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落語

2017年07月16日
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カテゴリ:落語

          
 
 七月十五日(土)に南日本新聞会館「みなみホール」で鹿児島市で第8回「立川志らく独演会」が開かれました。

 前回に引き続き まずこの独演会の前座をつとめたのが立川らくぼさんで、高座で「山号寺号」を演じました。幇間(たいこもち)の一八が若旦那にすべてのものに山号寺号があると言い、例えば「金竜山浅草寺」、「東叡山寛永寺」、「成田山新勝寺」なんて言って知識を披露しますと、意地悪な若旦那が「すべてのものに山号寺号があるなら、いま居る場所にどんな山号寺号があるのかい」と訊き、困った一八に「芸人なら言えるだろう。言えたら一円やろう」と言いますから、そこは幇間の一八ですから知恵を絞って、「おかみさん(山)拭き掃除(寺)」、「乳母(おんば)さん(山)子大事(寺)」、「時計屋さん今なん時」、「高島屋さん左団次」なんて言葉をぽんぽん言います。財布が空っぽになった若旦那が「今度は私がやろう。出した祝儀を全部私の手に乗せてごらん」と言い、手に乗った財布を懐にグッと押し込んで、「一目散随徳寺」と叫んでその場を逃げ出したので、一八は「あ!南無三しそん寺」と残念がったったとか。


 さて次に立川志らく師匠が高座に上がり「親子酒」を演じますが、そのまくらに師匠が去年からテレビ番組「ひるおび」のキャスターに登用されてから、昨年上半期と比較して出演番組が129本も増加し、「2017上半期ブレイクタレント」部門で、師匠がなんと1位を獲得したと意外な事実を披露して会場を笑わせました。

 志らく師匠は以前はテレビに余り出ない理由として、「老舗の味を守っているんだ。笑点はファミレスのようなもんだ」と言って会場を爆笑させ、最近テレビで師匠の態度や発言が原因ですぐ「炎上」が起こると言い、例えば「行列のできる法律相談所」に出演したとき、りゅうちぇるが発言しているときに仏頂面していたと批判されたそうで、師匠のそんな態度が一部視聴者に悪い印象を与えてしまったようで、「立川志らく、そんなに嫌ならテレビに出なくていいと思う。こっちも見たくないしね」「立川志らくもテレビ的な笑いに付いていけねーならテレビ出んなよ。見てて不愉快だよ」「立川志らくみたいなやつを老害って言うんだろうな」などと手厳しい意見が噴出し、志らく師匠は後日ツイッターで「私はいつも通り、いやかなり緊張してと言うのもああいう空間に慣れていないからそれが不遜な態度に見えたみたいです。でもスタジオの空気はとっても良くスタッフも喜んでくれた。テレビでは悪く見えてしまった。陳謝」と釈明したそうです。

 テレビに出るってことは、視聴者がタレントに賑やかな場の雰囲気に迎合して笑い興じる姿を求めているようで、下手をすると芸風がファミレス化し、老舗の味が守れなくなる危険性があるようですね。

 さて肝心の高座で演じた「親子酒」ですが、見事に志らく師匠の「親子酒」にしてしまい、久しぶりに酒を飲んだ父親の酔いが深まる毎に愚痴ったり、悪口を言ったり、世相批判までやり出すというもので、悪口では立川志の輔師匠が「ためしてガッテン」では健康によいものを推奨しているのに、普段の志の輔師匠は立っているのがやっとの不健康そのものだとか、テレビで目のすわった松居一代ネタまで飛び出し、爆笑の連続技にウームと感心させられました。

 中入りの後、再度高座に上がった志らく師匠の演じた演目は「中村仲蔵」で、先ほどの高座とうって変わって抑えた演出で、歌舞伎役者の苦悩を通じて志らく師匠の聞き手と芸人のせめぎ合いが芸を高めていくという自論を強く打ち出していました。おそらくテレビに出ることによる芸のファミレス化を自ら戒める噺ではないかと私は受け止めました。

 独演会終了後にサイン会があり、師匠に断ってサインのみならず写真も写させてもらいました。







最終更新日  2017年07月16日 19時53分34秒
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2016年07月17日
カテゴリ:落語
志らく

 7月16日南日本新聞会館「みなみホール」で鹿児島市で第7回「立川志らく独演会」が開かれました。

 まずこの独演会の前座をつとめたのが立川らくぼさんで、高座で「大工しらべ」を演じ、家主の因業ぶりに堪忍袋の緒が切れた大工の棟梁が家主に対する批判を立て板に水とばかりにまくしたる場面はなかなか小気味よかったですよ。

 さて次に立川志らく師匠が高座に上がり「死神」を演じますが、そのまくらに笑点メンバーの変更と東京都知事立候補の顔ぶれを話題に出しました。

 笑点では林家三平の「抜擢」に多くの落語ファンが首を傾げたことと思いますが、志らく師匠は「三平が笑点に出ることで、しばらくは彼の落語を聞かなくてすむ」と言って観客を爆笑させ、笑点の司会に春風亭昇太が選ばれたことに触れて、志らく師匠にも笑点メンバー入りの話があったが、「司会ならやってもいい、そのとき立川談春を座布団運びにして、談春、座布団三枚持って行きなさい」なんてやりたかったと言ったのでまたまた会場に大爆笑が起こりました。

