やまのみず　お笑い　コント

「乾物が旨い。」


こう書くと、文字からも加齢臭がしてきそうだが、若干ニュアンスが違うだろうか‥

「ドライフルーツが旨い」
のだ。

今回お客さんからの差し入れで、パインとマンゴーとアプリコットの「ドライもん（物）」を頂いた。

なので今、口に暇さえあればそれらを、「なま物」へと復元する作業をしているのだ。


いやぁ、旨い‥

昔なんて、ドライフルーツにする意味も、旨味も解らなかった。

しかし、こう自身がだんだんと乾物に近い存在に成ってくると‥妙な親近感？が湧いたり‥共感を覚えたり‥忘れたり‥
してくるものだ。

干され方にもやはり、生き方が滲んで見える‥。


あぁ、日照条件良かったのだなぁ‥

あぁ、農夫の愛情いっぱいなのだろなぁ‥

あぁ、これはもがれ方が痛々しいなぁ‥

あぁ、生産ノルマに追われ、イライラしていたのかなぁ‥


まぁ、思い込みの域は決して越えやしない。


フルーツとしては、新鮮で、もぎたてのみずみずしさを人々に、味わって貰いたかったのだろうか‥。

「嫁にいき遅れた‥」

いやいやいや、そんな風な勘違いをしては、まさに、お門違いだろうな。


生まれながらにして、「ドライもん」として運命付けられた果物なのだ。

生き様が凝縮され、より濃く、より深く、より旨い‥

しかも、甘く、白い、砂糖の薄化粧なんかしちゃって‥お茶目じゃないか。


そうしてある種、虜と化してしまった僕の口は、休む暇も無く「ドライもん」を食べ尽くしてしまっていた。


オーバーかもしれないが

「こんな味のある人間に成りたい」

そう、果物から学んだ。

まぁ、オーバーの域を越えやしないが‥
いや、逆に、越えてるのか‥
オーバーオーバーか‥


若干自然に帰せた感謝の念を抱きながら、品質表示を見てみた。


〇品名 パイン
〇内容量　４０ｇ
〇原材料名 パイン、砂糖、漂白剤（亜硫酸塩）
〇原産国　タイ
〇開封後はお早　‥ん？

‥‥

ひょっ、漂白剤！！？

しかも、亜硫酸塩！？

実体はよく知らないが、亜硫酸！！？

小学校で昔習った、日本４大公害を引き起こした物質で「亜硫酸ガス」ってあった気がしたけれど‥

その仲間っ！！？？


大丈夫っ‥？


完食してしまったから仕方が無い‥


あーぁ‥魅惑のドライフルーツ
綺麗なバラには刺がある

そんな感じだろうか‥？


「乾物」もやはり、「鑑物」して食べなきゃならない。


‐みずのしま‐