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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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ハーモナイザーシリーズ

2017.04.05
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「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/  
http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/779592/

ロシュがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった
時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。
そんな感じだった。
この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。

制服に身を固めた、30名はいる大勢の護衛官たち。装甲車の中にいる、そのの一人が、ロシュの身を案じて、声をかける。
「ロシュ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。
「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの宗教儀式なのだ」
強い調子でいった。
暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という護衛官たちの、いわば、避難の目も気にせずに。

「ですが、ロシュ様」
「いいか。これは、命令だ。もし私が当分かえらなくても心配するな」
ロシュは強い口調で言う
、大星間帝国統治者のロシュは、彼の大仰な護衛官団を、その場に残し、
たった1人で、とでも小さな町へ向かっていった。

護衛官団は、町のまわりを取り囲み、彼がその町から出てくるまで待続けるだろう。


その小さな町の通りには、人影はなく、静謐さが全て覆っていた。まだ珍しく舗装されていない、むき出しの道をゆっくり歩いていく。彼は歩いて来た方向を、いわば、彼の信奉たちの方を、ふり返りもしなかった。


町のすぐ後ろにある小さな丘から、樹齢数百年に及ぶ樫の木立ちが、町並み方にその大きな陰を投げかけていた。

町外れにある。目立たない2階建ての家の前に立って、ロシュは、考えつかでにその建物を見上げ、ため息をついた。
やがて、思いつめたように、中に入っていった。
古びた看板には「夢の国」とあり、風でふるえて、音を立てていた。
昔のままのオーディが、いた。
今まさに眠りから覚めたばかりという顔で、カウンターの中に座っていた。
「ロシュ、100年ぶりかね。どうだい、この星の世の中の子は。ちぇつ、いつもと同じ会話、言葉か」

ロシュは、少々疲れた顔で答える。
「君も夢の中で見ただろう。戦争、革命、闘争。殺りく、暴動。、流血、それから、そうそう、わずかばかりの短い平穏、平和。、、、私に残ったものは、また、失望と疲労。、、いつもの通りだ」
ロシュは、首をうなだれていた。

「それじゃ、俺の頃と、また同じだったんだな。独裁者ロシュ殿、10のの太陽系、と127の星を支配する。大星間帝国の創設者にして、統治者のロシュ殿のか」
自虐的にオーディはいう。
「なお、オーディ。私はいつも思う。私たちは、一体、何のために生かされているのだ」
ロシュは、吐き出す様にいった。
「ロシュ、それは考えないことだ。俺たち二人は、ハーモナイザーによって選ばれた人間だった。
宇宙意思「ハーモナイザー」から与えられた役目を果たさなければならない。
そのおかげで、俺たち二人は、永遠に続けることができるのではないか。」

ハーモナイザーは、絶対に開始ともいえる。絶対紙ともいえる。
「俺たちは、確かに不老不死の体となった。ハーモナイザーによってな。
だが、命が、永遠の命が何人になる。自分の愛した女が老いさらばえ。
子供達が生まれ育ち、そして、俺の目の前で死んでいくんだ。これは悲しいぞ。そんな森羅万象を眺めているのは、気分の良いものではない。おれたちは神ではない。が、いわば、神の役割を果たさねばならない。また私の意志で数多くの罪のない人がきづづき死んでいく。えー、何のための不滅の命なのだ。私たちは一体何者だ。何のために生きているんだ。教えてくれ」
ロシュは、もう絶叫していた。

オーディは、しばらく黙っていたが、やがて、ゆっくりと口を開いた。
「ロシュ、俺にいえることは、ただ、眠れ。それだけだ。その大きなカに君は疲れている。次の時代に期待しろ。今度の俺の時代で、ハーモナイザーがオレたちに与えた命令がわかるかもしれない」。

「わかった、わかった、オーディ期待するよ」。
われわれの製造理由で飲んで党のあることはな。
その実、ロシュは、もう、期待はしていないのだ。
ロシュは、今にも消え入りそうな力を、なんとか絞り出して、地下室へ降りていく。
明滅する光の中を、ムービングウエイが走り、丘の中央に隠された「円盤」にたどり着く。
寝床となる「シリンダー」中に横たわる。この中で、何度か目の100年目の眠りの中に入る。

反対にオーディは、この町をでていく。この町を100年の間、訪れる人もない。訪れる人はない。この町は霧の中へ沈んでいく。周りにいた護衛官たちは、オーディの「神の力」で「全滅」する。


ロシュが見るのは、必ずその時の映像だ。

るか昔、地球から、最初の恒星間飛行を行った、当時の二人の宇宙飛行士は事故にあい、宇宙空間を漂流。死の直前、彼らは、ハーモナイザーという超生命体に助けられた。
時々、ロシュは、自分たちは、まだ、あの漂流していた宇宙船にいるのではないか。これまでロシュが経験していたことすべてが、夢であることことではあり、死の一歩手前。宇宙飛行士の妄想ではないか。


ロシュの子供のころからの夢は、支配者になる事であり、いつもプルターク英雄伝や、ナポレオン、ヒットラーそして、その他のそれぞれの時代の独裁者の伝説を映画やビデオ、本で読んだり見たりした。死ぬ間際の幻想映像ではないか。

そうろしはもうそんな夢に、やがてオーディが現れる。
オーディは、ロシュが作り上げた星間帝国を崩壊させようとした。
ハーモナイザーから与えられた全知全能を持って、この世に、新しい秩序を作とうとしていた。

そして、この星で、100年の時が流れた。

●共同体主席オーディがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった。時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。
そんな感じだった。
この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。

制服に身を固めた、50名はいる大勢の、同志親衛隊たち。気動車の中にいる、そのの一人が、オーディの身を案じて、声をかける。
「同志オーディ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。
「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの通過儀式なのだ」
強い調子でいった。
暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という同志親衛隊たちの、いわば、避難の目も気にせずに。

オーディ共同体として主席同志オーディは、どうしたも、目の前にとでも小さな町へ向かっていかなばならない。
そして今度は、めざめたばかりのロシュが持っていたのだろう、「夢の国」へと、、



「もちろん、あの人は私の夢の一部分よ。でも、私も、あの人の夢の一部なんだわ」ルイスキャロル鏡の国のアリスより、。

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/  
「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作品 
http://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/779592/






