中を俺は海へ向かって、戦術パックとともに降下していた



パラシュートはまっ黒に染められていた。海

中に俺の体は突っ込んだ。



後から武器のパックが投下する。さらに海中に落下すると自

勣的にふくらむゴムボートが降下して来た。



 ゴムポートに向かってしばらく泳ぎ始めた俺に、突然、背後

からナイフが襲ってきた。



久我島を警戒するフロッグマンだ。



どうやら俺のパラシュート降下は、久我島の監視センターで

すでに発見されたらしい。



俺は、自分の体を相手にひき

よせ、相手のナイフを持つ腕をかかえ、潜り

込み、右ひじで相手の水中グラスをたたきわ

った。



フロッグマンは急に眼がみえなくなっ

た。ナイフを奮い取り、背後から相手の延髄

を突き刺した。

男は静かに海底へ沈んでゆく。



 ようやくの事で、俺はゴムポートへ泳ぎ着

いた。



 空が急に明るくなった。

曳光弾だ。



爆音をあげて、攻撃ヘリ、ヒューイコプラが飛

来してきた。セスナ飛行機も発見されたようだ。



 攻撃へリの前部スポンソンから機銃弾がセ

スナにたたき込まれた。



セスナには武器はない。反撃のチャンスなく、セスナは爆発した。



 「アーメン」俺は十字を切った。パイロット

の名前も知らなかった。今度はこちらの番だ。

落ちついてはいられない。



ヘリはサーチライトをつけ海上を硝戒している。



俺はゴムボートごとカメレオンーシートをかぶった。



ヘリが通りすぎるのに無限の時間がすぎていくよ

うな気がした。





 どうやら、ヘリは通りすぎたようだ。

 海岸へ辿り着くためカイを使ってこぎ始め

た。





 久賀島、島の周囲は10Kmもないだろう。



東西、南北、それぞれ2・5Kmくらいかド

奴らは、島の中央にある標高412mの中腹

に小屋を設け、見張りをつけている。



と俺のクライアントである南条財閥のドンである南条剛

造は言っていた。



が、この警戒は何だ。俺はどこの国の軍隊を相手にしているんだ。



 砂浜、北東浜ヘゴムポートを引きあげる。



その時耳元を弾がとおりすぎた。歓迎のあいさつか。

どうやら相手はノクトビジョン(暗視装置)を使っている

らしい。おまけに消音銃だ。



 海岸の岩陰に俺はクギづけになった。その

間、俺は火線をさけながら、武器パックに装備された

オートバイをセットアップした。



 そいつは自衛隊用特別仕様車であるホンダ

XL250を改良したものである。厳しい走行条

件に耐えるためフレームは材質変更強化され。

エンジン出力も22馬力までひき上げられてい’

