気のむくままに徒然日記

2022/06/22(水)10:11

太田記念美術館「北斎とライバルたち」

絵画・音楽鑑賞(85)

先日、「北斎とライバルたち」展を観に太田記念美術館に行きました。 太田記念美術館は、東京原宿にある浮世絵専門の美術館です。 11時から企画展のスライドトークが開催されることを知り、それに合わせて行きました。 開館時間の10:30より受付で整理券配布とのことで、開館10分前に着いたのですが、すでに行列ができていました。改めて「北斎」人気を実感しました。 今回の展覧会は北斎の作品のみならず、同時代に活躍した絵師たちの作品を並べ、お互い影響し合った作品を比べて鑑賞するという趣向を凝らしています。 例えば、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」に対し、歌川広重も「冨士三十六景」を描いています。同じ場所を描いた絵でも広重の「リアル」に対し、北斎の「デフォルメ」、並べてみると面白いものです。後に歌川国芳も「東部富士見三十六景」を描いています。 また、北斎は19歳で勝川春章に師事し、役者絵を志すも上手くいかず辞めてしまいます。北斎も上手くいかなかったことがあることを知り、人間味を感じました。その後に出てきたのが東洲斎写楽。北斎と写楽は同一人物という説もありますが、どうも違うようです。 今回とても印象に残っているのが、北斎の肉筆画「見立て式三番」という三枚の美人画です。他の絵師の似た作品と並んで展示されていましたが、私は北斎の絵がダントツで美しいと思いました。北斎の花魁図も素晴らしかったです。 また、地図のように高い視点から見た「房総海陸勝景奇覧」は、本当に細部まで描きつくした驚異的な作品です。ちなみに、北斎の前にこのように上空から眺めたような鳥瞰図を描いた鍬形蕙斎は、「北斎はとかく人の真似をなす」と言ったそうな・・・。 北斎が70歳の時、30歳の歌川国芳が「水滸伝」で勇ましい武者絵を描いていました。そんな時、若者に刺激されたのか(?)、北斎も武者絵に挑戦しています。 今回の展示で、北斎は様々なジャンルの絵に挑戦し実績を残していることに驚きました。 改めて北斎の偉大さを感じました。 この展覧会は、6月26日まで開催されています。 興味のある方はぜひご鑑賞ください。 ●太田記念美術館 ​http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/​

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