テーマ:司法書士試験(463)
カテゴリ:講義一般
昨日の、W横浜校の講演会でお話ししましたが、本年度の司法書士試験の午前の部29問は、没問になる可能性があります。
問題文 商法H21-29-オ 監査役会設置会社である甲株式会社(以下「甲社」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。 オ 甲社が会社法上の公開会社でない場合において,甲社の株主が株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるために,裁判所に対して検査役の選任の申立てをしようとするときは,定款に別段の定めがある場合を除き,当該株主は,株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く甲社の株主の議決権の100分の1以上の議決権を有するものでなければならない。 出題ミスと考える理由 出題者の意図は、「○」と考えられますが、この肢は、以下の理由で「×」であり、その結果、今年の商法29問は「答えのない問題」となると思います。 ×であると考える理由 1、 設問の会社は、監査役会設置会社である。 2、 したがって、取締役会設置会社でもある。(会社法327条1項2号、2条7号) 3、 出題の根拠となった会社法306条1項は、取締役会設置会社にあっては、同条2項後段により、1項中「株主総会において決議することができる事項」が「第298条第1項第2号に掲げる事項(株主総会の目的である事項)」に読み替えられる。 したがって、オの肢を「○」とするためには、設問の太字部分は、「株主総会の目的である事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く」と出題すべきである。 しかし、「株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く」と出題されたのだから「×」であろうと考えられます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.03 07:44:32
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