最終更新日  2017.04.05 07:54:21
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2016.08.12
「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 
ロシュがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった
時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。
そんな感じだった。
この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。
制服に身を固めた、30名はいる大勢の護衛官たち。装甲車の中にいる、そのの一人が、ロシュの身を案じて、声をかける。
「ロシュ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。
「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの宗教儀式なのだ」
強い調子でいった。
暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という護衛官たちの、いわば、避難の目も気にせずに。
「ですが、ロシュ様」
「いいか。これは、命令だ。もし私が当分かえらなくても心配するな」
ロシュは強い口調で言う
、大星間帝国統治者のロシュは、彼の大仰な護衛官団を、その場に残し、
たった1人で、とでも小さな町へ向かっていった。
護衛官団は、町のまわりを取り囲み、彼がその町から出てくるまで待続けるだろう。
その小さな町の通りには、人影はなく、静謐さが全て覆っていた。まだ珍しく舗装されていない、むき出しの道をゆっくり歩いていく。彼は歩いて来た方向を、いわば、彼の信奉たちの方を、ふり返りもしなかった。
町のすぐ後ろにある小さな丘から、樹齢数百年に及ぶ樫の木立ちが、町並み方にその大きな陰を投げかけていた。
町外れにある。目立たない2階建ての家の前に立って、ロシュは、考えつかでにその建物を見上げ、ため息をついた。
やがて、思いつめたように、中に入っていった。
古びた看板には「夢の国」とあり、風でふるえて、音を立てていた。
昔のままのオーディが、いた。
今まさに眠りから覚めたばかりという顔で、カウンターの中に座っていた。
「ロシュ、100年ぶりかね。どうだい、この星の世の中の子は。ちぇつ、いつもと同じ会話、言葉か」
ロシュは、少々疲れた顔で答える。
「君も夢の中で見ただろう。戦争、革命、闘争。殺りく、暴動。、流血、それから、そうそう、わずかばかりの短い平穏、平和。、、、私に残ったものは、また、失望と疲労。、、いつもの通りだ」
ロシュは、首をうなだれていた。
「それじゃ、俺の頃と、また同じだったんだな。独裁者ロシュ殿、10のの太陽系、と127の星を支配する。大星間帝国の創設者にして、統治者のロシュ殿のか」
自虐的にオーディはいう。
「なお、オーディ。私はいつも思う。私たちは、一体、何のために生かされているのだ」
ロシュは、吐き出す様にいった。
「ロシュ、それは考えないことだ。俺たち二人は、ハーモナイザーによって選ばれた人間だった。
宇宙意思「ハーモナイザー」から与えられた役目を果たさなければならない。
そのおかげで、俺たち二人は、永遠に続けることができるのではないか。」
ハーモナイザーは、絶対に開始ともいえる。絶対紙ともいえる。
「俺たちは、確かに不老不死の体となった。ハーモナイザーによってな。
だが、命が、永遠の命が何人になる。自分の愛した女が老いさらばえ。
子供達が生まれ育ち、そして、俺の目の前で死んでいくんだ。これは悲しいぞ。そんな森羅万象を眺めているのは、気分の良いものではない。おれたちは神ではない。が、いわば、神の役割を果たさねばならない。また私の意志で数多くの罪のない人がきづづき死んでいく。えー、何のための不滅の命なのだ。私たちは一体何者だ。何のために生きているんだ。教えてくれ」
ロシュは、もう絶叫していた。
オーディは、しばらく黙っていたが、やがて、ゆっくりと口を開いた。
「ロシュ、俺にいえることは、ただ、眠れ。それだけだ。その大きなカに君は疲れている。次の時代に期待しろ。今度の俺の時代で、ハーモナイザーがオレたちに与えた命令がわかるかもしれない」。
「わかった、わかった、オーディ期待するよ」。
われわれの製造理由で飲んで党のあることはな。
その実、ロシュは、もう、期待はしていないのだ。
ロシュは、今にも消え入りそうな力を、なんとか絞り出して、地下室へ降りていく。
明滅する光の中を、ムービングウエイが走り、丘の中央に隠された「円盤」にたどり着く。
寝床となる「シリンダー」中に横たわる。この中で、何度か目の100年目の眠りの中に入る。
反対にオーディは、この町をでていく。この町を100年の間、訪れる人もない。訪れる人はない。この町は霧の中へ沈んでいく。周りにいた護衛官たちは、オーディの「神の力」で「全滅」する。
ロシュが見るのは、必ずその時の映像だ。
るか昔、地球から、最初の恒星間飛行を行った、当時の二人の宇宙飛行士は事故にあい、宇宙空間を漂流。死の直前、彼らは、ハーモナイザーという超生命体に助けられた。
時々、ロシュは、自分たちは、まだ、あの漂流していた宇宙船にいるのではないか。これまでロシュが経験していたことすべてが、夢であることことではあり、死の一歩手前。宇宙飛行士の妄想ではないか。
ロシュの子供のころからの夢は、支配者になる事であり、いつもプルターク英雄伝や、ナポレオン、ヒットラーそして、その他のそれぞれの時代の独裁者の伝説を映画やビデオ、本で読んだり見たりした。死ぬ間際の幻想映像ではないか。
そうろしはもうそんな夢に、やがてオーディが現れる。
オーディは、ロシュが作り上げた星間帝国を崩壊させようとした。
ハーモナイザーから与えられた全知全能を持って、この世に、新しい秩序を作とうとしていた。
そして、この星で、100年の時が流れた。
●共同体主席オーディがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった。時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。
そんな感じだった。
この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。
制服に身を固めた、50名はいる大勢の、同志親衛隊たち。気動車の中にいる、そのの一人が、オーディの身を案じて、声をかける。
「同志オーディ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。
「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの通過儀式なのだ」
強い調子でいった。
暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という同志親衛隊たちの、いわば、避難の目も気にせずに。
オーディ共同体として主席同志オーディは、どうしたも、目の前にとでも小さな町へ向かっていかなばならない。
そして今度は、めざめたばかりのロシュが持っていたのだろう、「夢の国」へと、、
「もちろん、あの人は私の夢の一部分よ。でも、私も、あの人の夢の一部なんだわ」ルイスキャロル鏡の国のアリスより、。
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 
「支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作品 
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 






最終更新日  2016.08.12 20:59:07
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2011.11.12
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第12回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
●山田企画事務所


