24.エレキ二十四、エレキギターの楽しみワシの兄泰俊は篠山産業高校を卒業すると、京都市日向町の『長計量株式会社』という会社に就職した。そして仕事のかたわらエレキバンドを組んで演奏していた。兄はボーカルやっとったなあ。ちょうどザ・ベンチャーズがはやりまたビートルズもはやったころだわねえ。当然ワシも影響を受けたわい。それでワシゃ四人メンバーを集めたのだわい。前川(建築科、谷川出身、リードギター担当)、藤原(建築科、西脇出身、サイドギター担当)、斎藤(建築科、和田山出身、ドラムス担当)、山口(機械工学科、氷上出身、ベースギター担当)。バンドネームはThe Jupiters(ザ・ジュピターズ・土星)ちゅうんじゃ。いったいどうせいちゅんじゃい。実はインストゥルメンタルと言って演奏のみで歌無しのエレキバンドだった。自分で言うのもなんだが、なかなかええバンドじゃったぜ。音楽部の部活はほぼ毎日プレファブの部室で行った。なかなか楽しかった。ワシは自分のベースギターの低音にしびれてしもうた。我らジュピターズのレパートリーは 1 パイプライン 2 イエロージャケット 3 レッドリバーロック 4 二人の銀座 5 朝日の当たる家 6 クルーエルシー 7 ダイヤモンドヘッド 8 霧のカレリア 9 レッツゴー といろいろあった。高専祭では活躍したよ。わざわざ泰俊兄のいる京都の長計量の寮へ行って、でっかいエレキアンプを借りてきた。京都市向日町からごろごろと大きなアンプをころがしながら大変な思いをして電車で明石市魚住町まで運んできた。なんせ借り賃は只じゃろが、ただ交通費はワシ負担。我らがザ・ジュピターズは非常に人気があったなあ。ワシのベースギターは姫路の楽器店で買った。値段は忘れた。が、意外と高かった。五万円くらいだったかもしれないなあ。昔ビートルズのポールマッカートニーが使っていたようなバイオリン形のベースギターじゃった。だからよく練習したぜ。楽しかったからね。おまけにワシの髪は長髪じゃった。これがウエーブがかかってよく似合うておったじょ。本当だよー。残念ながら写真を残さなかったわい。 我々の他にもう一つバンドがあったなあ。片野(建築科、大阪出身、ドラム担当)、藤原(機械工学科、大阪出身、ベースギター担当)、大槻(機械工学科、加古川出身、ボーカル・タンバリン担当)、高見(土木、奈良出身、リードギター担当)、内橋正和(土木、エレクトーン担当)の五人。彼らもなかなか実力があった。高専祭のダンパンでは我々はものごっつう活躍したもんじゃ。 『音楽』ちゅうもんはほんまにええもんじゃのう。書いて字のごとし音を楽しむのじゃ。ワシゃ今だにエレキギターのサウンドが大好きじゃよ。心がひろく大きくなるのではないかいねえ。テケテケテケは最高じゃったのう。今でもしびれとるぜ。今年平成十五年はザ・ベンチャーズ公演に四回もいったぜや。平成十五年九月六日には府中の森劇場に行ってきた。最高に楽しかった。九月十三日にも中野サンプラザに行ってきた。 |