る。通常のマフラーの後にもう一段マフラー

が着けられている。



光を反射しそうな部分は

すべて黒塗りされている。ハブもツヤ消しだ。

リヤガードとフロyトガードも増設されてい

る。ヘッドライトにはストーンガードがつけ

られている。



ただ自衛隊用仕様車に付いてい

る部品で不必要なものはとりはらわれていた。

野戦用無線器などはつけられていない。

連絡先など今の俺にはないからだ。



 俺は右ももに反射止めが施された小銃用銃

剣を付け、左袖部分には信号銃。さらに軽量

ヘルメットをかぶる。顔にドロースを塗り、

靴はピプラムソールのあみ上げ靴に変えた。



 タイヤはもちろんサンド用のタイヤをはい

ている。準備を一分で仕上げた俺はウィポン

類をパックサックに積め込み、火線の飛んで

くる方ヘオートパイをキックした。ジグザグ

に動き、銃弾をさける。



相手が近距離になった時、

俺は片手で、H&K33KAIアサルト

ライフルを連射していた。30発の全弾をた

たきこんだところで、相手の火線は消えた。



弾倉を入れ直し、ようやく、狙撃手の側へ辿

り着いていた。



七の頃、俺の眼はやっとのことで、暗闇に

なれていた。男の側にM3カー

ビンがころがっている。



俺はオートバイをお

り、そいつにゆっくり近づいた。



男は俺がひざまづいた時、ナイフを片手に突きかかって

きた。

俺はかろうじて、その一撃をさけ、ア

サルトライフルの銃床で、頭の頂点をなぐ

りつけた。倒れた男のノドブエを俺は銃剣でかき切

った。



 今度は上空から、先刻のヘリが降下してく

る。スポンソンから重機銃弾が飛んでくる。



俺は再びバイクにまたがり、目の前にあるこの地域に

多いアダソ樹林に逃げ込もうとした。



ウィリーを使いバランスをとったが、一瞬、転倒した。ヘ

リは上空でホバリングし、一人の男がハシゴ

をつたわって降下してきた。



どうやら俺が機銃弾に当ったと勘違いしたらしい。

俺はうずくまったままだ。

 男はM16アサルトライフルを構えこちらへ

近づいてくる。



2m程に近づいた。所で、俺は体を反転させ、

相手の一連射をさけ、先刻の

ナイフを相手のみけんへ突き立てていた。



 飛び上がった俺は左腕装着の信号銃を抜き、ホ

バリングしているヘリのコックピットめがけ、

信号弾を射ち込んだ。



 ヘリは急上昇しようとあせったが、内部で

信号弾が発火し、火だるまの2人の男が落ち

てきた。ヘリは回転しやがて、側のアダン樹

林へ突っ込み燃え上がる。



 相手の増援がこないうちに姿を隠さなけれ

ばならない。



ザ・ゲーム(1979年作品)第4回 

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/






最終更新日  2020.10.05 17:17:53
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2020.09.24
テーマ:小説(538)
ザ・ゲーム(1979年作品)話は、Y市で私立探偵業の俺が、ある女と出会ったことから 始まる。そして俺は世界をまたに駆ける傭兵となる。
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ザ・ゲーム(1979年作品)第3回 南条財閥のドン南条剛造は、久我島に行き、誘拐された孫の則夫を助け出してくれと依頼する。