 都知事のことでは、桝添さんのようなネズミ男が公私混同疑惑に居直ったので、記者団の怒りが強まったと言って笑わせ、石原慎太郎の都知事時代には桝添さんがやったようなことを日常的に行っていたとし、批判されたら「なにが悪い」と激しく反論して黙らせてしまっただろうと言ったので観客はなんとなく納得。

 都知事選に鳥越俊太郎さんが立候補したが、頭脳明晰な人だと思っていたが、「私は昭和15年生まれで、終戦の時20歳でした」なんて言って(終戦は昭和20年で鳥越さんは5歳になります)、簡単な計算もできなくなっているようですと笑わせ、同じく都知事選に立候補した小池百合子さんの「崖から飛び降りる覚悟」とう表現が「清水の舞台から飛び降りるような気持ち」なら分かるが、テレビのサスペンスドラマで最後は崖の場面にする設定を連想させる発言だと言って爆笑させ、自民党が増田さん以外を応援したら自民党を除名なんて言っているが、もし小池百合子さんが当選したら、自民党総裁の安倍総理は必ず「小池さんは我が党の人間です、都政を頑張ってもらいましょう」と言うだろうから、増田さん以外を応援したら除名と言っていた当初の方針に従うなら、総理も除名ってことになるんじゃないかと皮肉ったのでまたまた爆笑が起こりました。

 まくらで大いに笑わせてから本題の「死神」に入りますが、この演目はいまや古典落語として多くの噺家が演じていますが、そもそもは三遊亭圓朝がヨーロッパの死神説話を日本に輸入し翻案したものと解説してから、志らく師匠風にアレンジして笑いをつぎつぎと生み出します。例えば、死神が主人公に「病人師匠がの足下に死神がいたら、つぎのように唱え、手を3回ぱーん、ぱーん、ばんと叩いたら元気に生き返る」と教えるときのその呪文がなんと「あじゃらかもくれん、石田純一、あなたはいったいなにをしたかったのでしょう」という言葉だと説明したので、会場に大爆笑が起こりました。

 中入りの後、再度高座に上がった志らく師匠の演じた演目は「たまや」で、これは師匠が「天国から来たチャンピオン」をシネマ落語化した演目でした。志らく師匠の著作『シネマ落語』(河出書房新書、2009年11月)の第1話に文章化されたものが載っていましたが、高座で師匠が演じた演目としては初めて耳にした噺でした。若き花火職人の辰吉が川開きの前に馬に蹴られて不慮の死を遂げますが、これがあので死神の手違いと判明し、大店の旦那で妻に毒殺された大宮徳兵衛として生き返ることになります。そこで徳兵衛が取り壊そうとしていた長屋住まいのおたまと徳兵衛として生き返った辰吉とが不思議な恋に陥るという純情ラブロマンスが展開します。不思議な関係で出会った二人が、さらにまた不思議な関係で再会するラストは思わずほろりとさせられてしまいました。






最終更新日  2016年07月19日 13時52分07秒
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2016年05月22日
カテゴリ:落語
   市馬

 昨日5月21日には、南日本新聞会館みなみホールで開かれた柳亭市馬独演会を楽しんできました。鹿児島での師匠の独演会は今回で第4回目なんですが、私たち夫婦は昨年は欠席しており、久しぶりで師匠の美声を楽しんできました。

 柳亭市馬師匠といえば、 「山の あな あな ねぇあなた」という題名のCDを出しており、「俵星玄蕃」、「会いてえ なぁ ふる里に」で美声を聞かせ、今年の4月29日に放送されたNKH FM「今日は一日戦後歌謡三昧」では加賀美幸子アナウンサーと一緒に司会を務め、ときに同番組で美声を響かせていました。そんな師匠の独演会に来られたお客さんたちの期待の一つに師匠の美声を聞くことがあったことは間違いありませんね。なお今回の独演会の演目はつぎの通りでした。

 柳亭市江  子ほめ
 柳亭市馬  かぼちゃや
 柳亭市馬  狸賽
   中入り
 柳亭市馬  片棒

 柳亭市江の「子ほめ」の後に柳亭市馬師匠が高座に上がり「かぼちゃや」を演じましたが、この噺のマクラに大相撲5月20日の白鳳と稀勢の里の熱戦に触れ、ザンネンでしたねと言い、あの稀勢の里は肝心なとこでコロッと負けるのがまた人間らしくていいいですねと「褒めていた」(?)のですが、翌日の鶴竜との相撲にまさにコロッと負けてしまいました。また師匠は相撲行司や呼び出しの声を真似て美声のサービスもしてくれました。