「危ない所だった。天宮=地球意志は、私アー・ヘブンを道連れに、この星を破壊するつもりだった
のか」
 アー・ヘブンは独りごちた。
 地球意志は、大球(元の地球)と結ばれた小球(元の月)に、スパイダーネットで、
集積した色々な星の武器を集めていた。
 地球爆発の際、武器群は小さなユニユニット群となり、小球から発進し、この宇宙に存在する生命を
破壊しつくす武装機械船群を、あらゆる方向にむかって発射されようとしていたのだ。
そのために、長い長い時間をかけ、知らないうちに、スパイダーネットを使い
武器を集積していた。

それは、ハーモナイザーに対する「地球意志」の復讐行動である。

「地球の上に新しき生命を宿すのだ」
 アー・ヘブンの心の底から声が響く。ハーモナイザーが呼びかけていたのだ。
「どうやって、この地に生命を宿したらいいのですか」

「アー・ヘブンよ、お前は種子なのだ。お前が変化し、新しき地球になじむ植物となるのだ。お前
子孫がこの星、地球に充ちるのだ」
「しかし、ハーモナイザー、この大球いや、地球は鋼鉄のよろいがあり、内部ば機械星とな
っています」
「心配するな。機械星、大球に根をなせぱよい」
「根ですって」
「お前の第1触手を、根とするのだ」
 アー・ヘブンはハーモナイザーにいわれた通り、第1触手を大球の機械地中深くシャ
フトにそってかろす。触手は膨張し、根となった。

 次の瞬間、地表を被っていた鋼鉄面は光り出し、熱を持つ。一気に蒸発し
た。同時に地球全体が光り輝く。

大球内部の機械類は燃えあがり、やがて燃えつき、土と化した。
 アー・ヘブンの体に内包されていた、ハーモナイザーの種子も。同時にまきち
らかされる。種子は大球、全世界を被う。
 『大球をアウフ・ヘーベンせよ。アー・ヘブン、それが、お前の役割なのだ』
 光の声がいう。
 いまや、大球から変化し、再生された地球の世界樹となったアー・ヘブンの聴覚に、ハーモナイザーが
働きかけ、アー・ヘブンは始めて、自分の名前の意味合いを悟った。
 アー・ヘブン=アウフ・ヘーベン(止揚)だったのか。

 アー・ヘブンである、世界樹の、表皮、小さな部分に、古代の地球文字が刻まれている。
突然、それは現れた。
『私の夢は、、、』

今は存在しない「北の詩人」イメージ脳はただよう。その存在しない思念には、かつて″木″、
に記号を印した事を思い出している。すっと昔の古代の記憶。
『かしのきに、ナイフでしるしを……』

北の詩人が。消え去る一瞬、耳にした何かの産声は、この変化のさきぶれだったのか。

新しき地球は、ハーモナイザーと意識では一体化し、アウフ・ヘーベンした世界樹により、
新たなIページを書き記し始めた。

北の詩人の体は、再び実体化し、北の詩人の目の前にはユニコーンの姿も、ちらほら形作られはじめるのが
見えた。
そして、ゴーストトレインも、、、
(完)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第12回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
●山田企画事務所






最終更新日  2011.12.15 19:32:05
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2011.11.10
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所
ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

本が風化するのと同時に、コードの中の,北の詩人の体も消滅した。アー・
ヘプンはその一瞬、産声を聞いたような気がした。

その機械共生体も、外気にふれて腐触し、機械パネルははじけ飛び、粉々に
分解していく。

が本がやヽその背後の機械共生体がくずれ去った後,内壁中央部に光点が残
っていた。
光点はアー・ヘブンの方へ移動してきた。
球体には、ぎっしりと古代の本が積まっている。
その球体からは、強烈な激怒のイメージが、アー・ヘブンに注がれていた。

それが「天宮」だった。
アー・ヘブンは「天宮」に話しかけている。「天宮」の過去の名前で。
「地球意志よ、寂しかっただろう」

「地球意志? 太古の、私の、名前を知っている、お前は一体……」
「そう、「天宮」いや、地球意志よ、君が考えている通りだ」

「つまりは、ハーモナイザーの手先というわけか」
「正確にはそうではない。ハーモナイザーの意識の一部という方が、いいだろ
う」
「なぜ、私の所へ来た。私地球意志の宇宙に対する復讐の理由を探りに来たわけか」
 アー・ヘブンは、天宮=地球意志、の意志の強固さ。その意志の持つ邪悪さに、思わずたじろいた。

「やはり、君は、宇宙に対して、復讐を考えていたわけか」
「そうだ。私はハーモナイザーのおかけて、「地球人類」という、かけがえのな
い財産を奪い取られたのたからな。それに君は、私のデータベースも破壊した」

 「まだ、わかっていないのたな、地球意志。ハーモナイザーは君から地球
人を奪いとったわけではない。彼ら、地球人類は、自らの意志て君から離れたのだよ。地球人類は宇宙の意志という大きな思念のために出かけていったのたよ」

アー・ヘブンの意識は、ハーモナイザーと一体となる。

「ハーモナイサーの手先としてか」
「手先?、そういった問題てはない。地球人類はひとつの思考形態とし
てより進化したといえるだろう。かつては地球人類という小さな枠て物を考え、自分達の能力を使っていたが、ハーモナイザーの意志により、彼らは同調したのだ。君、つまり地球意志より、より大きな意志のためにね」

「ハーモナイザーよ、いくらくりかえしてもしかたがない。ハーモナイザー、君が私から人類を奪い去った事に変わりはない。あまつさえ、私にこの鋼鉄の鎧を着けさせてその上に監視員をおき、彼ら監視員を進化させた」

「そう、彼ら新機類は、君、天宮=地球意志を、監視するために存在し、生命球がすへてを統禦していた。が新機類や生命球は君が滅ぼしたのだろう」

「そう、それが、宇宙に対する、ハーモナイサーに対する私の復讐の手始めだ」

生命球は、アー・ヘブンのソウルブラザー、同類の意識体だった。
生命球も、ハーモナイザの個性群体の一つだったのだ。

「ハーモナイザーは、君、地球意志の行動を観察していた。君があるいは新しい精神構造を持ち始めて、ハーモナイザーの考え方に同調するかもしれない、と思ったのたよ。がそれは残念ながら、期待はずれだとわかったわけだ」