ザ・ゲーム(1979年作品)第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



 「西くん。君の事は数分間の間に調べた。

このファイル通りの男だとしたら、君と契約

しよう」

南条財閥のドン、南条剛造が分厚い俺の資料ファイルを

手に言った。



つまりは、南条洋子の義父にあたる。





俺は言った。

 「話は早いわけですな。誰に調べさせたのか

わかりませんが。そのファイルの通りの男で

すよ。私は」



 「わかった。犬にはエサを与えないと動きは

しないだろうからな。ただし、これは自分自

身を守ってくれと言ったと思うが、私は別の

事を依頼しよう」



「いって、お義父さん、それじゃ、話が・」



 「お前はだまっていろ。わしのやり方の方が

てっとり早いのじや」



 「成功報酬は前金で五千万、成功後五千万だ

 「もちろん税抜きででしょうな」



 「もちろんだ」



 「で仕事は」



 「これから聞いたと思うが、久賀島という無

人島へ行ってもらいたい。私の孫を助け出し

誘拐した奴らを皆殺しにしてくれ。

これが孫の南条則夫のりおの写真と資料だ」



「待って下さい。人を殺すですって」



「西君、君の過去をすべて洗ったと言っただろ

う。君のベトナム戦におけるニックネームは

確か狂獣士だったはずだ」



 俺は言葉につまった。



 「日本国内で殺人。それで一億円の報酬というわけですか」



 「必要経費は別に認める。それに武器の方は

南条重工業が関係している製品なら何でもい

いたまえ。ただし小型原爆は無理だが」

剛造は含み笑いをする。ベトナム戦争で戦時用品で

儲けた財閥なのだ。



 俺は、ちらっと南条洋子の方を見た。彼女

は無表情だった。俺はこれが巧妙に仕掛けら

れた罠だとはこの時気づかなかったのだ。





■ 久賀島へ行く前、俺は一日の休暇をもらい、

久賀島の南に面する沖縄へ飛んだ。

1972年(昭和47年)に日本本土に返還された

沖縄は、米軍占領下のながりが残る。



ベトナム戦争は1975年に終わったが、

沖縄那覇はベトナム戦争時代、休暇でよく来た町だった。

いきつけのパーだった

メソンヘ入った。



 「よう、丈さん。何年ぶりかね」

 バーテンの才賀はまだ俺の事を覚えていた。



  「そうさな、もう10年になるかな」

 才賀はやせこけた男でかまきりを思わせる。



「今は何の商売だい、丈さん」

 「おはずかしいが、探偵ってやつさ」

 「わつ、かっこいいじゃないの。ハードボイルド小説みたいでさ」 



 才賀はグラスをみがきながら言った。

俺は、まさか、そんな事態になるとは夢には

思っていなかった。



 「そんなにかっこよくない。冲日本じゃ武器

を持てないしな」俺は少し照れている。



 ドアが開いて、米兵が数名入ってきた。



 「おい、お前、丈じゃないか」黒人の大男が

そう叫んで俺の方へ走ってくる。ベトナム戦

争の戦友ビリLだった。



 「お前、まだ生きていたのか」 「お前こそだよな」

俺達はだき合った。



 「ピリー、まだ軍隊にいるのか」

 「そうさ。黒人にとって軍隊はまだましな商

売だからな。それよりお前、どうしてここへ

 「うん’、ちょっと仕事でね」



 「丈さん、今、私立探偵やっているんだって」



 パーテンの才賀が口を入れた。

「やめろよ、才賀」



 ピリーは少し心配そうな顔をした。

「危い商売やっているな。あいかわらず。ど

こへ行くんだ。親友の俺にもいえないのか」



 「うん、ちょっとね」

 「言えよ、丈、水くさいぞ」



 俺はしかたなく、小声で島の名をささやいた。

 その名を聞いてピジーは急に顔色を変えた。



「丈、やめておけ、親友として言う。あの島

にだけは近づくな」大きな声でビリーは言っ

た。俺はそのあわてぶりに驚いた’ 