 中入り後に、演じ始めた噺はどうも同じ柳亭市馬師匠が以前鹿児島の高座で演じた「片棒」のようです。後で調べましたら、2012年5月9日の鹿児島市の宝山ホールで開かれた「東西特選落語名人会」で師匠も二番目に出ており、やはりマクラで相撲の呼び出しや相撲甚句で美声を聴かせて会場の観客は大喜びさせ、そのときも自然と盛大な拍手が会場に響き渡っていました。そのとき師匠が演じてたのが「片棒」でした。財を成した大店の旦那が三人の息子の誰を後継ぎにするかを決めるため、彼ら三人を呼んで自分の死後にどのような葬儀を執り行うかを訊くのですが、次男坊が笛、太鼓に踊りや神輿で賑やかに葬儀を行いたいと語る場面で市馬師匠は見事に祭りの雰囲気を作り上げ、さらにサービスに美空ひばりの「お祭りマンボ」の一節を歌いましたから、またまた会場には拍手が響き渡り、観客は市馬師匠ならではの楽しくて明るい「片棒」を大いに満喫していました。

 今回も「片棒」で次男坊の笛や太鼓入りの賑やかに葬儀の語りの部分で前回以上に賑やかな祭りの雰囲気を作り上げ、美空ひばりの「お祭りマンボ」の一節を歌いだすと会場は一斉に手拍子し、その非常な盛り上がりに師匠自身が思わず笑い出すというハプニングもあり、なんとも楽しい高座となりました。






最終更新日  2016年05月23日 17時21分35秒
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2016年04月24日
カテゴリ:落語
 立川志の輔独演会が4月21日に鹿児島市民文化ホールであり、夫婦で楽しんで来たのですが、志の輔師匠がこの独演会で新作落語 「買い物ブギ」のマクラにまず石原慎太郎の著書「天才」に触れ、同書がベストセラーとなったことから、本屋さんの店頭に田中角栄コーナーが出来て、以前出版されていた角栄本があふれ出したとし、さらに若き日の志の輔師匠が目の当たりにした田中角栄について面白可笑しく語り出しましたので、今回そのことを紹介したいと思います。

 私は、石原慎太郎の思想だけでなく彼の小心者のくせに尊大振る人間性も大嫌いで、そんな人物が田中角栄について書いた『天才』にも全く関心がありませんでした。ただし、私にとって田中角栄という人物は金権政治家としてのイメージが強いのですが、その人心掌握術に長けた人間性には前から興味がありました。そんな田中角栄を志の輔師匠がどのように語るのか大いに興味を持ちました。

 田中角栄の懐刀として有名だった人物に元警察庁長官の後藤田正晴がいますが、その次男が後藤田祐輔というそうで、志の輔師匠がまだ明治大学の学生だった頃のバンドやバイクのツーリング仲間だったそうです。その友人(後藤田祐輔、慶応大学出身、本田技研工業に勤務)が結婚したとき、噺家となっていた志の輔師匠は結婚式の司会を頼まれたそうです。

 結婚式の招待者は800名、大概カップルですから出席者は1600人ぐらいにはなるだろうという盛会なもので、名だたる名士や政治家たちが顔を見せ、仲人が新郎の勤務するホンダの本田宗一郎で、主賓が田中角栄と医師会の会長だったとのこと。

 まず仲人としてホンダの創業者の本田宗一郎が挨拶し、自分は仲人を頼まれたが、新郎のことは全く知りませんと言って会場の全員を爆笑させて座を和ませ、つぎにスピーチしたのが主賓の田中角栄だったそうです。

 司会の志の輔師匠が田中角栄から渡された長い巻物を読んで主賓のことを紹介をしている最中に突然アヒルがガーガー鳴くような声がし、そのアヒルが「儂を知らないようなヤツはおらん」と言ってこれまた会場の1600人を爆笑させたそうです。そして後藤田正晴が次男の結婚式に主賓として出席してもらいたいと毎日やってきたので、「国務大臣はそんなに暇なのか、と言ってやりましたよ」と言ったので、またまた会場のみんなを爆笑させたそうです。

 お色直しの最初の話としてホンダの社長がスピーチを始めたとき、この田中角栄が席から突然立ちあがってスタスタと出口に歩き出したそうです。スピーチしていたホンダの社長も気を遣って「先生がお帰りになります」と司会のようなことを言い、田中角栄もドアのところで会場を振り返って手を振り、廊下に出て行ったそうです。

 司会の志の輔師匠は、田中角栄が話の途中で退席をするということは何か手違いがあったのかと心配になり、慌てて田中角栄を追いかけたそうですが、「後藤田祐輔くんの友人で今回の結婚式の司会をしている立川志の輔です」と名乗り終わらないうちに、田中角栄から手を取って「友達かよろしく頼む」と言われ、すぐにこの人の傘下になっても良いと思ったそうです。

 そんな話なんですが、豪放磊落でありながら人心掌握術に長けた田中角栄という人物像が自然と浮かび上がってくるエピソードでありました。






最終更新日  2016年04月25日 16時18分02秒
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2016年02月21日
カテゴリ:落語
柳家喬太郎独演会

 昨日(2月20日)に南日本新聞会館「みなみホール」で「柳家喬太郎独演会」がありました。鹿児島では柳家喬太郎師匠の独演会が今回を含めて6回開かれていそうですが、私たち夫婦には5回目となる喬太郎師匠の独演会でした。今回の演目は以下の通りです。

 柳家喬太郎   宗漢          
 林家たけ平   扇の的  
 柳家喬太郎   お菊の皿 
     (中入り)
 柳家喬太郎   本郷刀屋 怪談牡丹燈籠 其之壱


