ポンコツ山のタヌキの便り

2014/06/21(土)23:22

劉賓雁良知賞について

中国(19)

 私は劉賓雁という中国の作家について以前調べたことがあり、拙サイト「やまももの部屋」にも「劉賓雁と『人妖の間』」をアップして紹介していましたが、彼が米国で2005年12月5日に死去してから8年後の2013年12月30日にワシントンD.C.で「劉賓雁良知賞」が設けられ、翌年の2014年2月に第1回目の同賞受賞者として陳子明、王之虹夫婦が選ばれたことを最近になって知りました。      ↓  「縦覧中国」   http://www.chinainperspective.com/ArtShow.aspx?AID=24061  同賞設立の宣言文の一部を中文和訳するとつぎのようなことが書かれてありました。 「現在、中国の危機がいたるところに存在する状況下、最も深刻で最も危険で最も中国の体面を傷つけている危機は、空前の精神の壊滅と道徳の普遍的堕落であり、史上前例のない礼崩楽壊(社会の綱紀が紊乱し、騒動が止まず安寧でない時代を形容)状態となっている。劉賓雁の悲しみと憐れみを一身に背負い、仁愛と公義、寛厚と精進は益々中国人が自ら救い贖うことを切に求めている精神遺産である。このことに鑑み、私たちは国内外の碩学、鴻儒と志士たち(2名の中国を熱愛する西洋の中国研究者を含む)によって「劉賓雁良知賞」を設け、本賞の趣旨に合致した現代の中国人を表彰し、我が民族が粉々に打ち砕いてもまだ骨や血が残っている精神の河や山を取り戻そうではないか。  私たちは、 ヴォルテール、ユーゴーやソルジェニーツィンたちが18、19、20世紀の欧州とロシアの精神潮流を誘導したように、劉賓雁が聖賢の様を具有する良知の手本となって21世紀の中国の道徳復興と文明の再建の導きとなることを深く信じるものである。  『劉賓雁良知賞』の趣旨:自由と民衆の立場を取り、イデオロギーと政党党派を超えて良知と人文の理想をオリジナリティ豊かに書き上げてたり社会に貢献したことを表彰するものである。」  なお、劉賓雁良知賞第1回受賞者の陳子明、王之虹夫妻は中国の現政権と意見を異にする民主活動家で、陳子明はその民主化を求める活動で逮捕され、北京で監視居住に処せられていましたが、2014年初にアメリカのボストンで病気治療することが許可されています。

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