 「一体どうしたんだい、ビリー、ふるえてい

るじゃないか。ベトナム戦の猛者のお前が」



 「やめるんだ、丈、命がいくつあってもたり

ないぞ」



 先刻から俺達の話を聞いていたカウンター

に居た男達が側に来た。たぶん、俺を見張る

ように南条にいわれているのだろう。

 「黒人のお兄さん、ちょっと静かにしてもら

えないか」



 「何だ、あんた方は」



 「誰でもいい。西、南条さんに従って早く島

へ行け。それに二度と島の名は口に出すな」

 「いいか、七このバーテンもわかったな」



 男の一人がドスでビリーのほほをかすった。

 うっすらとほほから血が流れる。

 「やめろ」ビリーが、戦友をとどめた。



 「ここは場所が悪い」



 「大丈夫か。ビリー」



 「いいか、わかったな、西」男達はいいすて

てパー=メソンから出て行った。



 「ああ、丈、お前さん、あいかわらず疫病神だな」

ビリーはつらそうに言った。あのベトナム戦

の時の悲しげな顔だった。



 「すまん」俺は心からあやま。た。一体あの

島に何があるというのだ。



ピnノーに聞こうと

したが、彼は戦友達を引きつれてバーから出

て行く。才賀も口をつぐんだままだ。俺にす

ぐ出て行ってほしいという顔だった。



 「わかった。出ていくよ」



 「すいません、丈さん。あいつらここをシマにしている

東郷組のもんなんだ。あいつらににらまれたら、この辺

で商売ができないんだ」うつむきかげんで才賀はつぶやいた。



 「わかった」



 俺はドアを開けた。路地裏で悲鳴が聞こえ

る。ゴミだめの中へ男が二人ころがされてい

る。さっきのやつらだ。それでもビリーはテ

クナーナイフで彼らを切り刻んでいる。やく

ざは冷あせをながし、失禁しているようだ。



 「いいかげんにしておけよ、ビリー。そいつ

ら死んじまうぜ」



 「わかつているさ、それより丈、どうしても

行くのか」



「ああ、契約しているからな」



「気をつけて行けよ。そして又あおうぜ」

「こんど会う時はおごるぜ」



「あばよ」ビリーは二人のやくざをかつぎあ

げていた。









ザ・ゲーム(1979年作品)第3回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.09.24 15:50:28
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テーマ:小説(538)
RSロボサムライ駆ける■「霊戦争」後、機械と自然が調和、人間とロボットが共生。日本・東京島「徳川公国」のロボット侍、早乙女主水が 日本制服をたくらむゲルマン帝国ロセンデールの野望を挫く戦いの記録。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n2492db/17/

ロボサムライ駆ける■第18回■ロボ侍は、関所を過ぎて国境線上にあるロボットのさらし首にきづく。ロボットはこの西日本では人間ではなく奴隷なのだ。

ロボサムライ駆ける■第18回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所





■第3章(6)

