2006/05/31(水)07:27
嘘と本当
司馬遼太郎先生の対談集にインスパイアされた話です。
学校の歴史や国語の時間には、万葉集や古今和歌集なーんて宮廷文化ものしか習わないですが、庶民の歌謡集もちゃんとあって例えば「閑吟集」や「梁塵秘抄」というものもあります。
非常に乱暴な言い方ですが、宮廷ものはテクニカルで、「もののあはれ」を表現するために嘘をいっぱいつく...。
行ったことがないところのことを歌うとか...。
一方、庶民ものはストレートで、自分の身の回りのことを生き生きと歌っています。
現代人の感覚からしても、「そんなことまで歌うの?」というのもあります。
嘘が少ないんですね...。刹那的と言うか...。
どちらが、優れているということもなく、要はバランスだと思います。
どちらか一方だけだと「語ったこと」にはならない...。
「宮廷ものしか教えない」だけじゃない...、この類のものは学校教育にはたくさんあって、その「成果品」である僕は、或る意味「創り手」さらには社会人としての勉強が足りなかったんではないかなんていうことも頭をよぎります(笑)。
今更、何言っても無駄なんですけどね...(苦笑)。
僕は基本的にはインスト志向のギタリストですが、和歌や漢詩、歌謡からインスパイアされることも多いです。
「嘘のつきかた」と「本当のことの言い方」なんて、まさにインプロ時の気持ちの持ち方に通ずるものがあります。