「それて、わざわざ、このシャフトまで降りてきて、私を滅ぼすわけか」
 天宮=地球意志の声、はあくまで冷たい。

「地球意志よ。最後のチャンスだ。君の思念を我々と同調させなさい。
それがすべてだ」
「答えはノーだ」

「わかった」
天宮=地球意志は、何かの信号を送りだそうとしていた。
間髪を入れず、アー・ヘブンは、第3触手をのばし、天宮=地球意志
をにぎりつふそうとする。

天宮の中身は、聖書、仏典、コーランなど地球の宗教書・哲学書、地球人類の遺産の書類とイメージーコーダーが包含されていた。

この宗教聖典こそが、天宮=地球意志のアイデンティティーたった。
存在価値のすべてだ。

アー・ヘブンの第3触手の握力で、天宮の外壁がはじき飛び、本の数々がバラパラに吹き飛び、破片は大気へ散っていった。

(続く)

●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回●(1987年作品) 
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2011.12.10 18:31:00
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2011.11.09
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第10回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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アー・ヘブンが立ち去った後、しばらくして,北の詩人は意識をとり戻す。
大球と小球を結ぶコードは揺れていた。
北の詩人は振動するコードの中ではいつくばりきがら、事の始まりを思いかこ
していた。

北の詩人は、古代に生きていた男の実体化であった。
詩人は自分白身のデータを情報ユニットとして残していたのだ。

 彼は詩人であると共に、優秀次技術者でもあった。彼の画期的な発明が「イ
メージコーダー」てあった。
 情報ユニットをイメージコーダーのある部位にセットすれば、それが実体
化されるのだ。ただしわずかな時間だったが。

 詩人は、その発明のパテント代で億万長者となり、死後、巨大な地下ピラミ
″ドに埋葬された。
 もちろん納宮室には、イメージコーダーと、彼の大好きだった情報ユニット
のコレクションが収納された。

 数百年後、このピラミッド近くに建築された軍のビッグコンピュータ
とリンクして、イメージコーダーが機械共生体の中心になるとは想像だにしなかった。

 彼の地下ピラミッドの上には、樫の樹林が果てしなく広がっていた。
その中の樫の木一本に、北の詩人が若い時、ナイフで刻みつけたフレーズが残っていた。
『私の夢は・・・・:』

 たどり着いたシャフトの内部を見て、アー・ヘブンは驚く。
ここは古代の遺跡なのだろうか。


 触手をのはしてみる。情報ユニット群にふれる。情報ユニットはやはり、
アー・ヘブンと同じ植物繊維からできている。
 さらに、情報これらの一つ一つは繊維のシートの集合体だった。

 各シートの表面には、この星の旧生物が使用していた記号が、多量に刻み込
まれている。
 記号をシート上に刻み込むことを「印刷」といったらしい。
 その記号を、この星の生物は古代より「文字」と呼んでいた。
この一枚一枚のシートから或る情報ユニットは″本″と呼ぱれていたのだ。

この本の集合体が、データベースであり、この星の住民は、視覚を通じ
て脳に入力していたのだ。

この情報ユニット″本″が数十万、いや数百万ユニット、シャフトの中心部
内壁に埋め込まれている。

しかし、アー・ヘブンが鉄表を破って潜入し、密閉されたシャフト内に外気が侵入したことにより、シート=紙が変質し崩れ始めた。
粒子となり飛び散り出す。

 何千年の夢だろう。

数えきれない程の、多数のこの星の住民の知恵が、虚空ヘチリとなって消え去っていく。

 この星の文明遺産の消失であった。

 膨大な本というペーパー情報集合体が消え去り、その後に古い機械が姿を
現わす。

機械共生体であった。


(続く)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第10回●(1987年作品) 
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2011.12.10 18:31:56
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●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第9回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 アー・ヘブンは,横たわる北の詩人をながめている。
彼からは、はっきりした「天宮」の位置を読みとれなかった。
彼はその「天宮」の場所を知らないのだ。

闇の空洞だと?

 アー・ヘブンはしかたなく、大球と小球をつなぐコード(絆)の内壁にに
じりよると、内壁金属に聴覚器をあてがった。
 この金属の持つ記憶巣から、「天宮」の情報を読みとれないかと思ったのだ。壁に聴覚器がふれた一瞬、アー・ヘブンの体は硬直した。

 恐るべきデータが一度に脳に流れ込む。
体が震動し、コードの内壁に倒れ込む。

 倒れていても、アー・ヘブンの体は痙學し続けている。

 コードの内部は、すでに「天宮」の腕の中も同然なのだ。
コード内には「天宮」の神経系かくまなく張りめぐらされていた。
その神経系から派生した神経糸が一本、アー・ヘブンの体に鋭く突きささる。
神経糸は蛇の様に、体内に侵入し、ためらい左く体中を突き進む。

神経糸はアー・ヘブンの中央脳を探りあて、アー・ヘブンの正体を知ろうとしていた。
 脳部位はどこだ!
 神経糸は位置をさがしあぐねていた。

 アー・ヘブンには中枢脳がなく、しいていえば、体全体が脳機能を持って
いるのだ。
 アー・ヘブンは、体の中を這い進む神経糸にたいいして、逆に、パルス(波動)スを送った。

パルスがたどり着くところ、そこに「天宮」の命令中枢があるはすだ。
 一瞬の後、逆にアー・ヘブンは「天宮」の位置を読みとっていた。

 『シャフト』

 アー・ヘブンは立ちあがると、体につきささっている神経糸を力まかせに
ひきちぎった。からまってきていた神経網を引きさく。
アー・ヘブンは、コード内を大球にむかい直進していた。

目ざすは「天宮」の存在するところ、「シャフト」である。

 コード内の神経網が急激に膨張し、道をふさぐ。
アー・ヘブンの前進をはぱもうとする。
 コード自体も震動している。「天宮」は、小球とコードを、自分のいる
大球から切り放そうとしていたのだ。
アー・ヘブンをコードに詰め込んだまま。


 大球とコードの接合部分はすでに切り放され、コードと大球の鉄表が数10
開いている。
 危ない所だった。アー・ヘブンは、コードの内壁を第3触手を使って突き破
り、からくも大球の鉄表へ降り立りていた。
 切り放されたコードは耳を聾する轟音をあげている。
何かの泣き声の様だった。
コードは小球の方へゆっくりとたぐり寄せられ、ねじ曲がっていく。
何か生き物の断末魔を思わせた。