 そこにはものものしい雰囲気があった。検問所である。



 検問ゲートには装甲車、戦車など重装備の機材がおかれている。誰も通さないぞという意気込みがあたりには、感じられた。

 加えて、クラルテという八足型ロボットに乗った、武士姿の西日本の境界警備員がいた。



 遠くからクラルテを見て、主水は尋ねる。

「なぜ、あの歩行ロボットをクラルテというのだ」



「昔の話だけど、あのロボットのプロトタイプには人間用の席がなかったんだって」

 小さい声で知恵はささやく。

「ほう、それで」

「いやー、これは鞍がいるでと製作担当者がいったらしいんだ」

「それから、鞍がいるで、↓鞍いるで、↓くらるてと変化した訳か。なるほど」

 という、たわいもないシャレを口にする主水に、



「まて、あやしい。異形のロボット。この関所を通すことは相成らぬ」

 関ヶ原の関所で、武士から主水と知恵は止められる。



 ふとこらから、主水は書類をだした。

「この証明書を見ていただきたい。拙者、早乙女主水。徳川公国直参旗本ロボット。天下御免のロボザムライでござる」



「東日本ではロボザムライとして認めていようとも、この西日本エリアではロボットなど奴隷よ。この天下の公道、ましてやこの関所を通行することは相成らぬ」

 役人は強気である。

 判でおしたような役人の答えだった。いつの時代でも役人は変わらぬのである。



「無体な。拙者はこの証明書にもあるとおり、東日本市民連合に所属する東京エリア霊能師落合レイモン殿の供者として、この西日本エリアにまかりこした」

「レイモン殿は先刻お通りになった。護衛ロボットだと、よけいにこの関所、とおすわけにはいかぬ。貴様武器を所持しておろう」

 役人の表情が余計に険しくなる。



「あたりまえでござろう。刀は侍ロボの命でござる」

「それじゃ。それがよけいに困り申す。通すわけにはいかん。西日本エリアでロボットに武器を持たすなど気違いざたじゃ」



 もめている関所の役人と主水のところへ、具合よく落合レイモンの籠が戻って来た。

 先行していたレイモンは、もめる音声を聞き、後戻りしてきたのだ。籠から顔を出す。「どうしたのじゃ、主水」



「これはレイモン閣下。今、この役人より、護衛ロボットは入国できないと申されて、困っております」

 レイモンが助け舟をだす。



「お役人殿、それではどうであろう、このロボザムライの武器は、私の使い番、夜叉丸が預かるということでお許しくださらぬか」



「ははあ、レイモン閣下がそうおっしゃいますならば」



その役人は納得しかけたが、騒ぎを聞き付けた上役がやってきた。この男がもっと煩い。



「落合レイモン閣下とて、規定外のことは、できもうさん。この護衛ロボットの剣、我が役所にてあずからさせていただきます」



「サムライの命の刀ですぞ」

「主水、しかたあるまい。ここはおれてくれい」

「しかし……落合様」

「まあ……まあ……」



 主水は刀を腰にせず、西日本に入ることになった。

「何か、腰のものがなくなりますと変でございますなあ」



刀のないサムライロボットは言った。関所を過ぎてしばらくして、原野の国境線にある、ロボットのさらし首の群れにきづく。



「これは一体……」

「こちら側では普通の光景さ-」

 知恵が悲しそうに言う。



「むっー」

 考え混む主水であった。



 一体このような事が許されてよいものであろうか。

恐らくこれは足毛布博士もからんでいるのに違いない。

ロボットはこの西日本では人間ではなく奴隷なのだ。

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所






最終更新日  2020.09.24 14:09:24
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テーマ:小説(538)
ザ・ゲーム(1979年作品)話は、Y市で私立探偵業の俺が、ある女と出会ったことから 始まる。そして俺は世界をまたに駆ける傭兵となる。
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ザ・ゲーム(1979年作品)第2回高校のクラスメイトの洋子は南条財閥の嫁となっていた。そして事件の調査を依頼してきた。

ザ・ゲーム(1979年作品)第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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俺は自分が助けた女の顔を見た。どこかで