 今回の独演会の第1席は柳家喬太郎の「宗漢」でした。まくらで、鹿児島ではこの独演会は南日本新聞社が主催しており、いつも同社の社員食堂での食事を楽しみにしているとか桜島の噴火のこと等を話題に出して軽く笑いを取った後、田舎医者の前田宗漢が山向こうの町の大店の娘のために往診に出掛けることになりましたと噺をすぐに本題に入らせます。宗漢は患者から信頼を得るのも医術の一つと、自分のおかみさんに下男のふりをさせて町まで同行させます。娘の治療も無事に済ませ、大店で食事もいただき帰ろうとすると大雨になり、一泊することになります。この大店では来客用の布団がなかったので、宗漢は大店の主人の幼い子どもと一緒の布団に寝ることになり、下男のふりをしたかみさんはなんと大店の下男の権助と一緒の布団に寝ることになります。翌朝早々に宗漢たちが帰って行った後、朝食の席で、大店の子どもが言います。「あの先生、よっぽど貧乏なんだね。ふんどししてなかったよ」。すると権助も相槌を打って「先生の下男にもきんたまがなかったよ」。

 実になんとも言いようのない下ネタ系のお噺で、落語の世界では「バレばなし」と呼ばれる艶笑小噺の一つだそうですが、初めて聴く珍しい噺とはいえ、洒落っ気やエスプリなど全くないこのお噺を聴き終わって、ちょっと首を傾げてしまいました。しかし、権助がなぜ医者の下男が男でないと気付いたかと考えて、エッ、エーッ、この権助さんは同性愛者だったのじゃないか、いまならなんの問題にもならないことが隠されている当時としてはいささか「アブナイ」お噺だったのかもしれないと気付きましたよ。

 第二席は林家たけ平さんが登場し、元気いっぱいにまくらから男女差などの話題で大いに笑いを取ります。女性たちは集まるととても賑やかに会話を楽しみますが、男性たちは集まってもただ黙々と陰気な雰囲気で各人各様の作業にいそしむばかりとの指摘に大いに頷かされました。本題は有名な平家物語中のエピソードから取られた「扇の的」で、源氏と平家の「屋島の戦い」で那須与一が海上の平家の一艘の船に立てられた扇の的を見事射貫いたお噺を滑稽談にしたもので、たけ平さんは随所にくすぐりを入れて笑いを取っていました。なお、この林家たけ平さん、喬太郎師匠の話によると、いまは二つ目ですが来月三月に真打になる予定とのことです。

 第三席は柳家喬太郎師匠の「お菊の皿」。とても有名な古典落語の噺ですが、これを喬太郎師匠風にアレンジして全身を使っての大熱演て、会場は大爆笑につぐ大爆笑の嵐となって、なんとも楽しい一席でありました。 

 このお噺、町内の仲良し三人組が近所の隠居さんの家に番町皿屋敷のことを聞きに行くところから始まります。彼らが旅先の住人から江戸の番町皿屋敷の話を訊かれて、何にも知らないといったため馬鹿にされたとのことなので、隠居さんは彼らに詳しく解説しはじめます。番町に住んでいた青山鉄山という旗本がお菊という腰元に恋をしたという最初の話の部分は古典落語通りに語られますが、鉄山がお菊さんに預けた十枚一組の皿の一枚が足らないことから、彼女を井戸の上に吊るして責めさいなむところから雰囲気が喬太郎師匠の独自世界が展開しだします。青山鉄山がサディスチックに責めさいなみ、お菊さんがマゾヒスティックにもがき苦しむサドマゾの世界を師匠が大真面目に熱演すればするほど会場の笑いの度合いは強まりました。

 仲良し三人組は怖いもの見たさで番町皿屋敷跡に出かけ、幽霊のお菊さんが六枚まで皿を数えたときに逃げ帰りますが、その噂は江戸中にあっというまに大評判となって広まり、沢山の人が詰め寄せ、一袋十個入りのお菊ちゃん饅頭(ただし実際に入っているのは九個のみ)が売り出されるほどの一大興業になったというところから、さらに喬太郎師匠の噺はヒートアップし、皿屋敷跡で昼夜二回開かれるお菊さんのライブショーでは、火の玉を無数に炸裂させ、レーザー光線が賑やかに交差するなかをスポットライトを浴びてお菊さんが井戸から登場し、すっかりその気になったお菊さんにも気合が入り、人気アイドルタレント顔負けの派手なジェスチャーで皿数えを始めます。この喬太郎師匠の大熱演に会場の観客の笑いも弾け飛び、お菊さんショーという不思議世界のライブに参加している雰囲気となりました。しかし、あまりの熱演に予定時間をかなりオーバーし、そのため中入り後の演目は短いものにならざるを得なかったそうです。

 中入り後に新たに高座に上った喬太郎師匠、「お菊の皿」で熱演したため時間配分を間違ったので、最後は短くまとめますと言い訳して始めたのが「本郷刀屋 怪談牡丹燈籠 其之壱」でした。若侍の飯島平太郎が酔っ払った浪人の黒川考蔵に絡まれて切り殺してしまうという牡丹灯籠の前半部分だけをさらっと演じて今回の独演会の幕は降りました。

