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ポンコツ山のタヌキの便り

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2005年12月24日
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カテゴリ:鹿児島
「おいどん」という言葉を耳にしたら、大概の人は鹿児島弁で「私」を意味する一人称単数だと思われることでしょう。

 この「おいどん」という言葉、岩波書店の『広辞苑』で調べると、「(一人称。鹿児島方言) おれ」としており、さらに三省堂の『大辞林』では、「一人称。おれ。薩摩武士の言葉として知られている」としています。

 これらの国語辞典の解説のように、私も「おいどん」は一人称単数として昔の薩摩の士族たちが使っていた言葉なのだろうと理解していました。それで、2005年10月19日のブログに載せた拙文「 若者の会話から消えていく鹿児島弁」にも、「私が鹿児島に来る前の鹿児島弁のイメージは『おいどんは西郷隆盛でごわす』なんてものでした」と書いたことがありました。

 ところが、上記の拙文をアップしてから2ヶ月後に、鹿児島出身でHP【♪聴きながらゆったりと…】を運営しておられるめどうさんから「おいどん」についてつぎのような貴重な指摘をいただきました。

 めどうさんのご指摘によりますと、「おいどん」は「わたしども」という一人称複数を表し、「どん」は「共」という意味だとのことです。めどうさんのこのご指摘に、私は「トリビアの泉」で「へーへーへーへーへー」の押しまくり状態になりましたよ。

 それで、書店で鹿児島弁関係の本を調べてみましたら、大久保寛『さつま語辞典』(高城書房、2002年12月)に確かに「おいどん」についてつぎのような解説が載っていました。

   [俺共] (「どん」は、複数を表す場合と婉曲表現とがある)

 「おいどん」が婉曲表現として使用される場合は、「わたしくども」「てまえども」といった意味になるということなのでしょうかね。

 なお、同辞典によると「おい」が「俺」の意味で、同輩以下に使う自称のようです。橋口満『残しておきたい鹿児島弁 PART1』(高城書房、2002年7月)にも、「いまん見ちょけ 俺(おい)やってん/見あぐいほどん 大木い/なっ見せじ おっもんか」(今に見ていろ 俺だって/見上げるほどの 大木に/なって見せずに おくものか)との「志学の唄」や「ぼい ぼい/とーまれ/おいが手にとーまれ」(蜻蛉よ蜻蛉/とまれ/俺の手にとまれ)との「蜻蛉とり歌」等を紹介しています。

 それから、めどうさんが「おいどん」という言葉が出てくる鹿児島のわらべ歌「おいどんがちんけとき」(われわれがちいさいとき)が載せられている寿小学校のホームページの「鹿児島の歌と方言」のページを紹介してくださいました。私は、この歌の歌詞やメロディを初めて目にし耳にしましたが、メロディがすぐ耳になじんでしまう、なんだかとても懐かしい感じの歌ですね。

 なお、めどうさんは、「おいどん」について、それを「単数形一人称代名詞とする鹿児島弁サイトなどもありますが、正直言って苦笑いです」とされるとともに、「私も徹底的に調べたわけではありませんが、『おいどん』という単数形一人称は、公の場で使うような正統的な鹿児島弁ではないように思います」とコメントされています。そして、「『おいどん』という単語を研究するならば、現在出版されている新しい書物は信頼度という点から疑問を感じるので、歴史の生き証人としてのお年寄りの言葉や、明治以前の古い文献だけを対象とするべきではないでしょうか」ともおっしゃっています。

 めどうさんのご指摘、本当にその通りだと思います。「おいどん」という言葉の本来の意味やそのニュアンスについて興味を持たれた方は、ぜひお年寄りへの聞き取り調査や古文献調べからあらためて検討を開始されたらいいですね。






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最終更新日  2005年12月26日 23時25分12秒
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