台湾の総統選挙と立法院選挙
毎日新聞2016年1月17日の東京朝刊に「総統に蔡氏 8年ぶり民進政権 対中融和見直し 」と題された記事が載りました。 ↓ http://mainichi.jp/articles/20160117/ddm/001/030/137000c 同記事によりますと、台湾の中央選管の最終開票結果はつぎのようになりました。 蔡英文氏 6,894,744(56.12%)=民進党 朱立倫氏 3,813,365(31.04%)=国民党 宋楚瑜氏 1,576,861(12.84%)=親民党 蔡英文氏は16日夜に記者会見し、「台湾人は1票で歴史を書き換えた」と勝利宣言したそうです。また同時実施の立法院(国会、定数113)選挙でも、民進党が68議席と大勝し、同党は初めて単独過半数を獲得し、国民党は64議席から35議席に大幅減したとのことです。 なお、争点の対中政策を巡って蔡氏は「現状維持」を掲げていますが、ただ民進党は、中国と国民党が交流の基礎に位置づける「一つの中国」の原則を確認したとされる「1992年合意」を認めておらず、もし今回の選挙結果を背景に民進党政権が「92年合意」に対して否定的な姿勢を続ければ、「中国が一転して強硬な対台湾政策を実行に移す可能性があり、台湾海峡を挟んで中台が緊張することも考えられる。一方で、求心力を増す蔡氏を相手にする中国は、民進党政権が長期化する可能性を見据え、台湾政策の再検討も迫られそうだ」としています。 また毎日新聞のサイトの2016年1月17日00時48分に「歓喜の声を上げる民進党支持者たち」と題された記事が載りました。 ↓ http://mainichi.jp/articles/20160117/k00/00m/030/148000c 同記事によると「立法院(国会、定数113)選挙(小選挙区比例代表並立制)では、民進党が現有40議席から68議席に躍進し、悲願である初の単独過半数を確保した。国民党は64議席から35議席と大幅に数を減らした」とし、「今回の選挙では、長年続いてきた国民党、民進党の2大政党に対し『第3勢力』と呼ばれる新政党が存在感を示したのも大きな特徴だ。学生運動参加者らが結党した新政党『時代力量』は初参戦ながら5議席を確保した。一方、李登輝元総統を精神的指導者に仰ぐ台湾団結連盟(現有3議席)は議席を失った 」と報じています。 そして、「14年春の対中経済協定に反発した学生運動を経て「公民意識」が社会に広がり、多くの学生や社会運動団体が政党を結成して政治に参加し始めた。比例の政党数は過去最多の18に上った。王業立・台湾大教授は「以前の小政党は『統一』『独立』といった路線の違いを背景に、国民党から分離した。新興政党は対中協定反対や環境保護といった目標から出てきたので全く異なる」と分析し、「時代力量は1987年の戒厳令解除後に生まれた若者らが多く、民進党よりも独立志向が強いとされる。国民党の馬英九政権の対中融和路線に反対する立場が一致した民進党と時代力量は、一部選挙区で選挙協力した。 /時代力量は民進党への対応について、政策ごとに是々非々で臨む姿勢を示しており、民進党政権の『監視役』になる可能性もある」としています。