 しかし、今回の独演会、喬太郎師匠の「お菊の皿」という「狂太郎ワールド」とも言うべき一席に観客と一緒に大いに酔いしれることができて大満足でした。

なお、拙サイト「やまももの部屋」の「十人十席の噺家の高座」のページに今回の独演会で喬太郎師匠が演じた「お菊の皿」のことを追加しておきました。
      ↓
  http://yamamomo02.web.fc2.com/rakugo/kyoutaroutensiki.html






最終更新日  2016年02月23日 17時03分34秒
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2015年07月14日
カテゴリ:落語
志らく

 2015年7月11日に鹿児島市の南日本新聞会館「みなみホール」で「立川志らく独演会」が開催され、私たち夫婦も大いに楽しんで来ました。

 鹿児島市で開かれる「立川志らく独演会」も今回で6回目になり、私たち夫婦は2010年7月25日に開催された第1回目から今回の6回目までずっと聴きに出掛けており、皆勤賞をいただけそうですね。今回の「立川志らく独演会」の演目は、立川らく次「松曳き」、立川志らく「二人旅」、立川志らく「子別れ」の三席でした。


 さて開演で最初に高座に上がったのが予想通り立川らく次さんで、2011年7月17日の鹿児島市開催の第2回目「立川志らく独演会」以来4回目の出演です。南日本新聞の志らく師匠のエッセー「南国太平記」のさし絵を担当しているという関係もあるかもしれませんね。

 立川らく次さんの「松曳き」は、今年5月24日に鹿児島市内の黎明館2階講堂で開かれた「桃月庵白酒独演会」でも聞いており、白酒師匠が登場人物の赤井御門守と家老の三太夫とをともにお馬鹿さんに仕立て、両者の間で繰り広げられる滑稽譚として演じていましたが、らく次さんの「松曳き」では殿様はまともな人物のようで、三太夫の粗忽者振りを際立たせていました。しかし、この殿様も自分に姉などいないのに、粗忽者の三太夫から「殿様お姉上様ご死去」との誤報を伝えられて驚ろき涙するのですから、やはり落語世界の住人のようてす。

 立川志らく師匠の「二人旅」は、まずマクラで師匠自身のネット被害のこと(パソコンがウイルスに汚染され、パソコン、携帯などの個人情報が盗まれ、遠隔操作、盗聴等の被害体験)や、2011年に談志師匠が亡くなり、談志師匠の長女の松岡ゆみこ氏から談志師匠が40年前に購入して暮らしていた東京都練馬区の中古の一軒家の庭には談志師匠が愛した八重桜があり、談志師匠の遺骨の一部がこの樹の根もとに埋葬されていることもあり、弟子の志らく師匠に一億円で買ってもらいたいとの依頼があり、この話を耳にしたテレビ朝日が同テレビ局の『大改造!!劇的ビフォーアフター』にその建物のリフォームの様子を取り上げ放送した顛末を面白可笑しく語りました。

 今回のリフォームでは、老朽化が進んでいる談志邸の改善以外にも談志師匠が大切にしていた資料や着物などの救済や整理も行われ、一部を談志ミュージアムとして完成させ、志らく師匠一家はリフォームの済んだ旧談志邸の借家人として暮らすことになったそうです。

 本題の「二人旅」は、江戸っ子二人が旅の途中で退屈を紛らすために謎かけ、尻取り、都都逸作り等をしながら道中を続ける噺ですが、噺家の腕の見せどころはこの二人の取り留めもないような対話を観客を飽きさせずに聴かせられるかどうかです。謎かけで「火事場の纏と掛けてなんと解く。その心は燃えるほど振られる」といった調子で、都都逸作りでは「道に迷って困ったときは、知らなきゃどこかで訊くがよい」なんて実にくだらなくて、志らく師匠は見事にこの道中噺に江戸の風を吹かせていましたよ。

 中入り後に志らく師匠は「子別れ」を演じました。この人情噺は上・中・下の三部構成であり、通常は上の「強飯の女郎買い」を省き、中の「子別れ」と下の「子は鎹(かすがい)」を合わせて演じることが多いのですが、今回は志らく師匠がこの人情噺全編をしっとりと語り、ときどき八百屋のおやじを唐突に登場させて笑いを取る以外は会場の観客も静かにしんみりと聞いていました。

 なお、今回の独演会について拙サイト「やまももの部屋」の「十人十席の噺家の高座」に追加しておきました。
          ↓
  http://yamamomo02.web.fc2.com/rakugo/shirakubusyoudoko.html






最終更新日  2015年07月17日 08時08分23秒
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2015年05月24日
カテゴリ:落語
白酒

 今日(5月24日)に鹿児島市内の黎明館2階講堂で桃月庵白酒独演会が開催されましたので夫婦で楽しんできました。

 白酒師匠と言えば、 評論家の広瀬和生が「羊の皮を被った狼のような落語」と評していますが、その魅力の一つが毒気ですね。白酒師匠の自著『白酒ひとり壺中の天 火焔太鼓に夢見酒』(白夜書房、2013年9月)125頁に、同じ早稲田の落研出身の柳家甚語楼と二人会などをやっていた頃、マクラで「ざっくばらんに好き勝手に、愚痴と腹の立った話題をただ羅列していただけ」だったそうですが、甚語楼から「空気が悪くなる」と言われ、「毒のあり過ぎるマクラをちょっと変えてみるか、そんな感じで、愚痴話をちょこっと変化させてみたのです。マイルドなアイロ二ーに変えるというか、言い方を工夫してみました」と書いています。