見た顔だった。どこか記憶にひっかかる所が

ある。俺はじっと自分の顔をみつめかえして

いる女に尋ねた。



 「ひょっとして、、あんたは」

 「そう、やっと思いだしてくれたわね。西さ

ん。私は水原洋子よ。高校時代のクラスメイ

トだったわね。私はすぐ気がついたわ。今は

南条洋子だけれど」



 金がかかった服だった。今の俺の身なりと天

と地の違いだった。



 「こり?、驚きだぜ。まさかね。しかし、お

宅、あの頃からキレイな子だと思っていたけ

ど、今の方が・:」



 「お世辞はけっこうよ。西さん。助けて下さ

ってありがとう。こんな所で立ち話も何だか

ら」 彼女は冷たく言い放った。



「そう、積もる話もあるわけだ」





 俺達二人は、ホテル最上階のラウンジヘ上

った。

 ストールに腰をかけ、酒を注文したあと、

俺は彼女に尋ねた。

 「一体、何事なんだい。あの男達は」



 彼女は一瞬、ためらいの色を見せ、それか

ら意を決していった。



 「西さん、お願いがある。先刻の腕からし

て、あなた、普通の会社員じゃないようね。

でも風のたよりであなたアメリカへ留学して

いたと聞いていたけれど」



 「アメリカへ行ったのは本当さ。が俺はエリ

ート・コースには乗れなかったのさ。俺はベ

トナム戦争へ行ったんだ。だからアメリカ国籍も持って

いる。何人かわすれたが、人を殺したよ。今

じヤこのY市でしがない探偵稼業を、といっ

ても興信所を営んでいるわけさ。



離婚問題とがそんなちっぽけな仕事だが、けっこう食っ

てはいける」



 「わかったわ。やはりね。かえって頼みやす

いわ。



お願いがあるの。私を助けてほしいの」



 「どうやら警察には話せない事情がありそう

だね」



 「そう、実は私の子供の命がからんでいる問

題なの。私の名は南条洋子。つまりはあの南条財閥の

嫁なのよ」 

南条財閥はY市発祥の財閥だ。



 「君は玉の興に乗ったわけか」



 「でも私の夫、南条安夫は、あいつらの仲間

に殺されてしまったの」

俺は何か月前の新聞記事を思い出していた。

交通事故かそのような内容だった。



 「殺されたって、あいつらは一体」

 「正体がわからないの。でもどうやら小さな

島がからんでいる`ようなの」



 「島って。それはダンナの遺産かい」

 「そうというか。南条財閥の持ち物なんだけれど

久賀島という沖縄県と鹿児島県との境にある小さな

島なの。これといった産業もなく、今は人も住まなくなって

久しいわ。無人島なのよ」



 「その島がどうからんでくるんだ」



 「その島に何かあるらしいの。おまけに私の子供

が誘拐されて、その島にいるの。子供といっ

てもヽ実は血のっながりはないの。南条安夫

の死に別れた先妻の子供なのよ」



 「それで、あんたも連れ去ってどうしょうと

いうつもりかな」



 「あの島に何かが隠されているらしいの。そ

れを私と子供を連れ去り、舅の南条剛造から

聞きだそうという腹らしいわ」



 彼女の眼は助けをうったえていた。そして

彼女は美しかった。美しさは一つの財産だ。



俺は、女は過去のイメージから少しも変化し

ていないという考えを持っている。今の彼女

の本当の姿がどうであろうともだ。



 「わかった。ひきうけよう」



 「ちょっと待つでね。南条剛造にあなたの事

を電話するわ。そして家に来てもらうわ」



 彼女は固定電話BOXへ向かった。かなり長い

やりとりがあったようだ。



 俺は彼女の車、フォード・カマロに乗せら

れていた。彼女は(ンドルをにぎりながら言

った。



 「言っておくけれど、私と舅の仲はいい事が

ないの」



 「わかってるよ。よくある話さ」



 南条の家はY市郊外の丘陵地帯にあり、そ

の姿は森林にかこまれたヨーロッパの城の風

情だった。門衛がだまって、無表情に彼女政

車を通した。



 老人がアールデコ調の応接室にすわっていた。



今にも死にそうな、片足を棺桶につっこんで

いる感じだったが、眼光だけはするどかった。



「君が西くんかね。話はこれから聞いた」



 老人はなめまわすような眼で俺を見ている。



 「失礼だがf 嫁のいう程、腕が立つようには

見えんのだが」



 「お父さん、私がこの人の腕は保証するわ。

ベトナム戦争に従軍してレッドバッジをもらって

いるのよ」



 冷たい眼ざしで剛造は洋子を見た。はき捨

てるように言った。



 「お前に、気やすくお父さんとぱ呼ばれたく

はないのだが、その際だ。条件はつけられないな」 

剛造は、近くにいた執事を呼んだ。



執事は剛造に分厚い紙ファイルをわたした。



ザ・ゲーム(1979年作品)第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.09.24 14:07:39
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2020.09.17
ザ・ゲーム(1979年作品)話は、Y市で私立探偵業の俺が、ある女と出会ったことから 始まる。
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ザ・ゲーム第1回一九七九年の事だ。 私立探偵業の俺が、 高校のクラスメイトの洋子に出会う。今や 南条財閥の奥方だ。この出会いは意外な展開へと俺を導く。

ザ・ゲーム(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 南太平洋上。静かな波の音に混って楽団の

音が聞こえてくる。



大型クルーザー「リーマン三世号」が岸上を

航行していた。。カナダのフリーゲートを買

い取り、個人用として改造した船だ。



 少し離れた海面上に潜望鏡があがっていた。



 船の上で、気持ち良く酔った男が二人、舷

側に出て潮の香リをかいでいた。



手の中のグ

ラスにはまだ酒が残っている。二人共白のフ

ォーマルスーツを着ていた。 



 「ふーつ、酔ったよ」

 「いや、まだまだ、パーティはこれからさ。

これからおもしろくなるところさ」



「ところで、君、あのリーマン候爵の側にい

た東洋人の女性は誰なんだ」



「何だ。君、知らなかったのか。彼女が有名

なヨーコ・南条だよ」



 「彼女が、ヨーロッパ社交界の新星か]



