2008/04/08(火)19:41
ラブレター
石井ゆかりさんの『星なしで、ラブレターを。』を読んだ。
まるで暖かいしとしと雨に打たれているような気持ちになる。
雨に打たれているのに、私は傘をさそうとは思えなくて、ただただこの雨に打たれていたくなる。
そのうち雨で濡れているのか、涙で濡れているのか、訳が分からなくなるのに、私はずっと雨に当たっていたいのだ。
しっとりと質感があって、重みがあるから、容易にさくさくとは読めない。
口の中でその言葉をつぶやいて、頭の中で響かせて、反芻するように大切に味わいたい。
ページがひとつひとつ重いのに、最後まで読まずにはいられない。
読み終わっても、何かまだ言葉を反芻したくなってしまう。
「長所」と「手紙」で背中を押された気がして、ある人に直筆の手紙を書いてしまった。
最後に直筆の手紙を書いたのはいつだったか…思い出せないくらい前だ。
それくらい、パソコンでの清書やメールばかりだったのだ。
書き始めたのは昨日の夜。
自分の思いはあふれんばかりなのに、何を書きたいのか分からないものになり、ボツ。
今朝の通勤電車で下書きし直し、喫茶店でコーヒーを飲みながら清書して、昼休みに投函。
長文になりがちの自分にしては珍しく、短く収めた。
本当に伝えたいことに収めたつもりだ。
どうか風雪に耐え得る長い命を持つメッセージでありますように。
私が見つけたその人の長所が、その人にとって価値ある喜んでくれるもので、先のその人を励まし続けるものでありますように。
ただそう願う。
書き終わっても投函しても、まだ胸がきゅっとしているのだけどね。