 アー・ヘブンは鉄表の下を透視して身ぶるいをした。
この鉄表下は驚くべきことに、機械の集合体に変化していた。

本来の岩盤はどうなったというのだ。

 この機械類はスパイダーネットによって集められた宇宙船の部品々のだろ
う。大球全体が機械惑星と化していた。
内部の地層は天宮が変化させてしまったのだろう。

 アー・ヘブンは、この機械類をチェックして、ある事に気づく。
これは危ない。
「天宮」は、何をやりだすかわからない。

 全宇宙に害毒をぱらまくつもりかもしれない。機械のすきまを探査する。
そこがシャフトのはずだ。
それにその部分のみ、構成成分が異なるはすなのだ。
 「天宮」自体が機械と、そのモノの集合体なのだから。

 またそのモノは、、アー・ヘブンと同じ成分を持っているはずだ。

「天宮」の存在するところ、「シャフト」の位置をようやく探し当てた。

怒りという古い感情を思いおこし、鉄表をアー・ヘブンの第3触手でふち破った。

(続く)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第9回●(1987年作品) 
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最終更新日  2011.12.10 18:32:42
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2011.11.08
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第8回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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ユニコーンは,大球と小球を結ぶ通路である「コード」の中を、北の詩人を乗せて、ゴーストトレインの後を走っていた。
「あ、腹の中にいる生物が動いたようたよ。彼に知らせなければ」

ユニコーンはゴーストトレインに向かって大声でどなった。
「ゴーストトレイン、腹の中にいる生物が、今、動いたそ」

それを聞いて、ゴーストトレインは,少しばかり、腹の中にいる生物を消化して動かさしてしまかうと考えた。生物の意識部分だけでも、残してかけば、調査には充分だろう。

ゴーストトレインの腹腔内に分解液を分泌し始める。
分解液は今までに断機類を解体している。

やがてゴーストトレインの腹腔内は分解液で充満し、アーヘブンの体は、液中に沈んだ。

「何だ、この液体は?」
アー・ヘプンの触手の一部が解けていた。

アー・ヘプンはこの液から逃がれようと、再び、触手を全開する。
が、腹腔はアー・ヘプンの触手にあわせ、やわらかく包み込むように自在に拡張した。
いくら試みても、柔らかな腹腔をつき破る事はできない。

アー・ヘブンは今度は、自分の体に蓄積している体内エネルギーを放つ。
光合成によって蓄積されたエネルギーだ。
アー・ヘブンの全身は赤色に輝き、次第に熱をかび始める。

ゴーストトレインの腹腔が、今度はアー・ヘブンの発した熱で溶ける。
穴は徐々院ひろがり、充分々大きさになったのを見はからって、アー・ヘブンは外へころがり堕ちた。

 それでもゴーストトレインは惰性で走り続け、張力が効かなくなった腹腔
は前後二つに裂けた。
上半身は、大球と小球を結ぶ「コード」の内部で、つっぷし、下半身は後にとりのこされたが、あたり一面に消化液が、コード内部にふちまけられた。

 アー・ヘブンはゆっくりと立ちあがり、ゴーストトレインに近づく。

ゴーストトレインはかま首を突然持ち上げた。悲しそうな顔だった。

 『この動く″木″は一体何だったのだろう』
 それがゴーストトレインの最後の意識であった。

動く″木″である、アー・ヘプンはゴーストトレインの半透明の体が、コード内部の空気中に、かえっていくのをながめている。

ユニットコードナンバー 836250
ユニットタイトル 幽霊列車(ゴーストトレイン)

実体化された、情報ユニット「ゴーストトレイン」は消滅した。

大球と小球を結ぶコードの通路上には、二つの光るラインがずっと続いていた。
 急に、後からアー・ヘブンの体に衝撃があった。
 ゆっくりと振り向く。
 ユニコーンだった。

角が、アー・ヘプン体を見事に突き抜けていた。
ユニコーンは自分のペアとゴーストトレインの
敵討ちをしようとしたのだ。

「くそっ、彼女とゴーストトレインをかえせ」
 ユニコーンはそう叫んでいた。

『無益な事をするな』
 アー・ヘブノは悲しくなった。

ヘブンのエネルギーが、ユニコーン角に収斂する。
 ユニコーンの両眼がまっ赤になる。ユニコーンの体はきしり、爆発した。

 コードー面に、肉片が散らばった。
 角は、アー・ヘブンの体に突きささったままだった。

ゆっくりとアー・ヘブンの内部細胞は、ユニコーンの角を、体外へと押し出した。
 角はコード上にころがりがち、ゆっくりと静止する。
角はユニコーンが存在したことの唯一の証拠に見える。

ユニットコードナンバー 386574
ユニットタイドル ユニコーンの旅
情報ユニット消滅。

 しばらくして、アー・ヘブンは、側に北詩人が忍びよってきたことに気づく。
 「北の詩人よ、教えてくれ、天宮はどこにある」

 アー・ヘブンは、この生物の名が自分が「北の詩人」という事を知っている。
北の詩人は、少しづつ消滅しつつあるユニコーンの肉片の側にうずくまり、涙を流していた。
「ユニコーンよ、とうとう、君まていなくなってしまった。僕はひとりぼっちじゃないか」

北の詩人はアー・ヘブンに問いただす。
「アー・ヘブン。なぜ、ユニコーンや、ゴーストトレインを殺したのた。私
の数少々い友人達を」

 北の詩人の言葉にはアー・ヘブンヘの激しい怒りが含まれている。

「許してくれ、北の詩人よ。私にとっても以外なのだよ。殺戮とか抹殺とかい
う狂暴なイメージをふりまく事すら、昔の私には耐えられきい事だった。
が、私はやってしまった。いかなる事があろうと私は「天宮」の元に辿りつかなければ左らないのだ。それが私の使命なのだ」

アー・ヘブンは、悲しげに北の詩人の眼をのそき込んだ。

「それに君達は、この世界には存在しないはずの生き物なのだ。ただの情報ユニットなのだ。それが実体化させられたものだ。生物ではない」
「存在しないはずの生物だって?」

