気のむくままに徒然日記

2024/09/23(月)09:50

出光美術館「物、ものを呼ぶ ― 伴大納言絵巻から若冲へ」

絵画・音楽鑑賞(86)

先日、出光美術館へ「物、ものを呼ぶ ― 伴大納言絵巻から若冲へ」を観に行きました。出光美術館は帝劇ビル建て替えのため、今年いっぱいで休館してしまいます。そこで、この一年間で所蔵の名品を順次公開しています。 今回は、国宝「伴大納言絵巻」が展示されるということで楽しみにしていました。当日は、10時30分から学芸員による列品解説があるので、それに合わせて行ったのですが、参加者が多すぎギャラリートークは不可能とのことで、最初に見所の紹介があり、あとは自由鑑賞となりました。 その時に「物、ものを呼ぶ」の意味が説明されました。この言葉は、出光美術館の創設者・出光佐三氏が、交流の深かった陶芸家・板谷波山から語られた言葉だそうです。 「何らかの理由で別れ別れになっている作品でも、ひとつに愛情を注いでいれば、残りはおのずと集まってくる・・・」 蒐集家の心得だそうです。 出光佐三氏のコレクションは、仙厓の「指月布袋画賛」から始まり、まさしく「物、ものを呼ぶ」ことで、様々なジャンルにおよぶ出光美術館のコレクションは作られていったそうです。 入口でひときわ目を惹いていたのは、伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」、細かい方眼の線を引き、一つひとつの升目に色を入れて大きな絵に仕上げる枡目書きの大作です。 気の遠くなるような細かい作業、素晴らしいです! 仙厓の「双鶴画賛」と伊藤若冲の「群鶴図」、鶴の画が並びます。 酒井抱一の「風神雷神図屏風」も展示されていました。 また、酒井抱一作「十二ヶ月花鳥図」の屏風と掛け軸、2セットが展示されていました。元々1セットを所蔵していたのですが、最近1セットを入手したそうです。 文人画も最初は、田能村竹田の作品から始まり、池大雅、与謝蕪村、浦上玉堂、谷文晁と錚々たる作家の作品です。 そして、第3展示室には、国宝「伴大納言絵巻」がショーケースの中に展示されていました。平安時代に制作された絵巻をじっくり観ることができ、感慨深い思いでした。 桃山時代の狩野派作「祇園祭礼図屏風」や江戸時代の「江戸名所図屏風」など、様々な作品を観ることができました。 この展覧会は、10月20日まで開催されています。興味のある方はぜひご鑑賞ください。 ●出光美術館 ​https://idemitsu-museum.or.jp/​

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