前回、強盗・強制性交等罪までお話ししましたが、その行為により人を死亡させる罪が、強盗・強制性交等致死罪(刑法241条3項)で、死刑または無期懲役の厳罰となります。
旧刑法の、強盗強カン致死罪は、強盗強カン罪の結果的加重犯でありまして、犯人に殺意がある場合には成立しませんでした(強盗殺人罪と強盗強カン罪の観念的競合となった)。
しかし、改正刑法の強盗・強制性交等致死罪は、犯人に殺意がある場合にも成立します。
犯人に殺意があった場合には、その罪を強盗・強制性交等殺人罪という名称で呼ぶことになる可能性もあります(まだ、はっきりしない)。
また、犯人に殺意があったが、殺害に至らなかったときは、強盗・強制性交等致死未遂罪(あるいは、強盗強制性交等殺人未遂罪)が成立します。
上記の点、及び過去2回の法改正情報に関してオートマ刑法第4版に誤った記述があります。
どうぞ、ご注意をお願い申し上げます。
以下、早稲田経営出版の訂正表のページにリンクをします。
早稲田経営出版訂正表
おわびして訂正申し上げます。
なお、強盗・強制性交等の行為によって被害者にケガをさせた場合には、強盗・強制性交等罪となります。強盗・強制性交等致傷罪なる罪名は存在しません。
この点は、旧刑法に、強盗強カン致傷罪がなかったことと同じ取り扱いです。