 「そう、そして日本の大財閥の継承者だ」



 「リーマン候も彼女の金に目がくらんだか」



 「先妻が死んでだいぶたつしね。それに確か

に彼女は美人だしな」  





 衝撃か船を襲った。





潜水艦から発射された魚雷が爆発したのだ



閃光と轟音。振動か船全体を揺がした。



 ブザーがなり、パーティは中止された。



船員が重機関銃をセットしてサーチライトが海



上を照らす



 「何だ、あれは」



 クルーザーの右舷に.潜水艦が孚上した.ク

ルー.ヂLがら重機が、火を吹い.た。

か射程外だつた。



逆に潜水艦から砲撃される。通信アンテナ

が吹き飛ばされた。連絡が不可能となった。

 潜水艦から拡声器を通じて声が聞こえてき

た。





『無駄な抵抗はやめたまえ。無益な殺生を我

々はしたくない。我々はミセス南条に用事が

あるのだ。我々のポートが、そちらの船へ接

舷する。いいか無益な攻撃はするな。魚雷の

照準はそちらに合わせてある』



 「どこの国の潜水艦だ」



 「わからん。国籍はわがらんが、どうやらソ

連製らしい」



 ハッチが開き、やがてモーター付ゴムボー

トがひっぱり出され、クルーザーの方へやっ

てくる。



ゴムポートをあやつっているのは屈

強な男たちだ。



 ブリッヂには一人の女が待っていた。まわ

りに武装した船員がとり囲んでいる。彼女は

美人だった。船に近づく男たちを見ていた。



 男のはボートから身ごなし軽く船のタラップ

をあがる。男は船員に見張られながら、プリ

「’ツジ一人あがってきた。女は驚いたようだった。

まるで死人を見たかのようだった。男が口を

開いた。



 「ひさしぶりだな。ヨーコ。いい御身分じゃ

ないか。世界中をだいぷ探したぜ」







■ 彼女に出会ったのはわずか1ヵ月前の事だ

った。



俺は、ホテル=ミナトヘ行こうとして

いた。わずかばかり俺のポケットはふくらん

でいた。



久しぶりのうまい食事にあり・つこう

としていた。



ボロ車をホテルの駐車場へ入れ込もうとしていた。



中で悲鳴が聞こえた。そ

の声の方へ車をころがした。



女が無理やり車へっれこまれようとしている。



こんなシーンでは当然俺の役目は決まっているのだ。



 俺は後から一人の男につかみかかる。



 「やめろ。大の大人が三人もかかってする事

じ?ないだろう。女性をいじめるのはやめな」

-



俺はカッコをつけていった。もちろんナイト

のつもりだった。



 レイ=バンサングラスをつけ、ブルックスブラザ

ーズのスーツをすきまなく着こなした男達は

どう見ても正業についている男達には見えな

い。



いわゆるインテリ=ヤクザつて手合いだろう。

見なりは俺よりかなりいい。が上着の下か

らわずかに拳銃がのぞいていた。



 「うるさい。関係ない奴はひっ込んでいろ。

ケガをしたくなけれぱな」

 すごみがあった。





 俺としてはここで引きさがるわけにはいか

ない、手刀で右横の芳の首すじをなぐりつけ

左側の男の金的をけり上げていた。



同時に、左側の男から拳銃を抜き取り、

その拳銃の安全装置をはずしていた。



 俺はそれを運転席の男の頭に突きつけてい

た。



 「いいか、消え去るのはお前達の方だ」



 我ながら手際がよかった。



車は七の女と俺それから男からうばった拳銃を

残して走り去った



 俺は自分が助けた女の顔を見た。どこかで

見た顔だった。どこか記憶にひっかかる所が

ある。俺はじっと自分の顔をみつめかえして

いる女に尋ねた。



 「ひょっとして、、あんたは」



続く

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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最終更新日  2020.09.17 17:35:47
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