アー・ヘブンを見ていて、北の詩人は想いかこす事があった。
北の詩人は思わず、アー・ヘブンの体に両手をのばし、その表面をなてていた。

アー・ヘブノは詩人の心に悪意のない事を知り、なすがままにした。
「ああ」
急に、北の詩人はうめき声をあげ、ひざをおとした。

北の詩人の眼からは、新たなる涙がこぼれ落ちていた。

「わが家よ、暖かき住み家よ、、」

北の詩人の口からは、そんなフレーズが湧き出ている。

「住み家? どういう意味だ」
「わから々い。ても、僕のイメージ脳が、そう告げている」
涙をたたえた眼て、北の詩人は言う。

「さあ、思い出してくれたまえ。こう質問を変えてみてもいい。君は大
球のなか、一体、どこで生まれたのだね」

「どこで生まれたかって? そういえば、、」
北の詩人は、アー・ヘブンの体から手を放し、遠い所に視線を移して、昔の事を
想い出し始めていた。
「そう、大地の中だ」
「地中はわかっている」

「闇の中、いや光があった。そうだ。空洞があり、私の仲間たちがそこにた
くさん居た」

「仲間がたくさん居ただと?」
「そう。まだ、実体化していない多くの仲間だ」

「いったい、君やゴーストトレイノは何者なのか、わかったか」
「僕達は、、僕達は、そう、情報ユニットが実体化されたものだ」

北の詩人はそこまで言うと、突如、その場に倒れた。
自分白身の記憶の復活があまりに強烈だったのだ。これは事実々のたろう
か。イメージ脳がくるったのか。そう、北の詩人は考えていた。

 脳裏には、かつてアー・ヘブンに似たモノ、動く″木″、に記号を印した事を思い出している。

すっと昔の事だ。

『かしのきに、ナイフでしるしを……』

(続く)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第8回●(1987年作品) 
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最終更新日  2011.12.10 18:33:33
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2011.11.07
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第7回●
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北の詩人は考えていた。
私はどこへ行くのだろう。

北の詩人は、ユニコーンから降りて、大球と小球をつなぐ「コード」の中間地点である通路に腰かけていた。
やがて、北の詩人は、通路の奥、つまり「小球」側に近い所から大きな音が響いてくるのを聞いた。

伺だろう。
北の詩人は、すぐに立ち上がると、ユニコーンに音のした方向へ進むように命じた。

 ゴーストトレインは、倒れているアー・ヘブンの体をさぐる。
かま首をヘブンの体にあてる。
鼻先から黒い舌の様なものが飛びでる。
どうやら、今までにむさほり食った新機知の知いてはカいらしい。

端をすこしばかり、かじってみる。
 表面は固いクチニン質で被われている。
この舌ざわりは、ゴーストトレインにが木というイメージ         
語を、意識巣から思いおこした。

 同時に、レール。枕木という単語が、意識巣から、頭の中に、こぼれ落てくる。
 このイメージはすぐさま、ゴーストトレインの支配者である[天宮]へ送られた。

 天宮は木というイメージ語から、自分の体を構成するモノとの相似に愕然とした。
「木だと。誰なんだ。誰かが、私に何かの信号を送っているのかもしれん。私は長い間、眠りについていたのだ。私の覚醒におびえている者がいるかもしれん』

 天宮はコードにいるゴーストトレインに命令する。
『ゴーストトレインよ。その侵入者を食べるな。侵入者を積み込み、大球へ
戻ってこい』

 北の詩人は、ようやく、その場所へ辿りついていた。目の前でゴーストトレ
インが伺かを食べようとしていた。

 よく見るとゴーストトレインは、その何かを噛まずに、飲み込もうとして
いた。

北の詩人にとって、飲み込これたものの姿は、彼のイメージ脳をいたく刺激した。
 北の詩人の眼から、いつしか温いものが流れていた。
 「この液体は! ああ、そうだ、「涙」というんだったな」

 北の詩人は独りごち、手で涙をぬぐう。

『なぜ、涙が流れるのだろう。それにこの心の奥から湧いてくる切ない気持
はなんだろう』

 さわりたい。

あのアー・ヘプンの体にふれてみたいと北の詩人は思う。

 なぜか、北の詩人は、その物体がアー・ヘプンという名を持つ生合体である事
を知っていた。
 北の詩人の手は、ゴーストトレインの半透明々体を貫き、すでに消化器に入っているアー・ヘブンの体をなでまわした。

 ゴーストトレインは、いつの間にか詩人が現われた事や、さらに自分の体
の中の生合体をさわって泣いている事に驚いていた。

 ゴーストトレインは、北の詩人を見た。一体どうしたのだという表情で。

『いったい、この侵入者は伺なのだろう。

かつて、大球と小球をつなぐコードにある透視層を突き破った生命体はいなかった。それになぜ北の詩人が泣いているのだ』
 ゴーストトレインは、不思議に思った。
「ねえ、北の詩人、君は、この生合体を知っているのか」

「いや」 北の詩人は首を振る。そして続けた。
 「知らない。が、とてもなつかしい気がするんだ。この侵入者に触れてみ
たかったんだ」

 「なつかしいだって? どんな気分々のか、俺にはわからないなあ。とに
かく、俺は「天宮」さまから命令を受けている。この生物を「大球」までつれて帰れとね」
 ゴーストトレインは、寂びしそう力顔をしている北の詩人に尋ねた。
 「俺と、一緒に来るかね」
 「いや、僕はユニコーンに乗せてもらうよ」
 「そうか、それじゃ、俺は先にいくぜ」
 
北の詩人は、後をふりかえってユニコーンを呼んだ。
 ユニコーンは、対のふたつに分かれた死体のそぱにいた。ユニコーンは無
心に死体にしゃべりかけていた。

「君は、どうして、僕と一緒に実体化しなかったのだろう。僕は待っていたん
だよ。いつの間にか君が僕達を追いこして、コードにはいっていたなんて……」
「ユニコーン、こっちに来てくれ」
 今度は、北の詩人の声が聞こえたらしくユニコーンは、北の詩人の側にやってきた。詩北の詩人の様子に驚く。

 「どうしたんだい、泣いているのかい。何か、悲しいことでもあったのかい。そう泣かないでかくれよ。僕も、彼女が死んでいるのを見て驚いているんだ」
 北の詩人が、心配そうに尋ねた。
「彼女だって、あのユニコーンか」