  私も、白酒師匠のずんぐりむっくりした福々しい外観の高座から繰り出される意外な毒気が何とも言えず大好きなのですが、今日の独演会にもその毒気が充分に発揮され、大いに満足させられました。例えば今回の独演会の主催者の方々に感謝の意を表しながら、渡された濡れタオルがキンキンに冷やされており解くのが大変だったとか、借家の相場が場所の人気の有無によって違いがあり、例えば鹿児島ならほぼ同じ場所でありながら「玉里」と「伊敷」とではイメージが違う、と言って後は言葉を濁したり、さらに高崎山の猿の赤ちゃんの愛称を「シャーロット」とするときに英国大使館に問い合わせたが、「きっと大使館から見たら猿と日本人の区別なんかつかないだろう」と毒気が炸裂し、会場は大爆笑でした。

 さて私個人のもう一つのお楽しみは、最初のマクラを聞いて本題の演目を予想することなんですが、世間にはいろいろな職業があると言って、医者でも切った貼ったの外科医と相手の話を聞くことが主となる内科医では随分違うと話し出したときは、ははん「代脈」当たりかな、しかし「代脈」は3年前に白酒師匠がすでに演じていたはずだから、「夏の医者」かもしれないなとあれこれ推測していましたら、これが床屋の待ち時間に文字を読むのが不確かな男が手にしていた読み本の『太閤記』を読まされて四苦八苦する「浮世床」だったり、マクラで借家の場所による相場の話にはいささか戸惑っていると本題は「お化け長屋」でした。確かに長屋の空き家を無断利用している長屋の住人たちとその空き家を借りに来た人物たちとが繰り広げる滑稽譚ですからマクラと本題とは繋がっています。

 さて、中入り後に高座に上った白酒師匠がまずマクラで語り出したのが先ほど紹介したお猿の愛称「シャーロット」なのでね、これも本題の推測が付きませんでしたが、戦国時代のような戦乱の時ならカリスマ性のあるリーダーが求められるが江戸時代のような平和な時期には「あっ、あそこに蝶々が」といった感じの殿様でも構わないと来たので、もしかしてどこかネジが何本か抜けている赤い御門の守と家老の三太夫が出てくる噺が本題かと推測しますと、これはびったしカンカン、なんともお馬鹿な殿様と家老の両者の間で繰り広げられる滑稽譚「松曳き」でした。最後は見事に当てたので「余は満足じゃ」でございました。

 なお、拙サイト「十人十席の噺家の高座」にアップしていました「桃月庵白酒」に今回の独演会のことを加筆しておきました。
   ↓
 http://yamamomo02.web.fc2.com/rakugo/hakusyunedoko.html







最終更新日  2015年05月26日 10時39分16秒
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2015年04月25日
カテゴリ:落語
志の輔

 昨日(4月24日)は鹿児島市民文化ホールで立川志の輔独演会があり、夫婦で大いに楽しんできました。

 独演会の幕が開くと最初に立川志の輔師匠のお弟子さんの立川志の麿さんが「つる」、立川志の太郎さんが「元犬」を演じ、その後に立川志の輔師匠が高座に上り、まず「スマチュウ」を演じ、中入り後に「江戸の夢」を演じました。

 立川志の輔師匠の「スマチュウ」は、まくらのネタに首相官邸屋上に落下したドローンのことや北陸新幹線の富山開通のことなどを取り上げて軽妙に笑いを取り、つぎに志の輔師匠が故郷の富山に飛行機で公演に出かけたとき、悪天候のために到着空港が変更になり、出迎えの女性スタッフが大わらわとなって途中のコンビニでスマホを雪の中に落したが、お弟子さんが着信させて発見したというハプニングを面白可笑しく語って観客を大爆笑させた後、本題の新作「スマチュウ」に入っていきました。

 新作「スマチュウ」の意味はスマホ中毒のことで、ネジ工場社長のところに大学生の甥が卒業旅行の費用を借りに来るのですが、この甥が会話している間ずっとスマホをいじっており、こんなスマホを肌身離さず常に持って操作している甥の態度に社長が腹を立てて叱り出します。ところがこの社長がどこかに置き忘れていたスマホを奥さんに見つけられ、奥さんに隠れて付き合っている女性からのメッセージを読まれて大慌てするという噺です。オチは社長がスマホは肌身離さず常に持つべきだと実感させられるというものですが、現代社会に無くてはならなくなったスマホを主題にしたなかなかの傑作でした。

