|
カテゴリ:落語
昨日(4月24日)は鹿児島市民文化ホールで立川志の輔独演会があり、夫婦で大いに楽しんできました。 独演会の幕が開くと最初に立川志の輔師匠のお弟子さんの立川志の麿さんが「つる」、立川志の太郎さんが「元犬」を演じ、その後に立川志の輔師匠が高座に上り、まず「スマチュウ」を演じ、中入り後に「江戸の夢」を演じました。 立川志の輔師匠の「スマチュウ」は、まくらのネタに首相官邸屋上に落下したドローンのことや北陸新幹線の富山開通のことなどを取り上げて軽妙に笑いを取り、つぎに志の輔師匠が故郷の富山に飛行機で公演に出かけたとき、悪天候のために到着空港が変更になり、出迎えの女性スタッフが大わらわとなって途中のコンビニでスマホを雪の中に落したが、お弟子さんが着信させて発見したというハプニングを面白可笑しく語って観客を大爆笑させた後、本題の新作「スマチュウ」に入っていきました。 新作「スマチュウ」の意味はスマホ中毒のことで、ネジ工場社長のところに大学生の甥が卒業旅行の費用を借りに来るのですが、この甥が会話している間ずっとスマホをいじっており、こんなスマホを肌身離さず常に持って操作している甥の態度に社長が腹を立てて叱り出します。ところがこの社長がどこかに置き忘れていたスマホを奥さんに見つけられ、奥さんに隠れて付き合っている女性からのメッセージを読まれて大慌てするという噺です。オチは社長がスマホは肌身離さず常に持つべきだと実感させられるというものですが、現代社会に無くてはならなくなったスマホを主題にしたなかなかの傑作でした。 中入り後に高座に上った志の輔師匠は、がらっと雰囲気を変えて時代物の人情噺「江戸の夢」を語り出しました。この噺は六代目三遊亭円生が高座に掛けていたものだそうです。庄屋の娘のおはるが奉公人の藤七が好きになり、母親は氏素性も判らない藤七を婿にすることに反対しますが、父親の庄屋は気立ては良く、よく働いて品性も良い藤七ならと祝言を挙げさせます。その後、庄屋夫婦は江戸見物に出掛けることとなり、藤七から彼が大事に育てていたお茶の木から作ったお茶の葉を浅草の奈良屋に寄ってその出来栄えを鑑定してもらいたいと依頼されます...。 なお、この「江戸の夢」は、元々は宇野信夫が昭和十五年(1940年)に六代目菊五郎と初代吉右衛門のための歌舞伎として書いたもので、昭和四十二年(1967年)に宇野自身の手で圓生のために落語化されたものだそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年04月25日 17時47分21秒
コメント(0) | コメントを書く
[落語] カテゴリの最新記事
|