「そうなんだ。情報ユニット「ユニコーンの旅」とは、僕と彼女の小球への旅々なんだ」
「そうか。悪い事をしたんだね、僕は」
 北の詩人は、また泣き出した。
「しかたがないよ。もう彼女は生き返りはしない。早く、僕の背中に乗りな
よ。ゴーストトレインを追いかけるんだろう」
「頼むよ」
「でも、なせ、ゴーストトレインに乗せてもらわなかったんたい」

 北の詩人は答えす、首を左右にふった。
「わかったよ、泣かないてくれよ。僕もとても悲しいよ」

 アー・ヘブンは、ゴーストトレインの腹腔で、徐々に回復しつつあった。傷
ついた表皮は復原機能が働き、元に戻りつつあった。

 アー・ヘブンは自分の体が、振動しながら移動していることに気づく。体
が空中に浮かんでいる。
 空気が高密度に収斂し、動いている。空気の構成因子が膨張し、実体化さ
れ、ゴーストトレインという一つの生体機械を作り出しているのだ。    
 ゴーストトレインの車体部分はほとんど古代の動物そのものであり、しか
も半透明だった。

 アー・ヘブンは腹腔の中にとらえられたままでいようと思った。
そうすれば、天宮の元まで、おのずと連れて行ってくれるだろう。

(続く)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第7回●(1987年作品) 
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2011.12.10 18:34:37
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2011.11.06
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第6回●

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アー・ヘブンは意識をとり戻す。
奇妙な液体がアー・ヘブンの体をとりかこんでいる。
アー・ヘブンはすばやくこの液体の成分を分析する。

 塩分、鉄分、鉱物資源を多く含む液体層。それが透視層だった。

 この中で生物体はやすらかに眠り、その眠りの間に、生体や生体細胞、生
体情報が、すみからすみまで分析される。


 アー・ヘブンは,層内には数々の星の、種々の精一構造を持つ星人の意識が
浮遊しているのを読みとっていた。
それらの意識は、スパイダーネットによってつかまえられた星人の意識なのだろう。
 この透視層に浮かんでいる星人の意識は、色々な事を叫びつづけている。
幻想的なイメージでー杯なのだ。そのイメージは一種、心のトリップをかもわせ、アー・ヘブンも興昧屎かった。

 私も、そんな意識因子になるのか。

アー・ヘブンは、快いまどろみの中でそう感じた。

それもいいかもしれない。
ハーモナイザー末端部の個性群体に属していた時の気分に戻っていた。
 羊水の中にいるようだ。

 アー・ヘブンの心は、さまよっている。
 それはとてもいい気分であり、、長い宇宙飛行のあとの休息、、
それに、体もバラバラに解体され……
 すでに「アー・ヘプンの切り離された肉片」が解けて、同化しようとしていた。

 『何をしている、アー・ヘブン』
 心の奥で光るものがあり、それがまどろみをさえぎろうとする。
 
『アー・ヘブン、お前の使命は何だ。それを思いだせ』
 その声は明らかに怒っていた。
 アー・ヘブンに言いきかせている何かが、アー・ヘブンの心のどこかにいた

 『その透視層の中から抜け出せ。溶液の中から逃げ出すのだ』
 光の声は、そう叫んでいた。
 まどろみたい、この安らかな溶液の中で。
 意識が再び沈んでいきそうだった。

相反する二つの意志。
アー・ヘプンの心はまっ二つに分裂する。

そんな気がする。
どうすればいいのか。
自問自答する。

 意識の中の光が、働いていた。
『はい出すのだ」

 アー・ヘブンは、自分の球体に内包している全ての触手を、全開した。
 3番目の触手が、透視層の外壁を一気に突き破っていた。
 破れ口は拡がり、溶液は流れ出て、勢いにのって、アー・ヘブンも押し出
された。
 溶液に含まれている種々の星入の意識が、コードの内壁に拡がる。
それらはバチバチと音をたてて、コード内に張りめぐらされた「天宮」の神経糸を刺激した。

 アー・ヘブンは、しばらく倒れていたが、肉体としてなんとか立ちあがる。
アー・ヘブンはの視覚組織は、自分の目の前にいる生物体を読み取っていた。、

 その生物体はたしか、、、、。
 天宮に関する知識を、プレイバックする。
 「そぅだ、新機類か」
 アー・ヘブンは、思い出していた。
 このユニコーンは、ハーモナイザーが作り出したものだ。そう確か、ハーモ
ナイザーが天宮を監視するために、新機類と呼ばれるユニコーン型の観測機械を大球上に配置したはずだ。

 が、何かが少し違っている。

 アー・ヘブンは、ユニコーンに意識を送り込み、意識を融合しよぅと努めた。
しかし、アー・ヘブンの意識は、はじきかえされた。
やはり変だ。
ユニコーンの意識に同化できない。

 ハーモナイザーの意識の一部であるならば、たやすく「アー・ヘブン」と内部
で意識融合できるはずガのだ。が、意識の融合現象は、おきなかった。

 あきらかに、そのユニコーンは何ものかに加工されたに違いなかった。
 アー・ヘブンはゆっくりと、ユニコーンヘ近づく。

 それより先に、ユニコーンの方がアー・ヘブンヘ接近してくる。
ユニコーンは勢いづいていた。ユニコーンの角がキラリと光っている。
眼には憎しみの感情があふれている。

 感情だと! 

それも憎しみの!

アー・ヘブンには理解しがたかった。
憎しみの感情がまだ残っているのか

 このような感情は、ハーモナイザーの世界には存在しないはずだ。
憎しみの感情が、こんきに原始的な形で存在しているなんて!
 アー・ヘブンは、未知の異なる存在に対する反応をおこしていた。
 ユニコーンは、あきらかに、私アー・ヘブンを抹殺しようとしている。
 「抹殺!」
 何んという、
原始的な感情なのだろう。

 が、アー・ヘブンも古い本能を思い出していた。

それは、先刻、透視層をつきやぶった時から、徐々に、アー・ヘブンの心を
浸しつつあり、自分でも統禦できないものだった。

 「身を守る」という概念が、古い意識の下から蘇ってきていた。
 ユニコーンの角は、アー・ヘブンの第一表皮に接触した。
 瞬時、アー・ヘブンは自らの体内エネルギーを解き放っていた。
ユニコーンは動きを止め、胴体の真中からばっくりと二つに割れた。
腹腔から、ずるっと内臓があふれ出た。
湯気をあげているそれは、機械内臓ではなく、有機体のそれだった。