 中入り後に高座に上った志の輔師匠は、がらっと雰囲気を変えて時代物の人情噺「江戸の夢」を語り出しました。この噺は六代目三遊亭円生が高座に掛けていたものだそうです。庄屋の娘のおはるが奉公人の藤七が好きになり、母親は氏素性も判らない藤七を婿にすることに反対しますが、父親の庄屋は気立ては良く、よく働いて品性も良い藤七ならと祝言を挙げさせます。その後、庄屋夫婦は江戸見物に出掛けることとなり、藤七から彼が大事に育てていたお茶の木から作ったお茶の葉を浅草の奈良屋に寄ってその出来栄えを鑑定してもらいたいと依頼されます...。

 なお、この「江戸の夢」は、元々は宇野信夫が昭和十五年(1940年)に六代目菊五郎と初代吉右衛門のための歌舞伎として書いたもので、昭和四十二年(1967年)に宇野自身の手で圓生のために落語化されたものだそうです。







最終更新日  2015年04月25日 17時47分21秒
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2014年07月12日
カテゴリ:落語
志らく師匠

 今日(7月12日)、南日本新聞会館みなみホールに「立川志らく独演会」を聴きに出かけました。今回の鹿児島での志らく師匠の独演会は5回目とのことですが、私たち夫婦は2010年7月25日に開催された第1回目から今回の5回目までずっと出掛けており、皆勤賞をいただけそうですね。

 さて開演で最初に高座に上がったのが立川らく次さんで、自己紹介で南日本新聞の志らく師匠のエッセー「南国太平記」のさし絵を担当していますが、ご存知でしょうかと観客に問いかけ、最初に妻が盛大な拍手を送り、つられて会場から三分の一近くの人から拍手が聞こえてきました。志らく師匠の独演会に参加したお客さんたちなのに、案外「南国太平記」のことは知られていないようですね。

 らく次さんの噺は、長屋の連中が集まり、大家から長屋のみんなが呼び出しを受けたが、店賃の催促だろうかなどと大騒ぎする場面から始まります。さては今回の噺の演題はお馴染みの「長屋の花見」かなと推測しましたら、どうもそうではないようです。子どもたちが普請場で砂遊びをしていた時に大家のせがれが黄金の大黒さまを掘り出し、めでたいことなので大家さんが長屋のみんなを集めてご馳走を振舞ってお祝いしたいとのこと。どうも噺は「黄金(きん)の大黒」のようですね。大家の言うことには、長屋のみんなが大家の家に羽織を着て行って、口上を述べてくれとのこと。貧乏長屋のことですから羽織など持っている住人などいるとも思えず、また大騒ぎになりますが、一人だけ羽織を持っているとのことなので、それを順番に来て大家の家に口上を言いに出掛けようと相談がまとまりますが、またまた口上の内容でどうすればいいかと大騒ぎになるという毎度馬鹿馬鹿しい滑稽譚でした。

 次に志らく師匠が高座に上がり、まずマクラで記者会見の時に号泣して世間の度肝を抜いた野々村県議の話から入りましたが、この話題が話題だけに笑いの弾けっぷりが強烈で、その後にマクラのネタとして次々と繰り出される「STAP細胞はあります」の小保方晴子ネタ、ゴーストライター問題の作曲家の佐村河内守(さむらごうち まもる)ネタ、議会のセクハラ野次ネタ、談志ネタ、サッカーW杯ネタ、集団的自衛権ネタ等も大爆笑の連続でした。例えば、もし疑惑を受けた小保方晴子のキャラクターと佐村河内守のキャラクターが逆だったら、世間の反応も「あのやろう、けしからん奴だ」と「いいよ、いいよ許してあげる」と真逆になっていただろうには大笑いしました。

 なお、志らく師匠のマクラに集団的自衛権問題が出てきて、いまの憲法はGHQが無理矢理日本に押しつけたと言う人がいるが、それは間違いで明治に出来た日本帝国憲法が成立する前に千葉卓三郎と植木枝盛の二人がすでに今日の平和憲法と同じような憲法草案をこしらえていたという真面目な話題を語り出しましたので、いささかびっくりしましたが、志らく師匠の話によると師匠は「ドキュメンタリー映画『太陽と月と〜私たちの憲法の人々の情熱〜』にナビゲーター役で出演したときにその知識を得たとのことです。
            ↓
    http://www.taiyoutotuki.info/
 

  
 でも流石は噺家志らく師匠です、何も知らないで出演者の一人としてこの映画の上映会で突然スピーチを頼まれ、会場は左翼の人々で満席で会場の外には右翼が抗議にどっと押しかけている状況を見て、つい鶴田浩二のマネをして「右も左も真っ暗闇でござんす」と言ってしまって会場をドッチラケ状態にしてしまったと言って最後は笑いを取っていました。

 今回の独演会は、マクラでの跳ね飛んだ大爆笑に続けて談志師匠十八番の「やかん」へと続きましたが、この世に知らない ものはないと広言する隠居が長屋の八五郎からゾウの鼻はどうして長いのかと聞かれたときに「ゾウさんの歌」があるがあれは実際には「小ゾウ(ショウゾウ)さんの歌」だと言い出し、突然「小ゾウさん、小ゾウさん、おハナシが下手なのね、そうよ弟も下手なのよ」と歌い出しましたので、初めきょとんとしていた会場の観客たちも「そうよ弟も下手なのよ」で一斉にどっと爆笑しました。あの兄弟には気の毒ですが、落語ファン共通の認識になっているのですね。