アー・ヘブンは第一触手を、ユニコーンの体内に這わせ、神経記憶を
読みとろうとした。

『彼女が目ざめた時、すでに連れはいなかった。彼女は彼と旅をするはず
だった。どうやら「北の詩人」という存在とすでに旅立ったらしい。
彼女、ユニコーンは、彼「北の詩人」を求めて、大球をさまよった。
が、大球では見つけることができなかった。

しかたなく、彼女は、コード内に侵入し、異物とそうぐうしたのだ:・・

「この記憶は……」

アー・ヘブンがユニコーンの記憶に驚いた一瞬、危険という概念が、電
撃の様に体を貫いていた。

巨大な物体に、アー・ヘブンははじき飛ばされていた。

(続く)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第6回●(1987年作品) 
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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最終更新日  2011.12.10 18:35:56
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2011.11.05
封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第5回●
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ユニコーンと北の詩人が歩みはじめた、その地下、つまり「大球」の奥深く
存在する純粋思考体、新しく目覚めたばかりの「天宮」は異物の飛来を気にやんでいた。

そしてまた、「大球」の鉄表面でも、大いなる生態系の変化が、起こっている。
つまりは、すでに大球の表面に生棲していたハーモナイザーからの監視者=ユニコーン達、新機類、はゴーストトレインが喰いつくしている。

覚醒したる「天宮」は、情報ユニット「ゴーストトレイン」を実体化させると
同時に、その「ゴーストトレイン」の感覚を共有している。

つまり、「天宮」イコール「ゴーストトレイン」。
そして、不思議なことに同じく実体化させた情報ユニットである「ユニコーン」と「北の詩人」の心情、感覚も理解して、共有しているのだ。

覚醒したる「天宮」は、「大球」の鉄の表面には、存在しえない生物体を
実体化させ、「大球」「小球」の生命生態系を、大いに改革しょうとしている。
まるで、別の星になるように、、

何匹めかのユニコーンを倒した時、「大球」につながる「小球」に存在るう
大いなるハモナイザーの監視機構「生命球」から、危険信号が天空にむかい放たれたのを、機械群の共生体「天宮」は感じていた。

さらに、むずがゆさとでも呼べばいいのだろうか、ある種の奇妙な感
覚を天宮の予知能が感じていた。

目覚めたる機械群の共生体「天宮」にとっての「敵の存在」である。
「生命球」以上の存在。
ハーモナイザー?、しかし、今感じる脅威は、それではなかった。


「天宮」、
その気持は、新機類を喰いつぶした時のゴーストトレインの様な荒々
しい気持とは異なっている。

何か細やかな手ざわりを持つもの。

そう、なつかしい人?の手?のイメージが、天宮の全感覚の中にひろがっていく。
人?
 手? 
それは、何だ。
「天宮」には記憶にない。あるのかの知れないが思い出せない。

やわらかき手。
そして人間のイメージが、、。

しかし、天宮は、そのやわらかい手によってにぎりつぶされるイメーージを描いた。
「自分は滅びるかもしれない」、
そんな予感を、覚醒したばかりの「天宮」は感じているのだ。


ハーモナイザーの使徒、「アー・ヘブン」の空間飛翔体、
つまり「胞子」は、急に襲ってきた「粘性の網」に包まれている。

胞子の持つ推進力が、この粘着力のある網に対してはまったく作用しないのだ。

あらゆる方向に動くことは動くのだが、一定の距離に達すると、反作用でま
た元の場所へ戻ってしまう。
つまりは、アー・ヘブンはみごとに敵の手中に陥ったようだ。

ここは「敵」の勢力圏の中である。
「敵」イコール、ハーモナイザーせざるモノたちである。

恒星「タンホイザー=ゲイト」の中心部、緑色の液体で充たされた空間。
その場所に浮遊する巨大な″木″。″木″は意思の集合体であり、「ハーモナイザー」と呼ばれる。

この粘性のネットは、俗に「スパイダー・ネット」と呼ばれている。
「天宮」は、小球をチューナー部分として使い、自分の膨大な情報ユニットが持つ、色々なイメーージを宇宙にまき散らし、そのイメージ像に、興味を持った宇宙船を呼び寄せていた。

 そして、その宇宙船を、大球と小球を結ぶコードから発射される「スパイダ
ーネット」でからめとっていた。

 「天宮」は、その船のメインデータバンクや乗員から全宇宙の知識を盗み出していた。

「天宮」は、自分の存在を検証しているのだ。自分とは何か。そして
何のために存在するのか。そして大なる覚醒の意味合いは、何なのか?


 アー・ヘブンの乗った胞子は、ゆっくりとコードヘ引き寄せられていた。
 ハーモナイザーの使徒、アー・ヘブンは、自分の分かれている位置をじっくり観察する事にする。
 まっ黒な表面で包まれている「大球」のまわりをゆっくり「小球」がまわっている
。小球は大球の何分のIかの大きさで衛星のようだった。
 睡眠学習によれば、「大球」は、遠い昔、ハーモナイザーと争い、敗れたとの
事。その時、「大球」はみずからの意志で、大球表面上の生き物をねこそぎ滅ぼした。

 大球が黒い表面、鋼鉄で被われているのは、ハーモナイザーによって封印
されたからだ。宇宙の邪悪な星として。

 睡眠学習を再生中のアー・ヘープンの体にいきなり激しい衝撃が伝わる。
 アー・ヘブンの意識は停止した。
 ついに胞子は、スパイダーネット」によってコードまでたぐり寄せられ、凄
まじい圧力を加えられた。

「胞子」は圧力で消滅しアー・ヘブンは裸のままとり残される。
アー・ヘブンのまわりを包み込んでいた胞子の構成要素は瞬時に消え去っていて、
 破片を分析しようとしてコードからはりだした、「天宮」の「感覚枝」は、むなしく空をがでた。
「感覚枝」は天宮の、実在化する神経細胞であり、手の役割をする。

感覚枝は、代りに、とり残されたアー・ヘブンの体をとらえた。
コードの一部に穴が開き、感覚枝はアー・ヘブンをその穴の中へ引きずり込む。

感覚枝は、アー・ヘプンを、巨大&プールヘと送り込む。
このプールは、コードにある透視層で、生命体が解析される場所だった。

(続く)
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