 中入り後には志らく師匠が初めて高座に掛けたという「藪入り」をしんみりと聞くことができました。この噺、三代目三遊亭金馬の十八番だったとの紹介がありましたが、私も子どものころに金馬師匠のこの噺をラジオで聞いており、金馬師匠の落ちは父親の言葉「ネズミの懸賞で取ったって。上手くやりゃがったな。主人を大事にしろよ。忠のおかげだから」でしたが、志らく師匠は父親が子どもの頬っぺたに口を近づけ、「チュウ」と擬音を発して終わらせいています。

 この日、独演会開幕前に会場で志らく師匠の著作が販売されており、購入したら独演会終了後に志らく師匠にサインしてもらえるとのことでしたので、『銀座噺 志らく百点』(講談社、2013年11月)を購入し、著者の志らく師匠にサインしてもらいました。サイン会では、高座から下りたばかりの師匠の額にはまだ汗がうっすらとにじんでいましたが、サインのみならずしっかりと握手までしてもらいました。そのとき師匠に、今夜の独演会のことはフェイスブック(ありがたいことに友達承認してもらっています)にも書いておきますと伝えました。見てもらえたかな。






最終更新日  2014年11月28日 18時46分49秒
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2014年02月23日
カテゴリ:落語

今日(2月23日)、南日本新聞会館「みなみホール」で「柳家喬太郎独演会」がありました。

 柳家喬太郎師匠のこの独演会、私たち夫婦にとって去年の9月の鹿児島特選落語名人会以来久しぶりに聴く落語の高座であり、また今年初めての落語の独演会ということもあり、とても新鮮に感じられ、大いに楽しむことができました。

 独演会の最初から喬太郎師匠が高座に上がり、古典落語としてお馴染みの「松竹梅」をまず演じました。この噺、長屋の松さん、竹さん、梅さんが三人揃うと「松竹梅」でめでたいと出入り先のお店のお嬢さまの婚礼に招かれるところから始まる滑稽譚です。ご隠居さから余興として「なったあ、なったあ、蛇(じゃ)になった、当家の婿さん蛇になった、なんの蛇になぁられた、長者になぁられた」との言い立てを謡(うたい)の調子で割りゼリフで言えばいいと教えられ、ろくに練習もせずに婚礼に出席しものですから、最後の「長者になぁられた」のセリフ部分を担当した梅さんがその肝心の部分がなかなか言えず、苦し紛れになんと「亡者になぁられた」と言ってしまうというお噺です。

 次に高座に上ったのが柳家喬之進さんです。去年の「柳家喬太郎独演会」でもこの噺家さんの「粗忽の使者」の高座を聴きましたが、今回は「天狗調べ」で、男が見た夢の話を妻や隣人、大家、奉行のみならず鞍馬山の天狗まで聞きたがるという人間の「知りたがる性(さが)」を巧みに描いた古典の傑作です。

 三席目にまた喬太郎師匠が高座に上がり、去年には聴けなかった新作落語の「白日の約束」を演じました。なお「白日」とはホワイト・デーの意味で、もてない男が初めてバレンタイン・デーで彼女からチョコレートをもらったにもかかわらず、3月14日のホワイト・デーにお返しのプレゼントをすることをすっかり失念していたことから始まる今風ドタバタ喜劇の新作落語です。男は彼女から「約束を忘れていたの」と聞かれ、その約束がてっきりホワイト・デーのお返しのことと勘違いするのですが、歴史好きの歴女の彼女が3月14日に彼と約束していたのは忠臣蔵でお馴染みの赤穂藩主の浅野内匠頭の命日に泉岳寺にお参りすることだったのです。この歴女の徹底した歴女振りとそれに戸惑う男のすれ違い会話に観客は大笑いしていました。

 中入り後に高座に再び上がった喬太郎師匠が演じた噺は、先ほどの「白日の約束」とはがらりと変わった不気味で重たい雰囲気の「雉子政談」でした。この噺の原作は小泉八雲の「雉」だそうで、農家の嫁のお里の夢に3年前に亡くなった義理の父親が出てきて、「近々恐い思いをするから助けてほしい」と頼むところからこの話は始まります。こんな夢を見た嫁のお里は、猟師から追われて逃げ込んだ雉子(きじ)を義理の父親の生まれ変わりと思って助けますが、なんと帰って来た夫がこの雉子の首を折って無残に殺してしまいます。この噺、急に不気味な雰囲気を醸し出し、夫のこれまで見せたことのない隠された残忍さに気付いた妻は家を逃げ出し、庄屋の家に駆け込み、さらに夫の残忍な行為は代官の知るところとなり捕まってしまいます。取り調べの結果、この夫が過去に様々な凶悪な悪事を働いた盗賊と判明します。過去に犯した罪状が暴かれた男は、自分を捕まえた人物たちを末代までも祟ってやるぞと叫んで首を切られますが、この男の姿に鬼気迫るものがあり、背筋がぞっと寒くなります。

 喬太郎師匠の多才にして多彩な芸風を大いに満喫した今回の独演会でした。







最終更新日  2014年02月24日 04時39分20秒
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